【完結】駄目な部分が目立つ転生者が、何故か周りから好かれる話 作:やさぐれショウ
怪獣化したアカネを救出し、クラスメイト達の元へと連れて来た直喜。それを見たレディベンゼン星人は、空中へと上がって行く。
レディベンゼン星人『フッフッフッフッ…本当のパーティはここからよ?』
やがて、曇り空に到達すると…レディベンゼン星人はアレクシスから離れ、幽霊のような姿になる。
すると、真っ黒雲が広がる曇り空に…3バカとベンゼン星人のシルエットが浮かび上がってきた。
なみこ「あっ!アイツは、A!?」
さきる「B先輩も!?」
蘭萌「隣のクラスのCも…!!」
クラスメイト達は目の前の光景に混乱し始める。
直喜(レディベンゼン星人…もしかして……!!)
嫌な予感を感じる直喜。大空を浮遊する3バカの怨霊達は、口々に直喜への憎しみを呟いている。
転生者 A『神山ァ…てめぇのせいで……オレ達の人生はめちゃくちゃになったんだ!!』
転生者 B『オレ達は、ヒーローになれなかったんだ…!!神山のせいでなァ!!』
転生者 C『てめぇさえいなければ、何もかもが上手く行ったんだ…!!けど、てめぇが居たから…全てが上手く行かなかったんだよォ!!』
3バカは今まで転生の力を悪用し、何でもかんでも自分の思い通りに好き勝手していたため、欲望に忠実に生きていた。しかし、この世界では何もかもが上手く行かず…推しのヒロインを手中に納めることができなかった。欲望を満たす為、目的を果たす為なら手段を選ばない彼らは…ベンゼン星人とレディベンゼン星人に魂を売り、怪獣使いとなった。だが、それでも上手く行かず…最期はベンゼン星人によって怪獣にされ、ウルトラマンゼアスに変身した神山 直喜の手によって葬られた。宇宙でオリシスとマートから皮肉をぶつけられ、灰となって消えたのだが…彼らの怨念は、まだこの世界を彷徨っていた。
六花「アイツら、どんだけ自己中なの…それに、考えてる事が一々幼すぎ…幼稚園児?」汗
3バカの怨霊達の言葉を聞き、呆れている六花。やがて、怨霊達は空中で1つの姿になって行く。
やがて、曇り空に怨霊達が融合すると…前がレディベンゼン星人、後ろがベンゼン星人というケンタウロスのような奇怪な姿へと変わり果てた。それは、大空から消えると…今度は、ツツジ台の街中に姿を現した。
ゼアスによって葬られた3バカとベンゼン星人の怨念と、夫を奪われたレディベンゼン星人の怨念が合体し、誕生したこの怪獣は……
前方にレディベンゼン星人の顔を持ち、後方にはベンゼン星人の顔がある。この2つの顔を繋ぐ部位には、無数の3バカの顔と思わしきモノで覆われている。
ユタカ「な、何なんだ…あの怪獣……!?」
タツミ「おい、何か…ヤバくねぇか……?」
クラスメイト達が危機を感じた時、ベンゼキングはゆっくりと口を開き……
クラスメイト達目掛けてミサイルを放って来た。
六花「危ない!!」
六花は咄嗟にウルトラバリヤーを発動し、クラスメイト達を守った。
なみこ「うぇっ!?り、六花さん!?」
はっす「おいおい、マジかよ…!!」
六花が発動したのは、ウルトラセブンの技…普通の人に扱える筈がない超能力だ。なみことはっすのみならず、クラスメイト達全員が言葉を失っていた。
ベンゼキング『ククククッ…さぁ、行きなさい!!』
ベンゼキングがそう言うと、等身大サイズになったウルトラ怪獣や超獣達が攻め込んで来た。
ベンゼキング『アタシの望みは神山 直喜…この街を壊されたくなければ、彼を寄越しなさい?明日の正午までに、じっくり考えておくことね。』
ベンゼキングはそう言うと、霧に溶け込んで行くように消えて行った。
亜子「なおちーを渡せって!?いやいや、冗談じゃないよ!!」
蘭萌「なおちんはウチらにとって大きな存在…マスコットキャラでもあるし!!」
クラスメイト「そうだ!!神山を渡すかよ!!」「神山が居ねぇ世界なんて、そんなの御免だ!!」
クラスメイト達が口々にそう叫ぶと、怪獣軍団は走って来た。
六花「ッ!!」ダッ!!
そんな怪獣軍団達を、六花はたった1人で迎え撃つ。格闘技で怪獣達を攻撃し、右手のシュシュを様々な武器に変えて戦う。
六花(流石にキツイ…でも、私も…自分にできることを!!)
それでも、六花を通過してしまう怪獣達も…そんな彼らを相手するのは……
直喜「ぐっ!!」ドカァッ!!
直喜だった。先程のゼッガーとの戦いで疲れているモノの、立ち止まる訳には行かない。
直喜「僕の大切な友達に近付くな!!」ドカッ!!ドカッ!!
ウルトラマンゼアスとして戦闘経験を積んでいく内に、格闘戦が得意になっていた直喜。キックやパンチを打ち込み、怪獣達を押し返して行く。
六花「直喜!!」
六花は慌てて直喜の側に行き、構えを取る。
六花(直喜が死んじゃったら嫌…そしたら、私……おかしくなっちゃう…自分が自分で居られなくなる……!!)
今、怪獣軍団と戦えるのは六花と直喜のみ…しかし、数百体もの軍勢を相手にしても、限界が来る。そんな時……
上空から、円盤生物を引き連れた怪獣優生思想が現れた。
直喜「シズム君、オニジャ君、ジュウガ君、ムジナちゃん…!!」
オニジャ「来たぜ直喜!!」
ジュウガ「俺達も共に戦います!」
シズム「俺達のベストフレンドを、もう失わせない…!」
ムジナ「直喜の全ては私達の全て…直喜が守りたいモノを、私達も守るよ!!」
かつては人類に牙を剥いていた怪獣優生思想…しかし、直喜と出逢い関わった事で、人類の優しさに触れ…人類の素晴らしさを理解することができた。それを教えてくれた直喜を『
直喜「皆、ありがとう…守ろう、僕達の居場所を、友達を!!」
六花「うん!!」
ジュウガ「はい!!」
オニジャ「おう!!」
怪獣軍団は尚、こちらに向かって走って来る。六花は左手を広げると……
腕をL字型に組み、ウルトラマンゼロが使用する必殺光線『ワイドゼロショット』を発射した。黄金色に輝く必殺光線は、怪獣軍団をどんどん蹴散らして行く。円盤生物達は空中に飛び上がって行くと、怪獣軍団に攻撃を始める。ブラックテリナが大量のテリナQを放って怪獣軍団にくっつけ、それに怯んだ怪獣達にサタンモアが大量のリトルモアを飛ばして嘴で攻撃させた。ブラックテリナとサタンモアの連携で、混乱する怪獣軍団にブラックドームとデモスが溶解泡を噴射し、怪獣軍団を跡形もなく溶かしていった。打ち漏らした怪獣達に、ハングラーが触角をフラッシュさせて目潰しを行う。そこにブリザードが強力な冷気を放ち、カチンコチンに凍らせる。星人ブニョはスリップオイルを吐くと、怪獣達を転ばして足止めを行う。それでも、直喜に近付こうとする怪獣や敵勢宇宙人に、ブラックガロンやノーバが格闘戦を仕掛けて行く。ブラックガロンとノーバを、シルバーブルーメが伸縮自在の触手や溶解液で援護し…アブソーバ、星人ブニョ、ブラックエンドが火炎放射で援護する。
直喜「皆凄い!!よし、僕も…!!」
直喜は持って来たMYヌンチャクを取り出すと、近付いてきたナックル星人と戦う。ヌンチャクを使いこなせるようになった直喜は、ナックル星人に攻撃を命中させ、ダメージを与えて行く。最後に倒れたナックル星人を持ち上げると、ウルトラ投げを模倣した投げ技でナックル星人を撃破した。
直喜「よし、勝った…!!」
六花「スゴいじゃん直喜♪」
ナックル星人に勝った直喜を褒める六花は、腕を十字型に組む。すると、六花の腕から七色の光を放つ光線が発射された。これは、初代ウルトラマンがゼットンを葬る際に使用した最強必殺技『マリンスペシウム光線』である。六花のマリンスペシウム光線が次々と怪獣軍団を焼き払って行き、怪獣軍団は完全に全滅した。
なみこ「みんな〜!!直喜達が勝ったよ〜!!」
なみこがそう叫ぶと、クラスメイト達は大喜びする。
将「スゲェ…六花も神山も、円盤生物達もスゲェよ!!」
ウルトラマンやウルトラ怪獣が大好きな将は、誰よりも特に大喜びしていた。
六花「シズム君達もありがと。」
シズム「大したことはしてないよ。」
オニジャ「ベストフレンドを守るのは当然だろ?」
お礼を言う六花に笑顔を見せる怪獣優生思想。
直喜「円盤生物の皆、本当にありがとう!!皆スゴいよ!!」
円盤生物「「「〜♪」」」
小さくなった円盤生物達は、お礼を言う直喜の周りを旋回して勝利を喜んでいる。
アカネ「……。」
保健室に眠るアカネの前に、黒い影が現れる。
アンチ「…貴様、がっ!?」
それは、アカネを警備するアンチを貫いて倒すと……アカネに近付いていく。
「遅くなって済まなかったねぇ、やっと処分できたよ……じゃあ、最後にもう一つ役に立って貰おうかな?」
やがて、アカネを包み込んでい行くと…巨大化を始めるのであった。
今、この偽りの世界に…最後の大決戦の時が、刻一刻と近付いていた。
オリジナル怪獣について……
名前…最強妖艶王獣『ベンゼキング』
身長…59メートル
体重…7万5000トン
能力…分厚いアーマー、口から発するミサイル・怪光線・火炎、怨念をエネルギーにした技
ケンタウロスのような姿で、前にレディベンゼン星人の身体、後ろにベンゼン星人の身体を持つ二面の怪獣。背後から襲われても瞬時に対処ができる。
モチーフはウルトラマンAに登場した最強超獣『ジャンボキング』、ウルトラマンレオに登場した二面凶悪怪獣『アシュラン』、円盤生物『ブリザード』。