俺の幼馴染はハイパードジっ子兼ネガティブウマ娘です 作:たぬき田中
今年の春からピカピカの中学1年生になった俺こと、カズは頭を抱えていた。その理由はある程度、察し力がある人物なら理解してくれるだろう。
そう、原因は目の前にいる幼馴染だ。
「ま、まじぃ〜。カズくん、ちょ〜かっこいいんですけどぉぉ〜。まじぃ〜、げ、げきやばぁ〜」
帰ってきて早々、ドトウの変わり果てた姿を見て俺は言葉を失う。
目元がすごいキラキラしたメイクを施し、トレセン学園の制服の綱元をガッツリ明け、いつもはふわふわのショートヘアから大きなリボンを両側に付けたショートのツインテールになっていて、両手の爪には立派なネイルが5本指に付けられていた(ネイルの柄はタヌキ)。そして、明らかに言い慣れていないパリピ語を恥ずかしそうに使い出す。
ドトウは何故か、ギャルと化して家に帰ってきた。当然ながら意味が分からない。この1週間の間になにがあった??
「ど、どしたん〜?そんな世界が終わったみたいな顔してぇぇ〜。う、うけるんですけどぉ〜」
頑張ってパリビ語を使い続けるドトウ。しかし、彼女の顔はトマトのように真っ赤であった。相当無理して使っていることが分かる。
「ドトウ、学園内で何があったか知らんけど無理すんなよ。」
「む、無理なんてらしてないんですけどぉぉ〜。か、勘違い乙ぅ〜。」
え、やっば。あのドトウに『勘違い乙』とか言われたんだけど!?幼馴染として何気に心に結構くるんだが?
おい、誰だよ。ドトウをギャルにしてパリピ語教えたやつ。こいつ、そういうのに影響受けやすいんだからマジでやめろよ。今すぐ呼び出して説教してやりたい。
「と、とりまぁ〜、わ、私フロリダすっねぇ〜。駅からここまで歩いて汗がエグいからぁぁー」
は?フロリダ?急にアメリカの州の名前言い出したんだけど、このウマ娘。え、怖っ。
そして、タッタッタッと風呂場まで行こうとするドトウだったが
「ひゃっ!」ドテッ
脚をくじいてその場で転ぶ。そして、すぐに立ち上がり、何も無かったかのように風呂場に進むがーーー
「あうっ!」ドテッ
またしても、脚をくじいて転んだ。5歩も進んでないのに転んだ。あ、パンツ見えてる。
そして、ドトウはまたしても無言で立ち上がり、自身についた埃を払ってから進み出す。
しかし、ドトウは気づいていなかった。
2回目に転んだ際、ポケットからハンカチを落としていたことを。そして、それがちょうど、ドトウの1歩目を踏み込む着地点にあるということに。
「あうっ!」ドテッ
そして、案の定、ハンカチを踏んでそのまま滑ったドトウはなんとびっくり、1歩目を満足に進めることなく3回目の転倒を果たす。
「………ふぇぇぇぇ〜」ポロポロ
流石に3回目となると、立ち上がる力が湧かないのか、倒れたまま泣き出すドトウ。んもう、見てられない。
「…………ほら。」
「あ、ありがとうございますぅぅ〜」
手を差し伸べ、それを掴んでドトウはゆっくりと立ち上がる。もうパリピ語は使わないみたいだ。
そして、そのまま手を掴んだまま、ドトウを脱衣所まで先導する。ドトウは未だにポロポロと泣いており、そのせいでメイクが落ちてとんでもない顔になっていた。
「ほら、ドトウ。ゆっくり入ってこいよ」
「はいぃ〜」
ドトウが脱衣所に入るところを確認したあと、俺はすぐさまスマホを手にしてとある人物に電話をかける。
「出てくれよ〜」
『もシもシ、どーしタ??』
2コール目で応答してくれたのは、ドトウのルームメイトであるエアシャカールさんだ。彼女なら、何かしら知ってるかもしれない。
「あ、もしもし。休日なのにすみません」
『気にすんナ。また、分からない問題でモ??』
「あ、ちゃうんす。ドトウがギャルになって帰ってきたんですけど、エアシャカールさん、なんか知りません??」
『ドトウがギャルぅ?…………お前、何言ってんダ?』
「いや、気持ちはめちゃくちゃ分かるんですけど………。ドトウのやつ、ギャルみたいな姿になってフロリダ〜とか言ってたんすよ。」
『何でアメリカの州を言ってんダ、あいつ?』
「知らないですって。むしろ、俺が知りたい」
反応を見る感じ、エアシャカールさんは知らないみたいだ。
礼を言って、通話を切った俺は風呂から出るドトウをリビングで待つことにした。
★★★★★
「自分に自信を持つためにギャルになったと??」
風呂から出た頃には、ドトウはいつも通りだった。とりあえず、ミルクを出したあとに彼女にギャルになった経由を聞き出すと、自信を付けるためにどうしたら良いかと悩んだところ、ギャルであるウマ娘たちのやり取りを見て「これですぅ!」となったらしい。その後、ギャルのウマ娘に、ギャルについて色々と教わったという。
「その結果がアレか。」
「うぅ……、思い出したらとっても恥ずかしいですぅぅ〜!!」
「だろうな。見てるこっちが恥ずかしかったぐらいだし」
とは言っても、羞恥よりも驚愕の方が勝ってたけどね。気弱な歳上の幼馴染が帰ってきたらギャルになってた俺の気持ちを考えて?
「い、言わないで下さいぃ〜!!」
これで、新たにドトウは黒歴史が増えてしまった。まぁ、黒歴史がある分、こいつが暴走した時の抑止剤のきっかけになるからこっちからしたら有難いことだけれども。
「それにしても、パリピ語ってやつ?よく覚えたよな、お前。」
ほとんど何言ってるか、分からなかったけど。結局、フロリダってどういう意味があったんだろうか??
「お、覚えるのは意外と簡単でしたよぉ〜。津軽弁に比べたら楽勝でしたぁ〜」
日本一難しい青森の方言に比べたらそりゃあ、楽勝だろうな。てか、何?お前、津軽弁もいけた口だったの?
「『美味しい』を津軽弁で??」
「『め』ですぅ〜」
「マジかよ。まさかの1文字なん!?」
俺、もう青森には行かないことにする。もし、行くことになったらドトウを連れてくるわ
「カズくんも方言、覚えますかぁ〜?私、教えますよぉ〜!!」
「いや、別にいい。」
方言は覚えて損は無くはないけど、必要性はあまり感じられない。標準語さえ言えれば大丈夫だろ。
「な、なら英語を教えましょうか〜??」
ふんすふんすと言いながら、ドトウは教授の提案を出す。まぁ、確かにドトウは英語の成績いいもんな。けど………
「英語もいいよ。分からなかったらエアシャカールさんに教えて貰ってるし」
「ふぇ………。」
彼女の名前を出すと、ドトウは固まり、何も喋らなくなる。俺、なんかおかしなこと言ったか??
すると、今度はぷるぷると震えだし
「カズくんの浮気ものぉぉぉぉぉぉ!!!」
と、大声を上げならリビングに出ようとした。
まぁ、脚をくじいてその場で思いっきり転んだけれども。
「はぁ〜」
俺はため息を吐いて、その場でふぇぇ、と泣くドトウの所へ向かうのだった。
これは、あれだな。一緒に寝ないと許してくれないやつだ。
現在、15日以降まで執筆出来ない環境なので、また日にちが空きます。けど、執筆意欲は全く衰えておらず、ネタもまだ最低でも4つはあるので出来る限りこの作品を今後投稿して行きたいと思います!!
ですので、お気に入りとかコメントとか高評価お願いします<(_ _)>