俺の幼馴染はハイパードジっ子兼ネガティブウマ娘です   作:たぬき田中

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シリーズ始まります


11話

 今日からゴールデンウィークとなり、1週間ほど学業が休みとなった。課題はある程度、昨日の夜に終わらせ、写真部の活動も休みの間は1日もなく、ゴールデンウィーク明けに個人的に撮影した写真を何枚か提出するだけだから、基本的に楽である。

 

 ドトウはどうやら最初の2日間はトレセン学園内でトレーニングに集中するらしく、実家には帰ってこないらしい。そのため、ドトウはいない。

 

 だからといって、別に寂しくなんかない。なんか、俺はドトウしか知り合いがいないみたいな偏見を世間から持たれているが、普通に友達はいる。昨日も男子のクラスメイトとゲーセン行ったしな。

 

 さぁて、記念すべき1日目はどう過ごそうか。予定の空いてる友達を探して遊びに行くのもいいし、普通に家でゴロゴロするのも良い。どうしよっかな〜。

 

 ーーーピリリリリ

 

 「ん?」

 

 勉強机に置いてあるスマホが鳴り出す。誰だろうか。もしかしたら、俺の友人が同じ考えを持っていて、先手を打たれたかもしれない。まぁ、手間が省けて良かったんだけどさ。

 

 「あれ?」

 

 しかし、いざ着信相手を見てみれば、そこには『メイショウドトウ』と記載されていた。はい?ドトウ?どうして、あいつが?

 

 「もしも……」

 

 『カズくぅぅぅぅぅぅぅぅん!』

 

 「うお、うっさ!!」

 

 キーンとドトウの大声が響く。こ、鼓膜が敗れるかと思った。

 

 「どうしたん?」

 

 『じ、実はぁ〜……』

 

 ドトウから話を聞いた感じ、どうやらゴールデンウィーク中に使う予定だったトレーニング用品を部屋に忘れてしまったという。あいつの部屋を覗いて見たら、確かに明らかに持っていくつもりだったであろう紙袋が机の上に置かれていた。そのため、今からトレセン学園まで持ってきて欲しいという要望であった。

 

 「でも、トレセン学園って確か一般人は中に入るのダメだったろ。」

 

 俺は確認するかのように、ドトウに質問する。トレセン学園に通うウマ娘たちは言わばアスリートに近い存在だ。そのため、トレーニングに集中してもらうために、関係者以外は立ち入り禁止のはずだが………。

 

 『そこはだ、大丈夫ですぅ〜!は、話は通してありますからぁ〜』

 

 しかし、俺の心配はどうやら杞憂だったらしく、事前にドトウがトレーナーを通して上に話をしてあるらしく、正門近くにいる受付の人に言えばすぐに学園内の立ち入りを許可してくれるという。ドトウにしては、今回はちゃんと準備してあるな。まぁ、このトレーニング用品がないとしっかりと練習できないからだと思うが。

 

 「分かった。今からそっち行くよ」

 

 『ほ、本当ですかぁ〜!!』

 

 「お前もこれがなきゃ、困るんだろ??いいよ、2時間ぐらいかかっちゃうけど」

 

 『だ、大丈夫ですぅ!!と、トレーナーさぁん!か、カズくんが持ってきて………うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』ガラガラガッシャーン………ブッ……ツーツーツー

 

 お、おう。なんか………急がなくちゃだな。被害が大きくなる前に。

 

 俺はすぐに出かける用意をして、ドトウの荷物を持って外に出たのであった。

 

 ☆☆☆☆☆

 

 ここで、改めて日本ウマ娘トレーニングセンター学園、通称トレセン学園について俺が知り得る限りの知識で解説しようと思う。

 

 Uma-musume Racing Association、略してURAが管轄しており、日本最高峰のレベルの高さを誇る中高一貫校であり、生徒数は2000人を超える。

 

 しかし、以前にも何度か行ったことがあるがトレセン学園はウマ娘のエリート中のエリートのみしか門に足を運ぶことしかできず、しかもその中でも活躍できるウマ娘はほんの僅かという激戦区が求められるのも特徴である。そんな環境の中で幼馴染のドトウは勝ってるのだから、凄いということが分かる。

 

 ちなみに、受験当日に受験票や筆記用具を家に忘れて俺がトレセン学園まで届けに行ったり、面接では耐えられなかった胸元のボタンが弾けて面接官の顔面にクリティカルヒットしたらしく、「絶対に不合格ですぅ!」と泣き喚いていたあの頃が懐かしい。まぁ、合格通知が届いた時も嬉し涙していたけれども。

 

 「まぁ、なんやかんやでやってきた訳だが」

 

 家を出て電車を乗り継いで辿り着いた目的のトレセン学園。ファン感謝祭などのイベント日とかで何度も足を運んでいるが、イベント日以外のトレセン学園はなんか雰囲気が変わりすぎて緊張が走る。あれ?こんな威圧の放つ学校だったっけ??

 

 まぁ、ドトウ曰く話は通してあるらしいから正門にいる警備員さんに話しかけるか。そう思って、警備員さんに事情を話して確認しに行って貰ったのだがーーー

 

 「上に確認したらそんな話は来てないのことです」

 

 なんでだよ。ドトウのやつ、話通したって言ってなかった?

 

 「君………、本当にあのメイショウドトウさんの知り合いなの?」

 

 ヤバい、警備員さんが不審な目を向けてくる。そうだよね、アポ取ってるって伝えて確認してもらったのに、そんな予定ないなんて言われたらそうなるよね!?あれ?これ、意外にピンチなやつ?

 

 「そう言うの困るんだよね。君と同じくらいの年頃の子達がそう言ってトレセン学園に侵入しようとしてくるケースが過去に何度もあるから。とりあえず、親御さんと学校の番号をーーー」

 

 ヤバいヤバいヤバいヤバい!!!ガチで拘束されて通報されるやつですやん!?早くなんとか弁解しなくては!!怖い怖い怖い!!

 

 「………あぁン?カズじゃねぇか。」

 

 軽くパニック症状が出ている中で、傍から聞き覚えのある声がする。振り向くと、そこには片手にノートパソコンを構えたエアシャカールさんがいた。

 

 「エアシャカールさぁぁん!!」

 

 俺はすぐさま、半泣き状態で彼女の胸に飛び付く。彼女は少し驚きつつも冷静に対応する。

 

 「お前がここにいるってことはドトウ関連か?ったく、ここは俺に任せろ。………すンません、コイツ。オレの連れでーーー」

 

 エアシャカールさんが俺の代わりに警備員さんに説明する。すると、再度警備員さんが上に確認しに行ったあと、俺に向かって頭を下げながら

 

 「確認が取れました。どうやら、メイショウドトウさんから話を通された者はついさっき、彼女によって病院送りになってしまったそうで……。連絡が怠わってしまい、申し訳ない。」

 

 「あ、はい。大丈夫です。」

 

 それよりも、病院送りになったというワードが気になるのだが。あいつ、何してんの??そして、どうしてこの人やエアシャカールさんもそれを聞いて澄ました顔できるの?どんな心境?よくあることなの!?

 

 「これを首に下げてください」

 

 警備員さんから通行証を渡される。それを受け取り、首から下げる。これを下げている内は中に入っても大丈夫だという。

 

 「では、エアシャカールさん。案内の方をよろしくお願いします」

 

 「あぁ。こっちで責任持ってやってやるよ。ほら、カズ。オレに着いてこい。」

 

 「うっす」

 

 どうやら、トレセン学園内の案内係をエアシャカールさんが引き受けてくれたみたいだ。この人には助けられてばっかりだわ。

 

 そして、エアシャカールさんと一緒にトレセン学園の門をくぐる。

 

 「ンで。結局、お前はわざわざ連休初日に何でトレセン学園まで来たんだよ。お前ンちから結構あるだろ。」

 

 「ドトウが忘れ物したみたいで。今日、それが必要だったらしいので持ってきて欲しいって頼まれたんすよ。」

 

 「ふぅン。だから、アイツ。今日、朝から慌ててたんだな。」

 

 エアシャカールさんは死んだ目をしながら呟く。本当にごめんなさいね。

 

 「あ、ドトウに着いたって連絡しますね。」

 

 俺はスマホを取り出してドトウに電話をかける。しかしーーー

 

 『お掛けになった番号は現在、使われておりませんーーー』

 

 「うわー、まじか。」

 

 アイツ、多分ドジってスマホ壊しやがったな。どうしよう、あいつがどこにいるかこれで分からなくなったんだけど。

 

 「まぁ、トレーニング場を1つ1つ虱潰しで足を運べばどこかで合流できるだろ。それまでトレセン学園内を案内してやるよ。」

 

 髪の毛をガシガシと掻きながらエアシャカールさんは着いてこいと言わんばかりに先に進む。そして、彼女の背中を追う。

 

 こうして、俺はエアシャカールさんによるトレセン学園内のツアーが始まるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、俺は………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 とある1人のウマ娘に恋をした日でもあった。

 




次回から色んなウマ娘ちゃんを出す予定です。お楽しみに
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