続いては兵装についての性能を測るが………
射撃演習に入る為、駆逐艦達が標的ブイの準備をする中、
「なぁ、少しあいつらと話をしていいか?」
「ええ、いいですけど…」
霧島に許可をもらった後、3人は集まり八洲が小声で指示する。
「とりあえず攻撃兵装をすべて使うぞ。」
「えっ!手の内を明かすことになりますけどいいのですか?」
「構わん。それよりもいざと言う時に兵装が動かなかった方がまずい。」
「…なるほど、分かったわ。」
しばらくして…
「射撃演習の準備ができたネー。それではYouの実力を見せるデース!」
「了解した。これより砲撃に移る。一番から四番主砲、目標を追尾。」
そう言うと八洲の一番、二番の主砲と三番、四番の主砲は2つの標的ブイを捉え標準と装填を終えると、
「全門斉射、撃て!」
八洲の14門の砲が一斉に火を噴いた。
数秒後、2つのブイに命中し蛍光煙幕が上がった。
「次弾、新型徹甲弾を装填……装填完了。撃て!」
今度は砲身が下を向き、発砲した。
砲弾は低い軌道で飛翔し、ブイの10m付近に着弾、しばらくして蛍光煙幕が上がった。
「新型カニ光線、レールガンβ用意!」
すると折り畳み式の砲が展開し超砲身の砲『レールガンβ』を構え、
「…撃て!」
ギュオン!!
レールガンβが大きな音を立てて、1秒も掛からずに命中した。
標的ブイは跡形も無く吹き飛んだ。
その後レールガンβを折り畳み、カニ型の手甲を起動すると標的ブイに近づき手甲を前に出す。
「新型カニ光線、照射始め!」
次の瞬間カニ型の手甲から2本の光線が放たれ、次第に蟹のハサミが閉じるように収束していき標的ブイの的を真っ二つに焼き切った。
八洲の射撃が終わると、リバティとブリュンヒルデ以外はほぼ全員が口を半開きしてポカーンとしていた。
「じゃあ、次は私ね。」
「…OK、見せてみるネー!」
金剛の合図とともにリバティが動き出す。
「小型レールガン、新型強化プラズマ砲用意。」
それぞれの兵装が標的ブイを捉える。
そしてーーー
「…撃て。」
ギュオン! ギュオン!
バヂィィィィィィィ!!
右肩の小型レールガンの純徹甲弾放たれ、左肩の新型強化プラズマ砲から翠色の稲妻が走り、標的ブイに命中した。
片方は跡形も無く吹き飛び、もう片方は黒焦げとなって破壊された。
「…いや、何あれ。」
「もう慣れましたよ…」
軽巡や駆逐艦達は規格外の事に驚きを通り越して呆れてしまった。
その後リバティは潜航し、超音速魚雷を放った。
従来の酸素魚雷とは比べ物にならない速度で迫った。
ズドーン!!
標的ブイに当たり、残る標的が1つとなるとリバティはVLSのハッチを開き、
「多弾頭ミサイル発射。」
ハッチから1発のミサイルが放たれ、やがて海面を飛び出し標的ブイに向かって飛んでいった。
「あれがミサイルですか!」
「見てっ!向きを変えてる!」
艦娘達がミサイルに興味津々とした中、ミサイルは標的ブイに近づくと分裂して3つの小型ミサイルを放った。
そして、小型ミサイルはすべて命中し標的ブイを粉々に破壊した。
その後、リバティは浮上した。
「終わったわ。とりあえず兵装は問題無く動く。」
「じゃあ、最後は私ですね!」
そう言うとブリュンヒルデが前に出る。
「では行きます!目標をA、B、C、D、Eに設定。一番から三番を目標A、四番から六番を目標Bに固定。AGS砲全門斉射!」
計6基のAGS砲から誘導砲弾が放たれ、2つの標的ブイに全弾命中した。
「続いて目標Cは多目的ミサイルで対応!撃て!」
その瞬間、VLSのハッチが開き4発のミサイルが打ち上がりそのまま標的ブイの所まで飛んでいき命中した。
そのままブリュンヒルデは速度を上げて標的ブイに近づく。
「超音速酸素魚雷、一斉発射!」
残りの標的ブイに超音速酸素魚雷を放った。
魚雷が着水した直後、2秒足らずで命中した。
「えっ、何あれ…」
「私達が使う魚雷よりも速い…」
雷撃を頻繁に行う駆逐艦達はあまりにも速い魚雷に度肝を抜かれた。
「よし、兵装に問題は無し。異常はありません!」
「これで終わりかしら?」
「No、最後は艦載機の運用試験ネー。Youの艦載機を出してみるデース。」
「了解した。艦載機部隊発艦せよ!」
「艦載機発艦始め!」
八洲が命じるとヘリポートから5機発艦した。
艦載機は防衛陸軍(旧陸上自衛隊)の『OH-1』と『AH-64Jアパッチ』がそれぞれ2機ずつ、防衛海軍(旧海上自衛隊)の『SH-60Jシーホーク』1機が飛び立った。
ブリュンヒルデからはスマートな形状のヘリコプター『RAH-66コマンチ』が2機、そして円盤状の航空機『ハウニブーⅣ』が2機飛び立った。
「ちょっと、あれって…」
「まさかのUFO!?」
「円盤型戦闘爆撃機『ハウニブーⅣ』です。従来の航空機とは一線を画する速度と機動性を持ち、1機で一個艦隊を殲滅することも出来ます!」
「…凄すぎて、もう驚かないわ。」
「…Trident隊、Trinity隊、発艦始め。」
リバティがそう呟くと、ハリアーに酷似した航空機が6機垂直に飛び立った。
しばらく静止した後、レシプロ機やヘリコプターとは比較にならない速度で飛行した。
「あの、リバティさん。あの艦載機、ハリアーに似ていますが…」
「あれはVTOL爆撃機『ディザスター』とVTOL戦闘機『カラミティ』よ。ハリアーをベースに私専用に開発したVTOL機で、『ディザスター』は『88mm航空機関砲』と『新型誘導爆弾』、『カラミティ』は『57mm航空機関砲』と『新型中距離AAM』を装備している。」
「ちょっと待ってください!88mmってドイツの高射砲と同じ口径の砲を航空機に搭載しているという事ですか!?」
「ええ、重量は嵩むけど新型航空エンジンによってハリアーと引けを取らない程の機動性を持つわ。」
「…えっと、とりあえず艦載機の性能を測る為に標的ブイの攻撃と演習機との格闘戦を行うね。」
そう言うと翔鶴と瑞鶴は矢を放ち、やがて黄色の機体が特徴の演習機が編隊を組んだ。
「まずは演習機との格闘戦を行います。準備はいいですか?」
「ああ、問題ない。」
「それでは格闘戦開始!」
そう言うと演習機部隊は八洲達の艦載機に殺到した。
だが、八洲のOH-1とリバティのカラミティ、ブリュンヒルデのハウニブーⅣは持ち前の機動性で回避、OH-1とカラミティは小回りが効く為そのままミサイルと機関砲を放ち演習機を破壊した。
またハウニブーⅣは化け物じみた変則飛行で敵機を翻弄し、機体から光弾…『荷電粒子砲』を放った。
格闘戦…否、蹂躙の末、演習機部隊は戦闘開始からわずか5分で全滅した。
八洲達3人以外の艦娘は皆唖然とする。
「…次は標的ブイの攻撃です。」
「了解した。」
そのまま標的ブイの攻撃に移る。
2機のアパッチが標的ブイを取り囲み機関砲とミサイルを放ち、たちまち標的ブイに煙幕が上がる。
ディザスターが急降下爆撃を敢行して機関砲を放ちながら誘導爆弾を投下し、標的ブイを破壊した。
また、コマンチからミサイルが、ハウニブーから航空爆弾が放たれたちまち標的ブイは煙幕を上げた。
シーホークなどは航空爆雷や対潜航空魚雷を投下し、水中の標的に命中した。
「終わったぞ。今度こそ終わりか?」
「Yes、データも取り終わったしそろそろ帰投するネー。」
金剛の命令で八洲達は帰投しようとした。
その時だったーーー
「「「!?」」」
八洲達3人は何かの気配を察知し、周囲を見回したり探信儀を確認したりした。
「どうしたの?」
「何か…誰かに見られている様な気がするんだが……」
「気のせいでしょ?」
「…だといいんだが。」
事実、探信儀を確認してもそれらしい反応は無かった為、そのまま鎮守府に帰投した。
ー??????ー
『男』は一部始終を見ていた。
八洲、リバティ、ブリュンヒルデ…横須賀鎮守府で発見された未確認艦娘の兵装レベルが
『男』は確信する。
いずれコイツらは我々の脅威になると……
脅威となる存在を知らせる為、送信する。
『総司令部に通達ーー横須賀鎮守府で発見された未確認艦娘3隻の兵装レベルは我が組織『テュランヌス』に匹敵する模様ーー早急な対策を求むーーー』
そう、八洲達が感じた気配はこの男…超兵器だった。
だが、何故発見出来なかったのか?
……無理もない。
この超兵器は高度800kmから八洲達を観測、データを収集していたのだから………
八洲達の様子を超兵器衛星が見ていました。
『ソビエツキー・ソユーズ』がもたらした情報に軍事組織『テュランヌス』はどう動くか……
次回をお楽しみに。