【完結】駄目な部分が目立つ転生者が、何故か周りから好かれる話 作:やさぐれショウ
直喜が家に引きこもって…1週間が経過した頃……
ガチャッ……
直喜「……。」
直喜(あぁ…六花ちゃん……今日もお弁当作って来てくれたんだ……)
直喜は外の空気を浴びようと…玄関から顔を出すと、そこには六花が作って来た弁当が置いてあった。今までは全く手を着けなかったが……
スッ……
直喜は六花の弁当を手に取ると、部屋に入って行った。直喜が部屋に入って数分後…彼の様子を見に来た六花が、玄関前にやって来た。
六花「…!」
六花(弁当箱が無い…直喜、やっと取ってくれたんだ……)
一週間も弁当を取らなかった直喜に…六花は心配していた。弁当が玄関に置いたままだった時…六花は弁当を持って帰って、自分で食べていた。だが、今日は弁当がなかった。漸く、直喜が六花の弁当を手に取ったのだ。
六花(あっ、確かに直喜が取ったね…アカネのドローン、便利すぎだって。)
アカネから送られてきた動画を見てみると…直喜が玄関から顔を出し、六花が置いた弁当を手に取った瞬間が確かに映っていた。
六花(直喜…痩せちゃってるね……それに、目の下にクマができてるし……)
中々直喜の顔を見れなかった六花は…夜、眠れず……1日中枕を濡らしながら…直喜が心配でたまらなかった。そんな彼女に、アカネがドローンを使って直喜の玄関前を撮影しようと提案してきた。理由は…彼の家に怪しい者が居ないか、チェックすることと…彼の安否を確認するためだ。
その頃、直喜は…六花が作って来た弁当を広げていた。
直喜(わぁ…スゴい、どれも美味しそうだ……)
弁当を見てみると…ご飯にミニハンバーグ、タコウインナー、卵焼き、野菜炒めが綺麗にトッピングされていた。直喜は箸を手に取り…六花が作って来て弁当のおかずを1つ、口の中へと運んでいく。
直喜「……。」ツー……
口に運び、咀嚼した時…直喜の目からは一筋の涙が流れ落ちた。
直喜「…お、美味しい……」ポロポロ……
その後も、直喜は涙を流しながら六花の弁当を食べ…米粒一つ残さず、綺麗に完食した。
六花「……。」
六花(直喜…大丈夫かな……?)
この日の夕方…帰宅途中の六花は、直喜のマンションに寄った。
六花「…!!」
その時、直喜の玄関前に…六花の弁当箱と、1枚の紙切れが置いてあった。六花はすぐに紙切れを開いて見る。
六花(て、手紙…?)
紙切れには、こう書いてあった。
『六花ちゃんへ
お弁当を作って来てくれてありがとう。とっても美味しかった。それと、心配をかけちゃってごめんね。僕、六花ちゃんに辛く当たっちゃったよね。今度、直接会ってちゃんと謝りたい。こんな僕を、心配してくれてありがとう。
直喜より』
六花「…な、直喜…!!」ポロポロ…
直喜からの手紙を見た六花は、大粒の涙を流し…その場で泣いた。数分間泣いていた六花は、目を腫らしていたが…
六花「…直喜…お弁当食べてくれて、ありがとう…!」
…と、お礼を言い…マンションから去って行った。
ヴーッ…ヴーッ……
六花(おっ、アカネからだ…)
六花は電話に応答する。
六花「もしもし?」
アカネ『あっ、六花?どう、直喜君……?』
六花「あぁうん…やっと、お弁当食べてくれたよ。後、アカネが置いていったサイダーやお菓子も、ちゃんと持って行ってくれた。」
アカネ『良かった~…私さ、直喜君いないと…何もできないよ……』
六花「私も全く同じ…直喜の顔が見れなかった日は、ずっと泣いてたもん……」
アカネ『てか…直喜君の身体に触ったあのキモ男3人……どこ行ったんだろうね?』
六花「わかんない…まぁ、直喜のマンションには来てないみたいだから……大丈夫じゃないかな?」
アカネ『そっかぁ…まぁ良いや……ありがとね六花~、お休み~♪』
六花「うん、お休み♪」
アカネと通話を終えた六花は、自宅へと帰って行った。
その日の夜……
直喜「…外…出てみようかな……?」
直喜はそう言うと、玄関を開け……夜の街に繰り出そうとした。そこに……
夢芽「こ~ら♪こんな時間に出掛けようとするなんて、危ないよ♪」
いつの間にか、夢芽が来ていた。
直喜「えっ……き、君は…確か……」
夢芽「南 夢芽、久しぶりだね直喜♪」
直喜「あっ、うん…ひ、久しぶり……」
夢芽「どうしたの、元気無さそうだけど…?」
夢芽の問い掛けに、直喜は黙りこくってしまう。そんな彼を見た夢芽は、1つ提案をする。
夢芽「そうだ、直喜…今からさ、良いとこに行こうよ♪」
直喜「い、良いとこ…?」汗
夢芽「そう。私が見つけたの♪直喜もきっと驚くと思うよ♪」
直喜「……。」
直喜(僕も驚くと思う…か……)
直喜は玄関から出て来て、夢芽に着いていくことにした。
直喜(知らない人に着いてっちゃダメってアカネちゃんやなみこさんは言ってたけど…もういいや……)
夢芽「良いの直喜…?…知らない人に着いてっちゃダメって言われてるでしょ?」
直喜「君は…夢芽ちゃんは、もう……知らない人じゃない……だからいいんだ……」
夢芽「…そう?わかった、じゃあ着いてきて♪」
夢芽に誘い込まれる形で、直喜は彼女に着いていった。街を歩くと…今度は足元が悪い山道を、登っていく。
夢芽「直喜、大丈夫?疲れてない?」
直喜「…大丈夫……」
山道を登る直喜は運動音痴であるのだが…日課であるウォーキングを続けていたおかげか、疲れを感じていなかった。夢芽も彼のペースに合わせ、ゆっくり歩いてくれている。その後もしばらく歩き…頂上までやって来たのは、夜明けの直前だった。
直喜「…あれ?何も無いよ…?」
夢芽「ここからだよ…直喜が驚くのは……」
夢芽がそう言うと……直喜の手を引き、案内する。彼女に誘われ…直喜が見たものは……
直喜「…!!」
昇ってくる目映い朝日…そして、大空に広がる雲海だった。
直喜「わぁ~!!」
目の前に広がる幻想的な世界を見て、直喜は思わず声を出して驚いた。
夢芽「ね、スゴいでしょ♪」
直喜「う、うん!!ありがとう夢芽ちゃん!!」
夢芽にお礼を言う直喜は、子どものような笑顔を見せていた。
夢芽(良かった、直喜…元気を取り戻してくれたみたい。)
ちせ「あっ、直喜先ぱ~い♪」
上空から声が聞こえたと思うと、ゴルドバーンに乗ったちせがこちらへやって来た。
直喜「ちせちゃ……って、えっ!?…わぁっ!?な、何あれ…!?」
ゴルドバーンを見て混乱する直喜。
夢芽「大丈夫だよ直喜♪心配しないで?」
夢芽はそんな直喜に声をかけ、彼を落ち着かせた。ゴルドバーンが静かに地面に降り立つと、背中からちせが降りてきた。
直喜「ち、ちせちゃん!?」
ちせ「久しぶりですね、直喜先輩♪」
直喜「う、うん……で、その竜…何?」汗
ちせ「あぁ、そういえばまだ紹介してませんでしたよね?名前は『ゴルドバーン』て言います!!私の相棒です!!ほらほら、ゴルドバーンの顔…宇宙竜『ナース』に似てません?」
直喜「い、言われてみれば…た、確かに……」
ゴルドバーン「……。」
直喜「あっ、それより見てよちせちゃん!!ほら、スッゴい景色!!」
ちせ「おぉ!!ホントにスゴいっす!!」
夜中の街を歩き、やって来た場所は…夢芽とちせが見つけた『秘密の場所』だった。そこにたどり着いた直喜は、少しずつではあるが…段々元気を取り戻して来ていた。
ED~Kobasoro『スパークル』~♪