【完結】駄目な部分が目立つ転生者が、何故か周りから好かれる話 作:やさぐれショウ
ジュウガ「どうしたんですか、シズム?」
オニジャ「お前から呼び出すなんて珍しいじゃねぇか。」
ムジナ「んで、何で呼ばれたの?」
ツツジ台を拠点としている怪獣優生思想は、かつて直喜と出会ったツツジ台公園にやって来ていた。
シズム「俺達はベストフレンドである直喜の為に、怪獣を扱っている…そうだよね?」
オニジャ「当たり前だろ?」
シズム「直喜はさ、俺達にいろんなモノを与えてくれた…けれど、俺達はどう?直喜に何を与えられた?」
シズムがそう聞くと、メンバー達は少し考え込む。
ジュウガ「俺の衣装の1つを与えましたね。」
オニジャ「グラウンド・ワンに行った時、直喜の負担は俺が出したし…後は、う〜ん……」
ムジナ「家の畑で作った野菜をプレゼントした…あれ、それだけ?」
シズム「目に見える物を与えられてもさ、目には見えない物を与えられた感じがしないよね?」
シズムがそう言うと、3人はハッと目を見開く。そこに、姿を現したのは…
マート「へぇ…貴方達が怪獣優生思想、ね?」
それは、神の1人であるマートだった。
ムジナ「何、あんた?」
マート「通りすがりの神よ?」
オニジャ「は、はぁっ…?」汗
マートの言葉に困惑するオニジャ。
マート「貴方達は、もう…人類に敵対することは辞めたのよね?」
ジュウガ「えぇ、辞めました。人間の素晴らしさを教えてくれたのは、紛れもなく直喜でしたから。」
マート「…そう。」
マートは近くのベンチに座ると、再び怪獣優生思想に質問をする。
マート「では、貴方達は何の為に存在しているのかしら?」
シズム「決まってるじゃないか、直喜の為だよ。直喜の生き甲斐が、俺達の生き甲斐でもある。直喜の喜びも、俺達の喜び…そして、直喜の幸せは、俺達の幸せでもある。」
マート「ふ〜ん…」
マート(彼らは嘘偽りなんて何一つ言っていない…なるほどね、本気で直喜を愛しているみたいね。だったら…)
少し黙り込んだマートは、こんな質問を投げる。
マート「じゃあさ、もし直喜が人間じゃなかったとしても…貴方達は直喜の友達でいられるのかしら?フフフッ…」
意地悪そうに笑うマートだが…
ジュウガ「当たり前です、直喜が何であろうと関係ありません。」
オニジャ「俺もだ!直喜はなぁ、怪獣使いである俺達とも仲良くしてくれたんだぞ?」
ムジナ「そうよ、直喜こそが私達のベストフレンドなの!」
シズム「直喜は今でも、俺達と親しくしてくれている。今更直喜が何であろうと、俺達のベストフレンドであることには変わりないよ。」
怪獣優生思想には、全く効いていなかった。そんな彼らを見たマートは、安心したような笑みを浮かべる。
マート「…良かったわ。」
オニジャ「あん?どういうことだ?」
マート「彼はどんどん力を付けて行っている。あの子なら…不可能を可能にすることが、できるかもね。」
マートはそう言うと、空中に浮かび上がって行く。
マート「直喜のこと、よろしくね。」
そう言い残すと、夕空に吸い込まれるように姿を消していった。
ムジナ「…何だったの、さっきの女?」
シズム「…さぁね。」
その頃、とある豪邸では……
転生者 D「くっそぉ…どうしてボクの魅力に気付いてくれないんだ?」
Dが、無駄な考え事をしていた。どうやら、推しのヒロインが自分に振り向かないのは直喜のせいだと思い込んでいるらしい…
転生者 D「まぁ良い…新条 アカネを先にボクのモノにして、その後に六花をお迎えすれば良いか。キヒヒッ、早くベッドファイッ!!したくなってきたなぁ〜♪」
きったねぇ笑顔を浮かべるDだが、結局はノープランなのだ。ヒロインを振り向かせる為に何をするのかを考えるのではなく、ヒロインが振り向いてくれるのをただ待っているという、他力本願な考え方であった。
母親「Dちゃ〜ん、今日の晩ごはんはステーキですわよ〜!!」
転生者 D「うわぁ〜い!!ステ〜キステ〜キ♪とってもステ〜キ〜〜♪」ルンルン♪
母親の声を聞いたDは、ウキウキしながら食堂へと向かうのであった。
アカネ「……。」
アカネ(まぁたツミビト…?何でいつもいつも邪魔ばっかりすんのかなぁ……)
アカネは高層ビルの屋上からDの豪邸を見下ろしていた。
オリシス「…ここにいたのか。」
そんな彼女の元に、オリシスが姿を現す。
アカネ「何だ、オリシスか…直喜君だったら良かったのに……」
オリシス「……。」
残念そうなリアクションをするアカネにツッコミを入れようと思ったオリシスだが、彼女の心情を察し、黙っていた。
アカネ「直喜君からは、確かにフラレちゃった…でも、でも……私は、直喜君を守るっていう役目があるから……まだ、私の存在意義はある。ねぇオリシス…アイツが直喜君に手出ししようとしたら、やっても良いよね?」
オリシス「勿論だ。但し、殺してはならない…それが、お前達に出した条件だからな。」
アカネ「うん…うん……」
オリシス「その時は、辛かったことを思い切りぶつけると良い…殺さない程度でな?」
オリシスはそう言うと、静かに姿を消していった。
アカネ「アハッ、そんなに私に逢いたいの?
たまには、私から逢いに行っちゃおっかなァ〜♪」
アカネはそう呟いた次の瞬間…高層ビルから身を投げ出した。
ED~ASH DA HERO『Everything』~♪