【完結】駄目な部分が目立つ転生者が、何故か周りから好かれる話 作:やさぐれショウ
ある日の休日……
直喜「よっ!はっ!ほっ!……って、うわぁっ!!」ステンッ!!
直喜は自宅マンションで、購入したヌンチャクを使っていた。だが、技を失敗し…転倒してしまう。
直喜「いててて……でも、これ買って良かったかも…軽いし、光っててキレイだし。」
使い方はぎこちないものの、直喜は蛍光ヌンチャクを気に入ったようだ。その時、直喜のスマホが鳴る。
直喜「もしもし?」
アカネ『あっ、直喜く~ん♪今時間ある?』
電話の向こうから、アカネの声が聞こえてきた。彼女から話を伺うと…どうやら、直喜に用事があるのは亜子で、会って欲しい人がいるとのこと……ツツジ台駅で待っているそうだ。
直喜「そ、それなら…い、今から…行くよ。暇だし…うん。」
アカネ『OK、よろしくね~♪』
直喜は準備を済ませると、戸締まりをする。そして、ツツジ台駅へと向かった。
亜子「おーい、こっちこっち~!!」
ツツジ台駅前には、亜子と見慣れない少女の姿があった。
真帆「貴方がなおちーさん?初めまして!私は真帆って言います!!」
直喜「な、なおちー…えっと、名前は神山 直喜で…なおちーはあだ名です。」汗
真帆と名乗る少女に、困惑しながらも簡単な自己紹介する直喜。
亜子「なおちー、真帆はウチの友達なの!それでね、ちょっとお願いがあるんだけど…」
直喜「な、何かな…?」
亜子と真帆は、直喜を湖へと案内した。そこで彼を待っていたのは……
怪獣「キキイイィィッ!!」
白地に黒模様の体色に、頭部には常にクルクル回転する三日月形の角があるのが特徴の怪獣だった。
直喜「うわぁぁああああ!!」
その怪獣を見て驚く直喜。
真帆(び、ビックリしちゃうよね…だって、エリーは)
直喜「スゴいスゴい!!本物のエレキングだぁぁああああ!!」キラキラ
しかし、直喜は目を輝かせていた。
真帆「…へっ?」汗
良い意味で驚いている直喜を見て、困惑する真帆。
亜子「なおちーはね、ウルトラマンやウルトラ怪獣が大好きなの。だからエリーを見て感動してるんだよ。」
真帆「そ、そうなんだ…あぁ、良かったぁ…」汗
直喜「このエレキングは、真帆さんの友達なのかな?」
真帆「う、うん…でもね、電気を食べ過ぎちゃって大きくなっちゃったの……」
真帆から話を聞くと…初めは、幼体だったエレキングのエリーだったが……真帆はついついご飯やオヤツをあげすぎてしまったため、等身大サイズから40m程の大きさになってしまったのだ。
直喜「そうだったんだ…」
真帆「後ね私…地球人じゃなくてね、宇宙人なの……ピット星が私とエリーの故郷なんだ。」
直喜「えっ、そうなの!?ということは、つまり…君って、ピット星人!?うわぁ、マッハ5のスピードで走れるスゴい星人だよね!?良いなぁ、足が速くて羨ましい…しかもしかも、ウルトラマンが空を飛ぶ時とおんなじスピードで、何だか運命を感じるなぁ。」
直喜はたまに…ウルトラマンやウルトラ怪獣の話になると、このようにブツブツと独り言を話すことがあるのだ。
真帆「……。」
真帆(なおちーさん……不思議な人だなぁ、足が速いって褒めてくれたり…私やエリーに対しても、全然嫌な顔してないし…何だか、安心する。)
亜子「ね、なおちーって優しい人でしょ?」
真帆「うん!」
直喜の人柄を知った『ピット星人』の真帆は、すっかり安心していた。
真帆「ねぇねぇなおちーさん!エリーってとっても賢いの!!見てて?」
真帆はエリーを呼ぶと、両手を広げたり腰に当てたりと交互にポーズを始める。すると、エリーも彼女の動きを真似してみせた。
直喜「わぁ、エリーって頭が良いんだね。」
亜子「ウチも真帆とエリーのパフォーマンス見せて貰ったんだけどさ、めっちゃ癒されるんだよね~♪」
真帆の真似をするエリーは、どうやら高い知能を持っているようだ。真帆から更に話を聞くと、エリーは人を襲うことは無く…むしろ大人しく、人懐っこい性格であることが分かった。
真帆「昔はね、亜子以外にも沢山の友達がいたんだけど…皆逃げちゃって……エリーが悪いわけじゃなくて、私のせいなの……」
直喜「……。」
真帆「もう、皆と一緒に遊べないのかな……」
泣きそうな顔をする真帆に、直喜はこう言った。
直喜「ま、真帆さん…!ぼ、僕…君とエリーと…と、友達になりたい…!!ぼ、僕ね…ど、どこの世界の人達と、友達になって…色んなことを知りたいんだ……」
緊張しながらも、自身の思いを伝える直喜。
真帆「……。」
真帆が亜子の方を見ると、亜子は優しく微笑んで頷いた。
真帆「なおちーさん、ありがとう…これから、よろしくね♪」
直喜「さん付けしなくて良いよ。」
真帆「それじゃあおあいこ…私のこともさん付け無しで、なおちー!!」
こうして、直喜は初めて…宇宙人の友達が出来た。握手をすると、次にエリーと握手をしたいと考えた直喜だが……
直喜(どうしようかな…僕の身体が自由に伸び縮みできたら良いんだけど……あっ、そうだ…!)
何かを閃いた直喜は、エリーの前に移動する。
直喜「エリー、このポーズできるー?これ、君と僕は友達!!」ビシッ!
直喜がやったのは、初代ウルトラマンの変身ポーズだった。それを見たエリーは、直喜と同じポーズをやってみせた。どうやらエリーも、直喜を友達と分かってくれたようだった。
レディベンゼン星人「へぇ、怪獣と外星人と友達になったのね…でも、そんな友情…あたしがぶち壊してやるよ。」
彼らの見えない遠くの森の中には、レディベンゼン星人がいた。
そして、湖近くに怪獣を放った。
怪獣「グワアアァァッ!!」
その時、グリーンを基調とした体色に、首の後ろから突き出したアンテナと、それを突き出した肩で固定するワイヤー、鉤爪状の手が特徴の二足歩行の怪獣が突如として姿を現した。
直喜「ッ!?」
直喜(か、怪獣だ…!!)
現れた怪獣は、エリーの元へ向かっていく。そして、エリーに攻撃を始める。
ドゴォッ!!
エリー「キキイイィィッ!!」ドドォォオオオオオオオッ!!
攻撃を受けたエリーは、湖に倒れる。
真帆「エリー!!」
エリーは何とか起き上がるが、現れた怪獣『ギブゾーグ』に無理矢理立たされ…顔面を殴られたり蹴られたりする。
亜子「折角…折角真帆とエリーが、なおちーと仲良くなれたのに……!!」
亜子は膝をついて、俯いてしまう。
直喜「真帆ちゃん、古間さん!!早く逃げて!!」
その時、ギブゾーグはアンテナから粒子を出した。その直後…
直喜「うわっ!?えっ、何!?」
ズブブブブ…
地面が突如軟化し、直喜の身体が次第に沈んでいく。
真帆「な、なおちー!!」
真帆は慌てて直喜の元へ向かうが……
ギブゾーグ「グワアアァァッ!!」ブゥンッ!!
ドドォォオオオオオオオッ!!
エリー「キキイイィィッ!!」
真帆「きゃっ!?」
ギブゾーグがエリーを投げ、地面に倒れた衝撃で真帆は転倒してしまった。やがて、直喜は地面へと沈んでしまった。
真帆「そ、そんな…なおちー……」
直喜が地面に飲み込まれ、ショックを受けてしまう真帆。その時…真帆はふと、亜子とのとあるやり取りを思い出す。
真帆『うる、とらまん…って、何?』
亜子『私達の希望…人々の、そして罪の無い怪獣達を照らす希望の光…なおちーはそう言ってたよ。』
それは、ウルトラマンについての話だ。
真帆(そうだ……ウルトラマンを呼ぼう、ウルトラマンなら…きっと、助けに来てくれるはず…!!)
そして、真帆は大空を見上げると……
真帆「ウルトラマーン!!」
…と、叫んだ。
真帆「お願い、エリーを助けて!!ウルトラマーーン!!」
直喜(…ま、真帆ちゃん…!!)
ゼアス(直喜君、行こう!!エリーを助けてあげよう!!)
直喜(うん!!)
直喜はピカリブラッシャー2で歯磨きを開始し、口の中を綺麗にすると……
直喜『ゼアァァアアアアス!!』ピカァァアアアアアアッ!!
ピカリブラッシャー2を高く掲げ、目映く優しい光に包まれて行く。そして、光の戦士『ウルトラマンゼアス』へと変身した。
エリーがギブゾーグに追い詰められる中、地面から目映い光が発生する。すると……
その光の中から、ウルトラマンゼアスが姿を現した。現れたゼアスは、ギブゾーグに飛び蹴りを繰り出した。
ドゴォッ!!
ギブゾーグ「ッ!?」ドドォォオオオオオオオッ!!
ゼアスの蹴りは、ギブゾーグの頭に命中した。ギブゾーグは地面を転がり、すぐに立ち上がる。
亜子「う、ウルトラマンゼアス…!!」
真帆「亜子!!来てくれたよ…ウルトラマンが、来てくれたよ♪」
亜子「うん!!やったね、真帆!!」
ゼアスが現れたことで、真帆も亜子もすっかり笑顔を取り戻していた。
ゼアス「ッ!!」
ゼアスはギブゾーグと相撲のように取っ組み合い…
ゼアス「デヤッ!!ヘアッ!!」ドゴッ!!ドゴッ!!
頭部にチョップを撃ち込む。次にギブゾーグを離し、キック攻撃に切り替える。
ドカッ!ドカッ!
ギブゾーグ「ッ!?」
ギブゾーグに2段蹴りを繰り出すと、回し蹴りを腹部に向かって放つ。
ゼアス「デヤァッ!!」
ギブゾーグ「グワアアァァッ!?」
ギブゾーグは大きく後退した。そんなギブゾーグに追撃を与えようと、ゼアスは走っていく。だが…
ギブゾーグ「ッ!!」キラァ……
アンテナから粒子を飛ばし…
ゼアス「グアッ!?」ズブブブッ!!
地面を軟化させてゼアスを沈めた。下半身が完全に沈んでしまったゼアスに、ギブゾーグは両腕を振るって攻撃を仕掛ける。
ドゴォッ!!ドゴォッ!!
ゼアス「グッ…!!」
初めは攻撃を受けていたゼアスだったが、何とか攻撃を受け止め…ギブゾーグを突き飛ばして後退させた。その間に、空中に飛び上がり…地面から脱出した。しかし、ギブゾーグはそれを待っていたかのように…
口からビームを放った。
バリバリバリバリッ!!
ゼアス「グアアァァッ!!」
ドドォォオオオオオオオッ!!
ビームをくらってしまったゼアスは、地上へと落下した。
真帆「ウルトラマン!!」
ゼアス「グッ…!!」
まもなく、ゼアスのカラータイマーが青から赤へと変わり、点滅を開始する。
カラータイマーが青から赤へ変わると危険信号…ウルトラマンは地球大気中に3分以上居ることができないのだ。
ギブゾーグ「グワアアァァッ!!」
ギブゾーグはゼアスを嘲笑うように、再び粒子を放つと…地面を軟化させた。
ゼアス「グアッ!?」
またもゼアスの身体が地面へと沈んでいく。
亜子「ゼアス、頑張ってぇ!!」
亜子はゼアスの勝利を信じ、必死に応援する。
真帆(何か良い作戦は…あっ、そうだ!!)
真帆「エリー!!ウルトラマンを助けて!!」
真帆がエリーに叫ぶと…
エリー「キキイイィィッ!!」
エリーは彼女の呼び掛けに応えるように、軟化した地面へと潜った。そして……
エリー「キキイイィィッ!!」ザパァッ!!
ドゴォォオオオオッ!!
ギブゾーグ「グワアアァァッ!?」
ギブゾーグの背後から奇襲攻撃を仕掛けた。その後、地面に倒れたギブゾーグに尻尾を巻き付け…強力な電流を流した。
ギブゾーグ「グワワワワッ!?」
全身に電流を流され、痺れるギブゾーグ。
ゼアス「ッ!!」
直喜(よし、今だ!!)
ゼアスは地面から脱出し、空中に飛び上がる。そして、ギブゾーグ目掛けて急降下キックを放った。
ゼアス「シュアッ!!」ドゴォォオオオオッ!!
ギブゾーグ「!!??」
ゼアスの蹴りが頭に命中し、ギブゾーグはうつぶせに倒れた。すかさずゼアスは、両腕を胸の前で交差させたあと瞬時に左右に伸ばしてから上にあげてエネルギーを集約。その後、両手を左腰に置いてから右腕を胸の前で水平に伸ばして、爆発力の高い光弾をギブゾーグめがけて撃った。
直喜(受けてみろ、必殺『ララランバルト光弾』!!)
ゼアス「シェアッ!!」ズギュンッ!!
ゼアスが放った青い光弾は、ギブゾーグに命中…ギブゾーグは大爆発を起こした。
真帆「や、やった…!!」
凶悪怪獣は倒された。次は、エリーを助ける番だ。ゼアスは両腕を天に掲げると、まるで何かを大切に抱えるようにゆっくりと胸の前に降ろして行く。そして、両手をゆっくりと前に突き出し…乳白色に輝く、眩く温かい光をエリー目掛けて放った。
真帆「エリー!!」
真帆(私はエリーとずっと一緒にいたい…エリーは私の大切な友達…ううん、大切な家族なの…お願いウルトラマン、エリーを助けて!!)
やがて、エリーは光の玉に包まれて行く。それをゼアスは優しく両手で持ち、真帆の元へ移動する。そして、彼女の前で屈むと…光の玉を渡した。真帆がそれを受け取ると、光がゆっくりと晴れて行き……
エリー「ピイッ♪ピイッ♪」
幼体となったエリーとなった。
真帆「エリー、元に戻ったのね♪良かった…!」
元通りになったエリーを抱いて、笑顔を見せる真帆。
亜子「ゼアス、ありがとう!!」
ゼアスにお礼を言う亜子。
真帆「ありがとう、ウルトラマン…本当に、ありがとう!!」
思わず涙を流し、ゼアスにお礼を言う真帆。
ゼアス「……。」コクッ…
ゼアスはゆっくり頷くと、静かに空中へ上がる。そして、湖の周りを飛び回った。その時、枯れた植物が多かったこの場所が…緑豊かになり、色とりどりの花畑へと生まれ変わった。
亜子「ゼアスー、ありがとー!!」
真帆「ウルトラマーン、大好きー!!」
大空を飛ぶゼアスに手を振る亜子と真帆。ゼアスは2人に手を振り、夕焼けの大空の向こうへと飛び去って行った。
真帆「あっ、なおちー!!」
真帆の視線の先には、こちらへ歩いてくる直喜の姿があった。
亜子「なおちー、無事だったんたね!!良かったぁ…!!」
直喜「う、うん…間一髪の所で、ゼアスが助けてくれたんだ。」
真帆「なおちー!!ウルトラマンってスゴいね!!あんなに大きかったエリーが、元に戻ったんだよ!!」
直喜「真帆ちゃんの思いが届いたんだよ。だからエリーも助かったんだ。」
亜子「あっ、そうだそうだ。エリーが2度と巨大化しないようにさ、なおちーに対策を教えて貰おうよ。なおちーはウルトラ博士だから、怪獣のことをよぉ~く知ってるんだよ!!」
真帆「えっ、そうなの!?教えて教えてー♪」
エリー「ピイ~♪」
その後、直喜によるエレキングの解説と…『エリーダイエット大作戦!!』と言う名称で、エリーのダイエットメニューの説明が始まった。
真帆「フムフム、食事は1日2回まで…運動に水泳や水中ウォーキングと…」メモメモ…
亜子「ほえ~、奥が深いなぁ~。」
真帆「なおちーありがとう!!エリー、一緒に頑張ろうね♪」
エリー「ピヨピヨ~♪」
ED~ASH DA HERO『Everything(English ver.)』~♪
『ウルトラマンデッカー』の第5話…良い話だったなぁ