俺の幼馴染はハイパードジっ子兼ネガティブウマ娘です   作:たぬき田中

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やっぱり皆メイショウドトウのことが好きなんだなって思いながら執筆しました


2話

 この間、クラスメイトの男子にこんなことを言われたことがある。

 

 『あんな綺麗な幼馴染いて幸せだな』と。

 

 別にこの一言だけだったら、俺は特に何も言わないし、感じない。そいつの言う通り、ドトウは贔屓目なしで美人さんだと思うし。

 

 しかし、クラスメイトの男子は言葉を続ける。

 

 『メイショウドトウさんの胸、大きいしなぁ。どうせ、お前は見たことあるんだろ?なぁ、教えろよ!』

 

 これを言われた瞬間、俺は奴に目掛けて本気のラリアットをぶちかました。

 

 これは、クラスメイトが彼女のことをやらしい目で見たからラリアットをした訳じゃない。あんなデカ乳ぶら下げてたら誰だって見てしまうだろう。俺だってもし幼馴染じゃなかったらそういう目で見ると思う。

 

 俺がラリアットをした理由は、俺の普段の苦労を知らずに容易に言葉に出したからだ。

 

 全員は認知しているが、我が幼馴染はドジっ子だ。もう、どうしてそうなるん?と頭を抱えてしまう程にドジをやらかす。

 

 そんなドジっ子ウマ娘が更衣や風呂場とかで何も起きないと思うか?お?

 

 あぁ、そうだよ!正直に言うけど、過去に何度もあったよ!ドトウがドジして転んだ際にボタンが弾け飛んでスイカみたいなブラが丸見えになって羞恥心がカンストしたドトウからボディブローもらったり、風呂入ってる時に「背中洗うね」とか言って何もタオルとかを纏わずに入ってきて、最終的に石鹸を踏んで転んだ際に心配したのを最後に彼女の全身を見たことによって、またしても羞恥心をカンストしたドトウからアッパーを貰ったりと散々な目にあってきたよ。

 

 だから、ラリアットをしたあとにそのクラスメイトに言ってやったよ

 

 「タダであの胸が見れたら誰だって苦労はしねぇ」

 

 ってね。よくよく思い出してみれば、何言ってんだ、俺は。

 

 ★★★★★

 

 「お、お待たせぇ」

 

 ショッピングモール内にあるウマ娘専用のスポーツ用品店から、紙袋をいくつか手にしたドトウは出てくる。今日は朝から彼女の買い物に付き添いに来ていた。

 

 彼女曰く、ランニングシューズがボロボロになってしまったらしく、新調したかったらしい。ウマ娘にとって、ランニングシューズは大切だもんね

 

 「カズくん、今日は買い物に付き合ってくれてあ、ありがとうね」

 

 「俺も寄りたい店あったし大丈夫。ドトウだけだと店自体に辿り着けるか不安だから」

 

 「…………流石にそれはいけるよぉぉ!」

 

 おい、一瞬だけ間があったぞ。自分でも少しは思ってたことじゃないか。

 

 「ねぇ、カズくん。お腹空いてないですか?」

 

 「ん?まぁ、確かに。減ってるちゃ減ってるけど」

 

 朝から店を何件も回ってたし、育ち盛りであるからか、腹は結構減っている。

 

 「どこか食べにい、行く?お姉ちゃん、お礼にお昼お、奢るよ?」

 

 ドトウの誘いに俺は腕を組む。ここから家まで俺の今の空腹が耐えられるかどうか。……無理だな。よし、ここは素直に甘えることにしよう

 

 「じゃあ、ご馳走になろうかな」

 

 「ふふ、どこか食べたいところありますか?」

 

 そうだな、今日は………カレーの気分だな

 

 「カレー食べたい」

 

 「じゃあ、C○C○壱行きますか?」

 

 うん。ドトウなりに頑張って伏せてるつもりだけど、その言い方だと無意味に近いよ。どうして、そっちを○にした?せめてCを○にしろよ。

 

 その後、ショッピングモール内にあるカレー屋にやってきた俺たちはカウンター席へと座る。

 

 「な、なんでも注文してね。お金のことは考えなくてもいいからね。」

 

 メニューを見ている俺に対し、ドトウは言葉を出す。ウマ娘のレースで入賞すると、賞金が貰えるらしく、それなりに成績が良いドトウは貯金がそこそこ溜まっているらしい。だから、昼飯を奢るぐらいは余裕なのだろう。

 

 まぁ、ここで遠慮したらそれでこそ彼女に対して失礼だと思うから、ガッツリ注文してやろう。

 

 「大盛りカツカレーと大盛りボークカレー、あとサラダ下さい。辛さは普通で」

 

 商品を決めた俺は店員さんに注文行う。ふふ、結構注文してやったぜ

 

 「そ、そんな少なめでいいの?もっと注文していいんですよ?」

 

 ………はい?いや、なんでそんな心配そうな表情浮かべてんの?こっちが心配するわ。ウマ娘の胃袋基準を俺たちに合わせないで欲しい

 

 「もしかして、お金のこと心配してる?だ、大丈夫だよ?少なくともカズくんを養えるぐらいはありますよ?」

 

 心配通り越してすんごいこと言い出したよ、この幼馴染。え、何?俺を養う気でいたの?俺、初めて聞いたよ?

 

 「おめでとうございます」

 

 おめでとうございます、じゃないんだわ、店員さんよ。今のこの空気を読め!このタイミングでその言葉を出そうと思ったお前の神経を尊敬するわ!

 

 「あ、ありがとうございますぅぅ」

 

 ありがとうございます、じゃねぇんだよ。お前も空気を読め!頬を赤く染まらせるな!

 

 ーーーパチパチパチ!!!

 

 え!?怖い怖い怖い!急に周りのお客さんが一斉にスタンディングオベーションし始めたんだけど!?聞いたことねぇし、見たこともねぇよ。カレー屋さんでスタンディングオベーションし始めるヤツらを。

 

 「皆さんも、ありがとうございますぅぅ」

 

 どうして、こいつもすんなりと、この光景を受け止めれてるんだよ。普通はビビって怖がるだろ。これも、こいつのドジが故の光景なのか?だとしたら、それはもう不幸体質通り越して才能だよ。

 

 「あ、他に御注文ございますか?」

 

 あ、じゃないんだって。少なくとも、この状況であ、は使っちゃいけないんよ。

 

 「スパイスカレーのギガ盛り10辛、トウガラシマシマシをお願いしますぅ」

 

 なんだよ、その明らかに辛そうなカレーは。しかもギガ盛りて。大盛りがMAXじゃないの?………あ、ウマ娘限定であったわ。あと、ラーメン屋さんみたいな言い方でトウガラシの追加するのやめて?誰に教わったん?

 

 ちなみに、ドトウはこう見えて激辛系をよく食べる。あの有名なカップ焼きそばの激辛系もペロッと完食してしまう。この人の舌、どうなってるんだろうね

 

 注文を終えたあと、商品が来るまでドトウと何気ない会話をしていると注文した商品が届く。ドトウが注文したカレー、赤さエグっ。トウガラシもマジでマシマシじゃん。

 

 「「いただきます(ぅぅ)」」

 

 互いに手を合わせてそう言ったあと、注文したカレーを食べる。うん、美味い。

 

 ふと、目の前を見てみるとドトウも注文した激辛カレーを何気ない表情で食べていた。一体、彼女は今どんな心理状況であのカレーを食べてるんだろうか。

 

 「ん?カズくん1口食べますかぁ?」

 

 「………結構です」

 

 視線に気づいたドトウはついさっきまで自身の口で咥えていたスプーンで1口分のカレーライスをよそい、俺の方に差し出すが俺は視線を逸らしながら即断った。

 

 これはあの激辛カレーを食って地獄を見るのがわかっていたからであって、この幼馴染との間接キスにビビった訳では無い。決してーーー

 

 

 

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