【完結】駄目な部分が目立つ転生者が、何故か周りから好かれる話   作:やさぐれショウ

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OP~オーイシマサヨシ『インパーフェクト』~♪


第44話 フジヨキ台って、なに?

ウルフェスで遊び疲れた直喜は、帰宅のため…電車に乗った。隆也とは違う路線であるため、ウルフェスの最寄り駅で別れることに……

 

直喜「Zzz~……」

 

よほど疲れていたのか…直喜はウトウトし始め、そのまま眠ってしまった。そこに…怪しい動きをする老人が直喜の元に近付いていく。

 

老人(ふぇっふぇっふぇ…バカそうなガキだ、呑気に寝ておるのう?)

 

どうやら、この老人……スリの常習犯らしい。寝ている直喜のカバンを開き、手を突っ込むと……

 

老人(あったぞあったぞ♪)

 

彼の財布を取り出した。そして、次の駅で降りようとした時……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パシッ…

 

夢芽「どこへ行くんですか?

 

ハイライトの消えた目を向けた夢芽が、老人を捕らえる。

 

老人「なんじゃ、何をするんだ?」

 

夢芽「私、見てましたけど?

 

老人「何をみたんじゃ?」

 

夢芽「とぼけても無駄ですよ?貴方、スリしましたよね?

 

老人「スリじゃと?そんなもん知らんわい!!お主ら警察に突き出すぞ!?」

 

イライラした老人は、夢芽を脅すが…

 

夢芽「良いですよ?ま、貴方に勝ち目なんてありませんけど……

 

そんなの、夢芽には何の脅しにもなっていなかった。その理由は……

 

 

ちせ「おいクソジジイ、お前直喜先輩の財布を盗りやがったな?

 

 

ちせが老人のスリの瞬間を動画に撮影していたからだ。

 

ちせ「お前に選択肢は2つある……

 

 

大人しくお縄にかかるか…

 

勝率0%の裁判で無駄金を手放すか…

 

 

さっさと選べよ?

 

ちせの行動と発言、そしてハイライトの失せた目を見た老人は……どんどん顔を青ざめていき、ヘナヘナと床に崩れ落ちた。

 

終点のフジヨキ台駅に到着すると、夢芽は寝ている直喜をおんぶし、ちせは老人を連れ…駅員の元へ……老人は「ワシは悪くない!!盗られる方が悪い!!」と、ギャーギャー喚いていたが…そんな理屈が通用することは無く、結局逮捕された。幸い、直喜の財布から何も盗られていなかった。

 

ちせ「南さん、直喜先輩どうします?」

 

夢芽「流石にガウマさんのとこは…マズイよね?」汗

 

ちせ「あぁダメですね、論外っす。」

 

夢芽「…だよね?」

 

ちせ「じゃあじゃあ…自分らの秘密の場所はどうっすか?ほら、普段から訓練してる山奥に作ったじゃないですか。」

 

夢芽「そうだね、そうしよっか。」

 

直喜をどうするか決まると…ちせはゴルドバーンを呼ぶ。まもなく、ゴルドバーンが到着し…3人の前に降り立った。直喜を見て大喜びしたゴルドバーンは、3人を乗せて…秘密の場所へと飛び立って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日……

 

直喜「…ハッ!?しまった!!」ガバッ!!

 

目を覚ました直喜は、慌てて飛び起きたが…

 

 

直喜「…あ、あれ?…ここ、なんか見覚えがあるような無いような……」

 

 

周囲を見てみると…電車内ではなく、何やら地下室のような空間にいた。

 

ちせ「あっ、おはようございます。直喜先輩♪」

 

そこに、ちせがやって来た。

 

直喜「ち、ちせちゃん!?ここって……」

 

ちせ「秘密の場所っす♪南さんも居ますよ?」

 

どうやらここは…以前、家出した時に夢芽に誘われてたどり着いた『秘密の場所』のようだ。居心地の良い地下室には、映画館のような雰囲気が出ており…歴代ウルトラマン作品は勿論、『イ◯ゲーム』、『仮◯ライダー』、『ゴ◯ラ』、『ジ◯リ作品』等々の多彩な映画もある。

 

直喜「それより、僕…何でここに…?」

 

ちせ「直喜先輩、電車の中で寝てるんですもん…風邪引いちゃいますよ?」

 

夢芽「あっ、良かった。ちゃんと起きたんだ♪」

 

そんな時、朝食を持った夢芽が地下室へとやって来た。

 

直喜「ゆ、夢芽ちゃん…!?」

 

夢芽「おはよ直喜♪」

 

自分は何故ここにいるのかと2人に尋ねたところ……どうやら、直喜はスリの被害にあう寸前であった。だが、たまたま同じ電車に乗っていた夢芽とちせにより、スリ犯は逮捕され、直喜は助かった。だが、直喜は自宅マンションの最寄り駅に降りず、寝過ごしてしまい…夢芽とちせがここまで運んできたと言うのだ……

 

直喜「…ご、ご迷惑…おかけ、しました……」汗

 

状況を理解した直喜は、夢芽とちせに謝罪し、深々と頭を下げた。

 

夢芽「気にしなくていいよ♪」

 

ちせ「そうですよ直喜先輩、またこうして会えたんですし…ゆっくりしてってください♪」

 

直喜「……。」

 

迷った直喜だが、財布を見てみると…帰りの電車の切符を買うお金が足りないことに気付き……彼女達にお言葉に甘えることにした。

 

 

 

外に出ると……

 

ゴルドバーン「ギャロロロッ!!ギャロロロッ!!♪♪」

 

直喜「わっ!?ご、ゴルドバーン…!?」

 

ゴルドバーンが直喜に飛び付いて来た。どうやら、久しぶりに直喜と会えたことを喜んでいるようだ。

 

直喜「あはっ、あははは!くすぐったいよゴルドバーン!!」

 

ゴルドバーン「グルルルッ♪」

 

頬を擦りつけてくるゴルドバーンは、直喜の顔を見て嬉しそうな声をあげる。

 

ちせ「ゴルドバーン!直喜先輩が困ってるから~!!」

 

ちせがそう言っても、ゴルドバーンは全く言うことを聞かない。いつもはちせに従順なゴルドバーンだが…ちせよりも直喜の方が良いみたいだ。

 

夢芽「ゴルドバーンも寂しかったんじゃない?直喜と会えなくて。」

 

ちせ「それはそうなんですけど…ムムム、なんか複雑っす……」

 

ちせ…直喜と戯れるゴルドバーンを見て、ヤキモチを妬いているようだ。

 

夢芽「もしかして、ヤキモチ妬いてる?」

 

ちせ「べっつにぃ、妬いてないですよ~だ…」ムスッ…

 

ふてくされた顔をするちせを見て、夢芽はとある提案を出す。

 

夢芽「ねぇ、ちせちゃん?」

 

ちせ「はい?」

 

夢芽「ゴルドバーンと一緒にさ、直喜をフジヨキ台に案内しない?そうすれば、ちせちゃんも直喜と一緒にいられるでしょ?」

 

夢芽の提案を聞いたちせは、ニッコリ笑って…

 

 

ちせ「南さん…ナイスアイデア!!あざます!!」

 

 

…と、夢芽にお礼を言った。

 

ちせ「ゴルドバーン!直喜先輩をフジヨキ台に案内したいから、協力してくれる?」

 

ゴルドバーン「グルルッ!」

 

ちせの言葉を聞いたゴルドバーンは、自身の大きさを変えると直喜の近くに伏せた。

 

ちせ「直喜先輩、今からゴルドバーンと一緒に私達が住んでる『フジヨキ台』を案内するっす♪どうっすか?」

 

直喜「えっ、良いの?」

 

ちせ「もちろんですよ!!快適な空の旅、してみたくないっすか?」

 

直喜「…う、うん!!」

 

直喜から同意を得て、夢芽とちせは直喜と共にゴルドバーンの背中に乗る。3人を乗せたゴルドバーンは、飛行機が飛び立つように離陸した。

 

 

 

BGM~AHS DA HERO『Everything』~♪

 

 

直喜「わぁ~!スゴいスゴい、絶景だぁー!!」

 

ちせ「そっすね!!めっちゃ分かります♪」

 

飛翔するゴルドバーンの背中から眺める景色は、絶景であり…例えるなら、東京ス◯イツリーの上にいるようだ。

 

夢芽「あれが私の通う高校、『フジヨキ台高校』だよ♪」

 

現在、ゴルドバーンが飛んでいるのは…夢芽が通っている都立高校『フジヨキ台高校』である。どこにでもありそうなごく普通の学校で、ツツジ台高校同様に、制服はブレザー系で私服での登校は認められている模様。ちなみに、女子には制服リボンがある。校門真向かいには、2階にファミレスが入っているビルがあり、生徒達もよく足を運んでいるようだ。

 

直喜「そ、そういえば…夢芽ちゃんやちせちゃんに、一緒にいる人達って、いるの…?」

 

夢芽「うん、居るよ?」

 

ちせ「まぁ、居るっすよ?」

 

彼女達から話を聞いてみると、とある巨大ロボットを操縦する『ガウマ隊』というグループで行動することが多いようだ。怪獣使いを名乗る『ガウマ』を中心とし、麻中(あさなか) (よもぎ)山中(やまなか) (こよみ)というメンバーがいる。

 

直喜「へぇ、そうなんだ。麻中君って、どんな人なの?」

 

夢芽「蓬君?蓬君はね…」

夢芽(やっぱり覚えてないか…蓬君は直喜のこと、覚えてるのに……)

 

夢芽は直喜に、蓬について話し始める。蓬は良くも悪くも特に目立ったところのないごく普通の少年であるが、学友たちからは『度の過ぎたお人好し』とも評されている人物だそうだ。

 

直喜「なんか、隆也君みたいな人なんだね。」

 

夢芽&ちせ「「隆也君?」」

 

直喜「あっ、隆也君は僕の友達なんだ。頭良くて、たまにリモートで勉強を教えてもらったりしてるの。後は、同じウルトラマンファンでね、『ウルトラマンFEN』の対戦相手になってくれるんだ。とっても良い友達だよ。」

 

ちせ「そういえば、昨日のウルフェス…直喜先輩見ましたよ!」

 

直喜「えっ、そうなの!?」

 

ちせ「はい。あぁ、あの人が隆也君…いや、隆也先輩ですね?」

 

夢芽「隆也君は、直喜と同い年なの?」

 

直喜「うん、僕と同じ高校1年生。通ってる学校は違うんだけどね…」

 

ちせ「ちなみに、直喜先輩はどこの高校に通ってるんですか?」

 

直喜「僕?ツツジ台高校だけど…」

 

夢芽「ツツジ台?うーん、わかんないなぁ……」

 

ツツジ台…東京都のネリマ市という場所にある街である。対してフジヨキ台は、東京都内のアヤナシ市という都市にある街だ。同じ東京であっても、夢芽とちせにはツツジ台は分からないようである。

 

その後も、夢芽とちせはフジヨキ台のスポットを案内し、バスガイドの如く解説しながら紹介するのであった。直喜を乗せたゴルドバーンは、最後までご機嫌であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜、夢芽とちせはガウマの拠点である河川敷に来ていた。

 

ガウマ「よぉ、夢芽にちせ…お前らから来るなんて、珍しいじゃねぇか?…って、お前ら機嫌良くねぇか?」汗

 

夢芽「わかりますガウマさん?遂に逢えたんですよ。」

 

ちせ「えぇ、直喜先輩に逢ってきました!!」

 

ガウマ「マジで!?おいおい、何で言ってくれなかったんだよ!!?」

 

夢芽「いや、前から言ってましたけど?」汗

 

ちせ「ガウマ隊長…いっくら言っても『そんなの嘘だ』って聞く耳持たなかったじゃないですか。」汗

 

???2「南さん、直喜君に逢ったって…ホントなの?」

 

夢芽「うん、本当。これが証拠だよ、蓬君。」

 

夢芽がスマホを見せると、そこにはゴルドバーンの背中でニッコリと笑う直喜が映っていた。左隣に夢芽、右隣にちせが映っている。蓬の左から暦も夢芽のスマホを覗き込む。

 

暦「これ、ホントに直喜君なの?」汗

 

ちせ「あっ、信じてないっすね先輩?正真正銘、本当に直喜先輩っすよ!!直喜先輩のおかげで、私は今も中学校に通ってるんですし…先輩も無職から脱出したらどうっすか?」

 

暦「うるせぇよ…」汗

 

ガウマ「なぁなぁ!!次直喜に会いに行く日はいつだ!?俺も1秒でも早く、直喜の顔がみてぇよ!!」

 

夢芽「直喜から同意得ないとダメですよ、ガウマさん。というか、私達から直喜に話すので待っててください。」汗

 

夢芽とちせの話を聞き、直喜に早く会いたいと落ち着かないガウマであった。




ED~ASH DA HERO『Everything』~♪

※楽曲コードはオーイシマサヨシ『インパーフェクト』です。
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