【完結】駄目な部分が目立つ転生者が、何故か周りから好かれる話 作:やさぐれショウ
まだまだ暑い日が続くツツジ台。そこにある学校、ツツジ台高校に直喜は通っている。1年E組では、どういう訳か人気者になっているのだ。そのクラスにて…
なみこ「ねぇねぇ直喜ィ〜、コスプレってしたことある〜?」
クラスメイトの1人、なみこが直喜に尋ねる。
直喜「こ、こすぷれってなに…?」
はっす「アニメやドラマとかに出てくるキャラに、実際になりきることだよ。」
直喜「へ、へぇ…」
直喜にとって、コスプレは無縁…そもそも、コスプレ自体分からない。
亜子「なおちー、コスプレしたら世界が変わるよ?」
直喜「えっ…そ、そうなの…?」
蘭萌「コラコラ、余計なこと教えない。」
余計なことを教えようとする亜子に注意する蘭萌。
亜子「あっ、そうだ…蘭萌ってさぁ、衣装作れるよね?なおちーにピッタリな衣装ある?」
蘭萌「あ、そうそう…なおちん、台風の時助けてくれてありがとう!そのお礼に、衣装を作って来たんだ。なおちんが好きそうな。」ゴソゴソ…
何やらトートバッグの中に手を入れる蘭萌。
直喜「お、お礼なんて良いのに…」
蘭萌「ウチらはそうは行かないんだ。なおちんが助けてくれなかったら、ウチらどうなってたか分かんなかったし…」
亜子「そうそう!だからさ、せめてもの気持ち!!」
そして、蘭萌がバッグから取り出した物に…思わず直喜は目を丸くする。
直喜「えっ!?こ、これって…もしかして……!!」
蘭萌「これ、ウルトラマンゼアスに出てくる地球防衛軍『
亜子「どう、なおちー!?これが蘭萌クオリティだよ♪」
直喜「す、スゴい…!スゴいよ、丸佐さん…!!」キラキラ
それは、直喜の大好きなウルトラマン作品【ウルトラマンゼアス】に登場する地球防衛軍『Mydo』のスーツだった。ゴーグル付きヘルメットやブーツまである。
六花「何々、直喜コスプレするの?」
直喜「えっ…!?こ、これ…実際に、着れるの…?」
蘭萌「もちろん♪」
亜子「ねぇ、折角だから着てみてよ♪なおちー絶対似合うって!!」
直喜「えっ、えぇっ!?こ、ここで着るの!?」
亜子の言葉を聞き、戸惑う直喜。
六花「私、見てみたいな〜♪直喜がMydo隊員になるの…直喜が着てくれなかったら、私泣いちゃうよ?」
直喜「そ、そんな…!!」アワアワ
六花に煽られ、慌て始める直喜。
なみこ「六花もこう言ってるんだし、思い切って着ちゃおうよ!!」
はっす「けど、人目が気になるか…それならウチ、イイとこ知ってるよ?」
次第に他のクラスメイト達も注目し始めたため、直喜と六花達は教室を出て行く。クラスメイト達も着いていこうとしたが、六花がギロリと睨んだため、そそくさと教室へ戻った。
彼らがやって来たのは、屋上だった。今日も晴れ空が広がっている。
亜子「なおちーが着替えてる間、ウチらそこのドアのとこにいるから。終わったら声掛けてよ。」
直喜「う、うん…」
直喜(り、六花ちゃんが泣いちゃうから…僕も、腹くくらないと……)
女子陣がドアに入ったところで、直喜は制服を脱ぎ…Mydoスーツに着替える。
直喜(あれ…この流れ、前にもあったような……あっ、そうだ…ジュウガ君から軍服貰った時だ…)
前にも似たような出来事があったのを思い出し、次第に恥ずかしさが消えていく直喜。
直喜「も、もう…良いよ……?」
直喜がそう言うと、ドアが開き…女子陣が戻って来た。
Mydoスーツに身を包んだことで、すっかりMydo隊員になりきった直喜。そんな彼を見て、歓喜する女子陣。
亜子「なおちーめっちゃ似合ってる!!」
蘭萌「着心地はどうかな、なおちん?」
直喜「う、うん…すっごく良いよ、これ……僕、これ…気に入っちゃった…!」
蘭萌手作りの衣装は着心地が良く、直喜は気に入ったようだ。
なみこ「ちょいちょい、写真写真!!直喜めっちゃくっちゃ似合ってるから!!」
直喜「えぇっ!?しゃ、写真…!?」アワアワ
はっす「直君直君、敬礼ポーズしてみて?」
直喜「こ、こう…?」
直喜が敬礼すると、六花となみこが連写モードで写真を撮った。
六花(ありがとう、丸さん。)パシャシャシャシャッ
なみこ(丸さんマジナイス!)パシャシャシャシャッ
直喜「も、もう動いて良い…かな……?」
写真を撮られて恥ずかしくなったのか、直喜は赤く染まった顔をヘルメットで隠す。しかし、ヘルメットに付いているゴーグルは透明であるため、直喜の顔は隠れない。
なみこ「ねぇ、六花さんさぁ…折角なんだし、直喜と一緒に写ったら?」
六花「えっ、私が?」汗
はっす「もしかして、直君と写るの嫌?」
六花「いやいや、そんな訳無いじゃん。」
なみこ「なら良いじゃん♪ほらほら!!」
なみこに押され、直喜の隣に立つ六花。
直喜「あ…り、六花ちゃん…」
六花「な、直喜…」
六花と直喜が見つめ合うと、お互いに顔が真っ赤に染まっていく。そんな2人を、はっすが写真に収めた。
六花「ちょっ、急に撮らないでってば!!」
なみこ「良いじゃん良いじゃん♪六花と直喜お似合いカップルなんだしさ〜♪」ニシシッ♪
直喜「へぇっ!?ちょっ、なみこちゃん!?」
テンパっては慌てる六花と直喜をからかうなみこ。
蘭萌「ねぇ、亜子…アカネってさ、確か……」
亜子「うん、なおちーのことが好き。でも、フラレちゃってショックを受けてる……けど、アカネはなおちーに幸せになって欲しいって言ってた。」
蘭萌「だよね…」
アカネが最近学校に来ていない理由として…表向きでは体調不良ではあるが、本当は直喜にフラレたショックから立ち直れずにいるからだ。亜子と蘭萌にもそれを打ち明けたアカネ…友達がショックであることに、亜子と蘭萌は複雑そうな顔をしていた。
その頃、アカネ宅では……
アカネ「……。」
机の上に突っ伏し、アカネはスマホを見た。
アカネ「へぇ〜…蘭萌が作った衣装を、直喜君が着てるんだ。やっぱり直喜君はカッコいいや……」
蘭萌から送られてきたのは、Mydoスーツに身を包んだ直喜の姿だった。
アカネ(直喜君…私、キミのことを造って良かったのかな……私の勝手な思いで、キミは産まれてきた…怒ってる、かな……?)