【完結】駄目な部分が目立つ転生者が、何故か周りから好かれる話   作:やさぐれショウ

124 / 142
OP~OxT『UNION』~♪


第123話 新たなツミビト『転生者 D』

ある日の平日…

 

学校が終わった直喜は、いつものように帰路を歩いていた。彼の隣には、六花の姿がある。

 

六花「今日も居眠りしないでちゃんと授業聞いてたね、エラいエラい♪」ナデナデ

 

直喜「り、六花ちゃん…す、少し…恥ずかしいよぉ……」オロオロ

 

六花「え〜、良いじゃん♪周りには誰も居ないんだし。」

 

頭を撫でられて恥ずかしがる直喜に、六花は母親のような優しい笑顔を向ける。

 

直喜(そ、そう言えば…アカネちゃん、今日も来てなかったな……もしかして、僕のせい…?)

 

最近、アカネは学校を欠席することが多くなっている。先生に理由を尋ねると…どうやら、体調不良が続いているらしいとのこと。アカネに告白された直喜だったが、彼は彼女を選ばなかった…おそらく、それが原因であろうと考え込んでしまう直喜。

 

六花「…き、直喜?」

 

直喜「…ふぇっ!?あ、な、何かな…?」

 

六花「どうしたの、ボーッとして…もしかして、具合悪い?」

 

直喜「う、ううん…な、何でもない……」

 

考え事をしていたせいで、上の空になっていた直喜を心配する六花。

 

六花(アカネが学校に来てないのは、直喜にフラレたからだってことは知ってる…直喜が悪い訳じゃないんだけど……)

 

六花は知っていた。アカネが直喜にフラレたことを……向こうからわざわざ連絡して来たのだ。最後に、『直喜君と幸せになって』とだけ告げられ、それ以降は中々連絡が着かなくなってしまったのだ。

 

六花(直喜と幸せになってって言われても…それは直喜が決めること……てか、直喜が誰を好きになっているのかすら分かんないし……)

 

道を歩いていると、奥の方から誰かがこちらへ向かって来るのが見えた。

 

 

オニジャ「よぉ、直喜ィ!!」

 

 

それは、怪獣優生思想のメンバーだった。彼らはいつも通り、4人で行動していた。

 

ムジナ「ん、あんたって確か…?」

 

六花「宝多 六花…君達と会うのは、熱海以来だったっけ?」

 

ジュウガ「いいえ、ベンゼン星人の最期以来です。」

 

六花「あぁ、そんな日もあったような…」汗

 

六花が彼らと顔を合わせたのは、ベンゼン星人を撃破した日以来であった。

 

 

ベンゼン星人『えぇっ!?俺様忘れられてたのぉ〜!?』

 

 

何かが叫んだような気がしたが、多分気のせいだろう…

 

 

直喜「あっ、そうだ…シズム君達がくれた野菜、カレーにして食べたんだ。すっごく、美味しかった…!」 

 

ムジナ「ホントに!?良かったぁ♪」

 

オニジャ「カレーにしてって、直喜お前料理できるのか!?スゲェ…!」

 

怪獣優生思想と話す直喜を見た六花は、すかさず横槍を入れる。

 

六花「ちなみに、直喜の作る料理は絶品なんだよ?」

 

六花がそう言うと、ムジナが食い付いた。

 

ムジナ「えっ!?直喜の手料理食べたことあるの!?」

 

六花「当たり前じゃんw」

 

六花がドヤ顔すると、ムジナは悔しそうな顔をした。

 

シズム「俺達も食べたことあるでしょ?ほら、文化祭でさ…」

 

ジュウガ「えぇ、ですのでムジナ…その顔やめましょうか。」汗

 

オニジャ「あのパンケーキ、マジで美味かったな〜♪流石は俺達のベストフレンドだぜ!」

 

直喜のことを普段から『ベストフレンド』と呼ぶ怪獣優生思想の4人…円盤生物を従え、直喜の力になるために行動している。

 

六花「ねぇ、君達はさ…直喜をベストフレンドって言ってるけど、どうやって知り合ったの?」

 

六花がそう尋ねると、ムジナが語り始めた。

 

ムジナ「私らはさ、変わり者だったんだよ…フツーのヒトと価値観が違うから、誰も寄り付かなかった。でも、直喜だけは違った…私達を疑わず、友達になろうとしてくれた。」

 

次に、オニジャが語り始める。

 

オニジャ「初めは直喜を拒んだが…それでも直喜は、学校であったことを話してくれたり、怪獣の話をしてくれたり…最後まで諦めず、全力で俺達にぶつかって来てくれた。こんな俺達に、唯一振り向いてくれたんだ。」

 

最後に、シズムとジュウガが語る。

 

シズム「直喜からは…人間の素晴らしさを、この地球の素晴らしさを教わったんだ。」

 

ジュウガ「俺達に生きる希望をくれたんですよ、直喜は。だからこそ、彼は俺達のベストフレンドなのです。」

 

六花「…そうなんだ。」

六花(多分、この人達は地球人じゃない…でも、直喜にとってそんな事は関係ない……直喜は誰にでも優しいし…)

 

怪獣優生思想の話を聞いた六花は、思わず笑みがこぼれた。

 

直喜「そ、そうだった…の……?」汗

 

対して、直喜は困惑していた。

 

オニジャ「そうだぜ直喜!お前には感謝してもしきれねぇぜ♪」

 

シズム「本当だね、俺達は直喜に救われたんだよ。」

 

ムジナ「ホントにありがとう、直喜♪あぁ、思い出したら涙が…」クスンッ…

 

ジュウガ「ハンカチ、使いますか?」

 

涙ぐむムジナに、ハンカチを差し出すジュウガ。

 

 

おいテメェ!!

 

 

そんな時、背後から男の大声が聞こえてきた。振り向くと、そこにはおかっぱ頭で、眼鏡を掛けた少年が立っていた。彼は鼻息を荒くさせ、顔を真っ赤にして怒っている。

 

直喜「っ!?」

 

ビックリした直喜は、思わず六花の後ろに隠れてしまう。

 

オニジャ「あん、何だお前?」

 

少年「黙れ!!ボクは六花の後ろに隠れてるクソモブに」

 

ムジナ「ちょっと、名前ぐらい名乗ったら?失礼なんだけど?後うっさい。」

 

ムジナに指摘された少年は、黙り込むと…名前を名乗り始める。

 

 

転生者 D「ぼ、ボクはDだ…そ、それより…おいテメェ!!ボクの六花から離れろ!!」

 

 

名前を名乗った直後、再び直喜に怒号を飛ばす『転生者 D』

 

彼は権力者の息子として産まれ、その立場を利用して様々な悪事を働いて来た悪質な転生者だ。ヒロインの寝取りは勿論のこと、他転生者や原作主人公を殺害する等…やりたい放題し、幾つもの世界を壊して来た。神々から注意をされても反省せず、自分の行動を正当化しては開き直ってばかりいた。

 

直喜「で、Dくん…?」

 

転生者 D「黙れクソモブ!!お前みてぇなグズで弱虫でノロマなんかより、ボクの方が六花の彼氏に相応しいに決まってんだ!!分かったならとっとと六花から離れろ!!そして二度と六花と関わるな!!」

 

直喜「うっ、うぅ…」

 

Dの怒鳴り声を聞き、目に涙を浮かべる直喜だが…次の瞬間……

 

 

直喜「ぼ、僕だって…僕だって、六花ちゃんに逢いたい気持ちがあるんだ…り、六花ちゃんと関わったって良いじゃないか…!!六花ちゃんと関わって何が悪いんだ!?」

 

 

なんと、負けじと言い返したのだ。

 

六花「な、直喜…!」

 

彼の叫びを聞いた六花は、思わず目を潤わせる。

 

オニジャ「直喜よく言った!!」

 

シズム「直喜、君は本当にカッコいいよ。」

 

そんな直喜を褒め称えるオニジャとシズム。

 

ムジナ「六花と関わるなって、あんた何様のつもり?」

 

ジュウガ「直喜が誰と関わっていようが、貴方には関係ありません。そもそも、貴方に直喜の自由を奪う権利は無いですよ。」

 

ムジナとジュウガは直喜を庇う。

 

転生者 D「なんだと!?ボクの恋路を邪魔するなら…お前達には死んでもらうぞ!!」

 

Dはそう言うと、ポケットナイフを取り出し、切っ先を直喜に向けた。それを見た直喜は、腰を抜かしてへたり込んでしまった。

 

六花「…!!」

 

それを見た六花は、何かが込み上げて来るのを感じた。そして…

 

 

六花「直喜を連れて逃げて。

 

 

…と、低い声で怪獣優生思想に告げる。

 

ムジナ「うん!さぁ直喜!!」

 

ムジナが直喜を抱えると、怪獣優生思想はどこかへ姿を消した。

 

転生者 D「ふふっ、やっと2人きりだね、六花。」

 

六花のみになると、Dはニタッと気味悪く笑う。

 

転生者 D「さぁ、ボクと……おん?」汗

 

だが、六花の表情を見てDは固まる。六花のハイライトは既に消えており、ゴミを見るような目を向けていた。

 

 

六花「今、直喜を泣かせたよね?

 

ユルサナイ…!

 

 

六花はそう言うと、目にも止まらぬスピードでDを攻撃した。

 

ドガガガガガガガガガガガガッ!!

 

転生者 D「うわああああぁぁぁぁっ!!??」

 

六花から激しく攻撃され、ものの数秒でボロ雑巾と化したD。

 

転生者 D「あぐうっ…うぅっ……」

転生者 D(はっ?いやいや、六花は非戦闘ヒロインの筈じゃ……!?)

 

うつ伏せに倒れ、戸惑うD。すかさず六花は、両手を頭上で合わせると…

 

 

『ストリウム光線!!』

 

 

…と、技名を呼び、両手を腰に当ててエネルギーを充填する。

 

転生者 D(す、ストリウム光線…そ、それってウルトラマンタロウの…!?)

 

Dがそう思った次の瞬間…

 

ビィィイイイイイイイイッ!!

 

六花は両手をT字に組み、D目掛けて七色に光る光線を発射した。ウルトラマンタロウの必殺技『ストリウム光線』だ。光線は真っ直ぐDに飛んで行くと、大爆発を起こした。

 

オニジャ「六花ァ!!」

 

Dを倒した六花は、その場で立ち尽くしている。そこに、円盤生物に乗った怪獣優生思想と直喜が姿を現す。

 

ムジナ「さっきの変なヤツ、やっつけたの?」

 

六花「…ううん、逃げられた。」

六花(アイツらと同じ、ゴキブリみたいな生命力だなぁ…)

 

どうやら、Dを仕留めることは出来なかったようだ。

 

六花(本当は殺したいけど、それじゃあ直喜に嫌われちゃうし…)

 

直喜「り、六花ちゃん…」

 

六花「直喜ッ!!」

 

直喜の声を聞いた瞬間、真っ先に彼を抱きしめる六花。

 

直喜「えっ?うわぁっ!?」

 

六花「ほら、もう怖くないよ。」

 

優しい笑顔を浮かべながら直喜を抱きしめ、背中をポンポンと叩く。その後は、怪獣優生思想をお供にし、無事に直喜を自宅マンションまで送り届けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

転生者 D「あ、あぶねぇ…コイツが役に立って良かったぁ……」

 

その頃…六花の光線から逃れたDは、近くの公園に身を潜めていた。彼の足元には、他の世界から盗んで来たと思われるドリルが転がっている。これを使って地中に潜って、難を逃れたようだ。そこに、マートが姿を現す。

 

マート「はぁ…全く、どこから入って来たのかしら?」

 

転生者 D「ッ!?だ、誰だ…!?」

 

マート「フフッ、通りすがりの神様よ?」

 

転生者 D「か、神様だと…だったら、ボクに六花を洗脳する力を寄越せ!!それくらい出来るだろ!?」

 

マートを見たDは、命令口調で力を求める。しかしながら…

 

マート「ツミビトである貴方に、私が力を貸すとでも思ってるのかしら?おめでたい頭ね。」

 

ツミビトである彼に、マートは力を与えようとはしない。

 

マート「本気で彼女を求めているなら、自力で何とかしなさい?じゃあね♪」

 

転生者 D「あっ!?おい待て…!!」

 

Dの叫びも虚しく、マートは瞬時にその場から消えた。

 

 

転生者 D「クソオオォォッ!!

 

 

夕闇の公園には、Dの汚い叫び声が響き渡るだけだった。




ED~ASH DA HERO 『Everything』~♪
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。