俺の幼馴染はハイパードジっ子兼ネガティブウマ娘です 作:たぬき田中
俺には1人、ウマ娘の幼馴染がいる。出会いのきっかけとしては、とてもシンプルなもので家がお隣同士であり、そいつの両親が俺の両親の親友だったため、その流れで絡むことが多かった。しかも、そいつの両親は転勤族であったため、まだ幼かった彼女を我が家で一時的に預かったりとしていた。そのため、交流もそれなりに深い。
その幼馴染は俺より2つ上で普段は見栄張ってお姉さんみたいな振るまいを見せてくるが、彼女自身、かなりのドジなところがあるため、そういう目で見たことが1度も無い。てか、どちらかというと俺がやらかした彼女の世話をすることが多い。
しかし、そんなドジっ子な幼馴染はウマ娘としての実力は本物らしく、昔からレースでは多くの入賞をもぎ取っていた。それゆえ、数年前からウマ娘のエリート中のエリートが集うトレセン学園に通い始めた。トレセン学園は寮生であるため、彼女が実家を離れる際、ガン泣きしながら抱きつかれて全身骨折したのが懐かしい(白目)。それ以降、彼女のやらかしを処理することが多くなったのは彼女をスカウトしたトレーナーや寮のルームメイトらしい。いや、ほんとすみませんね。
彼女がトレセン学園に入学してレースとかは何回か見に行ったことがある。真剣に走る幼馴染の姿は普段ドジばかりしてるあの姿の面影は全く無く、男である俺から見ても悔しいがカッコイイと思ってしまうこともある。本人には絶対に言わないけいけどね。
さて、色々と語ったところで、そろそろ彼女が帰ってくる時間だ。寮生とは言っても土日は申請を通せば帰って来れるらしい。そのため、レースが近い日以外は基本的に帰ってくる。
ガラガラガッシャアァァァァァァァン!!!!
「あぁーーー!すみませぇぇぇぇぇぇん!!」
おっと、噂をすればなんとかだ。帰ってきて早々、何かしらやらかしてしまったらしい。俺は読んでいた漫画を本棚に戻したあと、ペタペタと階段から降りていく。
すると、玄関前には土産として持ってきてくれたであろう食べ物や置物が大胆に散乱し、その中央には膝をついてヒクヒク泣いているアホ毛と渦巻きの瞳や猫みたいな口をしているのが特徴的なウマ娘の姿がいた。
彼女の今の姿を見て、俺や両親は苦笑いをする。うん、やっぱり俺はこの人を頼れる姉として見ることできないわ。どっちかというと、保護対象に分類されるわ
俺は苦笑いしながら、彼女に一言
「お帰り、ドトウ。相変わらずドジしてるな」
「えぇぇん、カズくん。そんなこと言わないでぇぇー!」
俺の一言で、幼馴染であるメイショウドトウはガチ泣きしてしまった。
★★★★★★
とりあえず、泣いているドトウを落ち着かせ、玄関周りを掃除したあとに、彼女をリビングに招き入れる。
「こ、これお土産ですぅぅ。」
ドトウはオドオドしながら俺たちに土産を差し出す。どうやら、最近大阪の方でレースがあったらしく、その時に土産を購入してくれたらしい。ドトウはレース関係で色んな地方に行き、帰る度にお土産を持ってきてくれる。俺や両親は無理に持ってこなくていいと言うが、彼女は無駄に頑固なところがあり日々の感謝として土産を持ってきてくれる。
「いつもありがとうね、ドトウちゃん。あ、そういえば最近美味しいお茶っ葉頂いたの。今、淹れてくるわね」
「あ、私も手伝いま………うわぁぁぁぁぁ!!」
「うぉぉぉぉぉぉぉ!?」
母ちゃんの手伝いをしようと立ち上がったドトウだが、足をスマホの充電コードに引っ掛けてしまい、盛大に前に倒れ込む。そして、その倒れ先には俺がおり、そのまま彼女の下敷きになってしまった。
「ほへえぇぇえええええ!?カ、カズくぅぅん!ごめんなさぁぁぁい!」
「あやはやいえいいはや、はなくほけ!!(謝らないでいいから、早くどけ!!)」
ドトウの下敷き………正確に言うと彼女の無駄に育った豊満な乳に顔が蹲っているせいで上手く言葉が言えない。なんなら、呼吸も出来ないから早くどいて欲しい。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!カズくぅぅぅぅん!!」ジタバタ
名前を叫ばなくていいから、早くどいて!?やばい、ドトウの奴、相当テンパってやがる。こいつ、テンパると奇想天外なことをし始めるから怖いんだよ。
てか、やばい息が……そろそろ本気で落ちてしまう……。
「カズくんがぁぁぁぁぁぁぁ!!!」ギュゥゥゥゥ!!!
ギュゥゥゥゥ!!!じゃないんだよ、このアホ!!何でこの場で抱きしめてトドメをさしに来てんの!?お前がそこからどけば全てが解決するの!!
はっ、そうだ!母ちゃんと父ちゃんは!?
「おぉ、これは美味しそうなお茶だな」
「そうなの。だから、ドトウちゃんが持ってきてくれたお土産と一緒にって思って」
アンタらマジか。息子が死にかけの状況だぞ?何、楽しそうに会話してんだよ。はいはい、いつものやつね。知ってる知ってるみたいな感じでスルーすなよ
「はっ!こういう時は…………」
ドトウが何かに気付いたらしい。そうそう、よく落ち着いて考えてみろ。お前がその場から少しでも離れたら解決すらということに!!お前はドジっ子だが、頭は悪くないということは知ってるぞ!!転勤関係で地方の方言とか外国語をマスターするぐらいだもんな!
「人工呼吸ですぅぅぅぅぅ!!」
なんでだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!どうして、その発想に至ったんだ、こいつは!!
しかし、ドトウは本気らしくすぐ様立ち上がる。その瞬間、俺の体内に新たな酸素が勢いよく入り込んでいく。た、助かっ………
「え?」
「ふぇ!?」
ドトウの乳圧から解放され、無事に呼吸も行えるようになった俺は目を開けると、すぐ目の前にドトウの可愛らしい顔があった。猫みたいな口をチューするように少し尖らせて。あとほんの数センチで俺たちの唇が触れてしまうぐらいに。
「ド、ドトウ!!??」
「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」ミギストレート
「ぐえっ!!」
ここで、再びテンパったドトウの渾身の右ストレートをまともに喰らった俺は一瞬で意識を失いかける。てか、これまでの俺の経験上、絶対に気絶するわ
半泣きになりながら俺の事を心配するドトウの背後で母ちゃんと父ちゃんは楽しそうにお茶と土産を楽しんでいて目を覚ましたら、本気でシバくと心に誓いながら意識を手放した。
これは、カズこと俺と幼馴染でハイパードジっ子兼ネガティブなメイショウドトウのドタバタ日常的物語だ。
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