鋼鉄これくしょん   作:あーくこさいん

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提督達は彼らの壮絶な艦歴を聞き言葉を失った。
その数日後、大本営から彼らの修復が命じられた。
修復費に懸念が残る中、すぐさま修復に取り掛かったが………


第三話 鋼鉄達の復活

ー横須賀鎮守府ドックー

 

本体の修復が決まると、彼らはドックに連れて行かれた。

ドックとは艦娘の怪我を治すだけでなく、マッサージやエステ、談話室等を備えた総合保養施設であり、深海大戦時に経営不振に陥った旅館を国が買い取りドックとして改装したという経緯がある。

現在入渠していた艦娘の修復がちょうど終わり、高速修復剤の在庫があるので彼らの修復はスムーズに進んだ。

尚、先程入渠を終えた子や任務から帰投した子は見たことない艤装に興味津々である。

一方、八洲達はーーー

 

「あっ、くっ沁みますね…」

 

悶絶していた。

無理もない。傷だらけの身体でお湯に浸かったら普通に痛い。

リバティと八洲は声を発していないが、脂汗を流していることから我慢しているのは事実だ。

あと、八洲は男性、リバティとブリュンヒルデは女性である為八洲とリバティの間に仕切りが立てられ見えない様になっていた。

 

「待ってね、バケツを使うから…」

 

そう言うと浴槽の上にあるレールから『高速修復剤』と書かれているバケツが運ばれ、バケツが傾くと中から緑色の液体が注がれた。

やがてその液体が浴槽の湯に馴染むと不思議なことが起こった。

 

「…あら、傷が治っていく…」

 

「えっ、あっ本当だ。」

 

今まで生々しく残っていた傷が消えて、傷付いた箇所を押しても痛みなど無かったのだ。

 

「なぁ、どういう原理でこんな綺麗に治っていくのか?」

 

「う〜ん、それは分からないのよねぇ。」

 

「……えっと、分からない…?」

 

「正確には使い方は分かるけど、どういう原理かは知らないわ。そこは妖精さんの領分だから…」

 

「妖精……2頭身の小人か?」

 

「ええ、このドックも妖精さんが作った…というか元々旅館を改装したものなのよ。」

 

ちなみに高速修復剤の効果は一回のみだが、修復時間が長い艦娘を瞬時に復活できる代物だ。(ただし人間が使うと快楽死する危険性がある。)

 

「もう大丈夫だな。上がっていいか?」

 

「ええ、まずは八洲から上がって。」

 

八洲から上がり、脱衣所にて置いてあった八洲専用の服を着た。

八洲の服は黒を基調とした服で胸当てを付け、黒の軍用ブーツにタンブルホーム船体の艦首を模したサンバイザーを被った。

専用の服を着た後、脱衣所を出て2人が出てくるまで待った。

しばらく待った後、陸奥と共にリバティとブリュンヒルデが出てきた。

リバティはダイバースーツのみと潜水艦としてシンプルな服装で、ブリュンヒルデは青と黒を基調としたウィルキア王国近衛海軍士官服を着ていた。

 

「おまたせ。」

 

「あっ、それが八洲さんの服装ですか。カッコイイです!」

 

「…そうか。」

 

八洲は照れ臭く感じながらも返事をした。

その時だったーーー

 

きゃあああ!!提督ぅ!?

 

瑞鳳の悲鳴が聞こえてきた。

何事かとドックを出て工廠に向かい、そこで見たのはーーー

 

「燃えた…燃え尽きたよ…真っ白に………」

 

椅子に座って灰のように燃え尽きている提督とそれを必死に揺さぶる瑞鳳がいた。

 

「…どういう状況?」

 

「あ〜それがですね、そこにいる3人の修復資材の量を見て燃え尽きてしまってですね………」

 

「…ちなみにどのくらい掛かった?」

 

「……これです。」

 

そう言うと明石は一枚の紙を八洲に渡した。

渡された紙を見た八洲は、

 

「………なるほど。」

 

と言い、その紙をリバティとブリュンヒルデに見せた。

 

「……悲惨ね。」

 

「あっ、えっと………ご愁傷様です…」

 

リバティは納得の表情を見せ、ブリュンヒルデは申し訳なさそうに謝った。

 

「備蓄していた資材が8割消し飛んだわ……ていうか、艦の頃はどうやって補給したのよ?」

 

「俺の場合、反列強勢力から資材・資金面で支援してもらった。」

 

「私は優先的に本国から満足な補給を受けたわ。」

 

「私の場合は各国から支援して貰いました。」

 

「………羨ましい。」

 

提督が恨めしそうに呟いた。

『代償として今は祖国はない』とリバティは思ったが、言ってもどうにもならない為、言わないことにした。

 

「それより大丈夫ですか?私の艤装、精密機械を搭載していますけど…」

 

「あっ、それならご心配なく!資材さえあればどんな艤装も直せるのよ。貴方達の艤装も問題なく直ったわ。」

 

(…いや、どういう原理だ……?)

 

八洲はそう思ったが、自分達も所謂『不思議技術』に該当する為、

 

(いや、俺達も大概だな……)

 

そう思い、納得した。

 

「じゃあ貴方達、とりあえずこの後試験航海に出るから準備してね。」

 

そう言うと八洲達は艤装が置いてあるところに向かった。

 

 

 

 

一方、彼らの艤装を興味津々で見ている艦娘らは、八洲達が来ると一斉に駆け寄ってきた。

八洲達は一斉に駆け寄ってきた艦娘達に驚くが、提督がその場を収めて試験航海に随伴する艦娘を選び出して出撃準備を命じた。

 

「さて、とりあえず艤装つけてみてくれる?」

 

「ああ、分かった。」

 

そう言うと彼らはそれぞれの艤装を装着した。

八洲の艤装は腰に大袖状のプロテクターを付け、そのプロテクターには四連装砲と三連装砲がそれぞれ一基ずつ接続され、外側にはサイドハルを模した装甲を持ち、そこには『30mm機関砲』と『新型パルスレーザー』が複数取り付けられていた。

背中には艦橋を模した構造物と『対空/対潜ミサイルVLS』と先程の対空火器群、艦載機の『OH-1』2機と『AH-64Jアパッチ』2機、『SH-60Jシーホーク』1機を格納する格納庫とヘリポートが備わっていた。

そして、何より異様なのはカニの形をした手甲…『新型カニ光線』一基と右肩部に折り畳んで装着している一際大きい砲…『レールガンβ』が備わっていたことだ。

 

リバティの艤装は右側に船体を模した水中バイクが接続されており、左側には『多弾頭ミサイルVLS3』、右肩部に『小型レールガン』二基、左肩部に『新型強化プラズマ砲』一基、艤装の各所に『30mm機関砲』、『新型パルスレーザー』を装備し、両脚部にはポンプジェット付き機械化ブーツを履いていた。

尚、艦首8門・艦尾4門の『新型超音速魚雷』と艦載機6機を格納していた。

 

ブリュンヒルデの艤装は両側に『280mmAGS三連装砲』を六基、左右の太ももと脛あたりに『五連装新型超音速酸素魚雷発射管』を四基、背中には従来の重巡とは比べ物にならない程大きい艦橋と『多目的ミサイルVLSⅢ』と『12.7cm75口径連装高角砲』と『囮投射機Ⅱ』、艤装の各所に『35mmCIWS』と『チャフグレネード』を搭載し、艦載機は『ハウニブーⅣ』と『RAH-66コマンチ』がそれぞれ二機ずつ格納されていた。

 

ちなみに先程紹介した兵装は存在自体知らない為、艦娘達は何の装備だろうと考えている。

艤装を付けた後、何かが足元を引っ張っているみたいな違和感を覚えたので下を見ると2頭身の小人が沢山集まっていた。

 

「もしかして…これが妖精さん?」

 

「ええ、そうよ。試しにしゃがんでみて。」

 

明石の言う通りにしゃがむと、妖精さん達がそれぞれの体によじ登り、艤装の隙間に入っていく。

明らかに容量以上に入っている様に見えるが、気にしたら負けである。

 

「よし、まずは航行練習よ!慣らしておかないとね。」

 

3人は着水した後動いてみたが、こけそうになったり、盛大にすっ転んでしまう。

それでもアドバイスを貰いながら練習したところ、1時間位で自由に操艦できるようになった。

 

「じゃあ、そろそろ試験航海を始めるわ。随伴艦は高速戦艦4人と正規空母2人、軽巡2人に第六、第七駆逐隊計8人…貴方達含めて19人で行う。」

 

(……なんか清々しいほどに警戒されていますね。)

 

(まぁ、ここは素直に従うのが得策ね。)

 

そう思いながらも準備を整え、指定された地点まで彼らは進んだ。

一方、提督達は執務室へ行きスピーカー付きの無線機を準備した。

金剛の艤装にマイクを付け、詳しい情報を聞き出そうとしていた。

 

「はてさて、どうなる事やら……」

 

この後、彼女達は彼らの性能に驚愕することになる………

 

 

 




次回は彼らの性能が明らかになります。

乞うご期待ください。
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