【完結】駄目な部分が目立つ転生者が、何故か周りから好かれる話 作:やさぐれショウ
直喜「はっ…はっ……はっくしょん!!」
風邪を引いてしまった直喜は、ベッドに横になっていた。
直喜「うぅ…ひ、冷えピタ……」
重い身体に鞭を打ちながら冷蔵庫に向かう直喜。漸くたどり着き、冷蔵庫を開けると……
直喜「そ、そんな……」ガーン……
中には、冷えピタが入っていなかった。いつの間にか、切らしてしまったようだ。
直喜(どうしよう…買いに行かないと無いもんね……)
冷えピタが無く、絶望してしまう直喜。だが、彼の日頃の行いが良い影響か…そんな彼の元に、救いの手が舞い降りて来る。
ピンポーン♪
直喜「ケホッ…ん、誰だろ…?」
直喜は玄関に向かい、ドアを開ける。
六花「な、直喜!?ちょっと大丈夫!?顔色悪いよ!!」
玄関には、六花の姿があった。
六花「なみこ、冷えピタとインゼリー買ってきてくれる!?はっすは飲み物を、直喜が好きそうな奴をお願い!!」
なみこ&はっす「「アイアイサー!!」」
六花の後ろにはなみことはっすもおり、急いで六花のお使いを頼まれた。
アカネ「直喜君!?ひょっとして風邪!?きゅ、救急車を!!」
六花「待ってアカネ!!…と、とりあえず直喜、ほら…私に掴まって?」
直喜「ゲホッ、ゴホッ…う、うん……」
六花の肩を借りながら、部屋へと入っていく直喜。アカネはスマホを取り出し、ある人物に連絡をする。
アカネ「あっ、もしもしアレクシス?」
アレクシス『はいはいアカネ君、どうしたんだい?』
アカネ「実はさ~、直喜君が風邪引いちゃったんだ…」
アレクシス『えぇっ!?だ、大丈夫なのかい?』
アカネ「心配だから私達が看病する。冷蔵庫にさ、ジュースとかプリンとかあるじゃん?それをポッ○ーやTOP○Oが入ってる袋に入れてドローンで直喜君のマンションまで来て?」
アレクシス『わかった、すぐに向かう!!』
そして、通話が終わった。その直後…
アカネ「おっ、もう着いたんだ。」
アレクシス『直喜君が大変な状況だからね。』ブーン…
モニター付きドローンと化したアレクシスが、アカネに頼まれた物を持ってきた。それを確認したアカネは、直喜のマンションに入っていった。
アレクシス『私も着いていく~。』ブブブブーン…
直喜「…うーん……」ハァ…ハァ…
六花「おでこ熱いね?ちょっと熱計ってみようか?」
直喜「…そ、そうする……」
六花から体温計を受け取った直喜は、それを脇に挟み…数分後、体温計が鳴った。
六花「ちょっと見せてもらって良い?」
直喜「…うん……」
六花「39度5分、スゴい熱……直喜、苦しい?」
直喜「…あ、頭が、ガンガン…する……」
六花「今なみことはっすが買い物に行ってくれてるから、ちょっと待ってt」
なみこ「六花さん!!冷えピタとインゼリー買ってきました!!」
はっす「飲み物も買ってきたぜ!!後、お粥の材料も!!」
六花「なみこありがとう!!はっす、ナイスだよ!!」
直喜が辛いと訴えたタイミングで、なみことはっすが戻ってきた。六花は冷えピタを直喜のおでこに貼り付け、飲み物とストローを用意する。
直喜「…あ、ありがとう……じ、自分で…飲む、から……」クラッ…
上半身を起こす直喜だが、すぐにフラついてしまう。
アカネ「わっと、大丈夫直喜君?」
そこに、タイミング良く入ってきたアカネが…咄嗟に直喜を支えた。
えっ、どこで支えてるかって?言わねぇよ。
直喜「…あ、あれ?…こ、こんなところに…ふ、布団なんて…あったっけ……?」
六花「なみこ、はっす…クッションを持ってきて。直喜が飲み物を飲みやすい体勢にするから!」
なみこ&はっす「「アイアイサー!!」」
なみことはっすは目にも止まらぬスピードで、クッションをいくつか持って来た。
六花「直喜、ちょっと背中にクッション入れるよ?」
直喜「…ふぁ…ふぁい……」
アカネ「あっ、私直喜君支えてるね?」
アカネが直喜を支えている間に、六花はクッションを直喜の背中に設置…楽にベッドに座れるようにした。
直喜「…ふぇ……あっ…ら、楽に…なった…?」
六花「さて…私、お粥作って来ちゃうね?」
なみこ「ウチも手伝うよ♪」
六花となみこが料理をし、アカネとはっすは直喜の見守り及び飲水介助をすることに。
はっす「直君、これスポーツドリンク。どう、飲めそう?」
直喜「…あ、ありがとう……」
スポーツドリンクが入っているコップをはっすが持ち、直喜はストローを咥えると…ゆっくりと飲み始める。
六花「直喜~、お粥作ったよ~?」
そこに、お粥を作った六花となみこがやって来る。なみこは器にお粥をよそると、六花に渡す。
六花「ありがとうなみこ、助かったよ。」
なみこ「大したこと無いって~♪ウチは直喜の為だったら、火の中にだって飛び込めるよ?」
直喜「…そ、それは…危ないって……」
はっす「こんなに辛い中でも、なみこを思う直君…天使を越して神だ…!!」
アカネ「直喜君、お粥食べれる?」
直喜「…うん……うん…た、食べれる……」
目に渦巻きを作りながら答える直喜。だが、顔は真っ赤である。それもその筈、何故なら……
直喜(ぼ、僕だって…男なんだ……周りに綺麗な人達がいたら、緊張しちゃうよぉ~…!!)汗
直喜の周り(それも近く)には、4人も美女がいるのだ。そんな彼に追い討ちを掛けるように、六花が直喜の元に……そして……
六花「ふー…ふー……はい、あ~ん♪」
温かいお粥に息を吹き込んである程度冷まし、直喜に『あーん』をしてきた。
直喜(こうなってしまったら…もう、仕方ない…か……)
本当は自分で食べようと思った直喜だが…頭どころか、全身が重く…怠さに襲われ、身体が言うことを聞かなくなっていた。そのため、空気を読んで口を開けた。まもなく、直喜の口の中には…丁度良い温かさになったお粥が運ばれて来た。
その頃、ベンゼン星人の秘密基地では……
転生者 B「だあぁぁっくしょぉぉおおおおい!!」
転生者 C「くちゅんっ!!」
ベンゼン星人「うわ、可愛くね…」汗
こちらでも、風邪を引いたBとCがベッドに横たわっていた。
レディベンゼン星人「全く、情けないったらありゃしない……」汗
転生者 A「……。」汗
そんな彼らを看病してくれる者は、誰もいなかった。
B&C((六花とアカネに看病されてぇぇええええええ!!お粥ふーふーされながら、『はい、あ~ん♪』ってされてぇぇええええええ!!))
なみこ「お~、直喜キレイに完食したね♪偉いぞ♪」ナデナデ
六花「良かった。直喜、無理してない?大丈夫?」
直喜「…お、おかげさまで……」
はっす「でも、直君いっぱい汗かいてるよ?着替えないと風邪が悪化しちゃうんじゃ…?」
アカネ「なら、お着替え手伝ってあげる♪」
アカネの言葉に、直喜は……
直喜「さ、流石にそれは恥ずかしいから…」
…と、拒否を示した。泣き虫かつ弱虫な直喜だが、彼にも『プライド』があるのだ。
六花「とはいっても、この状態で1人にしておくのは危ないから……」
なみこ「いっそのこと、男装する?」
六花「いやいや、変わんないっしょ!?」汗
はっす「それなら、男口調にして男のフリをする。」
六花「もっとダメだわ!!」大汗
なみことはっすのボケに、ツッコミを入れる六花。
アカネ「あっ、私良いこと思い付いた♪ちょっと待っててね?」
アカネは部屋を退室し、数十秒後……
アカネ「さ、入って来て?」
戻ってきた。彼女の後に続いて入ってきたのは……
カオスロイド「デュワッ!!」「ンンッ!!」「シュワッ!!」
3人の黒いウルトラマン達だ。黒いウルトラマン達の登場に、なみことはっすはビックリする。
なみこ「うぇっ!?な、何…!?」
はっす「く、黒い…ウルトラマン…?」
ウルトラセブンに酷似した『カオスロイドS』、ウルトラマンタロウに酷似した『カオスロイドT』、初代ウルトラマンに酷似した『カオスロイドU』の3人だった。ちなみに、このカオスロイド達は“ホンモノ”だ。
六花(って、ちょっとちょっと…なみことはっすがビックリしてるよ!?)汗
アカネ「そんな驚かなくても大丈夫だってぇ~♪このカオスロイド達、直喜君の味方だから♪」
なみこ「な、なんだそうだったんだ~。」
はっす「直君の味方なら、安心だね♪」
六花(な、納得した!?)大汗
アカネの言葉にあっさり納得したなみことはっす。
アカネ「さて、私たちは一旦ここを出よ?それじゃあ、よろしくね♪」
カオスロイド「「「……。」」」コクッ…
女性陣が部屋を出たタイミングで、着替えを始める直喜。ズボンを履き替える際…
直喜「…ふぁあっ!?」ヨロッ…
バランスを崩して転倒しそうになった。その直後…
カオスロイドS「ジュアッ!!」
カオスロイドSが咄嗟に念力を発動したため、直喜の身体は宙に浮き…転ばずに済んだ。
直喜「あ、ありがとう…」
カオスロイドS「……。」コクッ…
その後も、やはり何度かフラついて転びそうになったため…カオスロイド達が彼を支えつつ、時には然り気無く手助けをしたことで、直喜はスムーズに着替えることができた。
直喜「…も、もう良いよ……」
直喜がそう言うと、女性陣はすぐに部屋に入ってきた。
六花「直喜大丈夫?」
直喜「…う、うん……だいぶ…楽に、なったよ……」
直喜の顔色を伺うと、前よりも少し良くなっていた。
直喜「…そ、それより…皆、家に帰らなくて…良いの…?」
なみこ「あはは、それは気にしなくても大丈夫だって♪家族に電話して許可得てるから平気♪」
なみこの言葉に頷く六花とアカネとはっす。
直喜「…何か…ご、ごめんね……?」汗
六花「謝んなくて大丈夫だよ♪」
アカネ「そうだよ~♪直喜君は何も悪くないんだから♪」
はっす「ウチらはさ、直君が元気になってくれたらそれで良いんだよ♪」
直喜「……。」
彼女達の温かい言葉を聞いた直喜は…本当は思い出したくも無かった、幼い頃を思い出す。
実の両親から愛情を注がれなかった直喜は、例え体調を崩しても…看病どころか心配すらして貰えなかった。
母親『良かったわぁ~♪これで安心して出掛けられるわぁ♪』オホホホ♪
父親『今日は大人しくしてろよ?』
両親はそんな彼を放置し、旅行へと出掛けてしまったのだ。
直喜『ま、まって…お、おとうさん…おかあさん……ぼ、ぼくを……おいて……いかない……で…………』
そんな直喜の願いは届かず、さっさと家を出ていってしまった両親。頼れる人が誰もいなくなってしまい、どうしようも無くなった時……直喜が目覚めた場所は、病室だった。側には祖父母が泣いていた。TVには、『体調を崩した幼い我が子を放置』とデカデカと表示され…直喜の両親が逮捕されたことが報道されている。
祖父『ぐぅ…な、直喜……すまなかった…本当に、すまない…!!』
祖母『うちのバカ息子達が…ごめんねぇ、直喜ちゃん!!』
逮捕されたことで、直喜に虐待をしていたことがバレた両親は…保護責任者遺棄罪で逮捕され、実刑判決が下った。その時も…
『あんな出来損ないなんていらない』
『あの役立たずのゴミのせいでこうなった』
…と、自分のことを棚に上げ、直喜のせいにしていた。そんな彼らを見て激怒した祖父母は彼らに平手打ちをし、ボコボコにしようとしたが…警官に止められ、直喜を引き取ることにしたのだ。祖父母に優しく抱き締められたことで、直喜は漸く…
…と、気付いた。そして、今までの悲しみを示すように…声を上げて大泣きしたのだった。ワンワン泣く直喜を、祖父母は優しく受け止めてくれたのだった。
直喜「…うっ、うぅっ……」ポロポロ…
そして、遂に泣き出してしまう。
六花「えっ!?どうしたの直喜!?」
なみこ「へっ!?う、ウチ…何か嫌なことしちゃった!?」
はっす「大丈夫、直君!?」サスサス
アカネ「も、もしかして…私達の看病、嫌だった!?」
4人は慌てふため、咄嗟に直喜の背中を擦るはっす。
直喜「…う、ううん…そっ、そうじゃなくて……」
零れる涙を拭いながら4人に思いを伝えようとする直喜。しかし、どんなに涙を拭っても…直喜の目から流れる涙は止まらなかった。不覚にも泣いてしまい、上手く思いを伝えられないと思った直喜は…今言える精一杯の思いを、彼女達に告げた。
直喜「こ、こんな…僕の、ために……あっ、あり……ありが、とう…!!」
そして、またも大粒の涙を流してしまう直喜。しかし、そんな彼の感謝は…4人にはしっかりと伝わった。
六花「な、直喜…!!」
なみこ「直喜ぃ~!!」
はっす「うっ、うぅ…な、直君…!!」
アカネ「うわぁぁああああああああん!!直喜君!直喜くぅぅううううううううん!!」
六花、なみこ、はっす、アカネも貰い泣きし…直喜を優しく抱き締めた。しばらく直喜と一緒に泣いているうちに、疲れて眠ってしまった。
アレクシス『……。』
アレクシス(直喜君…君はやはり、不思議な力を持っているみたいだね。だからアカネ君も、夢中になるわけだ…)
直喜に寄り添う形でスヤスヤと眠るアカネを見たアレクシスには……『グリッドマン討伐』も『世界征服』も無かった。ただ1つだけあるのは……
…という、大いなる使命だけであった。
ED~ASH DA HERO『Everything(English ver)』~♪
ヒロイン達の、直喜の呼び方…
六花…『直喜』
アカネ…『直喜君』
なみこ…『直喜』
はっす…『直君』
夢芽…『直喜』
ちせ…『直喜先輩』
ムジナ…『直喜』