【完結】駄目な部分が目立つ転生者が、何故か周りから好かれる話 作:やさぐれショウ
暑い日が続く中、直喜は毎日の日課としているウォーキングをしていた。いつものようにツツジ台の街中を歩き、ツツジ台公園にて休憩をすることに…
直喜「…ふぅ。」
直喜(9月なのに暑いってことは…もしかしてアカネちゃん、夏が好きなのかな?)
アノシラスと電車内で話し…この街の正体を知った直喜は、ベンチに座って考え事をしていた。秋になると、段々涼しくなってくるのだが…この世界は未だに真夏日だ。考え事に集中し、次第に周りが見えなくなってくる直喜。そんな彼のことを、覗き込む者がいることに気付いたのは…約10分後だった。
直喜「……!?」
顔を上げると、そこには六花が立っていた。
六花?「うわぁっ!?び、ビックリしたぁ~…」
直喜「…り、六花ちゃん?」
六花?「やっほ~直喜♪何してんの?」
直喜「えっ…日課で歩いてて、休憩してるんだ。あれ、六花ちゃんもたまに僕と一緒に歩いてたよね?」
六花?「へぇっ!?そ、そうだったっけ……あ~、うんうん、何回かあったね~…あははは……」
直喜の言葉を聞き、何故か動揺しているかのような…挙動不審になる目の前の六花。
直喜(ん?そういえば六花ちゃんって…右腕にオレンジ色のシュシュを身に付けているよね……でも、今日の六花ちゃんは……)
直喜は六花の右手首に目を移している。普段の六花は、右手首にオレンジ色のシュシュを身に付けているのだが…今、目の前にいる六花のシュシュの色は…オレンジではなく、紫色だ。
直喜(何だろう…何でなのか分かんない……けど、何か違和感を感じる……)
六花?「あっ、そろそろ行かなくちゃ…またね直喜♪」
直喜が六花に違和感を感じた時、彼女はどこかへ行ってしまった。
直喜(…そろそろ学校、行かないと…)
直喜は自宅マンションに戻り、学校へ行く準備をした。戸締りを終えた後、学校へと向かう。その時、スマホが鳴った。
直喜「もしもし?」
六花『あっ、直喜?六花だけど…朝からごめんね?』
直喜「り、六花ちゃん…!?」
六花『私さぁ、今日学校休むわ…熱出ちゃって……』
直喜「えっ!?」
直喜(ちょっと待って…六花ちゃんとは今朝、ツツジ台高校で……でも、あの時の六花ちゃんは元気そうだったし…)
ビックリする直喜の声を聞いた六花は…
六花『心配してくれてるの?大丈夫、私は強いから♪でも、ありがと♪』
…と、直喜が自分のことを心配してくれたのかと勘違いしていた。
直喜(い、言うべきなのかな…今朝のこと……でも、六花ちゃんは熱出ちゃってるし……ど、どうしようか…)
直喜は今朝の出来事を六花に話そうか迷っていた。
六花『…直喜?おーい、直喜ー?』
直喜「ひゃいっ!?」
六花『どうしたの?ずっと黙ってるけど…もしかして、直喜も具合悪い?それとも、変な奴に会ったりした!?』
直喜「ま、待って六花ちゃん…えっと、あのね…?」
六花『うん!』
六花が心配してきたため、話すことにした。
直喜「ぼ、僕ね…今日も…あ、歩いてきたんだけど…」
六花『うん!』
直喜「六花ちゃんはその時…い、家にいた…?」
六花『もちろん家にいたよ?ハッ!?もしかして転んで擦りむいちゃった!?』
直喜「け、けがはしてない…そ、それでね……ツツジ台公園で、休憩してたらね…?」
六花『うん!』
直喜「り、六花ちゃんと会ったの……」
六花『えっ!?わ、私と会った…?』
直喜の話に困惑する六花。
直喜「し、信じられないかもしれないけど……でも、僕……」
六花『ううん、私は直喜を信じる。直喜は絶対に嘘をつかないってのは分かってるからさ。』
直喜「…り、六花ちゃん……」
六花が話を信じてくれて、安心する直喜。
六花『じゃあ、何かあったら遠慮なく連絡してね?いつでも駆け付けるから♪』
直喜「あ、ありがたいんだけど…お身体を大事に、ね…?」汗
直喜は六花との通話を終え、ツツジ台高校へと向かった。
いつものように自分の席に着くと…
直喜「…!!」
六花の席には、学校を休んでいる筈の六花の姿があった。
なみこ「あれ?六花イメチェンでもしたの?」
六花?「はあ?いやいや何言ってんの、私はいつも通りだけどw」
はっす「いやいや、シュシュの色が違うし。」
六花?「確かにそうだけどwまぁ良いじゃん。」
六花はなみことはっすと話している。一見何も無いように見えるが…
六花?「…。」チラッ…
直喜「…!」
一瞬直喜をチラ見し、ニヤッと笑った。それは、直喜だけ認識でき、他のクラスメイト達は気付いていなかった。
直喜(ねぇゼアス…あの六花ちゃん、何か変だよ。)
ゼアス(直喜君もそう思う?実は僕もそう思ってたんだ。)
直喜(やっぱり…!?)
ゼアス(多分だけど、あれは六花ちゃんじゃない…だって、本物の六花ちゃんは学校を休んでるんだよね?)
直喜(うん、今朝電話で話したし…)
この六花に違和感を覚えているのは、ゼアスもだった。彼は今いる六花は六花本人ではないと予想している。しかし、まだ確信が無いため…偽物だと断言するのは難しいようだ。
午前の授業は何事も無く終わった。直喜は予め作った弁当を持って、屋上へと向かった。そして、弁当を開けると…
直喜「うわぁっ!?」
中には大量の虫が入っていた。直喜はビックリして弁当を投げた。
直喜「ぼ、僕のお弁当……」
折角作った弁当が何者かによって台無しにされ、ショックを受けてしまう直喜。そこに……
アカネ「あっ、直喜君!」
アカネを初め、亜子と蘭萌がやって来た。
直喜「…あ、アカネちゃん……」
アカネ「…どうしたの?」
アカネの問いに、直喜はダメになってしまった自分の弁当を指差した。
亜子「うわぁ…これは酷いな。」
蘭萌「Aはもう引っ越していないし…うーん、誰がこんなことを……」
犯人を推測するも、全く検討がつかない。
アカネ「そうだ直喜君、これあげる♪」
アカネが渡したのは、この学校で人気のスペシャルドッグだ。
直喜「…え、本当に貰っちゃって…良いの?」
アカネ「今この平和を壊しちゃいけない…優しい心を忘れちゃいけない……ウルトラマンレオの歌詞にあった言葉♪」
直喜「アカネちゃん、ありがとう……」
直喜はスペシャルドッグを受け取り、彼女達と昼御飯を食べることができた。
六花?「…ちっ。」
六花?(アカネって言ってたよね?アイツ、かなりヤバい奴だなぁ…闇のオーラ全快だし……それに、神山 直喜の…いや、ウルトラマンゼアスの周りには多くの地球人が集まってくる……堂々と嫌がらせをしてやりたいが、それは難しいな。)
5限目の体育が終わった後、最後の6限目は現代文だ。直喜は自分の中の椅子に座る。
直喜「いたっ!?」
将「どうした神山!?」
裕太「が、画鋲が…!!」
直喜の椅子見ると、そこにはまきびしのように画鋲が接着されていた。
裕太「大丈夫直喜君?」
直喜「うん、何とか…」
直喜は保健室に向かうことに……だが、階段に差し掛かると…そこには六花がいた。
六花?「どう、台無しにされる気分は?」
直喜「えっ…な、何を言って……」
六花?「私さ…好きな人には意地悪したくなっちゃうんだよね~。直喜が落ち込んで絶望している顔…はぁ、クセになる♪」
直喜「も、もしかして……お弁当も、僕の席に画鋲をつけたのも……き、君が」
六花?「そう。でもさ…もしも先生とかにチクったら、直喜がゼアスであることを全員に暴露するよ?」
直喜「そ、そんな……」
六花?「私もさ、あんまし大事にしたくないんだよ…だからさ、仲良くしようよ♪」
不気味に嗤う六花を見て、直喜は言葉を失った。
六花?「ほらほら、もうすぐ授業が始まるよ?早く戻んないと遅刻するよ~?」ニヤニヤ…
六花の言葉に、直喜は逃げるように教室へと戻った。そして、席を見てみると…
直喜(あれ、画鋲が無い…?)
びっしりくっついていた画鋲が、1つも無くなっていた。
裕太「あれ、直喜君…保健室に行ったじゃ?」
直喜「ううん、大したことないし…良いかなって……」
6限目の現代文は、何事も無く終わった。授業の後、掃除の時間になったのだが……
直喜「う、うわぁっ!?」ドテッ!!
亜子「大丈夫なおちー!?」
直喜は廊下で転倒してしまった。その理由は…
蘭萌「って、ここ水浸しじゃん…!!」
直喜が歩いていた場所には、何故か水がまかれていた。それを踏んでしまい、足を滑らせてしまったようだ。
直喜「…!!」
直喜は前を見て、一瞬驚いた。
六花?「……。」ニヤッ…
遠くに六花の姿が見え、転んだ直喜を嘲笑うかのように…彼に笑ったのだ。
アカネ「な、直喜君…」
無惨な姿になった直喜を見たアカネは…
アカネ「やったのは誰だ!?
出てこい!!」
鬼のような形相を浮かべてブチキレた。そこに教員がやって来て、事情を話すことに……
直喜「ま、待って…!!」
しかし、何故か直喜はこれを拒否した。
女教員「しかしだな神山…それでは君がまた」
直喜「大丈夫です。」
直喜は足早にその場を去った。
蘭萌「なおちん…何か様子が変だね。」
亜子「それな…何かに怯えてるみたい……」
女教員「新条、古間、丸佐…神山のこと、見守っててくれるか?帰りの
そして、帰りのSHRの時間になったのだが…そこでは、特に何も起こらなかった。しかし……
アカネ(六花…右腕のシュシュの色は違う……それに、ちょいちょい直喜君の様子を伺ってるな……怪しい。)
アカネは六花の様子に違和感を感じ、直喜と共に呼び出すことにした。予め、LI◯Eで亜子と蘭萌も呼び…屋上に行くことに……
アカネ「六花、ちょっと屋上まで来て?」
六花?「…良いよ。」
アカネ「直喜君も。」
直喜「う、うん…」
アカネが六花と直喜と共に屋上に行ったの確認した亜子と蘭萌は、彼らの後をこっそり着けた。
六花?「何?忙しいから手短にしてよ。」
アカネ「じゃあ単刀直入に聞くね?直喜君を虐めたのは、六花?」
六花?「そんなわけ無いじゃんw他の誰かがやったんでしょ?」
アカネ「嘘…だって六花さぁ、帰りのSHRの時にちょいちょい直喜君の表情伺ってたじゃん?それに直喜君…六花を見て怯えてたし……だからさ、やったのは六花しか考えられないんだよ。」
六花?「……。」
アカネの言葉に、黙り込む六花。
アカネ「黙ってるってことは、図星?」
六花?「…はは、バレちゃったかぁ……」
直喜「ひ、酷いよ…何で、何でこんなことを?」
六花?「決まってんじゃん。直喜と本物の六花の仲を引き裂く為だし…好きな人から嫌われる時に浮かべる地球人の顔、それがたまんなくってさぁ~♪」
目の前にいる六花は、ケタケタと嗤っている。そんな彼女を見て、この六花は偽物だと確信する直喜。
亜子「はーい今のバッチリ撮ってたよ~?」
蘭萌「まさか六花がやってたなんてね…マジで最低じゃん。」
亜子と蘭萌が出てきた次の瞬間……
六花?「ッ!!」ピィィイイイイッ!!
六花は目から黄色い光線を発射し、2人を気絶させた。
アカネ「亜子、蘭萌!!」
次の瞬間……亜子と蘭萌は勝手に起き上がり…アカネを押さえ付けた。
直喜「ふ、古間さん…ま、丸佐さん……や、やめてよ…アカネちゃんは、君達の…友達じゃないか……!!」
直喜の叫ぶ声は届かず…亜子と蘭萌はアカネの首に手刀を打ち込み、気絶させてしまった。
六花?「あっはっはっはっは!!これで直喜を…いや、ウルトラマンゼアスを心置き無く殺せる…!!」
目の前の六花は、ゆっくりと直喜に近付いて来る。
直喜(は、早く変身しなきゃ…動いて、動いてよ…!!)
直喜はゼアスに変身するべく、ピカリブラッシャー2を取り出そうとするが…恐怖で身体が動かない。やがて、六花が直喜に拳を振り上げたその時……
「直喜に手を出すなぁぁああああ!!」
本物の六花が現れ、ニセ六花を蹴飛ばした。
ニセ六花「ぐっ!?」
六花「直喜!!」
六花は慌てて直喜に近付くが……
直喜「…!!」
本物の六花を見ても、直喜は怖がって尻餅を着いたまま後ずさった。
六花「ッ!!」
そんな彼を見た六花は、ショックを受けてしまう。だが、今の六花にそんな暇は無い。ニセ六花は雄叫びを上げ、正体を現す。
???「キイイイィィィィッ!!」
それは、銀と黒寄りのモスグリーンの2色を基調とし、目はウルトラ戦士のように黄色く発光しているのが特徴の宇宙人だ。変身怪人『アトランタ星人』…六花と直喜の仲を引き裂き、ウルトラマンゼアス抹殺を目論むだけではなく…六花の周囲への信頼を奪うことを企む、卑劣かつ狡猾な宇宙人である。
六花「…いや、直喜……お願いだから、私を…嫌いに、ならないで…!!」
自分を怖がる直喜を見てショックを受けた六花は、頭を抱えると……
六花「いや…いや……」
…と、叫んだ。次の瞬間……空が引き裂かれ…
ベリアルの幻覚が現れ…六花に乗り移った。次に、ゾフィーの幻覚が六花に乗り移り、彼女は黄色、赤、黒の3色の光に包まれていく。
直喜「ッ!?」
その直後、光が目映く輝き…衝撃波が発生した。その衝撃波に、アトランタ星人によって操られた亜子と蘭萌は吹き飛ばされ、フェンスに激突して意識を失った。やがて、光が消え…そこには、六花が立っていたのだが……目元には、つり上がったような赤いラインがあり、スカイブルーの瞳には、充血したような赤いラインが入っている。更に、顔には赤と黄色の光を放つ涙のようなモールドが入っており、右腕のシュシュは赤黒い色に変化していた。
不気味な姿へと変わり果てた六花は、大空に向かって…まるで、野獣のような野太く荒々しい雄叫びを上げた。