俺の幼馴染はハイパードジっ子兼ネガティブウマ娘です   作:たぬき田中

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10話

 メイショウドトウというウマ娘と知り合って気付いたら10年。こんなにも長い間、関わりを持てば、それなりに彼女はどんな人物なのか認知することが出来る。

 

 ドトウがドジっ子で気弱な性格なのに、以外にも頑固なところもあるのはもう彼女のことを知っている人物なら分かっているだろう。

 

 しかし、幼馴染の俺しか知らないことも多くある。しかも、それはいくつかドトウ本人すら気づいていないこともある。

 

 今回はそのうちの1つを紹介していきたいと思う。

 

 現在、俺とドトウは母ちゃんが仕事場から頂いたいちご大福を食べていた。それはもう甘くて甘くて美味しかった。

 

 ドトウも「美味しいですねぇ〜」と言いながら、美味しそうにむしゃむしゃ食べていた。

 

 当然、食べてるならいつかは終わりを迎える。それを先に訪れたのはドトウだった。

 

 それに対し、俺はスマホを見ながら食べていたので、あと皿に1個を残しながら手にしているいちご大福をゆっくりと口にしていた。

 

 「……………」

 

 すっごい視線を隣から感じる。それはもう、めちゃくちゃドトウが俺の事をガン見していた。

 

 それを俺は気付いていないフリをしながらスマホを見ながらいちご大福を食べ続けた。

 

 「……………」ジィー

 

 「……………」パクパク

 

 「……………」ジィー

 

 「……………」パクパク

 

 

 

 

 「……………」ペロペロ

 

 

 

 はい、出ました。ドトウはおやつが食べ足りないと感じ、もっと欲しいと思い始めると、こうやって舌をペロペロとするクセがある。しかも、無自覚でな。

 

 ウマ娘として名を馳せているあのメイショウドトウが食べ物欲しさで舌をペロペロとしているなんて誰が思うだろうか。こいつ、トレセン学園でそれやってないだろうな?

 

 「………食べる?」

 

 近くでガン見されながら、舌をずっとペロペロされてたら気が散って仕方がない。俺はラスト1個いちご大福が乗っている皿をドトウに差し出す。

 

 「だ、大丈夫ですよぉ〜。カ、カズくんが食べてくださいぃ〜」ペロペロ

 

 いや、舌ペロペロしながらの否定は説得力ないのよ。凄く食べたいです欲が丸見えなの気づいてる?気づいてないよね。ドトウだもの。

 

 「いいから、食えよ。ほら」

 

 俺は余っているいちご大福を持ち上げて、ドトウの皿の上に置く。いつまでも顔の傍で幼馴染の舌ペロなんか鬱陶しくて仕方がない。

 

 「あ、ありがとうございますぅ〜!」

 

 ドトウは嬉しそうに、俺の分のいちご大福を食べ始める。いちご大福の皮がむにーって伸ばしながら幸せそうにするドトウ。そんなに食いたかったのね。

 

 「美味しいですぅ〜♪」と言いながらむしゃむしゃするドトウの隣で、俺はスマホでネット記事を読んでいると

 

 「……………」

 

 またしても、視線を感じる。隣に目線を移すと、ドトウが今度は俺の事をガン見していた。なんでや。

 

 「……………」ジィー

 

 「……………」

 

 「……………」ジィー

 

 「……………」

 

 

 

 

 「……………」ペロペロ

 

 

 嘘やん、こいつ………今度は俺を見ながら舌ペロをし始めたんだけど!?もういちご大福ないですけど??どういう心情でやってんの、それ。

 

 「なに?」

 

 「ひぇよあ!?べ、別になんもないですよぉ〜」ペロペロ

 

 だから、舌ペロしながら言われても説得力ないんだって。こっちの身になって考えてみろよ。年上幼馴染が俺の事をガン見しながら舌をペロペロしてる構図を。結構、地獄だぞ。

 

 「コンビニ行ってアイスでも買ってくるか?」

 

 「ッッ、わぁ〜、いいですねぇ。行きましょう〜♪」

 

 俺の誘いに嬉しそうな表情を浮かべるドトウ。そんな顔するほどまでにおやつが食べたかったのか。

 

 出かける準備をして、ドトウと一緒にコンビニへと向かう。

 

 「そう言えば、部活の方はどうですかぁ〜」

 

 「まぁ、ぼちぼちかな。毎日活動してる訳ではないし。」

 

 写真部に入部して2週間ほど経つが、今の活動として週に2日3日ほどほかの部活動に足を運んで生徒が活動してる様子を写真に収めている。今後の予定としては大会等にも足を運んで写真を撮ることもしていくらしい。新聞部と連携しながら活動していくんだとか。それはそれで意外と楽しみだ。

 

 「カズくんが楽しそうで良かったですぅ〜♪」

 

 ドトウは微笑みながら言葉を出す。耳や尻尾も揺れてるから、本当に嬉しがっているということ

が分かる。

 

 「今度、お小遣いでカメラ買おうと思ってるんだよね」

 

 写真部だと貸し出しでカメラを貸してもらえるが、先輩の部員や同期はマイカメラを所持していたので、どうせなら俺も自分用のカメラを用意しようと思ったのだ。

 

 「そうなんですねぇ〜。1人で買いに行くんですかぁ〜?」

 

 「うぅん、来週ぐらいにエアシャカールさんと一緒にカメラ見に行く」

 

 「えぇえー!!!」

 

 俺の言葉にドトウは大声をあげる。

 

 「うるさいな、なんだよ」

 

 「最近、カズくん……エアシャカールさんと親しくないですかぁ〜!?」

 

 「そんなことねぇよ。カメラといったらあの人だろ。データ収集とかでよく使ってるって聞いてたから」

 

 エアシャカールさん曰く『財布に優しく最適なカメラを紹介してやる』のこと。なんと頼もしい。一生ついていきたくなります。

 

 「だとしても、2人きりはダメですぅ〜!!」

 

 「じゃあ、お前も来ればいいだろ。」

 

 「い、いいんですかぁ〜!!」

 

 「行きたいんだったら来れば良くね?エアシャカールさんもお前なら断らないだろ。あ、お願いは自分でしろよ?」

 

 「は、はいぃー!!」

 

 そう言って、ドトウはすぐさまスマホを取り出してエアシャカールさんに電話かけ始める。

 

 こうもしている内に近くのコンビニへと辿り着いたので中へと入り、アイス売り場へと向かう

 

 「何にしよっかな」

 

 「何にしましょうねぇ〜」

 

 「あ、電話終わった?エアシャカールさんはなんて?」

 

 「はい。来ても大丈夫って言ってくれましたぁ〜」

 

 「ほら。あの人、見た目がヤ○ザなだけであって悪い人じゃねぇって。それをルームメイトであるお前がよく知ってるだろ」

 

 「はいぃ〜♪」

 

 そんな訳で、俺のカメラ選びにはドトウも参戦するのが決まったという形に落ち着いたため、アイス選びに戻る

 

 「俺はやっぱりパピコかな。」

 

 「じゃあ、私はアイスの実にしますね〜♪」

 

 俺たちはアイスを手に取り、ついでにお菓子も何個かカゴに入れレジへと向かう。

 

 「こ、ここはお姉ちゃんである私が払いますぅ〜!!」フンスフンス

 

 ドトウがドヤ顔しながらそう言うので、甘えることにする。しかし、これまでのことを考えると、そのドヤ顔はドトウにとっていいことではない。

 

 「1084円です」

 

 「はい〜♪えっと、財布財布………あれ?……………えぇとぉ〜………わぁぁぁ、家に忘れましたぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 ほらな。ドトウがあのドヤ顔したら絶対に何かしらやらかすんだよ。

 

 「すんません。PayPayで」

 

 泣き崩れるドトウを横目に俺はスマホを取り出してPayPayで金額を払う。袋に商品を入れてもらい、未だに泣いているドトウと一緒にコンビニへと出る。

 

 「ふぇぇぇん、カズくん、ごめんなさぁぁぁぁい。家に戻ったら払いますからぁぁぁ」

 

 「別にいいって。ほら、これ。アイスの実」

 

 レジ袋からアイスの実を出してドトウに渡す。俺もパピコを出してすぐに開封し、あのお馴染みのパッキンしてから1つの蓋を口で開け、中身のアイスを吸う。うーん、やっぱりパピコしか勝たんわ。

 

 「美味しいですねぇ〜」

 

 「そうだなー。」

 

 互いにアイスを食べながら自宅へと向かっていると………

 

 「……………」ジィー

 

 「……………」

 

 「……………」ジィー

 

 「……………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「………………」ペロ

 

 

 すぐさま、もう片方のパピコをドトウにぶん投げました。

 

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