マレ・ブラッタ艦隊を退けたリバティは追撃を行うが、待機していた潜水艦隊の奇策により東京湾が封鎖されてしまう………
ー横須賀鎮守府ー
「何…これ……」
哨戒機からの映像を見た提督達は絶句していた。
海が燃えており、辺り一面火の海となっていた。
「これで奴らは東京湾を封鎖したというわけだな…」
八洲の言う通りこの状態では潜水艦以外の船は航行できない。
炎の壁によって東京湾は封鎖された。
「リバティからの報告は?」
「この状況下では通信は出来ません。鎮火するまで待つしか……」
その時、とんでもない報告が入った。
「はい、はい…そんなッ!」
「どうしたの?」
「先程厚木基地が空爆を受けた模様!」
「なんですって!機動部隊がいたの⁉︎」
「いえ、報告によると巨大航空機によって基地は機能不全に陥った様です‼︎」
「巨大航空機…まさかッ⁉︎」
しかも悪い知らせが届く。
その巨大航空機が横須賀鎮守府に向かっているとの事だ。
横須賀鎮守府上空…
そこに一機の航空機が飛んでいた。
これから空爆を仕掛けようというのに一機のみとは少ないにも程があるが、今回に至っては一機で充分だ。
何故なら、全長200m、全翼400mの巨人機であり…
兵装は『43.2cm80口径連装砲』に『203mmガトリング砲』、
おまけに速力は脅威の1080.0km/hを誇る航空機型超兵器…『超巨大爆撃機アルケオプテリクス』である。
始祖鳥の名を冠した彼女は赤に近いカラーリングで染められた艤装を背部に背負い、スチームパンク風の服装にパイロットゴーグル、オレンジ色で短めのツインテールが特徴的な少女である。
彼女は横須賀鎮守府攻略において直接鎮守府を叩く役割を与えられており、手始めに防衛空軍の厚木基地を空爆によって機能不全に追い込んだ。
既に横須賀鎮守府はマレ・ブラッタ艦隊の奇襲によりダメージを受けていた。
奇襲艦隊はリバティにより退けられたが、今はノーチラス率いる潜水艦隊がリバティを沈めるべく包囲する。
東京湾の出口付近は炎の壁によって封鎖されておりリバティに対する援軍は送れないし、横須賀鎮守府艦隊も身動きが取れない。
その隙に彼女の絨毯爆撃により艦隊を殲滅する算段だ。
彼女は鎮守府を目視すると高度を下げながら爆弾倉を開く。
そして一定の距離に差し掛かると爆弾倉からロケット弾と航空爆弾の雨霰が降り注ぐ。
空爆により損壊していた鎮守府施設が更に破壊される。
鎮守府施設が破壊されたが地下防空壕は今のところ無事であり、横須賀鎮守府所属の艦娘や妖精さんは全員避難している為無事であった。
通り過ぎた後旋回して再度爆撃しようとするが、何かに気付いた彼女は急速に旋回する。
その瞬間爆発した。
八洲が緊急出撃し、牽制としてアルケオプテリクス向けて新型対空弾を放った。
対空弾の炸裂により衝撃波を受けるが直撃に比べてダメージは少ない為、標的を八洲に定め爆撃を敢行する。
「見つけたわ、八洲!アンタに堕とされた恨み…思い知りなさい‼︎」
そう言うと彼女は連装砲とガトリング砲を展開して一斉射する。
多数の砲弾が八洲に降り注ぐが、彼は巧みな操艦で回避し命中弾は防御重力場で防ぎ切る。
回避しながら八洲は対空ミサイルや対空弾でアルケオプテリクスを迎撃する。
「チッ!鬱陶しいたらありゃしない‼︎」
彼女は苛つきながらもロケット弾と航空爆弾による急降下爆撃、旋回しながら連装砲とガトリング砲で攻撃する。
八洲もありったけの対空弾と対空ミサイルによって対応する。
「八洲さんッ‼︎」
「なっ⁉︎ブリュンヒルデ⁉︎」
さらにブリュンヒルデも加勢しVLSから対空ミサイルを発射する。
予期せぬ加勢により対空ミサイルの大半が命中し一旦距離を取る。
「八洲に続いてブリュンヒルデも…いいわ!纏めて海の藻屑にしてやる‼︎」
ブリュンヒルデの加勢に堪忍袋の尾が切れたアルケオプテリクスは超兵器機関の枷を外し、暴走状態となって襲い掛かる。
一方、こちらは超兵器艦隊に包囲されたリバティ。
前方には量産型超兵器『超巨大潜水艦レムレース』艦隊、後方には『超巨大高速潜水艦ノーチラス』が布陣している。
この二種類の超兵器はドレッドノートとは違い純粋な潜水艦である為、雷撃能力が高い。
比べてリバティは全長488mと巨大な上に水上戦用の兵装も搭載している為、電磁推進とポンプジェット推進で60kt以上の速力を出せるが最大速力100ktのノーチラスに負ける上に小回りが効かない。
最初に行動したのはレムレース艦隊で旗艦の合図で一斉に魚雷を発射する。
誘導魚雷に酸素魚雷の大群が迫るが、リバティは落ち着いた様子で回避し魚雷を放つ。
回避し切れず数本は命中したが持ち前の特殊鋼鉄複合装甲によってダメージはほぼ無い。
逆にリバティの放った音響誘導魚雷はレムレース艦隊に真っ直ぐ向かい各艦は回避行動に移る。
従来の誘導魚雷より誘導性能が高い音響誘導魚雷の為次々と命中するが量産型といえど装甲は折り紙付きの強度を誇るレムレースはなんとか耐える。
だが、次弾は音響誘導魚雷とは比べ物にならない程の速度を誇る超音速魚雷が放たれ回避する間も与えず命中する。
威力も高いので命中した艦は大破または轟沈の憂き目に合う。
リバティは更なる追撃を加えようとしたが後方から魚雷が迫る。
回避するが間に合わず命中、しかも放たれた魚雷は超音速酸素魚雷だった。
「ふんふふ〜ん♪命中〜♪」
水色のポニーテールにダイバースーツを着た少女…『超巨大高速潜水艦ノーチラス』が無邪気に喜ぶ。
彼女の艤装はドレッドノートに酷似しているが大口径連装砲なるものは無く、酸素魚雷や誘導魚雷、超音速酸素魚雷などを発射する魚雷発射管を艦首・艦底部前方に備え、艦尾にX字舵と一体化した推進ノズルを持っている事などドレッドノートと差別化されている。
自分の放った魚雷がリバティに命中した事で機嫌を良くした彼女は次々と多種多様な魚雷を連射する。
命中弾も多かったが、リバティが回避した事で流れ弾が発生しレムレース達に命中、沈没するという事態が続発した。
だが、彼女にとって自分達の怨敵である八洲、リバティ、ブリュンヒルデが沈めば問題ない為、自分が沈むのは御免だがテュランヌスが結成された際に完成した量産型超兵器が何隻沈もうが関係ないのである。
対してリバティも唯ではやられない。
ノーチラスに向けて音響誘導魚雷を放つ。
持ち前の速力で回避されるが、彼女は予想進路に向けて超音速魚雷を艦首の魚雷発射管全門使って放つ。
ノーチラスの最大戦速を考慮して放たれた為、数本命中する。
ダメージを負い浸水したノーチラスは速力が落ちる。
リバティは更なる追撃をしようとしたが、突如として爆発が起こる。
「何…⁉︎」
彼女は驚き状況を確認すると、体制を整えたレムレース艦隊が超音速酸素魚雷を一斉射で放ちその殆どが命中したのだ。
幾ら特殊鋼鉄複合装甲を纏っているとはいえ、超音速酸素魚雷を大量に受ければ損傷し浸水する。
浸水によって各所に被害が発生し、応急修理の為攻撃を中断し距離を取ろうとするが移動の最中にまたもや爆発が起こる。
辺りを見渡すと海中に何かが浮かんでいた。
「これは…機雷⁉︎」
そう、感応機雷だ。
目標が接近すると自動的に爆発する機雷であり、レムレース艦隊とノーチラスがリバティに対する攻撃の際に予め放った『感応機雷敷設魚雷』により運悪く敷設エリアに逃げ込んだリバティは更にダメージを受けた。
「やってくれるじゃない…頭にきた‼︎」
リバティの反撃でダメージを負ったノーチラスは怒り、超音速酸素魚雷と感応機雷によってダメージを受けた事を好機に彼女は超兵器機関の枷を開放、アルケオプテリクス同様暴走状態となって襲い掛かる。
ここはテュランヌス総帥アレスがいる最高司令室。
そこでは今回の対日本制圧作戦の進捗状況がリアルタイムで表示されていた。
ーーー今作戦の進捗状況ーーー
○太平洋方面攻略艦隊
構成:超巨大高速潜水艦『ノーチラス』
超巨大爆撃機『アルケオプテリクス』
超巨大潜水艦『レムレース』艦隊
超高速光学迷彩戦艦『マレ・ブラッタ』艦隊
現状:現時点で八洲達対超兵器艦隊の足止めに成功。
このまま八洲、リバティ、ブリュンヒルデに対する攻撃を続行。
○北方方面攻略艦隊
構成:超巨大双胴戦艦『播磨』
超巨大双胴戦艦『駿河』
超巨大双胴航空戦艦『近江』
超巨大高速空母『アルウス』
超高速戦艦『インテゲルタイラント』
現状:艦隊を二分し播磨を旗艦とする第一戦隊を予定通りに敵に察知させる事に成功。
まもなく北方方面連合艦隊を接敵する。
○南方方面攻略艦隊
構成:超巨大双胴強襲揚陸艦『デュアルクレイター』
超巨大二段空母『ペーター・シュトラッサー』
超巨大潜水戦艦『ドレッドノート』
超巨大潜水空母『ドゥールム・レムレース』
超高速巡洋戦艦『ヴィルベルヴィント』
超高速巡洋戦艦『シュトゥルムヴィント』
超高速装甲艦『ヴィントシュトース』艦隊
現状:那覇鎮守府及び奄美鎮守府の殲滅に成功。
予定通り沖縄に『B-2 スピリット』『B-3 ビジランティⅡ』を中核とする戦略爆撃機部隊を配備できる飛行場の建設作業に入る。
と、この様に対日本制圧作戦は順調に進んでいる。
だがこの作戦自体が大西洋・インド洋攻略に向けた布石だという事実を知っているのは作戦立案者のアレスのみである………
次回、暴走状態となったアルケオプテリクスとノーチラスが襲い掛かる。
横須賀攻防戦の行方は如何に…
そして八洲達は南方・北方戦線の援軍に間に合うのか………
乞うご期待ください。