【完結】駄目な部分が目立つ転生者が、何故か周りから好かれる話   作:やさぐれショウ

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OP~OxT『UNION』~♪


第38話 捜・索

次の日、熱海周辺を観光することにした直喜と六花。

 

六花「直喜、どこか行きたいところとかある?」

 

直喜「そ、そうだね…うーんと……」

 

六花「あはは、実は私もまだ決めてない♪だからさ、一緒に決めよ♪」

 

直喜「う、うん…!」

 

観光パンフレットを見ながら、行き先を決める直喜と六花。そして、目的地が決まると…カップルのように手を繋いで歩き始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夢芽「あの女…妬ましい……

 

 

たまたま熱海に来ていた夢芽は、遠くから直喜と手を繋いで歩く六花を見て…嫉妬していた。

 

夢芽(私の直喜なのに……

 

私の直喜なのに……

 

…許さない…!!)

 

ハイライトが消え、どす黒い緑色の目となった夢芽は…彼らの尾行を開始した。

 

 

 

六花「…?」

 

ふと、背後を振り返る六花。しかし、怪しげな人物の姿はどこにも無い。

 

直喜「六花ちゃん…?」

 

六花「なぁに、直喜♪」

 

直喜に声を掛けられると、すぐに彼の呼び掛けに応答する六花。

 

直喜「な、何か、気になるとこでも、あったの…?」

 

六花「ううん、何でもないよ♪」

 

直喜「そ、そう…?」

 

六花「ふふっ♪」

 

直喜「う、嬉しそうだね。」

 

六花「だって、こうして直喜と手を繋いで歩けてるんだし…カップルみたいだね♪」

 

六花の言葉に、顔を真っ赤にしていく直喜。そんな彼に癒されながら、海景色を楽しむ六花。

やがて、海浜公園に到着し…近くのベンチで一休みすることにした。六花は飲み物を買ってくると言い、席を外した。

 

六花「…。」ザッ…

 

彼女がやって来たのは、人気の無い路地裏…何故ここへ来たのかと言うと……

 

 

 

六花「いい加減出てきたら?ずっと着いてきてるの、分かってるんだけど…」

 

 

夢芽「ちっ、勘の鋭い女……!」

 

 

 

夢芽に尾行されていたことを、初めから知っていたのだ。苦虫を噛み潰したような顔をしながら姿を現した夢芽は……ゲートを生み出し、その中に六花を引き摺り込んだ。

 

六花「ッ!!」

 

夢芽の空間に呑み込まれた六花は構えを取ると…スペシウムエネルギーを刃状にした『八つ裂き光輪』を発射する。しかし、夢芽は身体を回転させて攻撃をガードしたと思うと……小さな青い光線を六花目掛けていくつも撃ってきた。六花はバク転で光線をかわし、夢芽と距離を取る。

 

六花(多分あれ『ギラススピン』だよね…困ったなぁ……)

 

夢芽が繰り出した技は、紛れもなく『ギラススピン』であった。双子怪獣の『レッドギラス』と『ブラックギラス』が仕様する技であり…セブンのアイスラッガーを跳ね返すだけでなく、角から光線を発射したり、サンドイッチのように相手を挟んで目回しさせることもできる。更に、回転をしたまま相手に体当たりすることも可能だ。

 

夢芽「……。」ニヤッ…

 

夢芽はニヤッと笑うと、テレポートを発動させ…姿を消す。そして、六花の背後に瞬間移動したが…

 

六花「はっ!!」ドカッ!

 

夢芽「がっ!?」

 

背後に来ると予感した六花の攻撃を受けてしまった。攻撃に怯んだ夢芽に対し、六花は両手にチアガールのポンポンのようなエネルギー『フラッシュハンド』を纏って打撃を強化し、猛攻を仕掛けていく。

 

夢芽「ぐっ…!!」

 

六花「言っておくけど…私と貴女では、通ってき次元が違うの。私は直喜を守るために、何千年も●●●●と戦って来た…直喜は、私が守るの!!」

 

六花はそう言うと、夢芽を持ち上げ…思い切り投げ飛ばした。その後、夢芽に再び攻撃を仕掛けようと接近していく。だが、次の瞬間……

 

 

ゴォォオオオオオオオオオッ!!

 

 

夢芽は口から白い噴煙を吐き出した。

 

六花「ッ!?うっ…!!」

 

その噴煙を吸ってしまった六花は、喉をおさえ…膝をついた。どうやら、夢芽が発生させたのは…毒噴煙であり、六花は一時的に呼吸ができなくなってしまったのだ。

 

夢芽「その程度で直喜を守る?…笑わせないで?」

 

苦しむ六花の背後にゆっくり近付く夢芽。そして、口元の牙を光らせ…

 

ググググググググッ……

 

六花の首筋辺りに、ゆっくりと食い込ませて行く。

 

六花「…!!」

六花(ち、力…が……)

 

夢芽は六花のエネルギーを吸い始めたのだ…エネルギーを吸われ始め、ピンチに陥る六花。夢芽が六花を離すと…

 

……ドサッ……

 

六花はゆっくりと地面に倒れ、うつぶせになった。

 

六花(か、身体に…力が……入…ら、ない……!)

 

夢芽「あはっ♪その程度で次元が違うって、よく言えたね?」

 

起き上がろうとしてはまた地面に倒れる六花を見下す夢芽は、勝ち誇った顔を見せていた。

 

六花「…くっ……うぅっ…!!」

 

漸く呼吸ができるようになり、自分に鞭を打ちながら立ち上がった六花。

 

夢芽「まだ立ち上がるんだ…エネルギー全部吸い取れば良かったかな……?」

夢芽(でも、それじゃあコイツ死ぬからなぁ~…直喜に嫌われないためだ、殺せないのは仕方ないか……)

 

六花「…ち、調子に…乗るなァ!!」

 

六花は右腕のシュシュを天に飛ばした。すると、シュシュからは昼間の太陽のような眩い光が発生し、夢芽を照らした。

 

夢芽「ッ!?」

 

眩い光を浴びた瞬間…

 

 

夢芽「イヤァァアアアアアアアアア!!

 

 

…と、絶叫する夢芽。吸血宇宙星人『ドラキュラス』の力を使っている間、彼女は光に弱くなってしまうのだ。

 

六花「残念だったね…?」

 

六花は右手を空手の構えのように引き込み、左腕を胸の前で水平に曲げながら平手で構えると、額から細い光線『エメリウム光線』を発射した。六花が放った光は、夢芽に命中する。

 

夢芽「が…ぁ……!」ドサッ…

 

光線を受けた夢芽は、うつぶせに倒れ…戦闘不能となった。

 

六花「……。」ハァッ…ハァッ……

六花(え、エネルギー吸われたから…もう、限界……少し休んでから…でも…直喜……が……)

 

六花は力尽き…意識を失ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

直喜「……。」

直喜(六花ちゃん、遅いなぁ…どうしたんだろう?)

 

六花が中々戻って来ないことを心配した直喜は、ベンチから立ち上がり…彼女を探しに行こうとする。

 

直喜(も、もしかして…何か、事件とかに……さ、探さなきゃ…!!でも…ど、どうすれば……)

 

そこへ……

 

 

オニジャ「よぉっ、直喜!!」

 

 

オニジャを先頭に、怪獣優生思想の4人が姿を現した。

 

直喜「お、オニジャ君達…!!」

 

ジュウガ「直喜、どうしました?」

 

直喜「あ、あのね…」

 

直喜は4人に六花がいなくなってしまったことを話した。

 

直喜「僕も…僕も一緒に…一緒に、着いて、いけばっ…ズズッ…よ、良かった……さ、探しったい…けど…ど、どこを、探せば…良いか…グスッ…わ、分からなくって……」

 

泣き出してしまう直喜に、ムジナとシズムが優しく声を掛ける。

 

ムジナ「安心して直喜?私達も一緒に探すから…ね?」

 

直喜「えっ…ほ、ホント…?」

 

シズム「本当だよ。俺達は直喜の味方…君は俺達のベストフレンドだからさ。」

 

直喜「み、みんな…ありがとう…!!」

 

漸く泣き止み、笑顔を取り戻した直喜。

 

 

オニジャ「よし、そうと決まれば…

 

来い!ハングラー!!サタンモア!!ブラックエンド!!

 

 

オニジャがそう叫ぶと、空の彼方から…3つの飛行物体が現れ、オニジャの近くに到着した。続いて、ジュウガとムジナとシズムも…

 

 

ジュウガ「ブラックガロン!!ブリザード!!ブニョ!!

 

ムジナ「ブラックドームちゃん!!ブラックテリナちゃん!!ノーバちゃん!!

 

シズム「シルバーブルーメ!アブソーバ!デモス!

 

 

使役している円盤生物を呼んだ。まもなく、ジュウガとムジナとシズムの近くにも円盤生物が到着した。

 

直喜「ふぇっ!?え、円盤生物…ほ、本物!!?」

 

本物の円盤生物が現れ、思わず目を丸くして驚く直喜。

 

ジュウガ「怖がらなくても大丈夫です。この円盤生物は、貴方の味方ですから。」

 

彼らが呼んだ円盤生物達は小さくなると、直喜の周りをグルグルと旋回し始める。そのうち、アブソーバが直喜の右手に触手を伸ばしてきた。

 

シズム「アブソーバ…何、直喜と握手したいの?」

 

直喜「…か、噛み付かない?」

 

シズム「噛まない噛まないw」

 

直喜と握手しようとするアブソーバに、「邪魔だ!」「俺も直喜と握手するんだ!!」と言うように…ノーバとブラックテリナとブラックドームが喧嘩を始める。

 

ムジナ「こらこら、喧嘩しないの!!」

 

ムジナが止めに入っても、全く言うことを聞かない円盤生物達。

 

直喜「き、君たち…け、喧嘩は…ダメだよ…?」

 

直喜がそう言った瞬間、喧嘩をしていた円盤生物達は地面に降り、直喜に土下座をして謝った。茶番が終わり、円盤生物達は六花の特徴を直喜から聞くと…熱海の上空に飛んで行き、六花の捜索を開始した。中でも、小さくなったサタンモアは…自分よりも更に小さい円盤生物『リトルモア』を大量に放ち、幅広い領域の捜索を展開していく。デモスは自身の分身体『デモスQ』を3体生み出し、東西南をデモスQに…マスターデモスとなった自身は北の方角の捜索を始める。

 

直喜「と、ところで……」

 

4人「「「「…?」」」」

 

直喜「その……円盤生物達が街中を飛び回ると…お、大騒ぎになるんじゃ……」汗

 

ジュウガ「大丈夫ですよ。彼らは透明化が可能であって、一般市民やレーダーから探知されることはありません。」

 

直喜「で、でも…何で僕には見えるの?」

 

ジュウガ「それはですね…直喜、貴方の心がキレイだからですよ。」

 

怪獣優生思想のメンバーが使役する円盤生物は、直喜以外の市民には姿を見ることができない特殊な透明化能力を身に付けているため、一般人にもあらゆるレーダー探知機にも認知できない。その証拠に、円盤生物達が飛び回っても、一般人は誰一人騒がない。しかし、何故か直喜だけは見えるのだ。

 

ジュウガ(間違った道を進んでしまった俺達を、連れ戻してくれたのは…直喜だった……俺達が悪役になっても、誰よりも俺達を信じ続け……邪道から引き上げてくれた。一生返すことができない仮ができてしまったな……)

 

元々、直喜は人を疑わない性格であり…かつて、怪獣優生思想の4人も彼と関わっていた。だが、1度…直喜を裏切り、怪獣達を暴れさせた。それでも直喜は、彼らに失望することなく……

 

直喜『僕はもう1度、君達と友達になりたい!!僕、ジュウガ君達を信じてるから…ずっと待ってるから!!』

 

…と、優しい言葉を投げた。彼の優しさに触れ、怪獣を暴れさせるのを辞めた怪獣優生思想の4人は…彼にお礼を言おうと…彼の友達になろうと、彼の元へ向かった。だが、そこで待っていたのは……真っ赤な鮮血を流し、冷たい身体となり…遺体へと変わり果てた直喜だった。彼を裏切ったことを激しく後悔した怪獣優生思想のメンバー達は、自分達の国を離れ……長い長い旅へ…………

 

様々な『ウルトラマン』の世界を転々とし、幾多の怪獣達とウルトラマン達の戦いを見てきた。世界を旅してたどり着いた答えは……

 

 

『直喜を守るために、怪獣を扱う』

 

 

…最後まで友達でいてくれた直喜を、守ることだった。長い旅を続け、円盤生物達を使役させることに成功…たどり着いたこの世界で、直喜と再会できた。彼と別れた後、再会できたことを大いに喜んだ4人は…思わず号泣する程、直喜との再会を嬉しく思っていた。

 

オニジャ(こんなバカな俺でも、直喜は…直喜は、友達でいてくれたんだ…!!)

 

ムジナ(思い出しただけで、泣いちゃう…直喜が優しくしてくれたこと、私達は嬉しかったんだから……)

 

シズム(もう、直喜を死なせない…直喜を、裏切らない…)

 

怪獣優生思想のメンバー達は、今日も直喜を守るために…行動をする……

 

ノーバ「キュオオォォッ!!」

 

ムジナ「ん?ノーバちゃん、どうしたの?」

 

ムジナの元に戻ってきたノーバは、ヒソヒソと彼女の耳元で話をする。それを聞いたムジナは、ニコッと笑顔になる。

 

ムジナ「直喜!六花ちゃん見つかったって!!」

 

直喜「えっ、ホント!?すぐに行かないと!!」

 

ノーバは5人を六花の元へ案内する。怪獣優生思想の4人は散らばった円盤生物達を呼び戻し、直喜と共に…ノーバの後を着いていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃…

 

六花(な、何とか…戻って、これた……)

 

六花は夢芽に引き摺り込まれた空間から脱出することに成功し…熱海の地に降り立った。だが…疲れた顔をしており、顔色もあまり良くなかった。

 

「六花ちゃーん!!」

 

すると、直喜の声が聞こえてきたと思うと…六花の元に直喜が走って来た。彼の後ろには4人の男女の姿がある。

 

六花「な…直、喜……」

 

壁につかまりながら、直喜の元へ歩こうとする六花。そんな彼女の元に、直喜は駆け寄る。

 

直喜「六花ちゃん!!」

 

六花「…な、おき……ごめんね……」

 

直喜「ううん!悪いのは僕だよ!!僕が、一緒に行ってれば…」

 

六花「優しいなぁ…直喜は……でも、自分を…責めないで…?」

 

自虐的な直喜を慰める六花。

 

六花「…そ、その人…たち、は……?」

 

直喜「紹介するよ。こっちがジュウガ君、こっちがオニジャ君、こっちがムジナちゃん、こっちがシズム君。みんな、僕の友達だから安心して?」

 

六花「…そっか……直喜…友達作りが、上手だね…♪」

 

怪獣優生思想の4人が直喜の友人であると認識した六花は、緊張がほどけ…眠ってしまった。

 

直喜「あれっ…り、六花ちゃん…!?」

 

シズム「大丈夫。疲れて眠ってるだけだから…」

 

直喜「そ、それなら…旅館に戻ろう…!」

 

オニジャ「俺が六花を運ぶぞ?」

 

直喜「いや、僕に運ばせて…!」

 

ジュウガ「ここは、直喜の意思を尊重しましょう。」

 

ムジナ「分かった。」

 

こうして、直喜は六花を背負うと…宿泊している旅館に、彼女を運んだ。怪獣優生思想の4人は、直喜のボディーガードとなり、使役している円盤生物達と共に…彼に同行した。




ED~ASH DA HERO『Everything』~♪
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