【完結】駄目な部分が目立つ転生者が、何故か周りから好かれる話 作:やさぐれショウ
六花(あぁ、早く休みにならないかな~?直喜との温泉旅行、超楽しみ♪ま、これから直喜を誘うんだけどさ。)
学校帰り、六花はウキウキしながら帰路を歩いていた。温泉旅行ペア宿泊券が当たったので、絶対に直喜を誘うと決めていたのだ。アカネが直喜の家にお泊まりしたのを羨ましがった彼女は…今度は、こっちがアカネからマウントを取ってやろうじゃないかと思ったのだ。
六花(熱海温泉かぁ~…直喜、喜んでくれるかな?)
そんな彼女の後を着けている者が1人……
転生者 C(いた…宝多 六花!!)
そう、転生者 Cである。オリシスに無能と言い、見放された挙げ句……手持ちのお金がほとんど無くなり、高級マンションを追い出され、ホームレス生活を余儀なくされた哀れな男である。彼の右手には、禍々しい色をした謎の薬液が入った注射器があった。
転生者 C(これを打ち込めば…六花は、俺のモノになる!!まだだ…落ち着いて動けば……)
Cは六花に気付かれないよう、ゆっくりと忍び寄る。ふと、小石を見つけたため…それを1つ拾うと、彼女の右隣にある電柱に向かって投げた。
カツンッ!
六花「ッ!?」
思わず電柱の方を見る六花。しかし、そこには誰もいない。
六花(気のせいか…)
だが、彼女の真後ろにはCが迫っているのを…この時の彼女は知らなかった。Cは六花の首に注射器を刺し、禍々しい薬液を注入していく。
六花「ッ!!」ビクッ!
転生者 C「はははは…やった、やったぞ!!これで六花は、俺のモノだぜ!!アハハハハハハハ!!」
それは、他者を洗脳するための薬であった。これを注入された者は、注入した者の意のままに操られる。それを注入することに成功し、大声をあげて笑うC。
転生者 C(キヒヒヒ…これで、神山は泣き叫ぶこと確定だぁ!!アイツの泣き顔を見るのが楽しみだぜぇフヒャハハハハ!!)
しかし……
六花「……。」ガシィッ!!
転生者 C「ヴッ!?」
六花はハイライトが消えた冷たい視線をCに向け、片手で彼の首を掴んで持ち上げる。
六花「そんな玩具ごときで…
私を洗脳できるとでも思ったの?」
なんと、Cから注入された洗脳薬は…六花には全く効力が発揮されなかったのだ。
転生者 C(な、何故だ…何で効かねぇんだよ!?)
六花「何で効かないか教えてあげる……『フルムーンレクト』と『マザー光線』を予め自分に撃ってるからだよ?『ウルトラマンコスモス』の力で私は私の意思を貫き、『ウルトラの母』の力で私の身体には傷もアザも1つも無い。直喜には、私の綺麗な身体を見てもらいたいからさ…?」
六花は普段から、『ウルトラマンコスモス』の必殺技『フルムーンレクト』と…『ウルトラの母』の必殺技『マザー光線』を自分に撃ち込んでるのだ。そのため、Cの洗脳薬の成分は瞬時に浄化され…注射器で刺された刺し傷も、すぐに手当てされ…元に戻ったのだ。
転生者 C「な、何でだよ……何で俺は、いつもいつも上手くいかねぇんだよ…!?」
六花「自分で考えたら?その猿以下の小さな小さな脳ミソでね……」
六花はそう言うと、Cをブロック塀まで勢いよく投げ飛ばした。
ドゴォッ!!
転生者 C「…が……ぁ、ぁあ……!!」
背中から勢いよく叩き付けられたCは、激痛により…中々動けなくなった。そんな彼の元に、ツカツカと歩いていく六花。彼女の冷たく、暗い視線を見たCは…助けを呼ぼうとするも、恐怖のあまり声が出なかった。
六花「さて…どう調理してやろうかな?」
数分考えた六花は……
六花「…決めた。」
右手を突き出し、念力を駆使してCの身体を軽々と宙に浮かせる。Cを宙に浮かせた後…
六花「フッ!ハァァアアアア……!!」キランッ!ピカァァアアアアアアアアッ!!
両腕を交差させてエネルギーを溜め、それを右腕に移すと……
六花「ハァッ!!」ビシュウウウウゥゥッ!!
右腕を突き出し、黄金色の光線を発射した。『ウルトラマンコスモス(エクリプスモード)』の最大の技にして、特撮界でも並ぶものなきチート光線『コズミューム光線』だ。通常の破壊光線としてもコロナモードのネイバスター光線以上の威力を誇るだけでなく、カオスヘッダー等の邪悪な敵だけを倒せる超便利光線である。他にも、身体に入った毒物を取り除いたり、ピンポイントで打ち抜くこともできたり、相手の光線を分散させることもできるのだ。
六花「ッ!!」ザザザザザッ!!
六花が光線を放った時、その反動で六花の身体が少し後ろに下がった。
転生者 C「ぎゃぁぁああああああ!!」
六花の放ったコズミューム光線と共に…Cは空の彼方へふっ飛んでいった。
六花(あ~あ、折角いい気分だったのに…直喜に電話でもしようかな?)
六花がそう思った、まさにその時だった。
~♪~♪(シュワッチ!ウルトラマンゼアス)
六花のスマホから、『シュワッチ!ウルトラマンゼアス』の曲が流れた。
六花(直喜からだ♪)
この曲が流れると、直喜からの着信である証だ。
六花「もしも~し♪」
直喜『あっ、六花ちゃん?直喜だけど…』
六花「知ってるよ♪どうしたの?」
直喜『あっ、えっとね…その……僕が、家に引きこもってた時、毎日お弁当を作ってきてくれたよね……そのお礼が言いたくて…でも、中々言えなくて……』
六花「気にしないで?あっ、そうだ…ちょっと直喜の家寄っても良いかな?」
直喜『う、うん。良いよ…』
六花「ありがと♪それじゃあ、すぐ行くから待っててね♪」
直喜と通話を終えた六花は、テレポーテーションを発動し…直喜のマンション近くに瞬間移動した。
六花(おっ、直喜いたいた♪わざわざ外で待っててくれたんだ♪)
六花が外にいる直喜に手を振ると、直喜はこちらに気付き…降りてきた。
直喜「り、六花ちゃん…どうしたの…?」
六花「フフッ、良いものを手に入れたんだ♪これ!」
六花は温泉旅行ペア宿泊券を直喜に見せた。
直喜「わぁ…す、スゴい…!!それ、どうしたの?」
六花「抽選機で当たったの!」
直喜「そうなんだ。」
六花(頑張れ六花!!直喜を誘うだけだから…!!)
いよいよ直喜を温泉旅行に誘う時が近付くにつれ、緊張してくる六花。
六花「え、えっとね…な、直喜…///」
直喜「…?」
六花(か、顔が暑いなぁ…もしかして私、顔真っ赤?)
直喜「どうしたの六花ちゃん?顔赤いけど……」
六花(やっぱり!?こうなったら…)
六花は温泉旅行ペア宿泊券を直喜に渡す形で、漸く言いたかったことを言う。
六花「こ、今度の長期休み…わ、私と一緒に温泉旅行に行ってください!!」
六花の言葉と行動に、直喜は驚いた顔をしている。
直喜「ぼ、僕…?」汗
六花「うん!!私、直喜と一緒に行きたいの!!…だ、ダメかな?」
直喜「そ、そんな顔をされると……」汗
六花は涙目になり、直喜を覗き込むような目線を向けてくる。押しに弱い直喜は、中々断れず…思わず自虐してしまう。
直喜「ぼ、僕なんかで…良いの?ノロマだしグズだし、それに…弱虫だし……」
六花「私は直喜と行きたい!それに…直喜は弱虫なんかじゃないって…誰にでも優しいし、それは強い心があるからできるんだよ。私はそんな直喜の優しいところが好きなの!!一緒にいたいし退屈なんて一切無い…お願い、私は絶対に直喜と行きたい!!」
かつて、直喜に嫌々接していた六花だったが……誰よりもすぐに駆け付け、手を差し伸べてくれたのが直喜だった。それに気付いたのは、彼が命を落とした時だった……今まで嫌々接していた自分を責め続け、ワンワン泣いていた毎日……オリシスと契約し、●●●●の討伐をすることに……だが、初めは●●●●と戦っても負けてしまい…犯される寸前に追い詰められていた。オリシスの助けがあって何とかヤられなかったものの…弱い自分を責め、また泣いてしまう日々が続いた。そんな中、直喜から掛けられた数々の優しさをバネに、無茶な特訓をし続けた結果……ほぼ全ての『ウルトラ戦士の力』を使えるようになった。日々続けていた無茶な特訓のお陰で、超人的な体力と身体能力がついており、伝説の巨人の技も難なく使いこなせるようになっていた。そのため、多くの●●●●の討伐に成功していた。アカネと共に●●●●討伐を続けて数年…数十年……数百年………数千年…………漸く、直喜との再会を果たした。直喜は記憶を失っているが…それでも、彼と再び会えた喜びの方が大きかった。
六花(昔は、直喜に何度も助けられた……だから、今度は私が…直喜を守る番……絶対に、直喜を死なせない…!!)
直喜「……。」
直喜は六花を見て…1度深呼吸をする。そして……
直喜「ぼ、僕で…良ければ……」
彼女の言葉を、受け入れた。直喜の言葉を聞き、嬉しそうな顔をする六花。
こうして、六花は直喜と共に…熱海に温泉旅行へ行くことが確定した。だが、それはまた…別の話である。
ED~ASH DA HERO『Everything』~♪