鋼鉄これくしょん   作:あーくこさいん

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艦隊これくしょん×鋼鉄の咆哮のクロスオーバーです。

艦これ×鋼鉄の咆哮×新海底軍艦のクロスオーバー作品も連載していますが、こちらも書いてみたいと思い、書いてみました。



本編
プロローグ


超兵器ーーー

 

それは単体で艦隊を始め国をも蹂躙する常識外の兵器、否、化け物だ。

 

圧倒的な攻撃力・防御力、1発で都市を破壊する戦略兵器、終いには大陸をも消滅させる威力を持つ決戦兵器を搭載した代物までいたーーー

 

まさに『破壊』と『闘争』を追求した存在だ。

 

 

だが、その超兵器に立ち向かう艦がいたーーー

 

 

ある艦は極東最大の戦艦として建造され極秘任務の最中に超兵器の特殊能力によって、異次元世界(パラレルワールド)に飛ばされた。

自らの生還と元の世界への干渉を防ぐ為、超兵器を追って世界を駆け巡り北極海における究極超兵器との戦いで元の世界へと帰還し、役目を終えた戦艦は自沈したーーー

 

 

ある艦は南極の独立国家の新資源を巡る戦いから祖国を守る為、列強各国に戦いを挑む。

北極海で枢軸国と連合国の究極超兵器を相手取り、祖国に勝利をもたらしたが、その艦は戦いの直後に限界を迎え乗組員を脱出させた後沈んだーーー

 

 

ある艦は極東の新興国の近衛軍に所属し、クーデターによって侵略国家に変貌した祖国を救う為に戦いに身を投じる。

幾多の超兵器との戦いを乗り越え、北極海で目覚めた究極超兵器を破壊するべく死闘を繰り広げる。

死闘の末、相打ちとなる形で沈んだーーー

 

 

その3隻は超兵器を相手に死闘を繰り広げそして沈んだ。

だが、かと言って戦いが終わるわけでは無い。

三つの世界で戦った3隻は一つの世界へと集い、そして戦い続ける。

『超兵器を統べる暴君』を倒す為…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー??????ー

だだっ広い空間に一人の男がいた。

その男の周りには多数の映像が映っていた。

そこには各所の基地、研究施設の様子が映っていた。

 

「うむ、今のところ順調だな。」

 

男は頷いた。

各基地の戦力、研究施設の兵器開発、巨大な潜水艦や航空機を格納しているドックや滑走路などの様子を確認した後、映像を閉じた。

 

「このままいけば…我ら『テュランヌス』が世界を制覇する日も近い…」

 

男は不敵な笑みを浮かべる…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー横須賀鎮守府ー

 

ここは日本国の横須賀鎮守府。

日本を守る鎮守府の一つであり、海軍の本拠地でもある。

その鎮守府近郊に岩礁が存在し、そこに四人の艦娘がいた。

四人ともノースリーブセーラー服を着ていて、一見すると岩礁で遊んでいる女子高校生にしか見えないが、彼女らは阿賀野型軽巡洋艦『阿賀野』『能代』『矢矧』『酒匂』だ。

 

「お〜い、こっちこっち〜。」

 

そう言ってはしゃぐのは、1番艦『阿賀野』だ。

 

「ちょっと阿賀野姉ぇ!気持ちは分かるけどはしゃぎすぎよ!」

 

「だってだって、やっと休暇の許可が下りたんだもん!落ち着いていられますかぁ!」

 

「はぁ〜もう、矢矧も何か言ってやってよ。」

 

能代は溜息を吐きながら矢矧と酒匂に助けを求めるが…

 

「う〜ん、久しぶりの休暇だから少しぐらい羽目を外してもいい気がするけど…」

 

「酒匂も同じかな〜。働き詰めだったし楽しもうよ〜。」

 

「えぇ〜…」

 

「ほらほら、能代も休暇を楽しまないと!こういうのは楽しんだもの勝ちだよ!」

 

「ちょ、ちょっと!分かったから引っ張んないでよ阿賀野姉ぇ!」

 

「あっ、待って阿賀野お姉ちゃん〜!」

 

「ふふ…」

 

そんな姉妹の様子を微笑ましい表情で見る矢矧。

その時だったーーー

 

トントントンツーツーツートントントン

 

「ん?」

 

「あれ?矢矧、どうしたの?」

 

「いや…何か聞こえたような…」

 

そう言うと矢矧は耳を澄ます。

すると…

 

トントントンツーツーツートントントン

 

「…間違いない、これモールス信号だわ!」

 

「えっ!なんで!?」

 

「それより内容は分かる?」

 

「うん、『SOS』…救難信号!?」

 

その内容に四人とも驚愕する中、

 

「落ち着いて!とりあえず矢矧、救難信号の発信場所分かる?」

 

「ちょっと待ってね…」

 

矢矧は目を閉じて感覚を研ぎ澄ます。

 

「…分かったわ。あそこよ!ついてきて!」

 

そう言うと四人はその場所に向かって走り出す。

しばらく進むと岩礁に隠された高さ3m程の洞窟の入り口があった。

 

「…間違いない、ここから信号が出てるわ。」

 

四人は洞窟内へと入って行った。

 

「段々と反応が強くなっているわ。」

 

「ぴゃ〜」

 

そう言いながら進む。

するとーーー

 

「ちょっとストップ!」

 

そう言うと四人は止まった。

そこにはかなり広い空間があり、その奥に何かがいる気配がした。

 

「う〜ん、暗くてよく見えない…」

 

「そうだ矢矧、探照灯つけて!」

 

「え、ええ、分かったわ。」

 

そう言うと、探照灯の光が灯り空間を上下左右を照らし、最後に奥を照らした時“何か”が見えた。

その瞬間、動揺が走った。

 

「っ!何これ…」

 

彼女達は絶句した。

何故なら、そこにいたのは全身血塗れになっていた3人の艦娘だった。

着ていた服はほとんど破れていて最早服としての機能は無かった。

顔から足指まで血で染まり、全身至る所に切り傷、打撲傷、やけどがあり、あまりの凄惨さに目を背けたくなるものだ。

さらに艤装も所々砲身は折れ、装甲はへこみ、穴が空いていた。

しばらく動けなかったが、酒匂が何かに気づいた。

 

「ん?あれ…」

 

酒匂が指差すと、壊れた艤装の中から二頭身の小人がいた。

そう、『妖精さん』だ。

 

「…もしかして、モールス信号出したの貴方達なの…?」

 

酒匂が質問すると、妖精達は頷く。

やがて矢矧もハッとなって、

 

「っ…!私と酒匂はここで待つから二人は提督を呼んできて!」

 

「えっ、あ、うん!分かった!行くよ、能代!」

 

「えっ、ええ!」

 

阿賀野と能代は走っていく。

 

 

 

 

 

一方、ここは横須賀鎮守府執務室。

この部屋には横須賀鎮守府提督『水野凛』少将がいた。

彼女は執務室で仕事に明け暮れていた。

そんな中、

 

「失礼します!提督!」

 

阿賀野と能代は勢いよく入って行った。

 

「あら、阿賀野に能代。どうしたの?」

 

「実は…」

 

能代はさっきの事を提督に話す。

その話を聞くと提督の表情は真剣味を増した。

 

「…分かったわ。第一、第二艦隊出撃準備!」

 

提督がそう言うと、鎮守府中が慌ただしくなり30分後艦隊編成が完了した。

そして、出撃準備が完了した艦娘達は桟橋に集まり、やがて提督が来た。

提督は集められた艦娘達にさっきの事について説明した。

 

「…というわけで、今回の任務はその3人の艦娘の救助よ。阿賀野、能代、案内をお願いするわ。」

 

「任せて!」

 

まず、岩礁の入り口付近に近づき戦艦部隊と共に提督も洞窟に入って行く。

しばらく進むと空間に入り、中にいた矢矧と酒匂に合流した。

提督達もその3人の艦娘の惨状を目の当たりにするが、

 

「うっ、これは…」

 

「ひ、酷い…」

 

先程の阿賀野達と同様に絶句するが、

 

「おっと、突っ立っている場合じゃないわね、直ちに救助を!」

 

提督の指示に艦娘達は一斉に動き出す。

同じく作業に入ろうとした戦艦武蔵は何かに気づく。

艤装の中から助けて欲しそうに武蔵を見つめる妖精達だった。

 

「…分かった。助けてやるさ。」

 

そう言うと武蔵は他の戦艦と協力して一際大きい艤装を運んだ。

 

 

 

 

 

『八洲』『リバティ』『ブリュンヒルデ』が鎮守府に着任しました。

 




次回は3隻が目覚めます。

乞うご期待ください。

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