空想ヒーロー   作:UFOキャッチャー

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今回は長めです。


雄英高校編
【9】入学&体力テスト


――雄英高校・会議室――

 

「入試の実技騒動成績出ました」

 

擬魅や緑谷たち受験者に合格通知が送られる約1週間前。雄英の会議室では受験者の合否選考会議が行われていた。

 

(ヴィラン)P(ポイント)救助(レスキュー)P合わせて100P超えとは…」

 

「2位の敵Pだけで77Pの子もスゴいけど…」「1位が圧倒的すぎるな…」

 

「逆に敵Pなしで救助ポイントだけで8位か…」「1位の子とは違ってギミックをブッ飛ばしてましたね(笑)!」

 

「1位の子は腕を軽く振っただけで真っ二つに…どういう個性だ?ロボットに変身する個性じゃないのか?」

 

「個性は…超変身(・・・)?どういう個性?」「えーと、イメージした能力が使える…とだけ」

 

「え?それだけ?願書に書かれてるのそれだけ?」「…はい」

 

「役所のデータは!?不正受験対策とか不正防止のために役所のデータと擦り合わせするでしょ?あれは!?」

 

「それが…この子のデータに関してはアクセス制限が設けられていまして…確認取るのにヒーロー公安委員会まで行ったんですよ…。あ、ちゃんと本人であることは確認取れているのでそこは大丈夫っす!」

 

「ヒーロー公安委員会?なんでそんなところが…一体何なんだこの子は…?」

 

「まぁそれについては後で考えましょう。問題は…」

 

教師陣が試験の成績表を見る。そこに書いてある合格者数は推薦入試合格者4人を除き37人。そう、雄英のヒーロー科定員は推薦入試合格者4人と一般入試合格者36人の合計40人。1人多いのである。

 

「どうします?合格基準に達している受験生が37人いますけど?」

 

「しかもポイントが同点とはなあ…」「この場合、救助Pが高いほうがいいんですかね?」

 

「甲乙つけられないだろ?えぇ~これどっちか選ばないといけないのぉ……?」

 

「落とすしかないでしょう」

 

マイク(プレゼント)「そうは言ってもよイレイザー!折角合格基準に達してんだぜ?もったいないだろーよ!」

 

バッサリと言ったイレイザーに対し同期であるプレゼント・マイクが反論する。

 

イレイザー…正式名イレイザーヘッド。プロヒーローで雄英高校教師。プレゼント・マイクとは同期である!。

 

イレイザー「じゃあなにか?今年は特例で合格者41人にでもするのか?」

 

マイク(プレゼント)「あってもいいんじゃねーの?俺たちゃ未来のヒーローを育ててるんだぜ?1人ぐらい増えてもOKでしょ?」

 

イレイザー「いいわけあるか。そんなことしたら後で絶対メンドくさいに決まってる」

 

マイク(プレゼント)「だけどよぉ~…」

 

話が平行線になりかけそうになったそのとき、雄英の校長であるクマっぽいネズミの根津が口を開く。

 

根津「いいんじゃないかな?」

 

イレイザー「校長…?」

 

根津「今年のヒーロー科はA組21人、B組20人。プレゼント・マイクが言った通り、合格基準を満たしているんだ。それが1人多いからどちらかを落とすなんてあんまりじゃないか。それに我が校は自由が売り文句なのさ!」

 

イレイザー「はぁ…。分かりました。ただし、責任は持ってくださいよ?」

 

根津「もちろんなのさ!」

 

こうして鶴の一声ならぬ、校長の一声で雄英のヒーロー科は合格者41人ということが決定したのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

合格通知が届いた日から2日後。擬魅は多古場海浜公園に来ていた。

 

擬魅「おーい緑谷~!」

 

緑谷「あ、擬魅くーん!ここだよー!」

 

擬魅「バージニア~…キーーック!!

 

バシィっ!!

 

緑谷「痛ぁーーーーっ!!?

 

試験ぶりの再会にも関わらず緑谷のお尻に蹴りをかます擬魅。蹴られたお尻を(さす)りながら擬魅にいきなり蹴ったことに抗議する。

 

緑谷「ヒドイよ擬魅くん!どうしていきなりこんなこと…!?」

 

擬魅「いやスマンスマン。なんかこう…不意にしたくなったというか…」

 

緑谷「理由が理不尽過ぎる!」

 

擬魅「おう緑谷。それよりも実技試験のとき他の受験者が話してる話がたまたま聞こえたんだけどよ…」

 

緑谷「え、話…?」

 

擬魅「なんかお邪魔ギミックをすっげぇパワーでブッ飛ばした奴がいたんだけど…なぜかブッ飛ばした本人もボロボロになったって聞いたんだよね」

 

緑谷「…………」スンッ……

 

擬魅の言葉を聞いて緑谷の顔が真顔になる。ジト目で見てくる擬魅から目が自然と横にそれていく緑谷。必死に目を逸らすが汗が止まらない。

 

擬魅「まあ…いきなり個性を得て使いこなせっていうのがほぼ無理ゲーな話なんだけどな。とゆーわけで!今日から雄英入学までに緑谷が個性を使いこなせるようにしたいと思いまーす!」

 

緑谷「……へっ?」

 

擬魅「だーかーらー!個性の特訓するんだよ!それともずっとそのままでいいの?」

 

緑谷「い、いや!なりたいよ!使いこなせるように!!」

 

擬魅「よーしその意気だー!ではまず初めに…!」

 

緑谷「うん!」

 

擬魅「緑谷の現在の状態を再確認したいと思います」

 

緑谷「ん…?再…確認?」

 

ハイテンションな物言いから急転直下のごとく冷静な物言いに困惑する緑谷。そんな緑谷に手招きしながら屈ませる。擬魅は枝を使って地面に図を描きながら説明を始めた。

 

擬魅「いいか緑谷。今のお前は急ごしらえで鍛えた体に個性が何とか収まっている状態だ。ここまでOK?」

 

緑谷「う、うん」

 

擬魅「これを水の入ったタンクで例えるとタプンタプンの状態だ。でそのタンクには蛇口があってその蛇口から水…つまり個性の力を出すわけだが……今のお前はその蛇口に合った出し方が出来ていない!

 

ビシィっ!とまるでどこかの異議あり!と言う弁護士のように、緑谷を指で差しながら言う擬魅。

 

緑谷「だ、出し方…?」

 

擬魅「そうだ。今のお前の蛇口の大きさを5とすれば出せる力も5しか出せない。だが…」

 

緑谷「そ、そうか!力が5しか出せないのに100の力を出そうとすれば…!」

 

擬魅「当然壊れる。ならどうすればいいか?それは当然蛇口を大きくしていくしかない。体を鍛えるのはもちろん、個性を使って体に慣らして慣らしまくる!そうすれば許容量も増え出せる力も増える!OK?」

 

緑谷「う、うん!ありがとう擬魅くん!そうか。僕はまだ個性が宿ったばかりだからまずは…ブツブツブツブツ…

 

OFAの力の出し方を緑谷に再確認させ、擬魅はそのまま言葉を続けて次は力の使い方だと緑谷に伝える。

 

緑谷「使い方……?」

 

擬魅「個性を使って戦う時…戦闘スタイルはどんな風にしたいかイメージはあるか?」

 

緑谷「えっと…やっぱりオールマイトみたいに…///」

 

擬魅「うんうん、オールマイトすげぇもんな。では、そんな緑谷くんは試験のとき体のどこをぶっ壊しましたか?」

 

緑谷「う、腕と脚を…」

 

擬魅「はい、腕と脚。ここからわかることは部分的にOFAを使っているということです。この使い方は一時的に出力を上げて移動や攻撃に使うのにいいですが、普段使いとしては減点です」

 

緑谷「え、どうして?」

 

特に悪い使い方ではないのではと思う緑谷に言葉を続ける。

 

擬魅「バランスが悪いしいざというときに対応できない。例えば脚に5の力があって他は1の力ってバランス悪いし、いちいち体の各所をオンとオフしてたらワンテンポ遅れるだろ?」

 

緑谷「そう言われれば確かに…」

 

擬魅「いいか緑谷。ボクシングは腕だけ、マラソンは足だけを動かしてるか?してないだろ?全身を使ってやっているだろ?」

 

緑谷「全身………………………はっ!そ、そうか!僕はオールマイトの技とかを見てきたから腕だけだったり局所的な使い方に考えが固まっていた!オールマイトも常に…ブツブツブツブツ…

 

擬魅「(フルカウルいけるか…?)」

 

緑谷「局所的な使い方じゃなくてくまなく全身に…!そして体が壊れない出力で!」

 

緑谷の体が淡く光り小さな稲妻のようなものが出る…がすぐに消えてしまう。

 

緑谷「っハアッ…!ハアッ…!」

 

擬魅「いま出した力…体感%でどんくらいだ?」

 

緑谷「えっと…3%くらいかな…?」

 

擬魅「まあ最初はそんなもんか。よしそれじゃあ…それを維持できるように特訓だ!」

 

緑谷「ちょっ擬魅くん!特訓は分かるけど…!その竹刀なに!?ってかどこからそんなものを!?」

 

擬魅「問答無用!ほらほらほら!集中ぅっ!」

 

緑谷「(OFA!3ぱーせん…!)《竹刀横腹つんっ!》ぁふんっ…!」

 

擬魅「ヴァナータ!気色悪い声出してんじゃないわよ!!ヒーハー!」

 

緑谷「なんかキャラ変わってるぅ!?」

 

キャラが変わった擬魅は緑谷の横腹を竹刀で容赦なくつつきまくる。全く痛くはないのだがくすぐったいのですぐ集中が切れてしまう。この特訓を擬魅と緑谷は入学日の前日まで続けた。

 

擬魅「オラオラオラオラオラオラオラぁっ!!!

 

緑谷「ふぐっ…フひ…!んぐふっ…!」

 

変な声を漏らしながらも、擬魅からの猛攻を耐えながら緑谷はOFA常時3%を維持させていた。

 

擬魅「よ~し!ここまで~!」

 

緑谷「ぶはぁっ…!はあ…はあ…はあ……!」

 

擬魅「最初に比べればめっちゃマシになったな。この調子でいけば自然に発動できるようになるのも時間の問題だな」

 

緑谷「擬魅くんのおかげだよ。この特訓(スパルタ)がなかったら僕は雄英の授業についていけたかどうか…」

 

擬魅「そもそもオールマイトの言ったことが大雑把すぎる!なんだよケツの穴グッと引き締めてって!フィーリングすぎんだろ!?」

 

緑谷「あははは…(汗)」

 

オールマイトへの文句が絶えない擬魅を緑谷は苦笑いするしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――雄英高等学校・入学式当日――

 

新品の雄英の制服に袖を通し、姿見で確認しながら身なりを整える擬魅。それを終えると両親が写っている写真の前に立つ。

 

擬魅「似合ってるかな?父さん母さん。それじゃぁ…行ってきます!」

 

今は亡き両親へ挨拶を済ませると生き生きとした姿で雄英に向かった。自宅を出て最寄りの駅で電車に乗りその途中で見知った顔と合流する。

 

耳郎「あ、おはよー擬魅」

 

擬魅「おう耳郎。おはよーさん。今日から改めてよろしくな。あと制服よく似合ってるな」

 

耳郎「ん˝んっ…//!ぁ、ありがと…あとよろしく…//」

 

あまり褒め慣れていない耳郎は顔と耳を赤くし、その光景に周りにいた乗客はほっこりとするのであった。その後、雄英に到着すると昇降口で上履きに履き替えると擬魅は周りを少し見回す。

 

擬魅「着いたはいいけどクラス分けとかどうなって…ん?」

 

耳郎「あ…!あそこに貼ってあるのそうじゃない?」

 

擬魅「っぽいな」

 

生徒たちが使う靴箱のすぐそばにある掲示板。2人はそこに同じ新入生であろう者たちが集まってることに気づき掲示板に向かう。掲示板の前に着くと2人の見立ては当たっており、そこには新入生のクラス表の紙が掲示されていた。

 

擬魅「お、2人ともA組だぞ」

 

耳郎「だね。んじゃ行こっか」

 

 

 

 

・~~移動中~~・

 

 

 

 

――1-A教室――

 

耳郎「ドアでっか…」

 

擬魅「バリアフリーかな。では…開店ガラガラ~」

 

耳郎「なにその開け方」

 

耳郎の冷静なツッコミがありつつも教室のドアを開けると、すでに半数の新入生(クラスメイト)がいた。擬魅と耳郎が教室に入ると1人の男が競歩のような速さで近づいてきた。

 

カッカッカッ…!

 

飯田「おはよう!ぼ…俺は私立聡明中学出身の飯田天哉!今日からよろしく頼む!」

 

擬魅「お、おう…俺は擬魅白郎。よろしくな飯田(勢いスゲェ…)」

 

耳郎「ウチは耳郎響香。よろしく(動きロボットみたい…)」

 

飯田「教卓に席順が書かれた紙が置いてある。自分の席がどこなのか確認するように!では!」

 

飯田は挨拶と必要なことを伝えると自分の席に戻って行った。擬魅と耳郎は教卓に置かれてある席順の紙を確認する。

 

――1-A・席順――

教卓

葉隠 透障子目蔵尾白猿夫青山優雅
爆豪勝己耳郎響香上鳴電気芦戸三奈
擬魅白郎瀬呂範太切島鋭次郎蛙吹梅雨
緑谷出久常闇踏影口田甲司飯田天哉
峰田実轟焦凍砂藤力道麗日お茶子
八百万百

 

 

自分の席につくと周りの席の者が擬魅に話しかけてきた。話しかけてきたのは隣の席の瀬呂範太と、右後ろ席の常闇踏影であった。お互いの自己紹介から始まりあれこれ話ていると常闇が実技試験の話を擬魅にふった。

 

常闇「つかぬことを聞くが擬魅。実技試験の会場はどこだったのだ?」

 

擬魅「俺?俺はG会場だったよ?あ、もしかして会場一緒だった?」

 

瀬呂「お、なになに?2人とも実技一緒だったの?」

 

常闇「ああ。あのときの擬魅は例えるなら鬼神…俺を含めて他の受験者たちは苦労した」

 

瀬呂「鬼神って…擬魅、お前ポイントいくつだったのよ?確か合格通知の映像で聞かされただろ?」

 

擬魅「えーっと…確か敵Pは91ポイント」

 

常闇「きゅっ…!?」

 

瀬呂「マジかよっ!?」

 

自分たちの想像を遥かに上回るポイントに驚きを隠せない瀬呂と常闇。そして3人の会話が耳に入った耳郎と、耳郎と会話していた葉隠透が驚きながら擬魅の方へ来た。

 

耳郎「あんた91Pってマジ?」

 

葉隠「すごいねー!擬魅くんだっけ?どんな個性なの!?」

 

擬魅「んー…それは秘密で」

 

葉隠「えー気になるー!あ、耳郎ちゃんなにか知らない?一緒に教室入って来たから知り合いかなって思ったんだけど?」

 

耳郎「まあ友達だけど…うち正直、擬魅の個性詳しく知らないんだよね」

 

常闇「ん?ロボットに変身する個性じゃないのか?俺は試験のときそう思ったんだが?」

 

耳郎「え、うちが前に見たときは炎出したり腕生やしたりとか………いま思い返してみればあれどういうこと?」

 

葉隠「私に聞かれても困るよ~!」

 

瀬呂「お前なんなの?」

 

擬魅「おいおい、そんな褒めんなってぇ。照れるじゃねぇかよぉ!」

 

瀬呂「いや褒めてねぇから!」

 

瀬呂のいいツッコミが入る。そこから5人で楽しく話していると教室のドアを少し乱暴気味に開けて入ってくる者がいた。人相が悪くズボンは腰パン。見た目だけでいえば不良と言う言葉が思いつく。教卓にある席順の紙を確認した彼は、擬魅の前の席に足を机の上に置くスタイルで座る。彼の名前は爆豪勝己で緑谷と同じ中学出身者である。爆豪の行動を見た飯田は速やかに爆豪の所まで行き声を掛けた。

 

飯田「君!机に足をかけるんじゃない!雄英の諸先輩方や机の製作者方に申し訳ないと思わないのか!?」

 

爆豪「なんだぁいきなり…!?思わねーよ端役がっ!テメェどこ中だ!?」

 

飯田「ぼ…俺は私立聡明中学出身、飯田天哉だ!」

 

爆豪「聡明~~っ?くそエリートじゃねぇか!ぶっ殺し甲斐があるじゃねぇか!」

 

飯田「ぶっこ…!きみ本当にヒーロー志望か!?」

 

爆豪のヒーロー志望とは思えない言動にドン引きする飯田。そして飯田の言った言葉は誰もが心の中で同感した。

 

擬魅「2人とも大変だ。ヒーロー科に(ヴィラン)が迷い込んだぞ」

 

瀬呂「おまっ!?なに言って…!」

 

常闇「言いたいことは分かるが…」

 

爆豪「あ゛あ゛あ゛っ!?だれが敵だって!?」

 

爆豪は立ち上がり後ろに振り返り凄まじい形相で擬魅を睨みつけ、右手は個性である爆破を小さく爆発させていた。構図としてはヤがつく人に絡まれている図である。

 

擬魅「…ああ、いけない。少し間違いがあったようだ」

 

瀬呂「うんうん。早く謝って…」

 

擬魅「どうやらウニ頭のチンピラだったらしい」

 

瀬呂「ブふぉっ…!」

 

爆豪「誰がウニ頭のチンピラだ!このすかし野郎!」

 

飯田「擬魅くん!初対面の人に対してウニ頭と言うのは失礼だぞ!」

 

爆豪「テメェも失礼なんだよクソメガネ!」

 

擬魅「確かに飯田の言う通りだな。では特徴をふまえて…」

 

爆豪「ふまえなくていいんだよ!!テメェマジでぶっ殺されたいらしいな!?」

 

擬魅「ハッハッハッ。まじ顔ヤベェ(笑)!」

 

爆豪「っ〇%×#$%&~~!!

 

叫んではいないが叫びたくなるほど、言語に出来ないほどの怒りに包まれる爆豪。まさに一色触発かと思われたそのとき教室のドアが開いた。ガラガラガラ…とドアの開閉音は教室に響き新たに来た同じ新入生に視線が向けられる。

 

擬魅「(お、緑谷だ)」

 

爆豪「(デク…!)」

 

教室に来たのは緑谷であった。そこへ擬魅のときと同じく飯田が素早く歩み寄り挨拶と自己紹介をした。そこから飯田と緑谷が少し試験の時のことを話していると、茶髪ボブカットで指先に肉球のようなものがある女子、麗日お茶子が現れた。

 

麗日「あ、そのモサモサ頭は!…やっぱりあのときの!受かってたんやね!そりゃそうだ!パンチ凄かったもん!」

 

緑谷「(助けてくれた…わあああ…!制服姿やっべぇー!)…あ、いや。そんな…あなたのおかげで…」

 

麗日「今日って式とかガイダンスとかな?担任の先生どんな人やろうね?はぁー緊張するなぁ~」

 

「お友達ごっこがしたいなら他へ行け…」

 

緑谷「……」

 

麗日「……」

 

「ここはヒーロー科だぞ」

 

声のした方へ目を向けると麗日の少し後ろに寝袋に入った人物が床に転がっていた。姿は完全に芋虫かミノムシである。その人物はゼリー飲料を取り出すとヂュッ!っと一気に吸いこむ。ダ〇ソンもびっくりの吸引力である。ゼリー飲料を食べ終えた彼はノソノソと寝袋から出て起き上がり口を開く。

 

相澤「はい、静かになるまで8秒掛かりました。時間は有限、君たちは合理性に欠くね。…担任の相澤消太だ。よろしく…」

 

「「「「「(担任…!?)」」」」」

 

緑谷「ってことはこの人もプロヒーロー…?(でもこんなくたびれた人見たことないぞ?)」

 

相澤「早速だが全員これに着替えてグラウンドに…」

 

「そこまでだイレイザー。入学式をすっ飛ばすのはいい加減やめろ」

 

相澤「…雄英は自由な校風が売り文句。それはすなわち教師も……お前だってわかっているだろブラド?」

 

ブラド「だからと言っても限度がある。それにこれに関しては苦情も多数あるんだ。お前がやりたいことは入学式が終わった後からでも遅くはないだろう?」

 

相澤「合理的じゃないな…」

 

ブラド「全てを合理的にやればいいわけじゃないだろう?それに校長からちゃんと出るようにと言われたんでな。だから俺がこうして来たわけだ」

 

相澤「ちっ…」

 

ブラド「そういうわけだA組の諸君!このあと体育館で入学式がある!速やかに移動するように!」

 

相澤「そういうことだ…分かったなら早く移動しろ」

 

鶴の一声ならぬブラドこと1年B組の担任教師、ブラドキングの一声によってこの世界のA組は入学式をすることができるのであった。その後、入学式を終えたA組はグラウンドに集めさせられていた。

 

耳郎「初日から体操服に着替えて何するんだろ…?」

 

葉隠「授業とかしちゃうのかな?」

 

A組の面々はこれから何を?という顔つきである。そこに相澤が全員集まったことを確認すると口を開いた。

 

相澤「んじゃこれから個性把握テストをする」

 

「「「「「………こ、個性把握テストぉ!?」」」」」

 

相澤「中学のときやっただろ?個性禁止の体力テスト。国は未だに画一的な記録を取って平均を作り出しているが合理的じゃない。まあ文科省の怠慢だな…」

 

擬魅「じゃあこれからやるのは個性ありの体力テストってことですか?」

 

相澤「その通りだ。丁度いい…擬魅、中学のときソフトボール投げ何mだった?」

 

擬魅「60m…くらいだったかな?」

 

相澤「じゃあ個性使ってこのボール投げろ。その円から出なかったら何してもいい。入試1位の実力…見せてもらうぞ」

 

ざわッ……!

 

爆豪「なっ…!?(あのすかし野郎が入試……1位ぃ!?)」

 

「入試1位…どんな個性なんだろ?」「あの人が一般入試1位…」「見ものだな…」

 

擬魅「(やりにくい……ん~…あの能力使ってみるか)ニキュ〇キュ…

 

擬魅の右手に熊の肉球のようなものが現れる。これはワ〇ピースに出てくるニ〇ュ〇キュの実の能力。個性が発動したのを確認した擬魅は、腕をテニスをするように軽く振り肉球にボールを当てた。するとボールがポン…っ!と小さく音が鳴った瞬間その場から消えた。

 

「あれボールは?」「え、もう投げた?」

 

何が起こったのか分からいないA組一同。相澤もA組生徒同様、一瞬何をしたのか分からなかったが手に持っていた端末を見ると驚愕した。端末にはボールの飛距離が表示されるのだがそこに表示してあったのは∞の文字。そう擬魅が個性を使って飛ばしたボールは宇宙空間に到達していたのだ。

 

「無限ってマジかっ!?」「個性思いっきり使えるの?面白そう!」

 

「流石ヒーロー科だな!」

 

相澤「面白そう…か。3年間そんな気分で過ごすつもりか?…よし、ではこの体力テストのトータル成績最下位の者は除籍処分としよう…」

 

「え…?」

 

「「「えええええええええーっ!!?」」」

 

突然の発言に声を上げて驚愕するA組生徒。あまりに理不尽な宣言に抗議するが、その抗議に相澤は淡々と答えた。いつどこで発生するか分からない自然災害や大事故に身勝手な(ヴィラン)たち…日本はあらゆる危機に溢れている。そしてそういう危機(ピンチ)を覆していくのがヒーローだと。

 

相澤「放課後マ〇クで談笑したかったなら諦めろ。これから雄英は3年間、お前たちに全力で苦難を与え続ける。Plus Ultra(更に向こうへ)さ。全力で乗り越えてこい」

 

強制的に関門に立たされたA組生徒たちの体力テストがいま始まるのであった。

 

 

 

 

~~第1種目・50m走~~

 

ロボット(測定)位置ニツイテ…ヨーイ…!

 

パンっ…!

 

スタートの合図とともに飯田と蛙吹が走り出す。飯田の個性は【エンジン】。その名の通り足が速くなる個性でまさに水を得た魚である。対してここで初登場となる蛙吹梅雨(女)の個性は【蛙】。舌を伸ばしたり、壁に張り付いたりなど蛙っぽいことが出来るぞ!

 

ロボット(測定)3秒04!………5秒58!

 

飯田「(50mだと3速までか…)」

 

蛙吹「けろ…」

 

個性を上手く使い好記録を出す者もいれば、個性によっては以前と大して変わらない者もいるなか擬魅の番が回ってきた。一応出席番号順に回っているので擬魅の隣はというと爆豪であった。

 

擬魅「(ニ〇ュニキ〇は要練習がいるからここは…使い慣れてる個性【ロボット】とフ〇フワの能力でいくか…)」

 

「うお、ロボットに変身したぞ…!?」

 

「カッコいー!」「ほう…」

 

擬魅は個性【ロボット】でガ〇ダムの機体EMS-10ヅ〇゛に変身し、フ〇フワの能力を発動させるとスタート位置につく。変身した擬魅にクラスメイト達は皆、好奇の目を向けた。擬魅と爆豪が揃ったことを確認した測定ロボットはスタートの合図を切る。それと同時に擬魅はスラスターを限界まで噴かし圧倒的速度で50mを駆けた…いや、正確には飛んだが正しいがそれは爆豪も似たようなものなので問題はない。

 

ロボット(測定)2秒55!………4秒13!

 

「はっや!?」「飯田の記録超えたぞ!?」

 

「アレ以外にも変身できるのかな?」

 

「てかボール投げのとき変身してなかったよな?」

 

「個性の応用でしょうか?ですがそれだと…」

 

擬魅「まあこんなもんか。もっと色々と考えとかねぇとな…」

 

爆豪「(クソっ…!2秒も差があるだと…!?クソがっ!)」

 

相澤「(超変身…確かに変身してるが…じゃあさっきのボール投げはどういう…いや、考察は終わってからだな)…次!」

 

擬魅の個性について色々と気になる相澤だったが、まずは体力テストを終わらせることを優先した。相澤に言われスタート位置に並んだのは緑谷と、頭に紫色のボールのようなものが数個生えている?男子生徒 峰田実であった。

 

緑谷「(全身に…)」

 

擬魅と特訓した日のことを思い出しながら緑谷はOFAを発動させる。緑谷の体はほんのわずかに光りスパークのようなものが体を走る。

 

爆豪「ーっ!?」

 

擬魅「(がんばれ~緑谷~)」

 

ロボット(測定)位置ニツイテ…ヨーイ…!

 

パンっ…!

 

緑谷の走り出しは良く、OFAの身体強化による足のもたつきもなく速さを維持したまま50mを走り切った。

 

ロボット(測定)4秒ジャスト!………7秒65!

 

緑谷「ハアっ…ハアっ…!……よし!」

 

麗日「おおー!ジャスト記録!」

 

飯田「試験の時のように暴発してないな?克服したのか?」

 

爆豪「なっ…!?なん…っ!?」

 

擬魅「いい感じだね」

 

相澤「(試験の時のような個性発現したてのようにはならず個性を制御できている…試験の時は制御を誤った?いや、制御できていたならもっとマシな結果を……入学までに制御できるようにしてきたか?)」

 

相澤は試験の映像を見ているため、緑谷の動きが明らかに違うことを見抜く。だが個性を上手く扱えることは相澤にとってマイナスなことはないので特に追及はしない。逆にこの場で追及したいのは幼馴染である爆豪と、緑谷のことが気になってコッソリ見に来たオールマイトであった。彼は邪魔にならぬように建物の陰から体力テストの様子を見ていた。

 

マイト(オール)「(おいおいおい!?なんだよ緑谷少年!心配になって来てみれば…驚いたぜ!きみOFA扱えているじゃないか!!一体何があったんだよ!?)」

 

緑谷がOFAを使ったところを見たのは試験のときのみである。雄英での手続きやらなんやかんや忙しいオールマイトは、緑谷のOFAの制御は入学以降と考えていた。そのため緑谷が急にOFAを制御出来ていることに驚くのは無理もないことである。そして、緑谷が個性を使ったことにより驚きを隠せない男がどういうことか追及するため緑谷に食ってかかった。

 

爆豪「どういうことだデクぅ!?ワケを言えおいコラぁっ!!

 

緑谷「わあああああっっ!?

 

爆豪が爆破の個性で緑谷に向かって飛んでいくがそれは叶わない。爆豪の体に白い布のようなものが巻き付き動きを拘束すると同時に個性を消した。

 

爆豪「てぇっ!?んだこの…布!?固っ…!ーっ個性が…!?」

 

相澤「炭素繊維に特殊合金の鋼線を編み込んだ捕縛武器だ…暴れるなら真っ先に除籍するぞ?」

 

緑谷「個性を消した…そうかあのゴーグル!抹消ヒーローイレイザーヘッド!」

 

「イレイザー?知ってる?」「名前は見たことあるわ。アングラ系ヒーローよ」

 

相澤「何か言いたいなら後でやってくれ。時間がもったいない。次、準備しろ」

 

擬魅「緑谷~大丈夫かー?」

 

緑谷「う、うん。何ともないよ…」

 

爆豪「っ……(ついこの間まで…道端の…!道端の石っころだったろうが…!)」

 

いつも自分の後ろをついてきていた緑谷…無個性のくせに反抗してきた緑谷…浅瀬に落ちた自分を助けようと手を伸ばしてきた緑谷……幼いころから優秀だった爆豪は自身と張り合おうとしていると感じ、緑谷に対し徐々に嫌悪感を示すようになった。また、優秀過ぎる故に彼の自尊心は肥大化し、それらも合わさり悪い方向へ向かってしまった。それと、爆豪が緑谷に対してあたりが強い理由はもう1つあるのだが、これが明かされるのはもう少し先になるだろう。

 

相澤の一喝で体力テストは再開した。そして、ここからはダイジェストでお送りするぞ!

 

~~第2種目・握力測定~~

 

バキンっ…!

 

擬魅「あっ…」

 

相澤「測定不能っと…」

 

腕のみを個性【ロボット】でモビ〇スーツの腕に変身して測定。記録…握力測定器の損壊。

 

~~第3種目・長座体前屈~~

 

擬魅「せいっ!」

 

相澤「20m」

 

ゾゴ〇クに変身して伸縮性の腕を伸ばす。記録…20m

 

~~第4種目・上体起こし~~

 

特に思い浮かばなかったため普通に測定。記録…35回

 

~~第5種目・反復横跳び~~

 

擬魅「視界がぐわんぐわんする…」

 

耳郎「そりゃあんだけ高速横移動すりゃね」背中サスサス

 

オペ〇ペの能力で自身の位置を入れ変えて測定。記録…102回

 

~~第6種目・立ち幅跳び~~

 

相澤「擬魅。それはいつまで飛べるんだ?」

 

擬魅「エネルギーが尽きるまでっすね」

 

相澤「∞っと…」

 

瀬呂「また無限でた!?」

 

フワ〇ワの能力で飛行。どこまでも行けるため結果は無限に。記録…∞

 

~~第7種目・ソフトボール投げ~~

 

最初のデモンストレーションで測定済み。記録…∞

 

~~第8種目・持久走(1500m)~~

 

常闇「今更だがあれは走っていることになるのか?」

 

峰田「あれありかよぉー!?」

 

相澤「ありだ」

 

50m走のと同じでヅ〇゛に変身し、フワ〇ワの能力で体を浮かして高速で飛んで1着でゴール。記録…1分10秒

 

こうしてすべての体力テストが終了。合理的に行いたい相澤はパパっと結果を発表していく。ちなみに順位のつけ方は各種目の評点の合計点数である。

 

峰田「おおお…オイラが最下…位……じょ、除せkー」

 

相澤「ちなみに除籍はウソな」

 

「「「…………えっ?」」」

 

相澤「君らの現時点で最大の実力を出すための合理的虚偽!」

 

「「「「はああああああああっ!?」」」」

 

クラスの大半が驚くなかポニーテールの女子生徒、八百万が口を開く。

 

八百万「あんなの噓に決まっているじゃない。ちょっと考えれば分かりますわ」

 

「「「(気づかなかった…)」」」

 

擬魅「いや~それはどうかなぁ…

 

八百万「?…あの、いまなんと…」

 

相澤「…ま、そういうことだ。これにて終了。教室にカリキュラムの書類あるからめ目ェ通しとくように」

 

こうしてハラハラドキドキの体力テストは終了した。更衣室で制服に着替え教室に戻るとカリキュラムの書類に目を通す。すると先ほどの女子生徒 八百万が擬魅に話しかけてきた。

 

八百万「すみません」

 

擬魅「ん?」

 

八百万「えーと…擬魅さん…という名前でよろしかったでしょうか?」

 

擬魅「合ってるよ。俺の名前の読みはまがみ。何か用?」

 

八百万「先ほどあなたは相澤先生の虚偽の除籍発言について何か言いましたよね?もしかして本気で除籍がありえたとでも?」

 

擬魅「あ~、相澤先生の除籍発言ね。うん。俺は十分あり得たと思うよ」

 

八百万はどうしてそう思うのか理由を擬魅に問う。彼女の中では普通に考えれば入学初日に除籍などあり得ない。生徒を鼓舞させるためのよくある手法の1つに過ぎないと考えていた。しかしそれは普通が前提であればの話。ここは天下の雄英。擬魅は自身の考えを八百万に答える。

 

擬魅「入学当日にいきなり体力テストをやらせようとする教師だよ?俺らちゃんと入学式できたけどさ、もしブラドキングの一言がなかったら出れてなかったわけでしょ?体育館にはちゃんと全学科のクラスいたでしょ?」

 

八百万「確かに…」

 

擬魅「それに合理的にって何度も言ってるからさ、とにかく無駄なことはしたくないんだと思うよ。それこそ入学式とかね…どうかな?理由としては弱いかな?」

 

八百万「いえ、擬魅さんが仰りたいことはよく分かりましたわ。確かに嘘と断定するのは早計ですわね」

 

擬魅「ご満足いただけてよかったよ」

 

八百万「もう1つよろしいですか?」

 

擬魅「うん?」

 

八百万「擬魅さんの個性はどういうものですの?」

 

ざわっ……!

 

八百万の質問にクラスの視線が自然と集まる。それは無理もないことだ。何しろ擬魅の個性は統一性が見られない。個性の応用と言うにはかけ離れ過ぎているのだ。

 

擬魅「秘密で」

 

瀬呂「いやいやいや!そこは言ってくれよ!気になってしょうがねーよ!」

 

峰田「瀬呂の言う通りだぜ!オイラも気になってしょうがないぜ!」

 

擬魅「まあいずれ言うよ。あ、耳郎帰ろうぜ。あとまだ昼過ぎたばっかだしマ〇ク行って食べる?」

 

耳郎「あー…そうだね。マ〇クでお昼食べよっか」

 

擬魅「んじゃ。そういうことで~♪」

 

葉隠「耳郎ちゃんバイバーイ!」

 

耳郎「また明日ね」

 

クラスメイトをモヤモヤとさせつつ教室を後にする擬魅と耳郎であった。あと、擬魅と耳郎が一緒に帰ったのを見て峰田は目から血涙を流すのであった。

 

 

 




脊髄ぶ〇こ抜きおもろすぎ(・∀・)
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