俺の幼馴染はハイパードジっ子兼ネガティブウマ娘です   作:たぬき田中

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ついにアイツが登場するであります。


24話

 「なぁ、ドトウ。俺が貸した漫画を………って、何してんの?」

 

 ガチャとドトウの部屋の扉を開けると、両膝を地につけて四つん這いになってるドトウの姿があった。部屋入って最初に視界が入るのが幼馴染のデカいケツっていうの嫌なんだけど。

 

 しかも、ドトウのケツに乗ってる1匹の小さい動物。現在、我が家で飼育してる猫のメトだ。

 

 メトは元々、捨て猫だった。俺とドトウが小学校低学年の時にダンボールの中に捨てられていたメトを見つけ、ドトウが保護したのがきっかけだ。

 

 最初はドトウが当時住んでいた家で彼女の両親を説得し、一緒に暮らしていたが、ドトウがトレセン学園に入学することが決まり、寮に入ることになってからはドトウの家で見れる人がいないため、メトはウチの家で預かることになったのだ。今では立派なウチの癒し系の存在でもある。

 

 しかし、不思議なことにメトはドトウのことを自分の主人だと思っていない傾向がある。なんなら、自分こそがドトウの主人であると思っている。だって、普通………主人を四つん這いにさせてケツに乗らんやん。

 

 「い、今なら行けるかも………」

 

 ケツの上でウトウトし始めるメトを見て、ドトウはゆっくりと立ち上がろうとする。だが。

 

 ーーーペシッ!!

 

 「ふぇん!?」

 

 メトはドトウの頭に強烈な猫パンチを炸裂させる。まるで、眠れないから大人しくしろと言わんばかりの行動であった。………うん、やっぱりメトはドトウのことを主人だと思ってねぇわ。

 

 「ふぇぇん!!カ、カズくぅん!!た、助けて下さいぃぃぃ!!」

 

 俺に泣きながら助けを求め始めるドトウ。おいおい、マジか。飼い猫に泣かされたウマ娘が目の前にいるよ。

 

 「おい、メト。ドトウが困ってるだろ。降りろー」

 

 俺はメトの首元を掴み、ヒョイッと上げる。

 

 「あ、ありがとうございますぅ〜!た、助かりましたぁぁ〜」

 

 メトから解放され、ドトウは立ち上がる。ずっと四つん這いになってたからか、少しだけ膝がガクガクしてる。あ、やば。こういう時のドトウはドジしやすいから警戒してしまう。

 

 「わ、私決めましたぁー!!」

 

 お、なんだなんだ。ドトウがコケた用にクッションを置く俺の横目で彼女が何かしらの決意をし始めた。

 

 「め、メトさん!!しょ、勝負です!!」

 

 バーン!と効果音が鳴りそうな勢いで、ドトウはメトに指をさす。どうやら、ドトウはメトの日頃の行いを改めようとしているようだ。まぁ、メトもメトで確かにドトウのことを舐め腐ってる態度とる事があるし、納得がいく。

 

 さてさて、ドトウはどんな方法でメトに自分を主人だと分からせるのか、少し見ものだな。

 

 「……………どうしましょう、カズくん。」

 

 「いや、考えてなかったんかい」

 

 こいつ、勢いだけで発言しやがったな?ちゃんと考えてから行動に移せよ、全く。

 

 しかし、猫は犬とかと違ってしっかりと躾をして、それ通りにするっていうのは中々難しいイメージがある。どっちかと言うと自由気ままに生活してる動物だ。

 

 「ドトウはメトにどうなって欲しいんだ?」

 

 「わ、私はただ………メトさんともっと仲良くしたいだけなんですぅ〜。おしりに乗られるのは少し恥ずかしいですけど。」

 

 ドトウはモジモジとさせて答える。まぁ、簡単にいえばスキンシップの違いというやつか。ドトウはトレセン学園に入学してからは小学校時代に比べてメトと関われる時間は短くなってきてるし、こうやって家に帰ってきてメトに関われる限りは充分に関わっていきたいのだろう。

 

 「とりあえず、最近買ってきたおもちゃでメトと遊んでみるか?」

 

 「は、はいぃー!」

 

 

俺はゴソゴソとメトのおもちゃがある籠へと手を伸ばし中から最近、新しく購入した猫用のおもちゃを取り出した。このおもちゃは猫の釣り用の玩具で針先には魚のぬいぐるみがついている。

 

 「ほい、これ最近のあいつのオススメだから遊んでくれると思うぞ」

 

 「は、はいぃ〜!!ありがとうございますぅ〜♪」

 

 「他にも籠の中におもちゃあるし、あそこの棚にチュールとか猫用のおやつもあるから1つや2つぐらいあげると喜ぶぞ。あげすぎるとご飯食わなくなるから気を受けろ。んじゃな。」

 

 俺はそう言って、ドトウの部屋から出る。ドトウとメトだけの時間を過ごさせてやろう。これでこいつらの関係を深めてくれると良いが。

 

 1時間ぐらい適当に時間を潰して、再びドトウの部屋へと入る。大きな音とかはしていなかったから災害とかは起きていないと思うが。

 

 「おーい、ドトウ。調子はどう………」

 

 「カ、カズくぅぅん〜!!」

 

 部屋に入って、視界に映ったのは、半泣き状態のドトウが四つん這いになって、デカケツにメトが気持ちよさそうに寛ぐというさっき見たのと同じ光景であった。なんで?

 

 とりあえず、再びメトの首元を掴んで持ち上げ、ドトウを解放させる。

 

 「おい、ドトウ。1時間前にお前が俺に言った言葉覚えてる?さっきと同じ結末になってるじゃねぇか。」

 

 「ご、ごめんなさいぃ〜!き、気付いたらおしりの上に乗ってましてぇ〜!!」

 

 ドトウは泣きながら答える。ということは、おもちゃとかオヤツでも効果は無かったということになる。そうなると、もう詰みじゃね?諦める道しかなくね?

 

 「そんな時こそ、Goo○le先生か。」

 

 スマホを取りだして、Goo○leを開く。【猫 仲良くなる方法】と検索し、いくつかのサイトが表示される。やっぱり、困った時はこれに限りますな。

 

 「当たって砕けろ、だ。やれる限りのことをしてみよう。」

 

 「はいぃー!!」

 

 ①猫から近づくのを待ってよう。

 

 気付いたらドトウのケツの上に既にメトがいた。え、君忍者か何か?全然気づかなかったんだが。

 

 ②目線を合わせない

 

 目線を合わせないようにするが、逸らした先には既にメトがいた。え、未来見えてる?

 

 ③姿勢は低めで向かい合う

 

 速攻、ケツの上に乗られる。以上

 

 ④声は高めに話しかけましょう

 

 元々、ドトウは高めの声質だから問題はない……はず。

 

 ⑤おもちゃ・おやつ戦法

 

 これはもう実施済み。ケツの上に乗られて試合終了だった。

 

 ⑥指の匂いを嗅いでもらう

 

 ドトウが恐る恐るメトの前に指を差し出す。すると、メトはゆっくりと近づいて、クンクンとドトウの指の匂いを嗅ぐ。お、これはもしかしていけるか………??

 

 ーーーバリッ!!

 

 「ひゃあん!?」

 

 ダメだった。普通にバリかかれたわ。とりあえず治療して最後の方法へ。

 

 ⑦猫の正面から撫でる。

 

 絆創膏をつけた方の手で、メトの頭に目掛けて伸ばすドトウ。これまでの方法が壊滅した今、これが最後の砦となるが………。

 

 「こ、怖くなーい………怖くなーい。わ、私は怖くないウマ娘ですよぉ〜……」

 

 ドトウもドトウでまるで自分に暗示をかけるような形で言葉を呟いている。それは誘拐犯とかがよく言う言葉だぞ。

 

 これまでのことを考えると、上手くいかない未来が見えるのが濃厚だが………

 

 ーーーなでなで

 

 「め、メトしゃん!?」

 

 おー、なんとも意外なことに。メトは素直にドトウに頭を撫でてもらっているじゃないか。なんなら、嬉しそうな表情も浮かばせているようにみえる。

 

 「カ、カ、カズくぅぅん!!メ、メトさんがぁぁ!!」

 

 「うん、見てる見てる。やったな、ドトウ。」

 

 これまたドトウも嬉しそうにこちらに話しかける。メトもメトでドトウのことが好きなんだな。ツンデレな奴め。

 

 「んじゃ、改めて2人が仲良くなったということで俺は退散しますわ。あとは2人でごゆっくり。」

 

 安心した俺はドトウの部屋から退室する。友情が深まったあいつらなら、きっと楽しく時間を過ごすことができるはずだ。

 

 そして、数時間後。夕飯の時間になったため、ドトウの部屋へと訪れる。なんか、いい感じに見せかけて結局またメトがドトウのシリの上に乗ってる………とかはないよな?この作品、そういうオチが多いから不安なんだよ(←メタ発言やめろ。)

 

 「ドトウ、メト。そろそろご飯だぞー。」

 

 意を決して、ガチャと扉を開ける。すると、そこにあったのは………

 

 「すぅ…………すぅ………」

 

 沢山遊んだであろう形跡が部屋中に散らかってる中、中央でドトウとメトが寝ているという光景だった。

 

 俺はふっ、と思わず笑ってしまい、何も言わずそのまま扉を閉めた。




次話か2話後あたりにシリーズ物の執筆予定です。
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