【完結】駄目な部分が目立つ転生者が、何故か周りから好かれる話   作:やさぐれショウ

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第138話 別れの時

電光超人グリッドマンとウルトラマンゼアスが、最強の敵を打ち倒した事で、この世界には平和が訪れた。グリッドマンのフィクサービームは、電脳世界と現実世界がくっついたこの世界を…新たな地球へと生まれ変わらせ、そこにゼアスがグリッターゼアスキャンで世界中を除菌し、キレイな空気にした。その後、グリッドマンとグリッターゼアスは快晴の青空を見上げ、人々の前から静かに姿を消した。

 

 

 

 

その頃…

 

六花「……行っちゃうんだね…?」

 

アカネの部屋と思われる空間で、六花は彼女と話をしていた。

 

アカネ「…私はここで、取り返しのつかない事ばかりをした。」

 

六花「…知ってる。」

 

アカネ「私は…卑怯者なんだ……」

 

六花「…知ってる。」

 

アカネ「私は臆病で…ズルくて弱虫で」

 

六花「知ってる。アカネの事なら私は知ってるから…」

 

アカネの話を聞く六花は、優しい笑みを見せている。アカネの頭では、様々な事が蘇っている。

 

自分の目でクラスの中を見たこと、怪獣を産み出して街を壊したこと、クラスメイト達と談笑したこと……

 

 

そして、訳ありのモブであった彼に…神山 直喜に恋をしたこと……好きな人を目の前で失い、嘆き悲しんだこと……オリシスと契約し、六花と共に様々な世界を旅したこと……数千年もの間、ツミビトを倒すために苦しんだこと……そして、直喜と再会を果たしたことで最大の喜びを得たこと……直喜と話をしたこと……直喜と一緒に帰り道ではしゃいだこと……直喜と共にウルフェスを満喫したこと……シャドーに破れ、泣き叫ぶ直喜を見て心が苦しくなったこと……居なくなってしまった直喜を必死に探し回ったこと……直喜や親友と一緒にゲームで盛り上がったこと……校外学習で直喜に水着を褒められたこと……直喜と濃厚なキスをしたこと……直喜にフラレてしまったこと……怪獣になってしまい、直喜が助けに来てくれたこと………クラスメイト達と共に光となり、直喜と共に…皆でレディベンゼン星人を倒したこと……

 

 

他のどの思い出よりも……直喜と共に過ごしてきた時間を思い出すと、次第に泣き顔になってしまうアカネ。彼女にとって、彼はいつの間にか…大きな存在となっていたのだ。だが、この世界の住人で無い以上…この世界から去らなければならない…大好きな彼と、お別れをしなければならなくなった。

 

アカネ「ごめん、なさい…ごめんなさい……本当に、ごめんなさい……」

 

数多くの過ちを犯していた事を知ったアカネは、涙ながらに謝罪の言葉を口にする。しかし、どれだけ泣いても…どれだけ傷付いても……自分の犯した過ちを拭うことはできない。これから、一生背負って行かなければならないのだ。泣いているアカネに、六花は1つの紙袋を渡す。

 

六花「…開けて?」

 

アカネが紙袋を開けると、そこには白と薄紫色の定期入れが入っていた。

 

アカネ「…定期入れ…どっか行っちゃえってこと?」

 

六花「違うよ…どこへ行っても、私と一緒。」

 

アカネ「…うん。」

 

六花「アカネはさー……どこへ行ったって堂々としてないと。私達の神様何だから…」

 

アカネ「…うん、そうする。」

 

泣いているアカネに、六花は1つのお願いをすることに……

 

六花「だから神様…最後にお願い、聞いてくれませんか?」

 

アカネ「…うん。」

 

 

私はアカネと一緒に居たい

 

 

六花はアカネの手を握り、自身の思いと共に願いを言う。

 

 

どうかこの願いが…

 

ずっと叶いませんように

 

 

そう言って、物悲しい表情を浮かべる六花。やがて、隣を見ると…そこに、アカネの姿は無かった。ただ、アカネが居た場所には…手紙と思わしき紙切れが落ちていた。そこには……

 

『直喜君へ』

 

…と、書かれていた。六花はそれを拾うと、部屋から去って行った。

 

 

 

その頃…裕太と将は……何処かで見たことのあるような空間にいた。

 

裕太「内海はさ、新条さんに言う事あったんじゃないの?」

 

将「……死ぬ程ある!!

 

少し黙った後、叫ぶように言う将。

 

将「…けど、やっぱあそこには入れないや。」

 

裕太が微笑むと…

 

六花「別に気にしなくて良いのに。」

 

そこへ、六花が戻って来た。

 

六花「まぁ神様と同じクラスには通えないよね……神様には神様の世界があるんだし。グリッドマンにもあるんでしょ?そういう世界が…」

 

裕太「うん。」

 

すると、将が裕太の肩を掴む。今の裕太には、グリッドマンがいるのだ。

 

将「グリッドマンの地元でも、俺の活躍宣伝していおいてくれよ…」

 

裕太「うん。」

 

将「…次に来る時は、裕太じゃなくて俺に宿れよ……そうじゃないと、別れが悲しくなるからさ……」

 

裕太「…わかった。」

 

泣きそうになっている将に裕太は…いや、グリッドマンはいう。

 

裕太(グリッドマン)「今度目覚める本当の裕太をよろしく頼むよ。」

 

そして、将に何かを手渡すと…彼らの前から去って行く。

 

六花「目覚めた響君は全部覚えてないのかな…?」

 

将「大丈夫だよ、そん時はまた友達になればいい。」

 

やがて、グリッドマンは裕太の姿から本来の姿『電光超人グリッドマン』に戻った。

 

グリッドマン「例え記憶がなくても、裕太の身体には刻まれている。そして…」

 

その時…

 

「ぐ、グリッドマン!!」

 

この空間に、もう一人の誰かが入って来た。

 

将「…おん?」

 

六花「えっ!?な、直喜!?」

 

直喜だった。

 

グリッドマン「直喜君。」

 

直喜「あ、あの…こ、この世界を……守ってくれて、ありがとうございました!!」

 

直喜はキレイなお辞儀をすると、グリッドマンにお礼を言った。

 

グリッドマン「私の方からも、君達へ礼を言わせていただきたい。」

 

そして、グリッドマンも将と六花、直喜にお礼を告げる。

 

グリッドマン「ハイパーエージェントを代表して、君達の協力に感謝する。」

 

直喜「…あっ、アレクシスさんは?あの後、どうなったの?」

 

グリッドマン「アレクシス・ケリヴは封印した。」

 

グリッドマンの右手には、キューブ状の赤い籠のようなモノがあり…そこに、火の玉のような姿となったアレクシスがいた。

 

直喜「…あっ……アレクシス、さん…」

 

多量のベンゼン成分を無理矢理注入され、自我を保てなかったアレクシスだったが…ベンゼキングが倒された事で、彼の中のベンゼン成分は全て取り除かれ、漸く正気に戻ったのだ。

 

グリッドマン「私達はハイパーワールドに帰還しなければならない。私達の使命は終わったのだ。」

 

グリッドマンの側には、新世紀中学生のメンバー達もいる。彼らも、元はこの世界の住人で無い…ハイパーワールドの住人なのだ。この世界に脅威が無くなった今…彼らは故郷へ帰らなければならなくなったのだ。

 

マックス「皆、本当によく戦ってくれた。」

 

ヴィット「ウルトラマンゼアスと六花ちゃんの大胆な行動にも助けられたね。」

 

ボラー「内海の下らない予想とか発想にはかなり振り回されたけどな!」

 

ボラーの足蹴りを、将は躱した。

 

ボラー「へへっ、でも楽しかったぜ?」

 

キャリバー「皆、一人じゃない…新条 アカネも……」

 

グリッドマン「君達が居なかったら、私は任務を成し遂げることはできなかっただろう…ありがとう。私は本当に信頼できる友達を持つ大切さを、改めて思い知った。」

 

将「お礼を言うのはこっちの方だ…ありがとうグリッドマン。」

 

六花「ありがとう、グリッドマン。」

 

グリッドマンにお礼を言う将と六花は、今度は直喜の方に振り向く。

 

将「ありがとう、ウルトラマンゼアス。」

 

六花「ありがとう、ゼアス。」

 

グリッドマン「直喜君、ウルトラマンゼアスにもよろしく伝えておいて欲しい…『本当にありがとう』と。」

 

直喜「…うん、わかった。」

 

やがて、彼らの身体は宙を舞っていく。

 

グリッドマン「それじゃあ、皆元気で!」

 

六花「さようなら…!」

 

将「さようなら!!」

 

直喜「ま、またね…グリッドマン…!!」

 

やがて、上にゲートが開き…グリッドマン達はそのゲートに向かって飛んで行く。

 

六花「あっ…アンチ君は!?」

 

キャリバー「アイツは来ない、仮を返せなくなった…」

 

六花「あっ……」

 

グリッドマン達がゲートに吸い込まれる直前…アレクシスが直喜に何かを言い掛けた。

 

 

 

『直喜君……幸せに…なるんだよ』

 

 

 

直喜の目には、そう言って優しく微笑むアレクシスが見えた気がした。そして、グリッドマン達がゲートに入って行くと…次の瞬間、辺り一面を目映い光が覆っていった。

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