【完結】駄目な部分が目立つ転生者が、何故か周りから好かれる話   作:やさぐれショウ

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OP~オーイシマサヨシ『インパーフェクト』~♪


第71話 悪い夢って、なに?

六花『待って……直喜、お願い……』

 

 

直喜が…私から、遠ざかっていく……

 

 

折角会えたのに……

 

 

私、また…一人ぼっちになっちゃうの……?

 

 

嫌だよ…直喜……

 

 

私を、置いてかないで……

 

 

お願いだから…もう……

 

 

 

私を、一人にしないでよ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

六花「ッ!?」ガバッ!

 

自室のベッド上で目を覚ました六花。

 

六花「…ゆ、夢……」

六花(最悪…嫌な夢見ちゃった……)

 

項垂れていると、そこに織江が入ってくる。

 

織江「六花、大丈夫?」

 

六花「ママ…う、うん…大丈夫……」

 

織江「大丈夫って…顔色悪いよ?鏡見てみたら?」

 

六花は手鏡を手にとって、自分の顔色を伺う。その顔色は、不安と絶望にまみれたように青ざめていた。

 

織江「六花、今日はゆっくり休んでなさい?夏休みの課題も終わってるでしょ?じゃあ、私仕事してるからね?」

 

六花「う、うん……」

 

織江が部屋から退室し、少し一人でいたが……

 

六花「……!!」ガタガタ…

 

身体の震えが止まらなくなってしまう。

 

六花(直喜…直喜に会いたい…!!…このままじゃ私、おかしくなっちゃう……今すぐ直喜に会いたい…!!)

 

今にも泣き出しそうな顔をする六花は、急いで準備すると…こっそり家を脱け出し、直喜を探しに行った。

 

 

 

その頃、直喜は……

 

直喜(うーん、今日は何をしようかな…)

 

自宅マンションでゆっくりしていた。

 

直喜(食材も日用品も買ってあるし…今日は家でゆっくりしてよっと。)

 

今日はどこにも出掛けないと決めた直喜は、ゲーム機を取り出して『ウルトラマンFEN』をやることにした。早速ゲーム機を起動させると……

 

 

ピンポーン…

 

 

インターホンが鳴った。

 

直喜「は~い!」

 

直喜は玄関に行って、ドアの覗き穴を見る。

 

直喜(あれ、六花ちゃんだ…どうしたんだろう?)

 

ドアを開けると…

 

六花「な、直喜…!」

 

六花は目に涙を浮かべ、直喜の名前を呼ぶ。

 

直喜「り、六花ちゃん…?…か、顔色が……」

 

六花「!!」ガバッ!!

 

直喜が何かを言いかけた時、突然六花は直喜に抱き付いた。そして、声を押し殺して泣いた。

 

直喜「……。」

直喜(六花ちゃん…どうしたんだろう……ぼ、僕に…できることは……)

 

泣きじゃくる六花に、直喜はこう言った。

 

 

直喜「り、六花ちゃん…僕で良ければ…話、聞くから……何でも話して?」

 

 

直喜の言葉に六花は、「うん…うん……」と辛うじて返事をした。

 

 

 

直喜は六花をマンションに上げ、お茶を用意した。

 

直喜「はいこれ、温かい緑茶だよ。」

 

六花「…ありがとう、直喜……」

 

漸く泣き止んだ六花だが…ずっと俯いたままである。そんな彼女の隣に座る直喜。

 

六花「…!」

六花(直喜…!!)

 

直喜「あっ…もしかして、迷惑だった…かな…?」

 

隣に座ったことで驚いた顔をする六花から離れようとする直喜。すると…

 

 

六花「ダメッ…!!」ギュッ!

 

 

六花はまるで『行っちゃ嫌』と言うように直喜を抱き止めた。そして、直喜に今朝見た夢のことを話し始める。

 

六花「あのね…直喜、聞いてくれる?」

 

直喜「も、もちろん…!」

 

六花「私、今朝ね…怖い夢を見ちゃって……」

 

直喜「…こ、怖い夢…?」

 

六花「うん…真っ暗な空間の中で……直喜が、私から遠ざかっていっちゃう夢……私、不安になっちゃって……」ジワッ…

 

話している途中、目にいっぱい涙を浮かべ…今にも泣きそうになる六花。それでも直喜は、彼女を突き放したりはさず…彼女の話に耳を傾ける。

 

六花「な、直喜…」

 

直喜「……!」ギュッ!

 

直喜は六花を抱き締めると、ゆったりとしたリズムで背中を優しく叩き始めた。

 

直喜「六花ちゃん、あのね…僕、昔は両親に怒られてばっかりいて…落ち込んでた時、おじいちゃんとおばあちゃんに…こうやって抱き締めてもらって、優しく背中を叩いて貰ってたんだ……これ、僕…すっごく落ち着くんだ…六花ちゃんは、どう…?」

 

六花「…直喜……うん、そうだね…私も、すっごく落ち着く…ねぇ、直喜……そのまま、動かないで欲しいな……」

 

直喜「…わかった。」

 

何かを察したのか、直喜は六花の言葉に従った。そしてすぐ、六花は直喜の胸の中で泣きじゃくった。

 

 

 

数十分後…六花は漸く泣き止み、落ち着きを取り戻した。

 

六花「ごめんね、直喜…連絡もしないで突然押し掛けてきちゃって……」

 

直喜「ううん、気にしないで。」

 

六花はアポ無し凸をした御詫びに、直喜の家事を手伝った。洗濯物を直喜が畳み、六花は食器洗いや掃除をやった。

 

直喜「あ、ありがとう六花ちゃん…助かったよ。」

 

六花「ううん、むしろこれくらいのことしかできなくてごめん…本当は相談料とか渡したかったんだけど、何なら今渡そうか。」

 

直喜「いやいやいやいや、お金は受け取れないって!」アセアセ

 

六花「ふふふ、冗談だよ冗談♪」

 

家事を終えた後、直喜と六花はテレビを見て過ごすことにし、直喜の大好きな『ウルトラマンゼアス』を見ていた。

 

直喜「わぁ…!!」

直喜(いつ見ても、やっぱりゼアスはカッコいいなぁ…!!)

 

今見ているのは、映画『ウルトラマンゼアス』の第一作目であり…ゼアスが怪獣『コッテンポッペ』と戦っているシーンが映し出されている。直喜は大好きなゼアスの勇姿を見て、ニコニコしていた。

 

六花「……。」

六花(どんな直喜も素敵だけど…やっぱ、笑ってる顔が一番だなぁ。)

 

ニコニコする直喜を優しく見守る六花。今朝、悪夢に魘され…不安と絶望に飲まれそうになったが、直喜と対面し…悪夢のことを打ち明けたことで、少しずつ元気を取り戻しつつあった。その時、電話が鳴った。

 

直喜「僕が出る。」

 

直喜は電話の方に向かい、電話を手に取った。

 

直喜「もしもし神山です。」

 

織江『あっ、もしもし直喜君?六花の母で~す♪』

 

相手は六花の母『宝多 織江』だった。

 

直喜「り、六花ちゃんママ…こ、こんにちは…!」

 

織江『はいっ、こんにちは♪』

 

緊張しながら織江に挨拶をする直喜。

 

織江『ねぇねぇ直喜君?六花、そっちに来てたりする?』

 

直喜「ふえっ!?」

 

織江の言葉を聞いた直喜は、思わず六花の方を見る。六花は直喜の顔をみると、『いるって言って大丈夫』と口パクで伝えた。

 

直喜「は、はい…来てます……」

 

織江『やっぱりかぁ…どう、迷惑かけてない?』

 

直喜「め、迷惑だなんてそんな…む、むしろ…助けられちゃいました…!」

 

織江『助けられちゃった…?』

 

直喜の言葉に、困惑する織江。

 

直喜「は、はい…実は僕…最近、家事ができてなくて…洗濯物とか洗い物が溜まったり、掃除とかができてなくて…り…六花ちゃんが…か、家事を手伝ってくれたんです…!」

 

緊張しながら、織江に話す直喜。

 

織江『そうだったのね。直喜君に迷惑かけてたら、六花を叱ろうと思ってたんだけど…』

 

直喜「あ、あの…僕が、言うのも…あ、あれですけど…人って、誰かに迷惑をかけないと…その……生きて行けないと、思います…だ、だから…!」

 

織江『うん、直喜君の言うとおり!叱るのはやめにするわ。私も小さい頃は色んな人に迷惑かけて来たからね~。あ、そうだ。直喜君、六花に伝言して貰って良い?』

 

直喜「で、伝言…ですか…?」

 

織江『そう、帰るついでに味噌と味の素買ってきてって…ごめんね、迷惑かけちゃって♪』

 

直喜「わ、わかりました。伝えておきます。」

 

織江『よろしくね♪あ、そうだ直喜君…たまにはウチにも遊びにおいでよ♪いつでも歓迎するから♪それじゃあね♪』

 

そして、通話は切れた。

 

六花「直喜、ママ何か言ってた?」

 

直喜「えっとね…か、帰るついでに…味噌と味の素を買ってきて欲しい…って、言ってたよ。」

 

六花「了解…はぁ、勝手に家脱け出して来たから、絶対怒られるってぇ……」汗

 

気だるげに言う六花。それでも、その道を選んだのは自分自身である。

 

六花「まぁ良いや…それじゃ、直喜…お茶ごちそうさま。私そろそろ帰るから、また来るね♪」

 

直喜「う、うん…気を付けてね?」

 

六花を見送った直喜は、時計を見る。時刻は午前11:30…もうすぐ昼だ。

 

直喜(折角だから、お昼ごちそうすれば良かったかも…まぁ、冷凍炒飯ぐらいしか無いけど…)汗

 

直喜は冷凍庫から冷凍炒飯を取りだし、それを温めて昼食を食べた。

 

 

 

その頃、六花は…

 

六花「…よし、これでOKかな?」

六花(ここのスーパーは安いなぁ…そりゃあ直喜も愛用するわ。)

 

買い物を済ませた六花は、帰路を歩いていた。

 

 

???「…。」

 

 

帰路を歩く自分を見ている存在があることを知らずに……




ED~ASH DA HERO『Everything』~♪
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