【完結】駄目な部分が目立つ転生者が、何故か周りから好かれる話 作:やさぐれショウ
東京のフジヨキ台に住む『飛鳥川 ちせ』……
アヤメ中学校に在籍する中学生ではあるものの、自主的に不登校を貫いており、「忌まわしきアヤメ中学」とまで言っている。ただし、中学校のL○NEは温存しているので、ここから不審者情報を入手できている。
普段は20歳近く年の離れた従兄の山中暦の部屋に入り浸っており、明らかに暦の部屋より広い自室を就寝時は利用している。 自室にはピアノやギター、レコードが置いてあり、バンドグループであろう『GOLDBAN』のポスターやそのマスコットがデザインされた寝間着を持っている。
何故、彼女が不登校になったのかと言うと…
生徒1『えぇ~、ウルトラ怪獣?センス無さすぎ~w』
生徒2『可愛くな~いw』
生徒3『男子じゃんwww』
人間関係で悩んでしまい…挙げ句の果てに、自分の好きな『ウルトラ怪獣』をバカにされてしまった。それらがきっかけで、学校へ行くのが怖くなってしまったのだ。ある日、公園で悩んでいた時…
直喜『だ、大丈夫…?』
声をかけてきたのが、直喜だった。初めは直喜を怪しんだが…不思議と安心感を覚えたちせは、直喜に自分の悩みを打ち明けた。
直喜『へぇ、ウルトラ怪獣が好きなんだ…僕も、ウルトラマンもウルトラ怪獣も大好き!おんなじだね!!』
ちせ『……えっ?』
この言葉を聞き、次第に直喜に心を許したちせは…直喜との時間が楽しく、次第に学校へ行く意欲も出てきていた。
ちせ『直喜先輩…ジブン、やっぱり怖いです。ウルトラ怪獣は好きですけど、またバカにされるのが…怖いです……』
直喜『そっか…でもね、ちせちゃん?』
直喜はちせにこう言った。
直喜『自分の好きなことがあるのは、幸せなこと…本気でそれが好きなら、その好きを貫けば良いって…僕は思う。』
ちせ『ッ!!』
直喜『言ってくる人達には言わせておけばいい…自分が何を好きになろうが、そんなの…自分の勝手だからね。文句を言われたりバカにされる筋合いなんて無いさ。』
直喜のこれらの言葉に勇気を貰ったちせは、次の日から積極的に学校に行き初め…勉強も運動も頑張った。学校帰りに、直喜と会うのが楽しみになり、よく話をするようになった。
ちせ『直喜先輩!!英語の小テスト、満点取りました!!』
直喜『へぇ、スゴいじゃん!!』
テストで高得点を取ったら、直喜に必ず報告し…彼から褒められることが、ちせの小さな喜びとなっていた。だが、楽しい時間は突如、終わりを告げることになる……
直喜が死んでしまったのだ……通り魔に襲われ、ナイフで刺されてしまったのだ。直喜の遺体を見たちせは、仲間達と共に…彼の死を悲しんだ。その日以来…直喜がいない世界で、生きている意味が分からなくなり…また、不登校の道へと戻ってしまったのだ。
ちせ『…うぅっ…な、直喜…せんぱい……!!』
悲しみに暮れる仲間達の前に、1人の謎の人物が現れた。
マート『貴女が飛鳥川 ちせね?私はマート…そっちの世界で言う神様よ?』
ちせ『は…?…か、神…様……?』
マート『そうよ。私と契約してくれるなら、直喜に会わせてあげる。どう、直喜に会いたい?』
ちせ『な、直喜先輩に…もう1度……?』
マート『えぇ、約束するわ。ただし、それなりの働きをしてもらうけど…』
ちせ『やります!!直喜先輩に会いたいです!!』
その人物は『マート』と名乗り…『ツミビトを潰してくれたら、直喜に会わせてあげる』という言葉をかけた。ちせは迷うことなくマートの言葉に乗り…契約した。
契約後、何やら見たこともない景色が広がる世界へと飛ばされ、そこで夢芽と出会った。マートは戸惑う2人に、ウルトラ怪獣及びウルトラ作品登場する宇宙人の力を与えた。何の力も無いまま、いきなり実戦に投入するオリシスと違い…彼女は効率良くツミビトを退治できることを望んでいた。
しかし…初めは怪獣達や宇宙人達の力を上手く使いこなせず、ツミビトと戦っても…負けてしまうことが多く、絶望に暮れていた。
このままではいけないと感じた夢芽とちせは、特訓をすることに…時には模擬戦を行っては、力比べをもした。
ちせ『やぁっ!!』
夢芽『ふっ…!!』ガキィンッ!!
マグマサーベルを振るうちせに対し、夢芽は自身の身体を硬化させてサーベルを防ぐ。
ちせ『コダイゴンの力っすよね?なら、これなら!!』
ちせは夢芽から距離を取ると、バロッサ星人の力を発動し…鯛を召喚した。
鯛『商売繁盛!商売繁盛!』
ちせが召喚した鯛は、商売繁盛と言いながら夢芽を追い掛ける。
夢芽『!!』
夢芽は無数の魔方陣を召喚し、数多の光線を発射…鯛を破壊した。
ちせ(厄介っすねぇ…ゴルドバーンがいれば、楽に勝てると思うんですけど……)
ちせには、相棒の『ゴルドバーン』と言う翼竜がいるのだが…この場にはいない。相棒がいない今、己の力で戦わなければならないのだ。ちせは『グロテス星人』の力で両手からエネルギー弾を発射した。夢芽は無数の魔方陣から、ミサイルを発射し…ちせの攻撃を防いだ。その後、左手から赤い魔方陣を出し、そこから光線を発射する。
ちせ『やばっ…!?』
ちせは咄嗟に、バルタン星人の力を発動…バリアを張って、光線を防ぐ。だが、バリアは意図も簡単に破壊され…ちせは夢芽との模擬戦に敗れた。
ちせ『ギャラクトロンの力、強すぎません?』汗
夢芽『ギャラクトロンの力に他の怪獣や超獣の力も合わせたんだ。』
ちせ『成る程…参考にしてみます。』
特訓を重ねるうちに、次第に怪獣や宇宙人の力を使いこなせるようになってきた夢芽とちせ。それ以来、夢芽とちせはツミビトを難なく倒せるようになり…どれくらいの年月が経っただろうか……漸く、直喜との再会を果たした。しかし、直喜本人は彼女達を覚えていなかった。それでも、直喜に会えた喜びが大きく…夢芽とちせは次第に元気を取り戻していったのだった。
マート『さぁちせ…ゴルドバーンと一緒に直喜に会ってきたらどうかしら?』
ちせ『そうします!!』
マート『それと…ほら、ツミビトが直喜を襲おうとしてるわ。』
ちせ『ならすぐに!!』
ちせはゴルドバーンと共に、ツミビトの元へ向かい……
転生者 A『ほわっ!?ほ、ほわぁぁあああああああああああああああ!?』ジタバタ!!
空の上へと拐って行った。
ちせ『全く…直喜先輩が楽しくゲームしてんのに、邪魔しようとするなんて…ナンセンスっすよ?』
転生者 A『ッ!?…お、お前は…『
ちせ『うわっ、名前呼ばれた…吐きそう。』
Aに名前を呼ばれ、吐き気を覚えるちせ。
転生者 A『お、おい!!ここから降ろせ!!』
ちせ『いやいや、あんた…何様っすか?人にモノを頼む態度じゃないっすよね?まぁ、降ろしても良いですけど…ここから落ちたら、奈落へ真っ逆さまっすよぉ~♪』ニヤッ…
Aの上から目線の態度にイライラしたちせだが、意地悪な言葉を言うとAはすぐに涙目になる。
転生者 A『そ、それは止めてくれ!!頼む!!何でも、何でもするから!!』
ちせ(あ~あ、もう涙目になって…情けないっすね……)
ちせ『…ん?今何でもするって言いましたよね?』
Aの言葉を聞いたちせは、ニヤリと笑う。
ゴルドバーン『グルルルッ……』
Aを咥えているゴルドバーンは、何だか不服そうな顔をする。
ちせ『えっ?コイツマズイの?』
ゴルドバーン『グルッ…(うんっ…)』汗
転生者 A『待て待て待て待て!!あっ、いや…待ってください!!』
ちせ『んもぉ~うるさいっすねぇ…ゴルドバーン、ちょっとコンビニ寄って?』
ちせの言葉を聞いたゴルドバーンは、Aを咥えたまま…近くのコンビニへと向かった。そして、ATMでAのお金を全ておろさせ…ご飯やお菓子、飲み物を爆買いさせた。その後も、まだお金がたんまり残っていたのを見たちせは……
ちせ『はっくしょん!!』
わざとらしいくしゃみと同時に、メフィラス星人の力を発動…拳を握って突き出した右腕から『グリップビーム』をAに放った。
ドカンッ!!パラパラ……
ちせが放ったビームはAのスレスレを通過し、背後で爆発した。
転生者 A『か、金か…わかったわかった!!有り金全部やるから見逃してくれぇぇええええ!!』
ちせにビビったAは、全財産(お金)を捨てて一目散に逃げていった。
ちせ『えぇ~、そんなつもり無かったんすけどぉ……』汗
いきなり大金を叩き付けられ、困ってしまうちせ。
ちせ(ま、あっちがくれるって言ったんですから…貰っちゃいますか。)
結局、Aが捨てていったお金を貰うことにした。
ちせ『さて…ゴルドバーン、直喜先輩の元に送ってくれる?』
ゴルドバーン『ギャオオオオォォッ!!』
そして、ゴルドバーンの背中に乗り…直喜の元へ向かう。
その後、直喜のすぐ近くにやって来たちせだったが……
ちせ(直喜先輩は私を忘れている…なんて声かけようか……)
本当はすぐに声をかけたい所…色々と考えてしまった。そして、勇気を出して話し掛けようとした時…
トンッ……
コンビニの袋が直喜の後ろから軽く肘辺りに当たってしまい、直喜がこっちに振り向いた。
ちせ(やばっ!?ここは平静を保って……)
ちせ『あっ、すいません…ビックリしました?』
ちせは直喜に悪戯な笑みを浮かべたが……
ちせ(うわっ!!本物の直喜先輩じゃん!!いやぁどうしようどうしようっ!!取り敢えず連絡先…あぁいや……えぇっと……)
心の中ではめちゃくちゃテンパっている。そんなちせに、直喜が声をかけてきた。
直喜『あ、あの…』
ちせ『うひゃあっ!?』ビクッ!
数百年ぶりに聞く直喜の優しい声……盛大にビックリしたちせに、直喜は謝罪する。
直喜『うわっ!?あっ、ご、ごめんなさい…!!』
ちせ『あややや、大丈夫っす大丈夫っす!!あっ、そうだ…』ガサガサ…
ちせは持っているコンビニ袋から、大量のお菓子や弁当、パン、おにぎり等を取り出す。
ちせ『ちょっとお昼、買いすぎちゃいまして…良かったら食べます?』
直喜『あっ、いえ…いいです、自分で買ってきます。』
直喜はちせの言葉を断ったが……
キュルルルル~……
直喜『…あっ。』汗
直喜のお腹が鳴ってしまった。正直者の直喜は、思わず顔を真っ赤に染め上げた。
ちせ『やっぱお腹減ってたんすね?あっ、私『飛鳥川 ちせ』って言います♪』
直喜『ぼ、僕…か、神山 直喜……こ、高校1年生…です……』
ちせ(知ってますよ、私のヒーロー…直喜先輩……)
ちせ『おぉ、私よりも先輩っすね。直喜先輩♪』
直喜『せ、先輩だなんて…そんな……』
ちせ『それより、お昼食べましょ?あぁ、お金は大丈夫っすよ?知り合いに買って貰ったんで♪』
直喜はちせの言葉に甘え…昼食をご馳走になった。
ちせ(漸くですね…直喜先輩の役に立てたのは……今までは、直喜先輩に助けを求めてばっかりいたし……)
おにぎりを食べる直喜を見守りながら、ちせは思う。そんな時…公園の入り口付近に、セミロングの黒髪が特徴の少女の姿があることに気付いた。その少女が、直喜と一緒にいた者だと気付いたちせは……
ちせ(ふふんっ、お前より私の方が直喜先輩の役に立てますよ~だ♪)
ちせ『……。』ニヤッ……
一瞬その少女に、勝ち誇ったような笑みを見せた。その瞬間…少女の目の光がどんどん消えていき、どす黒く染まっていった。
直喜が帰った後、例の少女と戦闘になったのだが…ウルトラマンの技を駆使して挑んで来たため、退却した。
ちせ(いやぁ、ウルトラマンの技は反則だって…)汗
ゴルドバーンの背中に乗り、フジヨキ台に帰るちせ。
ちせ(でも、本当に直喜先輩に会えたのは嬉しかったなぁ……また会いたい…)