【完結】駄目な部分が目立つ転生者が、何故か周りから好かれる話 作:やさぐれショウ
直喜が戻って来た後、六花とアカネは順調に回復していに…漸く、退院することができた。だが、彼女達を担当した病院の医師や看護師達が…何故かげっそりしていた。その理由は、分からない……
なみこ「何はともあれ、退院おめでとうお二方♪」
はっす「んじゃ、退院祝いに…ご飯でも食べに行く?」
六花「良いねサイコー♪」
アカネ「あれ、直喜君は?」
なみこ「直喜なら、今日用事あるって言ってたよ?」
六花「マジ?珍しいね…」
はっす「ん~…直君居ないとつまんないよな…ご飯食べに行くのは、また今度にしよっか。」
直喜「あっ、シズム君?怪獣が出たって場所に来てみたんだけど…」
シズム『なら、俺達も直喜のとこに行くよ。そこで待ってて、すぐに来るから。』
直喜「あっ、ちょっと待っ…切れちゃった……」
その頃、直喜はシズムからの連絡で…怪獣が現れた現場へと来ていた。場所は、とある山にある自然公園だ。シズムとの電話が終わった、まさにその直後だった。
オニジャ「おーい、直喜ィー!!」
サタンモアに乗った怪獣優生思想の4人が、直喜の元に飛んで来た。
直喜「ほ、ホントに…すぐ来た……」汗
このサタンモアは、オニジャが使役している円盤生物だ。高速で大空を飛び回るため、偵察役を任されることもしばしばである。
オニジャ「よっと、サンキューなサタンモア。」
4人を降ろした後、すぐに小さくなるサタンモア。その小ささは、リトルモアよりも小さい。小さくなったサタンモアは、早速直喜の元へ飛んで行き…彼の周囲を旋回し始める。
直喜「と、ところで…シズム君達の円盤生物は、何で僕に友好的なの?」
シズム「簡単なことだよ。直喜は俺達の『ベストフレンド』…だから、円盤生物達にとっても直喜はベストフレンドさ。」
直喜「い、意味が分からない……」汗
シズムの返答に困惑する直喜。円盤生物達からしたら…『主人の友達は、自分達の友達』である。シズムはそう言いたいのだろう……直喜がそれを理解するまで、少々時間がかかった。
オニジャ「そういや…六花は元気にしてるか?」
直喜「へっ?あぁ、うん…元気だよ?」
オニジャ「そりゃあ良かったぜ。」ニッ!
直喜の言葉を聞き、ニカッと笑うオニジャ。
直喜「そ、それより怪獣は…?」
ジュウガ「今、俺達の円盤生物達が怪獣を探しています。焦らずゆっくり探しましょう。」
直喜「いや、円盤生物も一応怪獣だけど……」汗
ジュウガ「……。」
直喜の言葉に、黙り込むジュウガ。
オニジャ「いや、黙るなよ!?都合が悪くなったら黙ったぞコイツ!!」大汗
ジュウガ「ぐぅの音も出ませんね。」
ムジナ「ぐぅ音出して…」汗
ジュウガ「…ぐぅ。」
ムジナ「いやそうじゃなくて!!」汗
ボケありツッコミありなやり取りをしている中……
少女「…やっと会えた。」
褐色肌に黒髪おさげの小学生位の見た目の少女が現れた。茶色に一部緑が混ざったフード付きのコートを纏い、胸部分にト音記号の模様が描かれた服を着ている事が特徴。また、背中にはランドセルを背負い、緑色のイヤホンを付けている。
直喜「…き、君は?」
少女「私、怪獣だよ?」
直喜「か、怪獣…?」
直喜が戸惑うと、その少女は「うぇへへへへへへ」とクセの強い笑い方をする。
少女「ねぇ、君ってさ…『ウルトラマン』だよね?」
直喜「えっ…?」
少女「分かるよ。君からはキレイなオーラがキラキラと出てるから……」
少女はニッコリ笑いながら直喜に言う。
オニジャ「仮に直喜がウルトラマンだとしたら、何だってんだ?」
アノシラス「私ね、『アノシラス』って名前の怪獣なんだけど…ここで暮らしててね、でも……怪獣使いを名乗る変な男が突然現れて、凶悪な怪獣を出したんだ。それで、ママがケガしちゃって……お願い、助けて欲しいんだ。」
その少女は、怪獣『アノシラス』の子供であり…母親が凶悪怪獣に襲撃され、ケガをしてしまったのだった。更に話を聞くと、怪獣の特徴は…腕にハサミが生えている事以外はダークラーに酷似しているようだ。ダークラーと違う点として、硬い鎧のような甲羅に覆われているとのこと……
直喜「多分、その怪獣は甲殻怪獣『バブボムラー』だと思う…分かった、君のお母さんを助けるよ。」
アノシラス「ホント!?うわぁ~い♪」
ジュウガ「直喜、良いんですか?」
直喜「うん、困っているなら人だろうが怪獣だろうが関係ない。余計なお世話かもしれないけど、困ってるなら放っておけないよ。」
シズム「お人好しだね、直喜。君がそうするなら、俺達も着いていくよ。」
アノシラスを助けると決めたそのタイミングで、怪獣『バブボムラー』が姿を現した。
バブボムラー「ギャォォオオオオオオッ!!」
両腕の鋏をシャキンシャキンと鳴らしながら、口と鋏から泡を吐き出す。泡が地上の木々に落ちた時…植物が瞬時に枯れてしまった。
直喜「…!!」
直喜はピカリブラッシャーを取り出すと、歯磨きを開始…口腔環境をキレイにする。歯磨きを終えると、ブラッシャーを天に高く掲げ…
眩く、優しい光へと包まれていく。それは段々巨大化していき…人の姿へと変わって行く。やがて…温かく優しい光から光の戦士が君臨する。
ゼアス「シェアッ!!」
右腕を上に伸ばし、左腕を曲げて頭の横につけ…構えを取る巨人。その名は『ウルトラマンゼアス』だ。
アノシラス「うわぁ…すごい、私も…私もウルトラマンに会えたぁ~!!」
本物のウルトラマンゼアスの姿を見たアノシラスは大喜びする。ゼアスとバブボムラーは互いに睨み合うと、相撲のように取っ組み合いを始め…バブボムラーはゼアスに投げられる。
ドドォォオオオオオオオッ!!
轟音を立てて倒れたバブボムラーに、ゼアスは飛び掛かり…チョップ攻撃を繰り出す。
オニジャ「よし!そこだ!!いけいけ!!バンッ!!バンッ!!バンッ!!」
3人「「「…!!」」」
アノシラスと共に…ゼアスの戦いを見守る怪獣優生思想のメンバー達。やがて、ゼアスとバブボムラーは掴み合った状態で地面を転がり…湖に入水する。
オニジャ「あぁ…!!お、おいジュウガ!!ムジナ!!シズム!!」
ゼアスはバブボムラーにマウントポジションを取られたが…バブボムラーを何とか押し退け、立ち上がる。更にバブボムラーと取っ組み合い…
ゼアス「ゼヤァッ!!」
雄叫びと共に、後ろへと下がる。
バブボムラー「ギャォォオオオオオオッ!!」
バブボムラーはゼアス目掛けて泡を放つが……ゼアスは咄嗟にバリアを張り、バブボムラーの攻撃を防ぐ。
転生者 C「来やがったかウルトラマンゼアス…良いぞ、そのままエネルギーを使え…!」
その頃、山の頂上と思わしき場所では…Cがゼアスとバブボムラーの戦いを見ていた。彼の右手には、真珠のような物が握られている。ゼアスはバブボムラーを陸上に誘導し、次第にバブボムラーを押し始める。バブボムラーは陸上でも活動はできるが…水分を摂取できなくなる為か、弱ってしまうのだ。
転生者 C「捨てゴマがやられるな…そろそろ行くぜ、ヒヒヒヒ…!!」
Cは真珠のような物を上に投げると…
転生者 C「インスタンス・ベンゼネーション!!」
両目を赤く光らせ…もう1体の怪獣を出現させた。
ズダァァアアアアアアアアンッ!!
怪獣2「ガロロロッ!!」
サイケデリックなカラーの蛾や蝉、蜻蛉やタガメ等複数の昆虫を思わせる要素が入った人型怪獣が姿を現すと、バブボムラーを押し退け…ゼアス目掛けてズンズン歩いていく。
ゼアス「ッ!?」
ガシィッ!!
突如乱入してきた怪獣『グレージョム』と交戦するゼアス。
ゼアス「ジュアッ!!」ブゥンッ!!
ゼアスが回し蹴りを繰り出すと…グレージョムは背中の翼を広げ、その場から一瞬で姿を消した。
ゼアス「ッ!?」
周囲を見渡すゼアスだが…グレージョムの姿はどこにも無い。だが…
ドゴォッ!!
ゼアス「グアッ!?」ドドォォオオオオオオオッ!!
グレージョムはゼアスの背後に現れ、背中を蹴って地面に倒す。
ゼアス(あの怪獣、素早いよ!!)
直喜(いや、待って…多分あの翼を広げて、ワープしてるんだ!!)
ウルトラ博士と呼ばれている直喜の言葉通り、グレージョムは背中の翼を広げた直後…その場から姿を消す。
直喜(翼から粒子が……そこかっ!!)
ゼアス「デヤッ!!」ドゴォッ!!
グレージョム「ッ!?」ドドォォオオオオオオオッ!!
直喜はグレージョムが背後から来ることを予測し、蹴りを入れると…見事、攻撃はグレージョムを捉えた。
転生者 C「なっ!?おいマジかよ…貧弱戦士の癖に!!」ギロッ!!
Cは目を光らせると…2体の怪獣を、ゼアスへ向かわせる。流石のゼアスも、2大怪獣の猛攻に押され始める。そして……
ピコンッ…ピコンッ…
ゼアスのカラータイマーが青から赤へと変わり、点滅を始めた。
カラータイマーが青から赤へ変わると危険信号…ウルトラマンは地球大気中に3分以上居ることができないのだ。
アノシラス「どうしよう…ウルトラマンが、負けちゃう…!」
カラータイマーが点滅しても、怪獣達は容赦なくゼアスを攻撃する。
ジュウガ「直喜!!今、俺のブリザードを向かわせます!!」
ジュウガがブリザードを出撃させようとすると…ゼアスは「ダメだ」と言うように首を横に振った。
ジュウガ「そ、そんな…どうして……!!」
オニジャ「直喜!!俺達はもう、お前を死なせたくねぇんだよ!!頼むから…出撃させてくれよ!!」
ムジナ「お願い直喜!!私達も、直喜の力になりたいの…!!」
シズム「…ッ!?あれは…!」
シズムの視線の先から……
ガウマ『ウルトラマン!今行くぜ!!』
ガウマ隊のメンバー達がやって来たのだ。夢芽と暦が操作するメカは、機関砲から火を吹き…エネルギー弾を2大怪獣目掛けて乱射する。
ちせ「燃え上がれ、ゴルドバーン!!」
ゴルドバーン「ギャォォオオオオオオッ!!」
ゴルドバーンが口から青い光線を放つと…夢芽と暦が放ったエネルギー弾が巨大化し、怪獣に命中して爆発を起こす。
バブボムラー「ギャォォオオオオオオッ!?」
グレージョム「ガロッ!!ガロロロッ!?」
巨大化したエネルギー弾は凄まじい威力であり…怪獣達の部位を容易く破壊した。バブボムラーの両腕の鋏は折れ、グレージョムの背中の翼も破壊されていた。
オニジャ「なっ!?あ、アイツら…!!」
ムジナ「ちょっと、ゼアスの援護は私達が」
ガウマ『うっせぇ!!何もしてねぇじゃねぇか!!』
オニジャとムジナに怒鳴ったガウマは、ガウマ隊に指示を出す。
ガウマ『ウルトラマンを援護する!!』
暦『はいっ!!』
夢芽『言われなくても…!!』
蓬『了解です!!』
ダイナソルジャーはグレージョムの方へと走り、格闘戦を仕掛ける。両手の鋭い爪で攻撃を仕掛けるが、グレージョムは刃状になっている両腕で攻撃を受け止め…胸部からビームを発射した。
蓬『うわっ!?』
夢芽『蓬君!!』
ガウマ『蓬ィ、1回下がれ!!』
暦『一斉攻撃をしましょう!!ちせ!!』
ちせ「りょーかいっす、ゴルドバーン!!」
ダイナウイングとダイナストライカー、ダイナダイバーが同時にエネルギー弾を放つと…ゴルドバーンは口から吐き出した青い光線で、エネルギー弾を巨大化させた。
ズドォォオオオオンッ!!ズドォォオオオオンッ!!ドゴォォオオオオオオオオオオンッ!!
ガウマ隊の一斉攻撃により、2大怪獣は弱っていた。
ガウマ『今だウルトラマン!!』
ゼアス「ッ!!」
直喜(ぐっ…か、身体中が痛い……で、でも…ここで倒れたら、ここで暮らす怪獣を助けられない…!!後、少しだ…頑張れ……頑張れ僕…ギリギリまで、頑張れ……ギリギリまで、踏ん張れ…!!)
カラータイマーの点滅が次第に早くなっていく中、ゼアスは何かを大事に抱えるような独特な動作を取る。
転生者 C「させるかよ!!」ギロッ!!
グレージョム「ガロロロッ!!ガロロロッ!!」
グレージョムがゼアス目掛けてビームを発射すると……
ゴルドバーン「ギャォォオオオオオオッ!!」
ゴルドバーンがゼアスの前に移動し、盾のような形に変形した。
直喜(ご、ゴルドバーン!!)
ちせ「ゼアス!!ゴルドバーンは頑丈だから大丈夫!!だから、勝って!!」
直喜(ち、ちせちゃん…)
ゼアス「!!」コクッ!
グレージョムの光線を防いだゴルドバーンがゼアスの前から退くと…ゼアスは腕を逆十字型に組み、青い光を放つ必殺光線『スペシュッシュラ光線』を2大怪獣目掛けて発射した。光線は怪獣達に命中…2大怪獣はゆっくりと仰向けに倒れると、大爆発を起こした。
アノシラス「や、やった…ウルトラマンが、勝ったぁ…!!」
オニジャ「おっしゃぁぁああああああああ!!」
ムジナ「やったやったぁぁああああああ!!」
ジュウガ「良かった。」
シズム「ダイナゼノンの救援があったけど、直喜は勝ったんだ。」
ゼアスの勝利を見届けたアノシラスと怪獣優生思想は大喜びした。ゼアスは『ゼアスキャン』を放ち、枯れ果てた植物を元通りにした。そして、地面に膝を着くと…ゆっくりと姿を消した。
直喜「ゼェ……ゼェ……な、何とか…勝てた……」
オニジャ「な、直喜!!」
疲れ果てた直喜の元に駆け寄るメンバー達。
直喜「あ、アノシラス…これで……」
アノシラス「うん…ママは助かったよ!ありがとう……ありがとう…ウルトラマン…!!」
アノシラスは本気で直喜に感謝すると…大粒の涙を流し、大泣きした。
直喜「……。」
直喜(良かった…アノシラスも安心しているっぽい……)
ズズゥンッ……ズズゥンッ……
直喜「…ん?」
すると、どこからか地響きが聞こえて来ると…それが段々こちらへ近付いて来ていることが分かった。それは、頑丈な皮膚を持ち、2本の大きな角を持つ怪獣だった。
アノシラス「あっ、ママ!!」
現れたこの怪獣こそ、音波怪獣『アノシラス』であり…怪獣少女『アノシラス』の母親である。どうやら、直喜にお礼を言いに来たようだ。
直喜「……。」
アノシラスに微笑む直喜。そこに……
夢芽『直喜、家まで送ってくよ?』
ダイナウイングが直喜の頭上に止まると、直喜を乗せる。
オニジャ「んなっ!?」
夢芽『それじゃ、後は私達に任せてください。』
強引に直喜を乗せた夢芽は、ダイナウイングを操作して直喜の自宅マンションに向かった。
ムジナ「…むぅ……」ムスッ…
シズム「強引だなぁ…」汗
ジュウガ「何でしょう…この感じ……」
オニジャ「な、何か…悔しいな……」
アノシラス「「……?」」
ED~ASH DA HERO『Everything(English ver.)』~♪
※…バブボムラーの鳴き声は磁力怪獣『アントラー』と同じにしました。