堀越先生、10年間お疲れさまでした。様々な感動や思いを見せてくれてありがとうございました!
今回は2話投降です!どうぞ!
中学生最後の夏休みも終わり季節は夏から秋になっていく。読書・食欲・スポーツ・芸術の秋など様々な事がやりやすい季節である。そんな多様な季節のなか擬魅は多古場海浜公園に訪れていた。なぜここに訪れたかというと目的は緑谷に会うためである。その理由は緑谷がオールマイトからOFAを継承したあと、入学までにOFAを上手く使えるように教えるためである。まあそのためには雄英は絶対合格しないといけないのではあるが…。
擬魅「(普通に考えて腕や指を毎度毎度大怪我されるのなんかあれだしなぁ…ちゃんと扱えた方が後々メリットがデカいしな)」
そう思いながら擬魅は海浜公園の遊歩道を歩きながら砂浜の方へ顔を向ける。そこに広がっている景色は不法投棄されたゴミの山、山、山ァっ!もともと海流の影響で漂着物が多い場所であるため、そのことに付け込んだ者たちがゴミを不法投棄しまくったせいで、今では地元の住民でさえも近づかない場所になっている。そんなゴミの山を見ながら歩いていた擬魅はそのゴミの山の近くで動いている人影を見つける。
擬魅「(あれか…?)」
擬魅の視線の先には薄水色のジャージを着た少年と、金髪で背が高くトレンチコートを着た人物がいた。そう、緑谷とオールマイトである。緑谷はせっせとオールマイトが用意した軽トラにゴミを運び、オールマイトはその緑谷を見守りながら時どき檄を飛ばしている。
オールマイトの個性OFAの継承と、雄英の入試合格に向けて頑張っている緑谷とオールマイト。しかしここで2人を見つけたのはいいのだが、いざ声を掛けようと思うとどう声を掛けたらいいのか今更ながら思ってしまった。
擬魅「(普通に挨拶をしながら声を…いや、そもそもここは地元住民でさえ寄り付かない場所だ。そんな場所にわざわざ来て声をかけるなんて変じゃないか?いや、散歩がてら…こんなゴミがある場所に行かねぇよ。俺だったらほぼ行かねぇ…うーん……)」
近くにあったベンチに座ると目をつむって腕を組み、あーだこーだと考えていると擬魅は声を掛けられた。
「大丈夫かい?そんなに考え込んでどうしたんだい?」
擬魅「えっ?」
擬魅が顔を声がした方へ顔を向けると、そこに居たのはまさかの人物であった。
擬魅「おっる!?…ゔぅん!」
「だ、大丈夫かい…!?」
擬魅「ゴホゴホッ…!大丈夫です。少し
予想外のことに心臓がバクバクと鼓動する。そう、声をかけてきたのはトゥルーホーム状態のオールマイトであった。擬魅がどうして声を掛けてきたのか理由を聞くと、どうやら擬魅がなにかしら重い悩みを抱えているのではないかと思い声を掛けたらしい。
擬魅「すいません。勘違いさせちゃって」
オールマイトとの勘違いとはいえ、緑谷とオールマイトに近づくきっかけが出来た擬魅。彼はこのチャンスを逃さず会話を続ける。
擬魅「ところで…あれはもしかしてゴミを片付けているんですか?」
擬魅「へぇー。…この時期にしてるってことはもしかしてヒーロー受験ですか?」
擬魅「そうなんすね。じゃあ俺と同じだ」
擬魅「ええ、俺もいま雄英合格にむけて頑張ってる最中でして」
会話によってぎこちなさがなくなると、擬魅はもう一歩近づくため話を変えていく。
擬魅「ところで話は少し変わるんですが…あ、自分は擬魅白郎っていいます」
擬魅「よろしくです八木さん。とろこで八木さんってヒーロー関係者なんですか?」
擬魅「いえ、八木さんが面倒を見てる彼。雄英のヒーロー科受けるんですよね?ヒーロー科受験に対して手助けが出来るってことは何かしらヒーローの仕事に関わっているのかなって?」
擬魅「へぇー。……八木さんもしよかったらなんですけど自分もここでゴミの片づけの手伝いとかしてもいいですか?」
擬魅は思い切った提案をオールマイトにする。一瞬、オールマイトは驚くが顎に手を当てて考えを巡らせる。
オールマイトは熟考のうえ擬魅の申し出を快く受けたのであった。話がまとまるとまず初めに擬魅は緑谷に自己紹介をした。
擬魅「初めまして。俺は出須多中学3年の擬魅白郎!よろしく!」
緑谷「どど、どうも初めまして!ぼ、僕は折寺中学3年の緑谷出久!よろしくね擬魅くん!」
擬魅「お互い雄英志望頑張ろうな!」
緑谷「え、擬魅くんも雄英志望なの!?」
擬魅「え…あーそうか。これ話してたの俺と八木さんだけだったしな」
緑谷「八木さん…?」
擬魅「?…緑谷の特訓見てくれてるこの人、八木さんって言うんでしょ?」
緑谷「…あぁ!う、うんそうだよ!あ、そっか!さっき擬魅くんと八木さん話してましたね!」
温かい目で見ながらなんて危なっかしい2人なんだと擬魅は思いつつも、擬魅はこうして緑谷と友達になることが出来たのであった。しかし、これで目標を達成したわけではない。あくまで目標は緑谷に個性の使い方を教えることである。そのためには擬魅がOFAの秘密を共有する立場にならなければならない。そのためには緑谷とオールマイトが擬魅の前でボロを出さなければならない…もしかすると個性の使い方は入学してからか?と思っていた擬魅だったがその考えはすぐに解消されるのであった。
ゴミの片づけの手伝いを始めてから約1カ月。雄英の入試まで2カ月を切るも擬魅は海浜公園へゴミの片づけをやりに来ていた。体力をつけるため自宅から走ってきた擬魅は、緑谷とオールマイトがいる場所へ向かう。
擬魅「(2人はどこに…あ、いたいた…ん?)」
視線の先に見慣れた格好の2人を見つけ声を掛けようとしたそのとき、オールマイトの体系が一瞬にして変わった。そう、オールマイトのトゥルーホームからマッスルホームに変わったのだ。擬魅はこのチャンスを逃さまいと、落ちている枯れ枝をワザと踏み音を近くで鳴らした。漫画などで枯れ枝を踏んだ音で敵に気づかれてしまうシーンを逆手に取ったのである。
パキッ…!
乾いた空気のため周囲に音がよく響く。その音にバッ!と振り向く緑谷とオールマイト。その顔は驚きもあったがやってしまった感が強く主張していた。
擬魅「………え、オール…マイト?」
緑谷「え、えっとね擬魅くん!この人は…!」
慌てふためく緑谷とオールマイト。擬魅はとりあえず落ち着かせる意味も込めて、オールマイトにサインを求めた。
スっ…
擬魅「とりあえず…サインいいですか?」
個性の1つ【収納】から色紙とサインペンを取り出しオールマイトに渡す。オールマイトは戸惑いながらも慣れた手つきでサインを書くと擬魅に渡す。
個性【収納】…擬魅の個性の1つ!生物以外のものを出し入れ出来て保管できるぞ!
擬魅「ありがとうございます」
擬魅「八木さんがその姿に変わる瞬間を見てしまったんですけど…それはつまり……」
緑谷「い、いや!それはつまりそのあのぉ…!」
緑谷「お、オールマ…!?いいんですか…!?」
擬魅「もう1つの姿…つまり八木さんことオールマイトは普段2つの姿を使い分けているんですね」
擬魅「つまり…オールマイトはそうせざるを得ない理由がある。考えられる理由は個性による制限か、年齢による体の衰えと…」
本当の理由は原作知識を覚えているため知っているのだが、あえてこのような理由を話しているのは擬魅なりの自然に秘密を聞き出すための演技であった。
擬魅「
擬魅「…どうやら最後に言ったやつが正解っぽいすね?」
擬魅「なるほど…」
擬魅「口外なんてしませんよ。仮にもヒーロー目指しているんですから!…だけど1つ分からないっていうか疑問に思うことがあるんですよね?」
擬魅「緑谷との関係はどういうものなんですか?」
緑谷「っっ!!」
擬魅「オールマイトの先ほどの秘密を何かしらの経緯で知ってしまった。そこまでは想像できるんすけど…じゃあなんでそこからオールマイトが緑谷のトレーニングコーチみたいなことしてるのかなって?」
擬魅「オールマイトみたいな人が緑谷のトレーニングの指導をしている…例えるなら武術を極めた武術家が弟子に己の技を教え込む…それって一般的には師匠と弟子…つまりオールマイトと緑谷は…」
擬魅本人は緑谷に個性の使い方を教えるためOFAの秘密を共有する必要がある。そのためワザとこのような鋭い推理をしているわけであるが、聞かされている立場からすれば心臓に悪すぎである。オールマイトは全てを隠すのは無理と判断しOFAの秘密も擬魅に話すことを決心した。
擬魅「了解です(いよいよあの秘密を…!)」
擬魅「ONE FOR ALL…受け継がれて…つまり個性そのものを他人に譲渡できる……つまり緑谷はあなたの後継者…」
擬魅「っで緑谷はそれを受け継ぐためにトレーニングを?何か理由でも?まあヒーロー目指すなら体鍛えるのは必須だけど…」
擬魅「爆散……ぶフっ(笑)!」
緑谷「笑い事じゃないからね!?擬魅くん!」
擬魅「いや、すまんすまん!爆散って言葉につい…!」
擬魅「ヒョロッ!!緑谷!筋肉つけるなら鶏むね肉を食え!あとはプロテインだ!それが手っ取り早いぞ!あとは気合いだ!」
緑谷「最後は根性論なの…!?」
少し時間はかかったものの無事にOFAの秘密を共有するという目標を達成した擬魅。これで緑谷がOFAを継承し雄英の入試を無事に合格したあと、入学日までにOFAを怪我なく扱えるように教える準備が整った。
擬魅「しゃあっ緑谷!気合い入れて筋トレゴミ掃除の続きだ!」
緑谷「う、うん!」
2人の姿を見てオールマイトは言葉には形容しがたい、なんとも微笑ましい気持ちに包まれるのであった。そして、それから時間はあっという間に過ぎていき雄英入試の日がきたのであった。
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国立雄英高等学校。プロヒーローになるために必要な資格取得を目的とするヒーロー科がある養成学校。ヒーロー科がある全学校の中で圧倒的人気を誇り、一般入試における倍率は300超える超難関校である。
西暦2XXX年/2月26日/国立雄英高等学校入学試験日…多くの受験者たちが雄英に集まって来ており、擬魅もその中の1人であった。
擬魅「ふぅー…流石に緊張するな…」
耳郎「アンタでも緊張するんだ」
擬魅「耳郎は俺のことなんだと思ってるんだ?」
耳郎「んー…なんか形容しがたい何かを持った存在…的な?」
擬魅「なるほど。つまり俺は神ってことか…!」キリッ!
耳郎「やっぱどこか変わってるヤツで」
擬魅「おい!」
雄英に向かう途中で耳郎と会ったためそのまま2人で話しながら雄英に来た擬魅。なぜ緑谷と一緒に来ていないのか?その理由は擬魅が緑谷を応援しながら行っていた
つまり、擬魅は約2週間ゴミ掃除に行っていないのである。そこからはオールマイトに言われた通り入試に向けて勉強とトレーニングをやっていたのである。
擬魅「(まあ完成出来てないってことはないと思うけど…)」
そう思いながらなんとなく正門の方に振り返ると、緑色のボサボサ髪の男子がフワフワと浮いている光景が目に入った。
擬魅「(おったわ…ということは隣にいるのが麗日お茶子か…)」
耳郎「なに見てんの?なんか浮いて…あ、戻った」
擬魅「コケそうになったのをあの子が救けたんだろうな。ちなみにとなりの緑髪くんはマイフレンド」
耳郎「え、そうなの?」
擬魅「俺ちょっくら話してくるわ。耳郎さきに行っててくれ」
耳郎「ん、了解」
耳郎に了承を得ると擬魅は緑谷に駆け寄る。
擬魅「おーい緑谷、大丈夫かー?」
緑谷「あ、擬魅くん!ちょっと久しぶりだね!」
擬魅「おう。ここにいるってことは無事に
緑谷「う、うん…だけど試す時間がなかったから不安だらけだよ…」
その言葉を聞いた擬魅は緑谷に自分なりのアドバイスを送る。
擬魅「いいか緑谷?個性を使う際に大事なことはイメージだ」
緑谷「イメージ…?」
擬魅「そうだ。個性にもよるがイメージしなきゃ個性も上手く扱えねぇ。何かをするときだいたいまずはイメージするだろ?」
緑谷「そうか…なるほど確かにそうだね…ありがとう擬魅くん!」
擬魅「この程度のアドバイスで役に立てるならお安い御用だよ。そういや
緑谷「え、えぇーとね…
擬魅「アバウトすぎんだろ…
緑谷「あははは……」
オールマイトに対する軽い呆れはあったものの擬魅と緑谷の雄英入学試験がいま始まる。