【完結】駄目な部分が目立つ転生者が、何故か周りから好かれる話 作:やさぐれショウ
直喜「えっと…ち、ちせ…ちゃん?」
ちせ「ん、どうしました?」
直喜「あっ、ううん…その……お、お昼…ありがとう……」
ちせ「ふふんっ、直喜先輩の力になれて…自分嬉しいっす♪あ、お礼は結構ですから!!」
直喜にお礼を言われたちせは、ニコッと微笑んだ。
直喜「で、でも……あっ…ぼ、僕…そろそろ、帰らなくちゃ……ま、またね…!」
直喜はそう言うと、ベンチから立ち上がり…自宅マンションへと帰って行った。
ちせ「……。」
直喜が帰ったことで、ちせの顔から笑顔が無くなっていく。
ちせ「…もう出て来てもいいんじゃないすか?」
ちせがそう言うと、両手に握り拳を作り…眉間にシワを寄せている六花が姿を現した。
六花「ねぇ、直喜に何をしたの?」
ちせ「何もしてないっすよ?ただ、買いすぎたお昼ご飯を分けただけですけど。」
六花「ふざけないで?
直喜は私が守るの。
部外者は引っ込んでてくれる?」
ちせ「部外者とは失礼な…自分も、直喜先輩と会ったことあるんすよ?」
ちせは頼んでいないのに、語り始める。
かつてのちせは、所謂…『不登校』であった。理由は…人間関係で悩んでしまい、学校へ行くのが怖くなってしまったのだ。ある日、公園で悩んでいると…
直喜『だ、大丈夫…?』
声をかけてきたのが、直喜だった。初めは直喜を怪しんだが…不思議と安心感を覚えたちせは、直喜に自分の悩みを打ち明けた。
直喜『へぇ、ウルトラ怪獣が好きなんだ…僕も、ウルトラマンもウルトラ怪獣も大好き!おんなじだね!!』
この言葉を聞き、次第に直喜に心を許したちせは…直喜との時間が楽しく、次第に学校へ行く意欲も出てきていた。
直喜『自分の好きなことがあるのは、幸せなこと…本気でそれが好きなら、その好きを貫けば良いって…僕は思う。』
ちせ『ッ!!』
直喜のこの言葉に勇気を貰ったちせは、次の日から積極的に学校に行き初め…勉強も運動も頑張った。学校帰りに、直喜と会うのが楽しみになり、よく話をするようになった。だが、楽しい時間は突如、終わりを告げることになる……
直喜が死んでしまったのだ……通り魔に襲われ、ナイフで刺されてしまったのだ。直喜の遺体を見たちせは、仲間達と共に…彼の死を悲しんだ。その日以来…直喜がいない世界で、生きている意味が分からなくなり…また、不登校の道へと戻ってしまったのだ。悲しみに暮れる仲間達の前に、1人の謎の人物が現れた。その人物は、『マート』と名乗り…『●●●●を潰してくれたら、願いを1つ叶えてやろう』と彼らに甘い言葉をかけた。夢芽とちせは迷うことなく、マートの言葉に乗り…契約した。初めは、●●●●と戦っても…負けてしまうことが多く、絶望に暮れていた。そんな時、夢芽とちせに不思議なことが起こった。夢芽は…『ゼットン』や『ジャンボキング』、『ガタノゾーア』等…ほぼ全ての『ウルトラ怪獣及び超獣の技』を使えるようになった。対してちせは、『バルタン星人』や『マグマ星人』、『ババルウ星人』等々…ほぼ全ての『敵の宇宙人の技』が使えるようになったのだ。この力を得て以来、夢芽とちせは●●●●を難なく倒せるようになり…どれくらいの年月が経っただろうか……漸く、直喜との再会を果たした。しかし、直喜本人は彼女達を覚えていなかった。それでも、直喜に会えた喜びが大きく…夢芽とちせは次第に元気を取り戻していったのだった。
ちせ「いやぁ、直喜先輩のあの一言が無かったら…自分、路頭に迷ったかもしんないっすねぇ……」
六花「直喜は誰にでも優しいんだよ?私が病気でダウンしてたとき、代わりにお店手伝ってくれたり…病院にまで走っていって先生を呼びに行ってくれたんだよ?」
ちせ「あんたに直喜先輩の何が分かるんすか?」
六花「ブーメラン飛んでるよ?そういう君だって、直喜の何を知ってるっていうの?」
六花の言葉に怒ったちせは、『サーベル暴君』との異名を持つマグマ星人の自慢の武器『マグマサーベル』を装着する。
ちせ「死ねぇ!!」
ちせは荒い口調になり、マグマサーベルを振るって襲い掛かって来る。六花は攻撃を難なくかわし続け…
六花「はぁっ!!」ドゴォッ!!
『ウルトラマンレオ』の必殺技『レオキック』でちせを蹴飛ばした。
ちせ「かはっ…!?」
六花に蹴られたちせは、大きく吹き飛ばされ…木々を薙ぎ倒し、地面に倒れた。
六花「ふんっ、口ほどにも無いじゃん。」
六花が背を向けたその時…
ヒュンッ!!パシィッ!!
六花「ッ!?」
六花の首に、青い光を放つ鞭が巻き付いた。
ちせ「これ、『テンペラー星人』のビームウィップっす♪相手を締め上げることだけじゃなくてぇ~…これにも使えるんすよ♪」
ちせがそう言うと、電磁鞭から高圧の電気が流れた。
バリバリバリバリッ!!
六花「がああぁぁ…かはっ!!」
ちせの電磁鞭で首を締められ、電気を流された六花は…ボロボロになり、地面に膝をつく。ちせは六花の首から鞭を離すことなく、まだまだ高圧電気を流す。
六花「ぐっ…うぅっ!!」
ちせ「この勝負、貰ったっすね♪」
勝ち誇った顔を見せるちせは、自分の元に六花を無理矢理引き寄せた。しかし……六花は腕を自分の身体の前で交差させると……
六花「ッ!!…はぁっ!!」バチィッ!バチィッ!
身体から凄まじい電流を発生させた。これは、『帰ってきたウルトラマン』が怪獣『ツインテール』に使用した技『ボディスパーク』だ。
ちせ「ッ!?」
身体が痺れたちせに、六花は光線を撃ち込んだ。腕をL字型に組んで発射したのは、『シネラマショット』である。
ちせ「ッ!?」ブゥンッ!!
ちせは咄嗟に『光波バリアー』を張り、六花が放った光線を防いだ。
六花「そのバリア…消してあげる。」
六花は両目を光らせ、『初代ウルトラマン』が使う技『ウルトラアイスポット』を発射した。その直後、ちせが出現させていたバリアが消えた。
ちせ「ちぃっ!!」
ちせは右に避け、『ダダ』が使用した武器『ミクロ化機』を取り出し…そこから光線を発射した。六花は瞬時に『リバウンド光線』を張り、ちせの光線を難なく防ぐ。
ちせ「ゼェ…ゼェ……」
六花「ハァッ…ハァッ……もう、終わり…?」
互いにエネルギーを使い、活動の限界が迫りつつある。
ちせ「…くぅ…ウルトラマンの技、強すぎじゃないすか……」
六花「な、直喜は…ウルトラマンが、大好きなの…だから、負けるわけには…行かないんだよ……!!」
ちせ「…今日の、ところは…見逃しますけど……次は、容赦しませんから…!」
ちせはテレポートで瞬時に姿を消した。
六花(…逃げられちゃったか…)
突如現れたちせと勝負した六花だが…思った以上に厄介で、苦戦もした。●●●●退治では、かつては苦戦を強いられたものの…力を身に付けたことで、いかなる●●●●を圧倒してきた。
六花(あ~あ、髪もボサボサだし服もボロボロ…早くシャワー浴びたい…)
そう思った六花は、テレポーテーションで自宅まで瞬間移動した。
アカネ「……。」
アカネ(あの六花が追い詰められるなんてねぇ…ま、初めて戦う相手だから仕方ないかもしれないけど……)
六花とちせの戦いを、こっそり見守っていたアカネは…作戦を練るのと同時に、新たな怪獣を作り出すことを決めたのだった。
ED~ASH DA HERO『Everything』~♪