【完結】駄目な部分が目立つ転生者が、何故か周りから好かれる話 作:やさぐれショウ
あの後、たっぷり直喜を堪能したアカネだったが……
アカネ「う~ん、直喜君起きないなぁ~……」
アンチ「…お前のせいだろ。」汗
アカネ「あ?何か言った…?」ゴゴゴゴ…
アレクシス「怖いなぁ…どーどーだよ、アカネ君?」
直喜は目に渦巻きを作ったまま、起きる気配が無い。
アカネ「アンチ、直喜君をおんぶして?家まで送るから。」
アンチ「わかった。」
気絶した直喜をアンチがおんぶし、アカネはカルミラスーツのまま直喜をマンションまで送ることにした。
アレクシス「気を付けて行ってくるんだよ?」
アカネ「は~い♪」
外はすっかり夜になっており、空には数多の星が輝きを放っている。
アンチ「お前…その格好で来たのか?」汗
アカネ「当たり前だよ。こっちの方が動きやすいし、直喜君を守りやすいじゃん。」
アカネが身に付けているカルミラスーツは特殊な素材で作られているため、伸縮自在でいつまでも着れるのだ。
アカネ(アイツら、来なさそうだね…やっぱヘタレだなぁ……ん?)
ふと、背後に何者かの気配を感じたアカネは、思わず足を止めた。
アンチ「…どうした?」
アカネ「誰か来る。」
気配がする方に向きを変えるアカネ。やがて、前方の闇の中から…1人の男が姿を現した。
転生者 A「うぉっほぉ!!マジでピッチリスーツじゃねぇかあ!!」
現れたのは、顔を赤く染めて鼻息を荒くし、口からヨダレを垂らしているAだった。見るからに、如何にも…
…と、自己紹介しているようなものだ。
アカネ「うっぷ…」
アカネ(キッモ…何なのあの顔、見るだけで吐き気を引き起こす天才…ううん、もはや災害だね……)
そんなAを見て、左手で自身の口元をおさえるアカネ。
転生者 A「アカネェ…その衣装、めっちゃ似合ってるゾォ!!」
アカネ「キモいから喋んないでくれる?」
転生者 A「カアアァァッ!!アカネにそう言われるの、ご褒美!!コーフンするぅ~♪」
アカネ「ヴッ!?…!!」
あまりにもAがキモかったのか…アカネは吐き気を堪えられず、ついには嘔吐してしまった。
アンチ「おい…!」
アカネ「ケホッ、ケホッ…アンチ、早く行って!!」
アンチ「わかった…!」
アカネの指示に忠実なアンチは、直喜を背負ったまま…空高くジャンプして家の屋根から屋根を飛び渡り、夜の闇に消えた。
アカネ「はぁ…はぁ……うっ!?」
転生者 A「大丈夫かぁアカネぇ~?今俺がぁ、背中擦ってやるからなぁ♪あっ、ついでにィ~♪スベスベなお腹も擦ってあげよう、キヒヒヒ♪」
アカネ「…サイアク…」
鼻息を更に荒くしてゆっくりと近付いて来るAに、更に吐き気を感じるアカネ。必死で堪えつつ、右手に鞭状の光線『カルミラウィップ』を召喚した。
転生者 A「ヒャアアァァハハハハハハハァァアアアアアア♪」
Aは奇声を上げながら、アカネに飛び掛かって来る。
アカネ「ッ!!」ヒュンッ!!
バチィッ!!
転生者 A「んぎゃあっ!?」ドサッ!!
アカネは右手のカルミラウィップを振るい、飛び掛かって来たAをはたき落とした。次に、カルミラウィップを『カルミラバトン』に変え、片手で勢いよく回転させる。そして、起き上がったAの額目掛けてカルミラバトンを突き出した。バトンは如意棒のようにグングン伸びていき、Aの額に見事命中する。
転生者 A「がぁっ…!!」
アカネの攻撃を受け、仰向けに倒れるA。
アカネ「ただでさえ弱い癖に…生きてる価値なんか無い癖に……!!」
アカネは歯軋りをしながら、カルミラバトンを地面に打ち付ける。
転生者 A「アァガァネェェエエエエ…おうじざまにィ、ナニをずるんだぁぁああああ!!」
Aの口から真っ赤な血が流れ落ち、歯もボロボロになっていた。
アカネ「私の王子様はぁ……
直喜君だけだぁぁああああああああ!!」
アカネがそう叫ぶと、彼女の全身から黒と赤の禍々しい光が発生する。禍々しいオーラは、無数の鞭状の光線に変わり…それは触手の如く、Aへと伸びていく。
バチィッ!!ビリィッ!!
転生者 A「アギャアアアアアアアアァァァァァァァァ!!」
Aは身体中に無数の鞭を打ち付けられ、服はボロボロに……いや、身体中は傷だらけにボロボロになっていった。アカネの全身から発する無数のカルミラウィップは、断末魔を上げるAの身体を容赦なくズタズタにしていく。やがて、Aが身に付けていた服はあっという間にバラバラになり、Aは傷だらけの全裸を晒す状態でうつ伏せに倒れた。
アカネ「はぁ……はぁ……うっ!?」
Aを倒したものの、気持ち悪い表情で近付いて来た時のことを思い出し…再び吐いてしまう。
アカネ「ゲッホゲホッ!」
アカネ(最悪…ほんっとサイアク!!)
カルミラスーツの胸部に着いているコアが、青から赤へと変わり…点滅を開始した。実は、このコアはカラータイマーのような役割を果たしており、装着者のバイタル及びメンタルが危険になった時に赤い光を放つ。
アカネが危機にさらされた時…彼女の元に救世主が現れる。
「あ、アカネちゃーん!!」
アカネの元に走ってくる人影…それは……
アカネ「…!!…な、直喜君…!!」
紛れもなく、直喜だった。
アンチ「おい、直喜!」
そんな直喜の後を追って、アンチもやって来た。
直喜「アカネちゃん!!」
直喜は慌てた様子で、アカネの元に駆け寄った。
直喜「だ、大丈夫…!?」
アカネ「ッ!!」ガバッ!!
直喜「ひゃあっ!?あ、アカネ…ちゃん……?」
アカネは直喜に抱き付くと、声を上げて泣いた。
直喜「…アカネちゃん……」
アカネ「直喜くぅん…怖かった、怖かったよぉ~!!」
よほど怖かったのか…直喜の胸に顔を埋め、「うぇ~ん!」と泣くアカネ。しかし、彼女が身に付けているカルミラスーツのコアは、赤く点滅していたのが…いつの間にか、青い光に戻っていた。泣きじゃくるアカネを、直喜は彼女が泣き止むまで抱きしめていた。
アカネ「クスンッ…クスンッ……直喜君、ごめんね…泣き顔見せちゃって……」
直喜「大丈夫、誰だって泣きたい時くらいあるよ。」
アカネ「うんっ…そう言って貰えると、気が楽になるよ……」
数分後、アカネは漸く落ち着きを取り戻し…泣き止んだ。
直喜「あっ、そうだ…アカネちゃんのそのスーツ、カラータイマーも鳴るの?」
アカネ「ほぇっ?あぁ、これ?うん、鳴るよ鳴るよ。ほら♪」
アカネがそう言うと、スーツの胸部にあるコアが赤に変わり、点滅を始めた。どうやら、アカネの意思でコアを点滅させることができるようだ。
どういう仕組みなの…?
直喜「わぁ~、スゴ~い!!」
直喜の喜ぶ顔を見たアカネは、すっかり元気を取り戻していた。
アカネ(直喜君が笑ってる♪良かったぁ、私…少しは直喜君のヒーローになれたかな?)
アンチ「直喜、行こう。」
アカネ「あっ、もう9:30じゃん。直喜君、帰ったらお風呂入って寝ないとね♪」
直喜「その前に、歯磨きもしないと。」
その後、アカネはアンチと共に…直喜を自宅マンションまで送り届けた。直喜は怪我もしていなく、元気である。
直喜「アカネちゃん、アンチ君、どうもありがとう!気を付けてね?」
アカネ「うん!またね直喜君♪」
アンチ「おやすみ。」
直喜を自宅マンションまで送り届けたアカネとアンチは、帰って行く。
アカネ(アイツは余裕で倒せたけど…
あのキモい顔に異常な行動…トラウマになっちゃいそう……
…そうだ!直喜君の笑った顔を思い出せば…!!
うん!良い考えだね♪よし、解決♪)
Aの異常さにトラウマを抱きそうになったアカネだが、すっかり解決したようだ。
ED~ASH DA HERO『Everything』~♪