俺の幼馴染はハイパードジっ子兼ネガティブウマ娘です   作:たぬき田中

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またしてもランキングに載ってたみたいで。
本当に皆さん、メイショウドトウのことが好きなんだという実感が湧き、彼女をメインにした小説を執筆して良かったなと底辺ながら思います。


8話

 「はぁ〜、どうっすかなー。これー」

 

 俺は持ってる紙を目の前に出し、ヒラヒラとさせながら文字を眺める。

 

 その紙には『部活動についてーーー』というタイトルが大きく載っており、その下には各部活紹介文や見学日時が細かく掲載されていた。

 

 4月に地元の中学校に入学して、少し経ったが遂に部活動勧誘が始まりつつあった。土日明けから部活紹介と部活見学が本格的に開始する。うちの中学は絶対に部活に参加する必要があり、幽霊部員は以ての外のため、真剣に考えなければならない。

 

 昔からクラブや習い事などに手を出したことがなかったため、どこの部活に入ろうか悩む。ぶっちゃけた話、どこの部活でもいいんだよな。

 

 サッカーやバスケなどの運動系とかも体育の授業や友達と遊んだ際、楽しかったから興味あるし、家庭科部や英語部なども将来のことを考えたら為になると思うから入ってみたいという気持ちもある。

 

 父ちゃんや母ちゃんに相談しても、俺が入りたいと思った部活に入ればいいと言ってくれているため、有難いけど困ってしまう。

 

 「カズく〜ん。お、お昼ご飯ですよぉ〜」

 

 「おぉ〜」

 

 数時間前に帰省したドトウが俺の部屋に入ってくる。もうそんな時間なのか。

 

 「何見てるんですかぁ〜」

 

 ひょっこりと俺のすぐ側まで近づき、顔を近づけるドトウ。胸がデカすぎて普通に肩に当たってる。

 

 「ん、部活動についての紙だよ。」

 

 「部活動〜。いいですねぇ〜。どこに入るんですかぁ〜?」

 

 「それが悩んでるだよな。これといってやりたいのとか無かったから」

 

 なんやかんや思い返して見ると、俺は基本的に小学校時代はドトウと一緒にいたからな。まぁ、中学生になっても土日はドトウと過ごしてるけど。

 

 「なぁ、ドトウ」

 

 「はい、なんでしょう〜?」

 

 「もし、ドトウがトレセン学園じゃなくて、俺と同じ地元の中学校に入学してたら、どこの部活に入ってた??」

 

 俺は素朴な質問をドトウに問いかける。ドトウはウマ娘としてレースの実力があったから、ウマ娘の中でエリート中のエリートのみ入学が許されるトレセン学園へと進学を進めた。

 

 しかし、彼女にはトレセン学園ではなく、普通に俺と同じ中学校に進学する道もあった。なんなら、俺のクラスには数人だが、ウマ娘もいる。

 

 ドトウ曰く、トレセン学園には基本的には部活動というものはないらしく、レースに勝つためのトレーニングをトレーナーと一緒に励むことが多いらしい。だが、そのトレーニングの中に走り込みや水泳、なんと聞いてびっくり瓦割りをすることがあるらしいため部活動と差程変わらない気もするけれども。

 

 もし、ドジっ子ドトウが地元の中学校に進学して、部活動に入るならどこに入っていたのか、シンプルに気になった。

 

 ドトウは考えたこともなかったかのように顎に手を当てて「うーん」と呟く。

 

 「料理………部とかですかね。」

 

 「料理部?」

 

 なんとまぁ、ドトウにしては珍しい部活の名が挙がったものだ。

 

 「どうして?」

 

 「私、辛い料理とか好きじゃないですかぁ〜。だから、自分自身でスパイスとか調合して辛い料理を色々と編み出したいなぁ〜って思いましてぇ〜。け、けど、私はドジだから周りの人達に迷惑かけてしまうと思いますけどぉ〜」

 

 ドトウの考えに俺は思わず「ぷっ」と笑ってしまった。確かにドトウの言う通り、砂糖と塩を間違えたり、転んだりして料理器具を宙に舞ったりさせそうだ。

 

 「ど、どうして笑うんですかぁ〜!!」

 

 ドトウは目を><とさせながら、ポコポコと俺の肩を叩く。いや、効果音くっそ可愛いけど、地味に痛いです。

 

 「そっか。自分の好きなものを深めるため………っていう手もあるのか」

 

 俺の好きなもの………ね。

 

 ふと、ドトウの顔を見てみる。すると、相変わらず気弱で不安そうで綺麗な表情を浮かべている彼女の顔が視界に映る。

 

 「いや、ないわー。うん、ないない」

 

 「な、何がですぅ!?」

 

 俺の一言に、またしてもドトウは俺の肩を叩く。だから痛いんですってば。

 

 ドトウに対して恋愛的な感情はほとんど抱いたことはない。時の状況によってドキドキすることはあるが、一時的なものだ。

 

 「…………」

 

 「………??」

 

 しかし、彼女といて俺的に1番好きな時。

 

 それは…………

 

 

 『土煙をあげてメイショウドトウ!ここを勝たなければ天皇賞へ向かえない! メイショウドトウ先頭に立った!マチカネキンノホシ!マチカネキンノホシ!メイショウドトウ!メイショウドトウ! マチカネキンノホシ!やはり、やはり強い!メイショウドトウ!メイショウドトウ!天皇賞へ向かって快勝!』

 

 ーーーワァァァァァァァ!!!

 

 ドトウが普段は見せない真剣な表情を浮かべながら、必死に必死に走り、そして先頭でゴールした時だ。彼女がゴールすると、観客はこれでもかと言いたいほど激しく湧き上がる。

 

 「………すげぇ。」

 

 彼女の走りは昔から見ているが、やはり心に響くものがある。そして、誇らしくなる。

 

 俺の幼馴染はこんなにすげぇウマ娘なんだって。

 

 彼女がレースに出て、勝利した際、俺は毎回手にしているスマホで写真を撮るようにしている。理由としては…………ほら、あれだ。家族や知人が頑張る姿を写真に収めたくなるお節介なやつだ。………多分。

 

 しかし、たまにドトウがレースで勝った時の写真を眺める度にかっこよかったや凄かった、普段からこうしてくれればいいのに、という感情が浮かんでくるのも事実。

 

 ……………よし。

 

 俺は学生鞄からファイルを取りだし、中から1枚の紙を取り出す。その紙は、部活動見学希望についての内容が記載されているものだ。

 

 筆箱からシャーペンを出し、紙にスラスラと自分の名前と見学したいと思った部活動の名前を書いていく。

 

 「わわ、もう決めたんですかぁ〜」

 

 「うん」

 

 「えっえっ、ど、どこに入るんですかぁ〜??」

 

 「…………内緒。よし、昼飯行くぞドトウ!俺に続けい!!」

 

 「そ、そんなぁ〜。ま、待って下さいぃ〜」

 

 俺は手にしていた紙をファイルに雑に入れて部屋から出ていく。その後、ドトウは俺の後を追おうとしたが、足をくじいてその場で転んでいた。

 

 その際、ファイルが宙を舞い、中から1枚の紙が飛び出る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 1年Aクラス○○番 ○○カズ

 

 第1希望 写真部

 

 

 選んだ理由。

 

 レースで勝つ幼馴染をより綺麗に撮影するための技術を高めるため。

 

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