鋼鉄これくしょん   作:あーくこさいん

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テュランヌスの戦いに備えて八洲達の技術体系の兵装の開発に成功する。
次は建造に着手する。


第十四話 鋼鉄の艦娘達

ー横須賀鎮守府工廠ー

 

八洲達は工廠の建造ドックに来ていた。

そこは資材を投じて艦娘を建造する施設である。

事前に妖精さんに調べた結果、八洲達3人は3ヶ月に一隻しか建造出来ないが、建造出来るのは彼らの世界線で活躍した艦船が建造出来るという。

 

「という訳で建造するわ。資材は多めに用意したから性能のいい艦船が出るといいけど…」

 

「まぁやってみなければ分からないだろう。では…」

 

そう言うとまず八洲が建造を行う。

装置のパネルを操作し、ボタンを押すと装置が動き建造時間が表示された。

そこには『残り時間 99:99:99』と表示されていた。

表示された残り時間に皆驚愕する。

 

「…これは」

 

「ちょっと、時間かかり過ぎでしょ…」

 

「提督、これだと建造に四日以上掛かるが…」

 

「大丈夫よ。ここで高速建造剤の出番だから!」

 

聞き慣れないワードに首を傾げる八洲達だが、提督が高速建造剤のボタンを押すと、妖精さんが現れて何かを構えると今建造を行なっているだろう装置をバーナーで炙った。

しかもそのバーナーの火は想像してたものより大きかった。

 

「あの〜これは…?」

 

「ああ、これは“高速建造剤”といってこれを使えばどんなに建造時間が長い艦娘も一瞬で建造を終えるのよ。」

 

どうなっているんだ…と思っていると、装置に緑色のランプがついた。

どうやら建造が終わったようだ。

 

「建造出来たわ。お披露目の時間よ。」

 

そう言うとプシューと音を立てながらカプセルが開き、大量の煙が上がった。

やがて煙が収まると中から人影が見えた。

 

この時八洲は前の世界線で一緒に戦った艦船(戦友)達を思い浮かべていた。

どんな戦友が来るのか…彼は心なしか楽しみだった。

 

そして建造された艦娘の全容が明らかとなる。

茶髪のサイドポニーテールに、巫女服を着ている女性…言わば艦娘だ。

 

艤装は右側に『75口径50.8cm四連装砲』を二基八門、『20mm機関砲』や『対空/対潜ミサイルVLS』などを備え、左側には明石のような工作機械やクレーンが連なっていた。

まさに戦艦と工作艦をくっつけた様な戦艦だ。

この戦艦の名を八洲は覚えていた。

 

「お前、出雲か…?」

 

「あっ、えっと…八洲さん…?お久しぶりです。あの…何から話せば良いのか……」

 

出雲という艦娘は状況が飲み込めずたじろぐ中、提督が話す。

 

「初めまして。私は横須賀鎮守府提督水野凛少将よ。とりあえずあなたの名を聞かせて貰えるかしら?」

 

「…分かりました。私の名は工作戦艦“出雲”。八洲さんとは元の世界に帰る為に協力していました。」

 

「工作戦艦…それって工作艦と戦艦が一つになったって事?」

 

同じ工作艦の明石が質問する。

 

「はい。元の世界にいた工作艦“明石”以上の工作能力と戦闘能力を兼ね備えた軍艦として誕生しました。」

 

出雲はこの世界はもちろんのこと、八洲が元いた世界とは別の世界線から飛ばされたらしく、八洲に救われてからは共に戦い元の世界への帰還を果たした。

 

「八洲さん、私やあなたがこの世界にいるということはやはり…」

 

「ああ、実は…」

 

八洲は今までの経緯を話す。

 

「…分かりました。この私も微力ながらお手伝いさせていただきます。」

 

「よろしく頼む。」

 

「次は私ね。」

 

そう言うとリバティが前に出る。

彼女は装置を動かし、建造時間が表示された。

すると八洲同様『残り時間 99:99:99』と表示された。

直様高速建造剤を使用し、カプセルが開く。

 

中から出た艦娘は背丈は秋月型駆逐艦と同じで、銀髪のショートヘアに青色の瞳、服装はJ級駆逐艦に酷似していた。

艤装は右手に『新型152mm速射砲』、両腰部に『新型155mmAGS砲』と『20mm機関砲』を装備し、背中には煙突を模した部位とVLSを模したコンテナを艤装各所に多数配置していた。

 

「皆さん初めまして。南極連邦海軍所属トライトン級ミサイル駆逐艦三番艦の『トールギス』です。」

 

自己紹介を終えた艦娘はリバティの方を向く。

するとリバティが口を開く。

 

「久しぶりね、トールギス。()()()はありがとう…」

 

「いえいえ、私も貴方に何度も助けてもらっていたんですからいつか恩返ししなきゃと思っていたので、今までの恩を返しただけです。」

 

リバティは2隻の究極超兵器を沈めた時に船体が限界を迎えてしまい退艦命令が出された。

その際にリバティの乗組員を救助したのがトールギスを筆頭とする駆逐艦だった。

特にトールギスは対列強戦争において幾多の戦い・超兵器戦に赴き、その都度リバティに助けられたので、今までの恩を返す為に最終決戦に駆けつけ援護しそして退艦してきた乗組員を救助したのだ。

 

その事についてリバティは感謝している。

 

「最後は私ですね。」

 

そう言うとブリュンヒルデが前に出る。

彼女も建造装置を装置し、またしても高速建造剤を使用して建造を終える。

カプセルが開き、中から艦娘が姿を現す。

 

服装はブリュンヒルデと同じウィルキア近衛海軍士官服を着ており、金髪のポニーテールの女性だ。

 

艤装は右手に発艦用の猟銃を、左側には二段式飛行甲板を備え、艤装各所に『新型パルスレーザー』や『35mmCIWS』、『対艦ミサイルVLSⅢ』に『ASROC対潜Ⅲ』、『対空ミサイル発射機Ⅲ』を搭載していた。

 

「初めまして。ウィルキア解放軍所属前衛装甲空母『フレイ』よ。」

 

その艦娘はフレイと名乗る。

 

「フレイさん!」

 

「あ〜ブリュンヒルデちゃん!久しぶりね〜。で、その人が…」

 

ブリュンヒルデとフレイは挨拶を済ませ、フレイは提督の方を向く。

 

「初めまして。横須賀鎮守府提督水野凛少将よ。」

 

提督が自己紹介を終えると装甲空母大鳳がフレイに対し質問した。

 

「あの、フレイさん。その前衛装甲空母とは何なのでしょうか?」

 

「ああ、基本的に空母は後方にて艦載機を繰り出すのだけど、私の場合は自慢の装甲で敵の攻撃を防ぎながら艦載機を繰り出す戦法を行うことを前提に造られたの。だから装甲は対80cm砲防御装甲を採用しているわ!」

 

フレイの言葉に皆驚愕する。

空母はともかく戦艦でも最大で51cm砲防御装甲なのに、彼女の装甲はリバティや八洲より重厚な装甲を持っていたのだ。

 

「因みに艦載機はどんなのを積んでいるの?」

 

「私が積んでいるのは、戦闘機『ハウニブーⅠ』10機、攻撃機『ミホーク』10機、爆撃機『F-15EX 蒼天』5機、偵察機『ヴィンディッヒ』3機、救助ヘリ『スーパーピューマ』2機、計30機搭載しているわ。」

 

「えっと、少ないですね…」

 

「格納庫を少なくした分、装甲を強化したから別に問題は無いわ。」

 

「フレイさん、ブリュンヒルデさんとはどう言う関係だったのですか?」

 

「ブリュンヒルデちゃんとは戦友と呼べる関係だわ!」

 

ブリュンヒルデとフレイは同じ元ウィルキア王国近衛海軍所属であり、後にウィルキア解放軍として世界を転々とし様々な超兵器と戦った。

そして首都シュヴァンブルクにて超兵器『リヴァイアサン』との戦いにも参加した。

当初は連携で確実にダメージを与えていたが、リヴァイアサンの切り札…レールガンによって形勢が逆転、ブリュンヒルデも撃沈寸前にまで追い詰められたが、フレイは咄嗟に盾となりブリュンヒルデが応急修理を終えるまで時間を稼いだのだ。

だが、その間にリヴァイアサンの猛攻を受けてしまいフレイは致命傷を受け沈んでしまったが、修理を終えたブリュンヒルデがリヴァイアサンに猛攻を仕掛けて撃沈する事に成功したのだ。

 

「フレイさん…あの、何と言ったらいいか……」

 

「いいのよ。私が望んでやった事だし、希望を繋げたから後悔は無いわ。だから自分を責めないで。」

 

「フレイさん…ありがとうございます!」

 

 

 

 

 

各艦が再会を謳歌した後、建造された3隻の配属先については以下の事が決められた。

 

現在日本は北方方面、太平洋方面、南方方面の戦線を構築しており、深海棲艦の迎撃を行なっている。

その為、出雲は北方方面の室蘭鎮守府、トールギスは太平洋方面の小笠原鎮守府、フレイは南方方面の佐世保鎮守府にそれぞれ配属される事が決まった。

テュランヌスが何処から攻めてくるか分からない為、とりあえず八洲達3隻を横須賀に、新しく建造された3隻を各方面の鎮守府に配属した。

 

新しく建造された3隻も元いた世界線の兵装を開発出来たが、初めの3隻とは違って建造は出来なかった。

それでも強大な戦力拡充が期待できる為、そこまで問題にならなかった。

計6隻の艦娘はテュランヌスとの戦いに備えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、ここは元タウイタウイ泊地。

 

そこには先のダイタルウェブにて鎮守府施設は破壊され、廃墟になっていた。

そこに人は居ない……かと言って深海棲艦もここには居なかった。

かつては深海棲艦の泊地となっていたが、テュランヌスの超兵器によって蹂躙された。

今現在、地上は廃墟のままだったが、地下は違った。

テュランヌスによって地下に基地を建設しており、そこには膨大な物質が貯蓄されていて、幾多の空間があった。

作戦指令室、兵装開発地区、保養所、巨大ドックなど様々な施設が地下空間にあった。

 

そして一番広い空間には数人の男女と立体映像に映っている男がいた。

 

「諸君、このタウイタウイ基地とパラオ基地、そして北太平洋海底要塞が只今をもって完成した。これより対日本制圧作戦『Op(オペレーション).フォールダウン』を始動する。」

 

その男は各基地の役割を言う。

 

「……そしてタウイタウイ基地はパラオ基地と連携して通商破壊を行なってもらう。その為の特設艦隊だ。そして…」

 

そう言うと男は超兵器の一人であろう少年を見る。

 

「ヴィントシュトース。我がテュランヌスで開発された量産型超兵器として君の他に大多数のビットユニットを配備している。圧倒的な速力と数の暴力によって通商ルートをズタズタにしろ。以上だ。」

 

「…了解。」

 

少年…否、超兵器『ヴィントシュトース』は笑みを浮かべる。

 

テュランヌスも世界掌握に向けて動き始めた………




次回は超兵器が登場します。

乞うご期待ください。
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