【完結】駄目な部分が目立つ転生者が、何故か周りから好かれる話 作:やさぐれショウ
直喜と散歩をする六花はとても楽しそうにしており、よく笑顔を見せている。
六花「直喜はさ、いつもこうやって散歩してるの?」
直喜「う、うん…ら、ランニングは…僕にはちょっと、き…厳しくて……」
六花「そっか。でもさ、いきなり激しい運動をするのは健康にも良くないし…直喜の判断は正解だと思う。マイペースで行けば大丈夫だと思うよ?」
六花はそう言うと、鼻歌を歌いながら歩く。
直喜「……。」
直喜(不思議だなぁ…六花ちゃんといると、何だか…安心するというか…なんというか……)
六花と歩く直喜は、不思議と安心感を覚えており…いつものオドオドした様子はあまり見られなかった。やがて、近くの公園にまでやって来ると…ベンチに座って休憩をする。
六花「ッ!?」
ふと、上空に気配を感じた六花は上を向く。しかし、彼女の視線の先には何もない。
直喜「…どうしたの、六花ちゃん?」
六花「…あ、ううん、何でもないよ♪」
直喜「そ、そう…?」
六花の行動を不思議がった直喜…だが、彼女が『何でもない』と言うので、彼女を信じることにした。そもそも、直喜は人を疑うことを知らず…誰に対しても優しく接する心の持ち主である。しかし、騙されやすいところもあるため…六花やアカネを初めとする女性陣は、そんな彼を心配している。
六花「あっ、そうだ…」ゴソゴソ…
六花は持っているバッグに右手を入れ、何かを取り出す。それは……
六花「ジャ~ジャジャ~ン♪」
直喜と同じゲーム機だった。直喜のは赤とグレーの色に対し、六花のは青とグレーであった。
直喜「わっ…そ、そのゲーム機…どうしたの?」
六花「ふふんっ、お小遣い貯めて買ったんだ~♪直喜と一緒にゲームしたくって♪」
直喜「り、六花ちゃん…」
六花「今度は私が誘う番だね♪直喜、一緒にゲームやろ♪」
直喜「う、うんっ!!」
公園のベンチで、直喜と六花は『ウルトラマンFEN』を一緒にプレイする。タッグモードを選択すると、直喜は『ウルトラマンゼアス』、六花は『ウルトラマンヒカリ』を選択した。
転生者 A(おっ、六花がいる…って、神山もいるじゃねぇか!!)
通りかかったAが、ベンチに座っている六花と直喜を発見した。
転生者 A(成る程…あのゲーム機で洗脳したってのか……なら、あれをぶっ壊してやる!!)
Aが公園に入ろうとした時……
バッ!!
突如、何かがAの目の前を通過したと思うと……
転生者 A「ほわっ!?ほ、ほわぁぁあああああああああああああああ!?」ジタバタ!!
どういうわけか、Aの身体が空中に浮かんでいた。
???「全く…直喜先輩が楽しくゲームしてんのに、邪魔しようとするなんて…ナンセンスっすよ?」
転生者 A「ッ!?」
Aの頭上から声が聞こえたため、上を向くと……、短い三つ編みおさげでタレ目の左側の口元に艶ぼくろがあるのが特徴の少女の逆さまの顔が見えた。さらに、彼女を乗せる翼竜に襟を咥えられていることを理解した。
転生者 A「お、お前は…『
ちせ「うわっ、名前呼ばれた…吐きそう。」
黄金の翼竜『ゴルドバーン』に乗っている少女の名前は『飛鳥川 ちせ』……【SSSS.DYNAZENON】に登場するキャラだ。だが、ここは【SSSS.GRIDMAN】の世界…この世界にちせがいるのは不自然だ。
転生者 A「お、おい!!ここから降ろせ!!」
ちせ「いやいや、あんた…何様っすか?人にモノを頼む態度じゃないっすよね?まぁ、降ろしても良いですけど…ここから落ちたら、奈落へ真っ逆さまっすよぉ~♪」ニヤッ…
転生者 A「そ、それは止めてくれ!!頼む!!何でも、何でもするから!!」
涙目になり、ちせに懇願するA。
ちせ「…ん?今何でもするって言いましたよね?」
Aの言葉を聞いたちせは、ニヤリと笑う。
ゴルドバーン「グルルルッ……」
Aを咥えているゴルドバーンは、何だか不服そうな顔をする。
ちせ「えっ?コイツマズイの?」
ゴルドバーン「グルッ…(うんっ…)」汗
転生者 A「待て待て待て待て!!あっ、いや…待ってください!!」
ちせ「んもぉ~うるさいっすねぇ…ゴルドバーン、ちょっとコンビニ寄って?」
ちせの言葉を聞いたゴルドバーンは、Aを咥えたまま…近くのコンビニへと向かった。
六花「あ~面白かった~♪」
直喜「そ、そうだね……あっ…も、もうすぐ…お、昼だ……」
時刻は午前11:00…もうすぐ昼である。
六花「直喜、良かったら送ってくよ?」
直喜「だ、大丈夫…ぼ、僕…も、もう少し、だけ……散歩、する……」
六花「そう?分かった、何かあったらすぐに連絡してね?絶対駆け付けるから、約束♪」
六花はそう言うと、帰って行った。
直喜(あっ、お昼ご飯…どうしようかな……『ウルトラヌードル』でも買ってこうかな?)
『ウルトラヌードル』とは…ウルトラマンのラッピングが施されたカップヌードルである。お湯を入れた後、3分待てば…極上のラーメンが食べられるのだ。直喜はベンチから立ち上がり、コンビニへと向かおうとした時……
トンッ…
直喜「ッ!?」ビクッ!
突如、後ろから軽く肘辺りを叩かれた。ビックリして振り向くと……
ちせ「あっ、すいません…ビックリしました?」
短い赤い三つ編みおさげの髪型をした少女『飛鳥川 ちせ』の姿があった。彼女は直喜に、悪戯な笑みを浮かべている。
ちせ(うわっ!!本物の直喜先輩じゃん!!いやぁどうしようどうしようっ!!取り敢えず連絡先…あぁいや……えぇっと……)
心の中でテンパっているちせに、直喜は声をかける。
直喜「あ、あの…」
ちせ「うひゃあっ!?」ビクッ!
今度はちせが盛大にビックリした。
直喜「うわっ!?あっ、ご、ごめんなさい…!!」
ちせ「あややや、大丈夫っす大丈夫っす!!あっ、そうだ…」ガサガサ…
ちせは持っているコンビニ袋から、大量のお菓子や弁当、パン、おにぎり等を取り出す。
ちせ「ちょっとお昼、買いすぎちゃいまして…良かったら食べます?」
直喜「あっ、いえ…いいです、自分で買ってきます。」
直喜はちせの言葉を断ったが……
キュルルルル~……
直喜「…あっ。」汗
直喜のお腹が鳴ってしまった。正直者の直喜は、思わず顔を真っ赤に染め上げた。
ちせ「やっぱお腹減ってたんすね?あっ、私『飛鳥川 ちせ』って言います♪」
直喜「ぼ、僕…か、神山 直喜……こ、高校1年生…です……」
ちせ「おぉ、私よりも先輩っすね。直喜先輩♪」
直喜「せ、先輩だなんて…そんな……」
ちせ「それより、お昼食べましょ?あぁ、お金は大丈夫っすよ?知り合いに買って貰ったんで♪」
ちせの押しは思ったより強く、結局断れなかった直喜は…彼女に甘えることにした。
六花(やっぱり、直喜が心配!!)
そこへ…直喜を心配した六花が急ぎ足で公園に戻って来た。
六花「ッ!!」
そこで、彼女が見たのは……ちせと一緒に昼食を食べる直喜の姿だった。一見、何とも無い様子なのだが……
ちせ「……。」ニヤッ…
六花に気付いたちせが、一瞬こっちを見て…まるで、勝ち誇ったような笑みを見せたのだ。それを見た六花のハイライトが消え…スカイブルーの瞳が、どす黒く暗い青色へと変わり果てて行く……
六花(直喜に寄り付く悪い虫…
直喜に手を出したら…
私が、絶対に潰す…!!)
ED~ASH DA HERO『Everything』~♪