【完結】駄目な部分が目立つ転生者が、何故か周りから好かれる話   作:やさぐれショウ

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第139話 晴れた空の下で

グリッドマンが去った後、ツツジ台はいつも通りの日常に戻って行った。

 

 

 

その頃…直喜は、トラベルスフィアの中で…ウルトラマンゼアスと話をしていた。

 

ゼアス『これで、ベンゼン星人とレディベンゼン星人の野望は完全に断ち切られた。この世界に、平和が訪れたんだ。ありがとう、直喜君。例え血の繋がりが無くても、愛してくれる存在は必ず居る…その事を、僕は改めて実感できたよ。』

 

直喜『お礼を言うのは僕の方だよ…あの時、僕を選んでくれてありがとう…そ、それに……僕の相談に乗ってくれて…こ、この地球を守ってくれて……僕達に、希望と勇気をくれて……あ、ありがとう…ウルトラマン、ゼアス…!!後、グリッドマンが言ってた…本当に、ありがとう…って……』

 

ゼアスにお礼を言う直喜の目には涙が浮かんでいた。しかし、直喜は「泣くもんか」というように涙を拭った。

 

直喜『ゼアス…僕、泣いてないよ……ウルトラマンはずっと、僕達の心の中に居るって分かってるから……』

 

ゼアス『うん、直喜君は強いね。その優しさと強さに、僕は何回も勇気付けられたよ。直喜君、本当にありがとう。』

 

 

 

〚きっと、いつか…〛

 

〚必ず逢えるから〛

 

〚光の戦士たち〛

 

 

〚ずっと、それは…〛

 

〚君の心に生きてる〛

 

〚みんな大好きなウルトラマン〛

 

 

 

この世界を去って行った1人の少女の身勝手な思いで、訳ありのモブとして産まれてきた『神山 直喜』……しかし、数多くのウルトラマンと出会い、そこから彼の運命は大きく変わっていった……変わりたいと思って行動したが、変わる前に命を落とした……別の世界で勇気を出し、積極的に人と関わろうとしたが…不幸に見舞われ、再び命を落とした……やっぱり変われないと落ち込んだ時も、神は彼を見捨てなかった……再びこの世界に転生し、すっかり自身を無くしてしまった彼は、休む時間を貰って落ち着こうと思っていた……だが、いつの間にかツツジ台高校では人気者となっており、周囲には色んな人が集まってくるようになった……どれだけオドオドしていても、クラスメイト達からは温かく受け入れられた……空回りをしても、バカにされることは無く…温かい眼差しで見守られるようになった……この空間に居ることで、次第に安心できるようになってきた彼は…ありのままの自分で居られるようになった……そして、大好きなヒーローに出会い…一心同体となってこの世界を守って来た……挫折をしてしまっても、弱い自分と向き合い…時には無茶な特訓をし…周囲からは支えられ…1人前の戦士へと成長することができた……何より、周囲の者達と関わる事で様々な事を経験することができ……直喜自身も、成長したのだった。

 

直喜『あっ、そうだ…僕、六花ちゃんに伝えないといけないことが……!!』

 

ゼアス『それじゃあ、今から六花ちゃんの元に飛ばすよ?』

 

ゼアスはそう言うと、黄色い複眼を光らせ…『ウルトラワープビーム』を発動し、直喜をツツジ台高校へと飛ばした。

 

 

 

 

直喜「う、うわぁっ!?」ドテンッ!!

 

ツツジ台高校の屋上に、尻餅を着く直喜。

 

直喜「いててて…あれ、六花ちゃんは?」

 

ゼアス『もうすぐ来るよ。』

 

ゼアスがそう言うと、屋上のドアがガチャッと開く。

 

六花「あっ、いたいた♪」

 

そして、いつも通りの六花がこちらへやって来た。

 

直喜「…!!」ドキッ

 

しかし、いざ彼女を目の前にすると…胸の奥が熱くなって来るのを感じた。

 

直喜(が、頑張れ僕…!!六花ちゃんに、しっかり…伝えなきゃ!!)ドキドキ…

 

直喜は自分にそう言い聞かせ、六花に自身の思いを伝えようと伝えようとするが……

 

直喜(あ、あれ…?な、何で声が…出ないの?)

 

緊張し過ぎて声を発する事ができなかった。おっちょこちょいな性格である彼は、よく空回りする。こんな大事な場面でも、彼の個性は発揮する。

 

六花「どうしたの直喜?ほら、深呼吸してみて。」

 

直喜「はっ!?ヒッヒッフー…!」

 

六花「それは出産時の呼吸法だってwもう、直喜は面白いなぁ〜♪」

 

ケラケラと笑う六花を見て、漸く落ち着きを取り戻した直喜は…深く深呼吸をすると、自身の思いを彼女に語り始める。

 

直喜「り、六花ちゃん…!!」

 

六花「なぁに?」

 

直喜「あ、あのねあのね…僕…うんとね、僕……六花ちゃんから初めて声を掛けられた時ね…う、嬉しかったんだ…!」

 

六花「うん。」

 

直喜「り、六花ちゃんといっぱい話して…一緒に買い物したり、学校でお昼ご飯を食べたり…一緒にウルフェス行って……僕、本当に楽しかった…!」

 

六花「うん。」

 

直喜の話を遮らず、最後まで傾聴する六花。彼女は直喜に優しく微笑んでいる。

 

直喜「六花ちゃんはいつも、僕の事を考えてくれて……だから…僕ね、すっごく安心できたんだ…」

 

六花「うん。」

 

直喜「どんなに忙しくても、ずっと…僕の事を気にかけてくれて……僕…僕……ほ、本当に…ズズッ…う、嬉しかった……」

 

六花との思い出が蘇ってくると、直喜の目からは大粒の涙が零れ落ち始める。

 

直喜「そ、それでね…僕……生まれて初めて、六花ちゃんと一緒に居たい…って、思ったんだ……だから、だから……」ポロポロ…

 

『大好きです』、彼女に恋をしてから…ずっとずっと、伝えたかった言葉……だが、大好きよりも大きな気持ちが…直喜には芽生えていた。そして、決意をした直喜は…六花に大好きよりも大きな気持ちを伝えた。

 

 

 

直喜「六花ちゃん!!僕と…僕と……

 

結婚してください!!

 

 

 

大粒の涙を流しながら、六花に叫ぶように思いを伝えた直喜。

 

六花「…!!」

六花(あぁ…夢を見てるみたい……ずっと、直喜からの告白を待ってた…私、直喜と結婚できるんだ……)

 

直喜の思いを聞いた六花も、目にいっぱい涙を浮かべる。そして……

 

 

六花「はい…!」

 

 

直喜からの告白を受け入れた。晴れた空の下で今、六花は直喜に飛び付き、彼を強く抱き締める。直喜も六花を受け止め、彼女を優しく抱き締めた。こうして、直喜と六花は晴れて『恋人』になったのだ。その直後…

 

 

「ヒュー!!」「なおちー、よく頑張った!!」「よく言ったぞ神山!!お前は男の中の男だ!!」

 

なみこ「良かったね六花!!」

 

はっす「皆のアイドル直君が、遂に六花のモノになったんだ♪」

 

 

クラスメイト達が屋上に続々とやって来て、カップルになった直喜と六花を祝福した。

 

直喜「へぇっ!?み、皆…!!?…も、もしかして…聞いてたの?」(汗)

 

亜子「ずっと聞いてたよ♪」

 

蘭萌「なおちん、勇気を出して六花に告った自分を褒めてあげてね♪」

 

どうやら、六花が屋上に来た時から…クラスメイト達に聞かれていたようだ。その時…直喜から1つの光が現れると、それは段々大きくなり、人の姿になっていく。

 

さきる「あっ、ウルトラマンゼアス!!」

 

それは、グリッドマンと共にこの世界を守ったもう1人の英雄であり、直喜の大好きな…いや、彼のクラスメイト達の大好きな『ウルトラマンゼアス』だった。

 

ゼアス『ちゃんと思いは伝わったね!良かったね、直喜君!!』

 

直喜「…ゼアス。」

 

ゼアス『これで、僕の心残りは無くなった……またね、直喜君…またね、ツツジ台高校の仲間達…またね、僕の大好きな地球。』

 

そう言うと、ゼアスは上空を見上げ……

 

 

ゼアス「シェアッ!!

 

 

快晴の大空へと飛び立って行く。

 

直喜「ゼアス、ありがとー!!」

 

六花「ありがとう、ゼアスー!!」

 

遥か彼方の大空へ飛び去っていくゼアスに、お礼を叫びながら手を振る直喜と六花。

 

なみこ「ありがとうゼアスー!!」

 

はっす「ゼアスー!!大好きだぞー!!」

 

亜子「地球を守ってくれてありがとう、ゼアス!!」 

 

蘭萌「ゼアス、また逢おうねー!!」

 

さきる「またいつでも遊びに来てねー!!」

 

 

「さようならー、ゼアスー!!」「ありがとう、ウルトラマンゼアスー!!」

 

 

生まれ変わったこの地球を去って行くゼアスに、クラスメイト達は口々にお礼を叫びながら見送っていく。やがて、青空の中へ溶けていくように…ゼアスの姿は見えなくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『きっと…』

 

『いつか…』

 

『必ず逢えるから…』

 

『光の戦士たち』

 

 

『きっと…』

 

『それは……』

 

『君の心にいるんだ!!』

 

『僕の大好きな…ウルトラマン…!!』

 

『みんな大好きな、ウルトラマン!!』

 

 

ベンゼン星人とレディベンゼン星人の野望を打ち砕いたウルトラマンゼアスは、故郷である星『Z95星雲・ピカリの国』へと帰って行った。

 

 

 

 

 

さらば、ウルトラマンゼアス

 

 

ありがとう、ウルトラマンゼアス

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