【完結】駄目な部分が目立つ転生者が、何故か周りから好かれる話   作:やさぐれショウ

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第132話 会いたい気持ちがあるから

オリシスとマートから真実を告げられ、全てを思い出した直喜は…クラスメイト達の前に降り立った。

 

ユタカ「…か、神山……!」

 

さきる「なおちー…!」

 

亜子「なおちー!!アカネが…アカネが怪獣に……!!」

 

クラスメイト達の視線の先には、ゼッガーと戦うグリッドマンとグリッドナイトの姿があった。全く歯が立たず、中々攻撃ができない程追い詰められている。ゼッガーは開いた口から衝撃音波を放ち、身体に取り付いた相手には電撃で迎え撃つ。 衝撃音波が命中すると、建物が根こそぎ吹き飛ばされ、広範囲にわたって大爆発が起こる。

 

直喜「アカネちゃん…待っててね、今行くから…!」

 

光「行くって…あんなに大きな怪獣だよ…!?」

 

直喜の言葉に、心配そうな声を出す光。

 

直喜「それでも、僕は行くよ…だって、アカネちゃんに会いたい気持ちがあるから……」

 

タツミ「け、けど…宝多が心配するんじゃ……」

 

タツミがそう言うと、六花が前に出て来た。

 

六花「大丈夫だって、私は直喜を信じてる。」

 

続いて、なみことはっすも前に出て来る。

 

なみこ「直喜はウチらのクラスメイト、いや…ムードメーカーであり、皆のアイドルでしょ?」

 

はっす「そ〜そ〜、ウチらが直君を信じなくてどーする?校外学習の時も、台校祭の時も…困ってる人を真っ先に助けに行けるんだから。」

 

3人の言葉を聞き、ハッとした表情を見せるクラスメイト達。

 

クラスメイト「そうだ…神山は確かに……」「そうだよ…ウチら、なおちーに何度も助けられたんだ……!」

 

次第にクラスメイト達の顔にも、不安が消えていく。それを見た直喜は、優しく微笑む。

 

直喜「皆、ありがとう……」

 

そして、クラスメイト達に背を向けると…ゼッガーの方へと全力で走って行く。

 

六花「直喜ぃぃいいいい、頑張ってぇぇええええ!!

 

段々遠くなっていく直喜にエールを送る六花。

 

 

 

うぉぉおおおおおおおお!!

 

 

 

雄叫びを上げながら全力疾走する直喜は、右手に持っているピカリブラッシャー2を空高く掲げる。すると、ブラッシャーからは乳白色の目映く、優しい光が発生した。直喜がその光に包まれて行くと、光の戦士『ウルトラマンゼアス』が姿を現す。クラスメイト達の目の前でウルトラマンに変身した直喜は、怪獣となったアカネを助けるため…勇気を出して、行動を開始した。

 

クラスメイト「えぇっ!?か、神山が…う、ウルトラマン…!?」「じゃあ、今までウチらを守ってくれたのは、なおちーだったんだ…!!」

 

直喜がウルトラマンであることを知ったクラスメイト達は、驚きのあまり…言葉を失っていた。

 

六花(直喜…お願い、アカネを助けて…!!)

 

なみこ(直喜、がんば…!)

 

はっす(ファイトだぞ、直君…!)

 

亜子(なおちー、ウチは信じてる…!)

 

蘭萌(アカネを助けて、生きて戻って来てね…!)

 

六花、なみこ、はっす、亜子、蘭萌の5人は直喜がウルトラマンであることを知っている為、驚くことは無かった。両手を組み、祈るように彼の勝利を…アカネの無事を信じていた。

 

 

 

〜アカネ side〜

 

 

あぁ…私自身が怪獣になっちゃうなんて……今までは怪獣を産み出す側だったのに……皮肉にも程があるって……これは、今まで自分がやって来た事に対する相応しい報い…『因果応報』ってヤツ、かな……

 

 

怪獣となってしまい、その核となったアカネは…無数の白い手に捕われていた。そんな彼女を待ち受けていたのは…

 

アカネ『ッ!?』

 

Arcadiaを始め、自分が今まで殺して来た者の亡霊達だった。彼らは何か言葉を発する事はなく、ただ笑顔で…アカネをじっと見つめているだけ……まるで、今のアカネを嘲り笑っているかのように……

 

アカネ『い、いや……いや……!!』

 

絶望の淵に立たされ、亡霊達に怯えていると…

 

アカネ『う、ウルトラマン…ゼアス……な、直喜君……!!』

 

ウルトラマンゼアスが、こちらへ走って来るのが見えた。

 

アカネ『ダメ…直喜君、来ちゃダメ……!!』

 

 

〜アカネ side OFF〜

 

 

 

グリッドマン「…あれは、ウルトラマンゼアス…!!」

 

グリッドナイト「な、直喜…!!」

 

ゼアスは足を止めることをせず…ただ真っ直ぐ、ゼッガー目掛けて走って行く。

 

 

イヤァァアアアアアアアア!!

 

 

ゼッガーが鳴き声を発すると、4本の触手から電撃が放たれ、ゼアス目掛けて飛んで行く。それでもゼアスは、足を止めず…ゼッガーの方へ足を進めて行く。

 

直喜(アカネちゃん…今、助けるから…!!)

 

やがて、ゼアスはゼッガーにたどり着くと、懐に入って掴み掛かる。すると、ゼッガーは全身に電撃を流し、ゼアスを剥がそうとする。

 

ゼアス「グッ…!?」

 

グリッドナイト「直喜!!」

 

グリッドナイトは立ち上がると、ゼッガーに向かって飛び蹴りを放った。ゼッガーは地面に転がり、ゼアスの身体が離れる。

 

グリッドナイト「大丈夫か、直喜?」

 

グリッドナイトの言葉に、ゼアスはゆっくりと頷く。そして、再びゼッガーの方へ走って行く。グリッドナイトも続いて走って行く。

 

グリッドマン「ッ!!」

 

グリッドマンも立ち上がり、ゼッガー目掛けて走り出す。

 

グリッドナイト「グリッドマン!!俺達が隙を作る…だから、力を貸せ!!」

 

グリッドマン「分かった!!」

 

グリッドナイトと協力し、ゼアスが攻撃できるチャンスを作ることにしたグリッドマン。グリッドマンはゼッガーの右側に移動すると、2本の触手をがっしり掴む。グリッドナイトはゼッガーの左側に移動すると、反対側にある2本の触手をしっかり掴む。ゼアスはゼッガーの正面に来ると、中にいるアカネに言葉をかける。

 

直喜(アカネちゃん、聞こえる!?君を助けに来たんだ!!)

 

 

 

〜アカネ side〜

 

 

ゼッガーの中にいるアカネには、ウルトラマンゼアスのことがしっかり見えていた。すると、彼女の目の前に1つの映像が流れ始める。

 

アカネ『ッ!?』

 

その映像を見たアカネは…

 

 

いやぁぁああああああああ!!

 

 

…と、絶叫を上げた。

 

アカネ(このままじゃゼアスが…直喜君が負けちゃう……お願い、直喜君…私を、倒して……!!)

 

 

〜アカネ side OFF〜

 

 

 

イヤァァアアアアアアアア!!

 

ゼッガーが鳴き声を発すると、同時に衝撃波を発生させた。

 

ゼアス「グアッ!?」

 

ゼアスはその衝撃波により、勢いよく後方へ吹っ飛ばされた。

 

ズガァァアアアアアアン!!

 

背中から地面に叩き付けられるゼアス。

 

グリッドナイト「直喜!!」

 

グリッドマン「私達は怪獣の動きを止めることに専念するぞ!!ゼアスを信じろ!!」

 

グリッドナイト「俺に指図するなぁ!!」

 

地面に倒れたゼアスを助けたいグリッドナイトだが、それではゼッガーが動き回ることを許してしまう。1度やると決めた以上、ゼアスを信じるしかない。

 

ゼアス「グッ……!!」

 

中々立ち上がることができないゼアス。

 

 

ピコンッ…ピコンッ…

 

 

やがて、ゼアスのカラータイマーが青から赤へと変わり、点滅を始めた。

 

 

カラータイマーが青から赤へ変わると危険信号…ウルトラマンは地球大気中に3分以上居ることができないのだ。

 

時間は、残り少ない……

 

 

神山、頑張れ!!頑張って、なおちー!!

 

その時…クラスメイト達がゼアスに向かって声援を送り始めた。

 

さきる「頑張れなおちー!!」

 

光「神山君頑張ってぇー!!」

 

タツミ「いけぇ神山ぁー!!」

 

ユタカ「お前なら勝てる!!ウルトラ博士の神山なら、必ず勝てるぞ!!」

 

 

「なおちー、頑張って!!」「なおちん頑張れぇー!!」「勝ってくれ神山ぁー!!」「神山、頑張ってくれぇ!!」

 

 

直喜のクラスメイト達は、ウルトラマンゼアスの…いや、これまでの直喜の戦いを見てきた。普段はおっちょこちょいで慌てふためきやすく、よく空回りしてしまう直喜だが…誰よりも優しく、誰よりも強いことを、彼らは知っていた。それは、直喜自身がしっかり行動で示せていたからだ。

 

六花「直喜が勝つことを、皆は信じてる。だから、後もう少しだけ…皆の為に、立ち上がって!!」

 

クラスメイト達を代表し、六花がゼアスに声援を送った。

 

ゼアス「…!!」

直喜(六花ちゃん、皆……!)

 

必死に応援するクラスメイト達を目の当たりにするゼアス。そして…ゆっくりと、再び立ち上がった。

 

直喜(ありがとう、皆…僕は、必ずアカネちゃんを…助け出してみせる!!)

 

ゼアスは大空へ飛び立つと、雲を突き抜けて行った。その後、全身が赤色のエネルギーに包まれた状態で、ゼッガー目掛けて突進して行く。

 

グリッドナイト「ッ!!」

 

すかさずグリッドナイトは、ゼッガーの顔面部の外殻をこじ開け…人面像を露にした。

 

 

アカネちゃぁぁああああああああん!!

 

 

直喜の雄叫びと共に、ゼアスの身体はゼッガーに衝突した。

 

 

 

〜アカネ side〜

 

 

アカネ『いやぁっ!!これ以上、直喜君を傷付けないでぇ!!どうして…どうして言う事を聞いてくれないの!?』

 

アカネが叫ぶ度に、ゼアスを攻撃してしまう。彼女の意思などお構い無しに暴れ、破壊活動をする怪獣化した身体。それらが重なり、敗北するゼアスの映像を見せられ…更に絶望するアカネ。その時…

 

アカネちゃぁぁああああああああん!!

 

微かではあるが、直喜の声が聞こえて来る。

 

アカネ『……えっ…?』

 

ここに居ない筈の直喜の声に、思わず顔を上げるアカネ。彼女の視線の先には…

 

直喜『アカネちゃん!!アカネちゃん!!』

 

こちらに向かって走って来る直喜の姿が見えた。

 

アカネ『直喜君…どうして……?』

 

直喜『君に会いたい気持ちがあるから…だから、僕はアカネちゃんを助けるんだ!!』

 

直喜が目の前に来たことで、安心するアカネだが…同時に、不安が込み上げて来るのを感じた。

 

アカネ『直喜君…君は、私の身勝手な思いで……最悪な環境に産まれたんだよ…私のせいで、君は…沢山辛い思いをしたんだよ…?なのに…なのに……何で、怒って無いの…?』

 

直喜『怒る訳無いじゃないか…むしろ僕は、アカネちゃんに感謝してるんだ。』

 

アカネ『…感謝?』

 

直喜『うん。僕はね…』

 

 

アカネちゃんのお陰で、人の痛みが分かるようになった

 

アカネちゃんのお陰で、色んな事を経験できた

 

アカネちゃんのお陰で、変わりたいって思えた

 

 

自分の思いをアカネに伝える直喜は、優しく微笑んでいた。その純粋無垢な笑顔には、嘘も偽りも無い。あるのは、彼の本心だけだった。

 

直喜『だから…ありがとう、アカネちゃん!!』

 

アカネ『ッ〜〜!!』ポロポロ…

 

直喜の思いを聞き、目から大粒の涙を流すアカネ。

 

アカネ『じゃあ…じゃあ……私を、許して…く、くれるの…?』

 

直喜『うん、僕はアカネちゃんを許すよ。』

 

その言葉を聞き、アカネは漸く笑顔を見せることができた。彼女が笑うと、真っ暗な空間が…温かく、優しい光に包まれて行く。

 

直喜『さぁ、皆のところへ帰ろう!』

 

アカネ『うん…直喜君、ありがとう…!!』

 

アカネが直喜の手を取ると、2人は目映い光に包まれて行った。

 

 

〜アカネ side OFF〜

 

 

 

クラスメイト「神山…!!」「なおちー…!」「な、なおちん…!!」

 

ゼッガーと衝突したゼアスを見て、言葉を飲むクラスメイト達。

 

将「おいおい、ウソだろ…そんな訳……」

 

すると、ゼッガーの身体から1つの光の球が出て来ると…それはクラスメイト達の方へと飛んで来る。やがて、その光はゆっくりと地面に降り立つと…

 

 

パァァアアアアアアッ…

 

 

その光の中から、等身大になったゼアスが…アカネを抱えて現れた。

 

クラスメイト「か、神山…!!」「やった…なおちーが勝った!!」

 

 

ワァァアアアアアアアア!!

 

 

ゼアスの勝利…そして、アカネが戻って来たことを喜び合うクラスメイト達。

 

亜子「なおちー、アカネは…!?」

 

直喜『うん、大丈夫だよ。でも、疲れて気を失っちゃったみたい。』

 

蘭萌「よ、良かった…!!」

 

ゼアスの腕の中で眠るアカネの手を取り、涙を流す亜子と蘭萌。やがて、ゼアスは光に包まれて行くと…直喜の姿に戻った。

 

将「やったな、神山…てか、お前すげぇよ…!!」

 

六花「直喜、アカネを助けてくれてありがと♪」

 

直喜「僕だけじゃないよ…グリッドマンとアンチ君が協力してくれたから、アカネちゃんを助けることができたんだ。」

 

直喜の背後には、グリッドマンとグリッドナイトがいる。

 

直喜「グリッドマン、アンチ君…協力してくれてありがとう!!」

 

直喜の言葉にゆっくりと頷くグリッドマンとグリッドナイト。こうして、レディベンゼン星人によって怪獣化されたアカネは…ウルトラマンゼアスと神山 直喜によって、無事救出された。

 

 

 

レディベンゼン星人『ば、バカな…またやられた!?まぁ良いわ…ウルトラマンゼアス、こうなったら……アタシと直接戦いなさい…この身体には、ベンゼン成分がたっぷり含まれている。アレクシス・ケリヴの再生能力を更に強化してあげたわ。それはグリッドマンにでも押し付けてやるわぁ!!

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