俺の幼馴染はハイパードジっ子兼ネガティブウマ娘です   作:たぬき田中

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99世代がアニメ化ですって!!
メイショウドトウさんも出るんですよね??(困惑)


15話

 "恋は突然に"という言葉は映画のタイトルや楽曲名でよく見かけ、フィクションだと思われていたが、こうして己自身が出くわすとノンフィクションだったと言うことが分かる。

 

 彼女の顔を見た瞬間に心がさっきよりも痛くなる。この正体はぴかぴかの中学生である俺でも分かる。

 

 俺は恐らく……いや、確実にアドマイヤベガと名乗った彼女に恋をした。簡単に言えば、一目惚れ………っていうやつだろうか。彼女の顔を初めて見た時に全ての細胞が震えたのを感じた。

 

 俺は特に好みの女性のタイプなんて無かったのだが…………アドマイヤベガさんみたいな女性がタイプだったらしい。

 

 知りたい。アドマイヤベガさんのことをもっともっと。なんなら、一緒に居たい。

 

 少し気持ち悪いかもしれないが、俺にとって初めての恋した女性なのだ。少なくとも、彼女のことを知りたいという気持ちは本物だ。

 

 「…………何?」

 

 「ッッ、い、いや!!な、なんでも!」

 

 やっべ。彼女の顔をずっと眺めてたら視線に気づいたのか、アドマイヤベガさんに睨み付けられた。俺は反射的に頭を下げる。

 

 「もう、アヤべさん!そんな睨んだら怖がっちゃうじゃないですかー!可哀想ですよー!」

 

 俺がぎこちない反応をしていると、ドトウが連れてきた同期のうちの1人の白いメッシュがトレードマークであるウマ娘さんが苦笑いしながらアドマイヤベガさんに声を掛ける。

 

 「はじめまして!私の名前はナリタトップロードっていいます!皆さんからはトップロードって呼ばれてます!!よろしくお願いしますね!!」

 

 ナリタトップロードと名乗ったウマ娘さんは歳下である俺に対しても敬語で礼儀正しく自己紹介する。見た感じ、周りから慕われてそうなイメージがある。彼女から手を差し出されたため、俺も手を出し、握手する。

 

 「嗚呼、なんて美しいのだろう。ボクはとてつもなく感動している!!こうやって友情というものが芽生えていくのだと!!」

 

 トップロードさんと握手しただけなのに、もう1人のショートヘアで桃色の王冠を被ったのが特徴的な同期のウマ娘さんが突然感動し始めた。な、なんなんだ?

 

 「しかし、この世界最強・最速にして最高の美貌を持つこのテイエムオペラオーの前では儚いもの………。さぁ、始めようじゃないか!!ボクの最高の人生劇を!!」

 

 「…………うわ」

 

 俺は今、かなり難しい表情を浮かべていると思う。アドマイヤベガさん、ナリタトップロードさんとまともそうなウマ娘さんが続いてきたから、ここで癖が強いウマ娘さんが来るとは思わなかった。今まで出会ったウマ娘の中でも1番強烈かもしれない。出来ればあまり関わりたくないかも。

 

 「あ、あの!オペラオーさん!」

 

 「どうしたんだい?我がライバル、ドトウ!!」

 

 テイエムオペラオーと名乗ったナルシスト満載の彼女の発言にドトウが声を掛ける。そうだ、いいぞ、ドトウ。この暴走機関車ウマ娘をどうにかしてくれ。あわよくば、どっか連れてってくれ。

 

 「ラ、ライバルなんて恐れ多いですぅ!!で、でもその人生劇、わ、私もお手伝いできませんか!!」

 

 なんでだよ。そこは止めろよ。なんでそこに薪入れて暴走機関車の勢いに加勢してんだよ。

 

 「…………私はもう行く。このまま居たら巻き込まれそう」

 

 アドマイヤベガさんは嫌そうにこの場から離れようとする。確かに彼女の発言に間違いは無いのだが………。もう行ってしまうのだろうか。もう少し一緒にいたいのだが………

 

 「…………え?」

 

 「……………あ」

 

 気付いたら、俺はここから立ち去ろうとした彼女の腕を掴んでいた。細くて柔らか……じゃなくて。気付いた瞬間に俺は手を離す。

 

 「…………何?」

 

 「あ、いや……その………」

 

 アドマイヤベガさんは顔を近づけて不機嫌そうに声を掛ける。視界いっぱいに映る彼女の顔が本当に綺麗で何も考えられない。やべ、何か言わないと………。

 

 「………ん?」

 

 パニック状態になりかけそうになっている中、俺はあることに気付く。ッッ、これは………!!

 

 「あ、あの……!!」

 

 「はいはーい、そこまで」

 

 あることに気付いた俺は彼女に声をかけようとした所で遮るような形でドトウのトレーナーが言葉を出す。

 

 「そろそろ夕飯の時間だ。急がないと食堂閉まっちゃうからね」

 

 トレーナーの言葉に彼女たちは腕時計やらスマホやらで時計を確認し、少し驚きの表情を浮かべる。

 

 「それはいけない!!最強を名乗るためには食事は大切だ。口にした物が血となり肉となって力の源になる。よし、ドトウ。ボクと一緒に食堂へと参ろうではないか!!」

 

 「は、はいぃ〜!!あ、カズくん達も一緒にどうですかぁ〜?」

 

 「あ、うん。俺は勿論着いてくけど……」

 

 「私も一緒に行きます!!アヤべさんも一緒に行きましょうよ!!」

 

 「私は………いい。そこまでお腹減ってないし」

 

 「えぇー!でもアヤべさん、今日もずっとトレーニング詰めだったじゃないですか!今日ぐらい少しでもいいから皆で一緒に食べましょうよ!!ドトウちゃんの幼馴染くんも来てることですし!!楽しいですよ!!」

 

 「……………」

 

 アヤべさんは顎に手を付けて考える仕草をとる。すると、ドトウもモジモジとさせながら彼女に声を掛ける。

 

 「わ、私もアヤべさんとい、一緒に行きたいですぅ〜。か、カズくんも紹介したい………です。だ、ダメでしょうかぁ〜?」

 

 「はぁ………、分かったわよ。一緒に行くわ」

 

 「「「アヤべさぁん!!」」」

 

 ドトウの言葉で折れたのか、アドマイヤベガさんは了承する。それによって、同期3人はとても嬉しそうな表情を浮かばせていた。仲良いな。

 

 俺も内心嬉しかったりする。もう少しだけ傍にいられるんだから。

 

 「あ、エアシャカールさんはどうします?」

 

 俺は今日という1日の大半を共に過ごしてくれた恩人といえるエアシャカールさんに声を掛ける。このまま食事に行くならエアシャカールさんも一緒に来てくれると嬉しいのだが………。

 

 「オレはここ辺りでお暇させてもらうぜ。トレーナーからさっき連絡きてよ。」

 

 エアシャカールさんはスマホを見せながら、苦笑いする。ここで彼女とはお別れのようだ。

 

 「エアシャカールさん、今日1日ありがとうございました。めちゃくちゃ助かったです」

 

 俺は彼女に向かって頭を下げる。このトレセン学園でたまたまこの人に会ってからドトウと合流するまで大変助けられた。

 

 すると、エアシャカールさんは俺の頭に優しく手を置き、そのまま撫でながら

 

 「気にすンじゃねェって何回も言ってンだろ。てめェはもうオレの弟分みたいなもんだからよ。」

 

 彼女は俺にそう言って、この場から離れた。やっべぇ、アドマイヤベガさんに会う前にそれ言われてたら完全に惚れてた。

 

 「よし、それじゃあ行きましょうか」

 

 「「「「はい!!」」」」

 

 そして、このまま俺たちは一緒にカフェテリアへと向かった。これを機に少しでもアドマイヤベガさんと関われたらいいな。

 

 

 ☆☆☆☆☆

 

 「ごめんね、シャカール。オフなのに『会いたい』なんて連絡しちゃって」

 

 「次のレースに向けての打ち合わせだろ?それなら仕方ねェよ。今の内に方向性決めてオフ明けからトレーニングした方がよっぽど論理的だ。」

 

 「そっか!」

 

 「………なァ、トレーナー。打ち合わせの前に1つだけいいか??」

 

 「ん?どうした?」

 

 

 「オレって………可愛いと思うか?」

 

 

 「……………ほぇ?」

 

 

 ☆☆☆☆☆

 

 「はぁー、くそ。全然話せれんかった」

 

 俺は悔しそうに言葉を出す。あれからカフェテリアではドトウ達と夕飯を一緒に取っていて、アドマイヤベガさんとなんとか話しかけようとしたが、ドトウがお茶を零したり、夕飯メニューであったナポリタンを宙に浮かばせたりとハイパードジを発揮させたせいで会話どころじゃなかった。

 

 そんで、そんなドトウの対応をした結果、周りからは賞賛の拍手が送られた。「君には負けたよ。流石だね」ってトレーナーさんからも言われる始末。別に争ってないです。

 

 挙句の果てには、『どうですか?私の幼馴染、こんなに凄いんですよ』と言いたげそうな感じでその場でドヤ顔するドトウ。いや、お前のせいな?ここでドヤ顔できるお前の精神どーなってんの?

 

 あ、でもアドマイヤベガさんはここでクスって笑ってた気がする。そこだけは嬉しかった。(単純)

 

 ま、そういうことが連続続きで起きたせいで特に彼女と関係が深まることなく夕飯は終わってしまった。

 

 「それにしても、アドマイヤベガさんのアレって………俺の見間違いだったらいいけど。」

 

 俺は彼女のとある所を見て1つ気になる事があった。それも含めて話しかけたかったのだが……。

 

 「………ここだ。」

 

 こうしている内に、俺はドトウのトレーナーさんから紹介された今晩、俺が寝泊まりするある男性トレーナーさんの寮へと辿り着いた。

 

 寮の扉の前に設置されているインターフォンを押す。すると、扉を開けて一人の男性が現れた。現れたのだが…………。

 

 「お前がカズだな。話は同期から聞いている。入れ」

 

 (いや、あんたかよぉぉぉぉぉぉぉ!!!)

 

 扉から出てきたのは、あのトレーニングジムで見かけたヤ○ザっぽい見た目の男性トレーナーさんであった。

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