【完結】駄目な部分が目立つ転生者が、何故か周りから好かれる話 作:やさぐれショウ
アカネ「ねぇアンチくん?」
アンチ「…?」
ある日の休日…アカネ宅にて……アカネの部屋は、いくつもの棚が置いてあり、怪獣のフィギュア達がズラリと並んでいる。それと、部屋の所々にはゴミ袋が散乱しており…もはやゴミ屋敷と化していた。
アカネ「直喜君と友達なんだよね?」
アンチ「…それがどうした?」
アカネ「ここに呼んでよ?」
アンチ「いや、お前…」
アカネ「何、私が造った怪獣の癖に…ご主人様の言うことが聞けないって言うの?」
アンチ「違う…この部屋、どうにかしたらどうだ?」汗
流石のアンチも、ゴミ袋だらけの部屋に直喜を招くのはどうかと思ったのだ。
アカネ「大丈夫だよ~、直喜君は優しいんだからさぁ♪」
アンチ「……。」汗
アレクシス『アカネ君もこう言ってるんだ。連れてきてくれるかい?』
アンチ「…わかった。」
アンチは部屋から出ると、直喜の元に向かった。
アカネ「ウヒヒヒ~♪直喜君が来るよ、アレクシスゥ~♪」
アレクシス『楽しみだねアカネ君。』
その頃…とあるマンションにて……
直喜「……。」スヤスヤ…
直喜がベッドに潜って、気持ち良さそうに眠っていた。そんな時……
ゴンゴンゴンッ!!
直喜「ッ!?」バサァッ!!
窓を叩く音が聞こえたため、慌てて飛び起きる。
直喜(あれっ?ここって、3階だよね…人がいるってあり得ないような……)
直喜はそう思い、ベランダを見ると……
アンチ「直喜!!」
そこには、アンチの姿があり…窓をゴンゴンッと叩いている。
直喜「へっ!?あ、アンチ君…!?」
直喜は慌てて鍵を開け、ベランダに顔を出す。
直喜「どうしたのアンチ君!?というか、何でベランダに!?」
アンチ「ちょっと来い。」
直喜「へっ!?あっ、ちょっとうわぁっ!?」
アンチは直喜をおぶると、そのままベランダからジャンプし…家の屋根から屋根へと飛び渡る。
直喜「ちょっと、どこ行くの!?」
アンチ「着いてから話す。」
直喜「えぇっ!?」
戸惑う直喜だが…そんな彼をお構い無しに、アンチが向かったのは……
スタッ…
アンチ「ここだ。」
直喜「えっ?あ、アパート?」汗
何の変哲もないアパートだった。すると、アパート2階にあるドアの1つがガチャッと開き…
アカネ「直喜君いらっしゃぁぁああああい!!」ガバァッ!!
アカネが直喜に向かって飛び付いて来た。
直喜「う、うわぁっ!?」
アカネ「スゥ~ッ、ハァ~…スゥ~ッ、ハァ~♪んふふふ、スッゴく良い♪直喜君のこの匂い、好き♪」
直喜「う…ど、どうも……」汗
直喜に抱き付いたアカネは、直喜の匂いを堪能し始めた。
アカネ(何だろう…ベビーパウダーのようなほんのり優しくて甘い香り……直喜君の香りだぁ~♪)
アンチ「おい、直喜が苦しそうだぞ?」
アカネ「あぁごめんね直喜君!!直喜君の匂いをスーハースーハーしたかったんだ…じゃなくて!!何か久しぶりに会った気がして、つい飛び付いちゃった♪」テヘッ♪
直喜「あっ、ううん…だ、大丈夫……」
アンチ(言い直しても遅いぞ?)汗
アカネの言葉にアンチは呆れ、謝罪するアカネを許した直喜。
アカネ「…?」
アカネ(誰かに見られてるね…多分、アイツだよね?)
茂みから人の気配を感じたアカネは、その茂みをジッと見つめる。
直喜「…あ、アカネちゃん…?」
アカネ「なぁに直喜君♪」
直喜に話しかけられた直後、すぐに機嫌が良くなり…彼に笑顔を見せる。
アカネ「あっ、それより上がって上がって♪ちょっと散らかってるけど…」
そして、直喜をアパートへ招き…自分の部屋へと招待した。
ガサッ…
夢芽「直喜があのゴミ屋敷に……ゼットンのテレポート使っても、中にいる2人にバレるし…どうしよっかな?」
直喜が部屋に入ったのを確認した夢芽は…直喜を連れ出す方法を練ったが、中にはアカネだけじゃなく…アンチとアレクシスもいる。そんな中、アカネの部屋に侵入すれば…自分の存在がバレてしまう。結局、方法が見つからず…もう少し見張ることにした。
直喜「…えっ、えっとぉ……」
アカネ「ねぇねぇ直喜君♪これ見て!!私の怪獣コレクション!!スゴいでしょ!?」
直喜「う、うん…そう、だね……」汗
直喜(あれ?女の子の部屋って、もっとこう……可愛いイメージがあったんだけど……)
アカネの怪獣フィギュア達よりも…大量のゴミ袋の方が、直喜は気になって仕方がなかった。
アレクシス『アカネ君…直喜君が困惑しているっぽいけど?』
直喜「へっ!?うわぁっ、だ…ど、どちら様…ですか?」
モニターに映ったアレクシスに名前を尋ねる直喜。
アレクシス『あぁ、初めましてだね?私は『アレクシス』…まぁ、アカネ君の相棒的な感じだと思ってくれて構わないよ。』
直喜「あっ…は、初め…まして……か、神山…直喜…で、です……」
アレクシス『へぇ、君が!!直喜君のこと、アカネ君からよく聞いてるよ。優しそうだね~?』
アカネ「アレクシス、あんまり直喜君と話してると…怒るよ?」
アレクシス『良いじゃないか、私だって直喜君と話をして見たかったんだから。』
直喜と話をするアレクシスに嫉妬したアカネは、アレクシスに文句をぶつける。
直喜「そ、それより…ここ、片付けない……?」
アカネ「…えっ?」
直喜「あ、アカネちゃん…せ、折角…綺麗、なのに……もったいないよ…ぼ、僕も…て、手伝うから……一緒に、やろう……」
アカネ「うん!やる!!」
アカネ(不意打ちは反則だよぉ、直喜く~ん♪)
アカネは直喜の言葉を受け入れると…急にスイッチが入ったように片付けを開始した。
そして、ゴミ置き場に直喜と手を繋いで歩いていく。
アカネ「お~て~て~♪つ~ないで~♪の~み~ち~を~ゆ~け~ば~♪み~んな~♪か~わ~いい~♪こ~とり~に~なって~♪う~た~を~う~た~え~ば♪く~つ~が~~鳴る~~♪は~れ~た~み~そ~ら~に♪く~つ~が~~鳴る~♪」
直喜と手を繋ぎながら歩くアカネは、思わず童謡を歌い…嬉しそうな顔をしていた。
直喜(童謡かぁ…ウルトラマン関連の歌しか聞かないから、あんましわかんないや……でも、アカネちゃん…楽しそうにしてるね。)
ゴミ置き場にゴミ袋を置き、アパートに戻り…またゴミ置き場にゴミ袋を持ってきては戻ってを繰り返し…終わったのは、午後2:00頃だった。
直喜「き、綺麗に…なったね……」
アカネ「ありがとう直喜君♪」ムギュ~!!
直喜「く、苦しい……」
直喜がそう言うと、アカネは慌てて直喜から離れた。
アカネ「ちょっとコンビニ行ってくる。直喜君、何か欲しいのある?」
直喜「あ、えっと…お礼はいいかな…ぼ、僕が…勝手に、やった…だけだし……」
遠慮気味に言う直喜だが、アカネの推しは強す、結局折れてしまった。
アカネ「そんな遠慮しないでよぉ〜♪何でも良いよ、な・ん・で・も♪」
直喜「な、何でも……うーん…そうだ…さ、サイダーが…欲しい、かな……?」
アカネ「サイダー?分かった、じゃあ買ってくるね♪」
アカネはそう言うと、部屋から退室し…コンビニへと向かった。その間、アンチやアレクシスが直喜の話し相手になった。
アカネ「~♪」
鼻唄を歌いながら歩き、ご機嫌なアカネだが……人が誰もいない広場にやって来て、そこで足を止めた。
アカネ「もう出てきても良いんじゃない?」
アカネがそう言うと、彼女の背後に…夢芽が姿を現した。
夢芽「ちょっと…直喜をゴミ屋敷に入れるなんて、何を考えてるの?」
アカネ「君には関係ないでしょ?
後、何で直喜君を知ってるの?」
アカネの問い掛けに、夢芽は長々と語り始める。
彼女と直喜は、フジヨキ台高校に直喜が転校してきた時に出会った。夢芽は自分のことを「どうかしてるんだよ」と言い…適当な男子生徒を「自分の話を聞いてくれる気がした」と称して、どこかに呼び出してはそのままバックレるという行為を日常的に繰り返しており、「嘘をつくのが体質になっている」とまで評され、クラスの女子にも知られている。実際それで人を怒らせることも少なくない。そのターゲットになった直喜は…彼女が来てくれることをずっと信じ、夜になっても待ち続けていたのだが……寒い夜の中、ずっと外にいたため…肺炎を発症してしまい、救急車で病院へと運ばれた。それを知った夢芽は、直喜の元に真っ先に足を運び…涙ながらに彼に謝罪を繰り返した。その時…
直喜「泣かないで?君は、笑ってる顔が素敵なんだから…後、やっと来てくれたんだね。僕はずっと、君が来てくれるって信じてたんだ。」
あんなに酷いことをしたにも関わらず…自分を許した直喜を見て、夢芽はもう…約束をすっぽかすことを止めた。それ以来、彼女は少しずつ周囲から信頼を取り戻して行き…友達も増えるようになってきた。
夢芽(私が変われたのは、直喜のおかげ…今度、お礼をしなきゃ♪)
しかし……そう思った矢先、直喜が通り魔に襲われて命を落としたニュースが舞い込んで来たのだ。初めは「そんな筈無い」と否定していた夢芽だったが…彼の遺体を目にした途端……何もかもが真っ白になった。漸く直喜が死んだことを理解した瞬間…声を上げて泣く程、彼の死を悲しんだ。悲しみに暮れる中、『マート』と呼ばれる女神と契約し…●●●●を倒し続け、漸く直喜と出会うことができたのだった。
夢芽「直喜は私のヒーロー…変わり者の私を受け入れてくれて……私が犯した過ちを、許してくれた……」
そう言いながら、1筋の涙を流す夢芽だが……
アカネ「直喜君を病院送りにした?
貴様ァ、何してくれたんだぁ!!」
彼女の話を聞いたアカネは激昂し、右手から『カオスウルトラマン』の必殺技の1つ『ダークブレット』を発射…更に、左手からもう1度発射し、右左交互の手を突き出しながら連続で放つ。
夢芽「ふっ…!」ブゥンッ!!
夢芽は自分の周囲にバリアーを張り、アカネの光線を防いだ。
アカネ「ヴァァアアアアアアアア!!」
怒って攻撃的になったアカネは発狂しながら、『ウルトラマンコスモス』の『ネイバスター光線』のコピー技『ダーキングショット』を放った。彼女がこの光線を放った時、とうとう夢芽のバリアーが破壊され…光線が夢芽に命中した。
夢芽「ッ!?」
このチャンスを逃さないアカネは、『ダークブレット』を連続で放ち続け、夢芽を追い詰めて行く。そして、怯んだ夢芽目掛けて、必殺技『インベーディングウェーブ』を発射した。これは、カオスウルトラマンがウルトラマンコスモスの必殺技をコピーした技である。
夢芽「ッ!!」
ドゴォッ!!ドガァァアアアアアアアアアアアンッ!!
夢芽は爆発へと包まれていった。一見、夢芽を倒したと思われたが……
アカネ「…逃げられた。」
爆発によって発生した砂埃が晴れた時、そこに夢芽の姿はなかった。どうやら、逃げられてしまったようだ。
アカネ「…ちっ。」
相手を取り逃がしたことで、不機嫌になったアカネは…思わず舌打ちをした。そして、近くのコンビニに入り…買い物を済ませた。
直喜「へぇ、アレクシスさんは不死身なんだ。」
アレクシス『そうさ!ウルトラマンと同じ、不死身なんだよ?』
アレクシスとすっかり打ち解けられた直喜は、アレクシスとも友達になっていた。そこに…
アカネ「直喜君ただいま~♪」
アカネが帰って来て、直喜に飛び付いた。
アカネ「はいこれ♪直喜君が欲しかったサイダーだよ♪」
直喜「わぁ~♪ウルトラサイダーだぁ~♪」
アカネが買ってきたのは、直喜の大好きな『ウルトラサイダー』だった。直喜はサイダーを開けると、早速飲み始める。
アカネ「……。」
アカネ(可愛いなぁ~…♪)
喜んでサイダーを飲む直喜を見守るアカネ。
直喜「~♪…ハッ!?あっ、ごめんねアカネちゃん!僕だけサイダー飲んじゃって…」
アカネ「謝らなくて良いよ、直喜君の為に見つけて来たんだからさ♪」
直喜「そ、そう…?」
その後、アカネとアンチと一緒におやつを食べた直喜は…洗面所を借りて、歯磨きをした。彼はおやつを含む食後には、必ず歯を磨くようにしているのだ。
直喜「お菓子とサイダーご馳走さま。アカネちゃん、これからは部屋を綺麗にしてね?後、食後には歯磨き…忘れないでね?」
アカネ「はいっ♪」
アンチ「直喜、送ってくぞ。」
アカネ「直喜君、またね♪」
アンチと共に、自宅マンションに帰っていく直喜を…アカネは彼の姿が見えなくなるまで見送った。
直喜を見送った後、すぐに怪獣造りに取りかかるアカネ。
アレクシス『おっ、今日も作業が早いね?』
アカネ「直喜君を病院送りにしたクソ野郎がいたんだ…ソイツ、絶対に殺す…!!」
そして…アカネが完成させた怪獣はこれだ。
アカネ「よし、『一角超獣 バキシム』…直喜君を病院送りにしたあの女を消して!!」
アカネがそう言った直後、アレクシスがバキシムのフィギュアに命を吹き込み…巨大化させた。
ED~ASH DA HERO『Everything』~♪