鋼鉄の心:亡霊との戦い   作:アイゼンパワー

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【やった】休みもらった【休める】

1:名無しの戦略家

 

共和国総司令官であるワシが栄光ある共和国に勝利をもたらすために高名なる皆々様に知恵を絞っていただくスレッドです

 

・荒らしは放置

・考察雑談ご自由に

・いのちだいじに

・ガンガン行こうぜ

参考文献

→電撃文庫『86-エイティシックス-』

 

 

 

2:名無しの戦略家

乙乙

 

3:名無しの戦略家

建て乙

 

4:名無しの戦略家

 

5:元帥

休みもらった!!!!

 

6:名無しの戦略家

良かったやん

 

7:元帥

思えば臨時大統領に就任してから八年。一時たりとも休むことなく共和国のために働いてきたなぁ………

ハンドラーの育成も終わったし国内もだいぶ安定してきたので執務はぜーーんぶ側近に任せてパーッと休むぜ

 

8:名無しの戦略家

乙乙

 

9:名無しの戦略家

いやあ長かった

 

10:名無しの戦略家

共和国ってブラックなんやなぁ

 

11:名無しの戦略家

そりゃトップがこれだからね

 

12:名無しの戦略家

仕事失敗したら即粛清ぞ

 

13:元帥

一応3回までは失敗してもいいぞ。それ以上は……わかるよね(ニッコリ)

 

14:名無しの戦略家

出た、独裁者スマイル

 

15:名無しの戦略家

死の予兆

 

16:名無しの戦略家

>>5休みの日何するの?

 

17:元帥

……何しようか…

 

18:名無しの戦略家

働きすぎて休み方忘れているパターンだ

 

19:名無しの戦略家

まぁ家でゆっくりしてな

 

20:元帥

自家用ドレッドノートの改造でもするかー

 

21:名無しの戦略家

ちょい待ち

 

22:名無しの戦略家

なんでドレッドノートを個人所有してるん?

 

23:元帥

そりゃ買ったからだよ何を言ってるんだ

 

24:名無しの戦略家

買えるもんなの?

 

25:元帥

必要な数より一機多めに発注してそれを私物化している

 

26:名無しの戦略家

これ横領なのでは?

 

27:名無しの戦略家

いーけないんだーいけないんだー

 

28:名無しの戦略家

せーんせいに言っちゃーおー

 

29:元帥

私が先生だ

 

30:名無しの戦略家

あっ……ハイ…

 

31:元帥

ワシもほらプロセッサーとして登録してあるからいいんだよ

 

32:名無しの戦略家

そうかー……ん?

 

33:名無しの戦略家

なんかおかしいな

 

34:名無しの戦略家

最高司令官がプロセッサーになったって言ってるように聞こえたんだけど気のせいかな?

 

35:元帥

ほら……身体が闘いを求めて仕方なかったんだよ

 

36:名無しの戦略家

そう言えばなんでも許されると思うなよ

 

37:名無しの戦略家

気持ちは分からんでもないが立場を考えろ

 

38:名無しの戦略家

闘い続ける悦びを知りやがって

 

39:名無しの戦略家

この休暇も前線に“遊び”に行ったら?

 

40:元帥

おっ、良いね

 

41:名無しの戦略家

本当にいいのかよく考えろ

 

42:名無しの戦略家

執務はどうすんねん執務は

 

43:名無しの戦略家

戦隊指揮は?

 

44:元帥

戦隊指揮はハンドラーに任せる。執務はさっき言った通り側近に全面的に任せてる。なんかあった時は連絡するよう言いつけてあるので安心

 

45:名無しの戦略家

本当にその側近は信頼できるんか?

 

46:名無しの戦略家

勝手になんかやり始めたりしない?

 

47:名無しの戦略家

まーたパラノイアはじまったよ

 

48:元帥

完璧で幸福な側近くんがそんなことするはずがないだろう

 

49:名無しの戦略家

側近の身内に被粛清者とかいない?

 

50:名無しの戦略家

偶然に見せかけて殺されたりしそう

 

51:元帥

そんなことしないって……たぶん…

 

52:名無しの戦略家

いいぞ!元帥閣下の側近に対する信用が揺らいだ!畳みかけろ!前線への旅行を思い止まらせるんだ!

 

53:名無しの戦略家

今まで積み上げたものを崩されたりしない?

 

54:名無しの戦略家

騙して悪いがされない?

 

55:名無しの戦略家

『騙して悪いが仕事なんでな、死んでもらう』

 

56:元帥

これまでの給料一括払いされてないから別に騙して悪いがされないと思う……たぶん。てか後ろから撃たれても避けれる、スピリット・オブ・マザーウィルの砲撃を掻い潜ったワシを舐めるなよ

 

57:名無しの戦略家

リンクスは無駄に強いからなぁ……

 

58:元帥

よく考えれば保安局に一仕事任せれば側近が何しようが止められるわい、安心して遊びに行けるな!

 

59:名無しの戦略家

本当にいいのか?

 

60:元帥

本当にいい!!これ以上働くと壊れる。リンクスはオフィスワークができるように作られていない

 

61:名無しの戦略家

押し留めるのに失敗しました!軍曹!

 

62:名無しの戦略家

無能!もう一回教育課程やり直してこい!

 

63:元帥

よーし!どの戦線に遊びに行くかとどこの部隊にするか!

戦線>>70

部隊>>75

 

64:名無しの戦略家

結局行くのね……

 

65:名無しの戦略家

別にこの時期どこでも変わらんだろうから北部で

 

66:名無しの戦略家

南部

 

67:名無しの戦略家

割となんもない南部

 

68:名無しの戦略家

将来的に崩壊する北部に一票

 

69:名無しの戦略家

東部で

 

70:名無しの戦略家

東部で

 

71:名無しの戦略家

東部に行け!

 

72:名無しの戦略家

次戦隊!

 

73:名無しの戦略家

東部の戦隊っつったらスピアヘッドだろ

 

74:名無しの戦略家

実質一択

 

75:名無しの戦略家

死神に会ってこい(スピアヘッド)

 

76:名無しの戦略家

死人の声聞いてきて(はーと)

 

77:名無しの戦略家

ORCA旅団員だったから余裕だろ?おぉん??

 

78:元帥

東部戦線スピアヘッドな!行ってくる!!

 

79:名無しの戦略家

なんの躊躇もなく行ってきやがったよ

 

80:名無しの戦略家

普通に行ったら絶対気を遣わせるぞ

 

81:名無しの戦略家

なんてったって元帥だからなぁ

 

82:名無しの戦略家

しかもちょっと前まで全プロセッサーを指揮管制してたから知らんやつのが珍しいやろ

 

82:元帥

変装していくから大丈夫大丈夫

 

83:名無しの戦略家

あんまり部下に苦労かけるんじゃないぞ

 

84:名無しの戦略家

あーあ、ほんとに行っちまったよ

 

 

 

ーーー

 

「オラ!補充要員がきたぞー!顔見てえ奴は来い!」

「はーい!」「俺も見る!」「今行く!」「ちょっと待ってろ!」

 

一人の整備員……レフ・アルドレヒトがトラックの前で叫び、それに子供達…要するに戦隊員が反応し、ガレージの前へと集う。

 

「……はぁ」

 

物静かな一人の少年は溜息を一つ付き、読んでいた最中の“サンマグノリア革命史”を閉じ、陽光の降り注ぐベンチから立ち上がり、ガレージへと向かう。

 

アルドレヒトの側には一人の男が立っていた。白髪が多少混じってはいるが夜のように黒い髪と血のような紅い目を持っていた。

 

「……察するに焔紅種と夜黒種のハーフか?」

「ほう!よくわかったね、その通りだよ。コールサイン<オッツダルヴァ>、名前はマクシミリアン・テルミドール。宜しく頼む。ところで戦隊長は誰かな?ご挨拶しておきたいんだが……」

 

そして戦隊員は口々にその敬愛すべき死神の名をあげる。

「戦隊長はシンだよ!」「呼んでこようか?」「いつものベンチにはいなかったよ」「じゃあ、部屋には?」「居ないと思うなぁ」

 

「……北部ではそんなことをするのか」

 

おくれて建物の影から姿を表したのは少し茶色い黒髪と新入りと同じく血赤色の瞳を持つ少年、敬愛すべき死神、<アンダーテイカー>、シンエイ・ノウゼンである。

 

「私の居たところでは何かと信頼が重要でね、こうして顔を合わせなければ仕事を始められないんだよ。マクシミリアン・テルミドール、<オッツダルヴァ>」

 

そう言って右手をシンの前に差し出した。

 

「……これは?」

「握手だよ、握手。信頼を築く第一歩だ」

 

シンはしばらくその右手をじっと見つめ……手を差し出した。

 

「シンエイ・ノウゼン、<アンダーテイカー>」

 

その手はしっかりと相手の手を掴み、力強く上下に振られた。

その頃、ちょうど基地に設置されていた黒電話が鳴った。

マクシミリアン・テルミドールは駆け足でそれに向かい、すぐさま受話器を取った。

 

「はい、第一戦区第一戦隊<スピアヘッド>」

『東方向にレギオンの反応あり、直ちに急行せよ』

 

元帥の冷酷な声が電話越しに聞こえた。

 

「東方向にレギオンの群れ!急げ!」

 

その声を聞くと全員がジャガーノートとドレッドノートに飛び乗り、すぐに出撃した。

 

 

 

数十分後

 

『ヨォーシ、豚どもォ……今日も楽しいゲームの時間だなァ?うん?』

『さっさと戦ってぶっ壊れちまえ!豚ァ!』

 

マクシミリアン・テルミドール……元帥はドレッドノートの狭いコックピットの中でつぶやいた。

 

「……こういうのは一掃したと思ってたんだがな…こいつの声は覚えておこう」

 

そして心の中で密かにこのハンドラーを粛清することを決めた。

 

ドレッドノートの六本脚は絶え間なく地を叩き、敵の群れに向かう。しかしそこにはあるはずの砲撃もなく、あるのは地を埋め尽くすレギオンの群れだけだった。

 

『今日も砲撃は無しだ!さっさと行け!行ってぶっ壊れろ!』

「そうか、道理で第一戦区(ここ)のレギオン出没率が異常に低いわけだ。そもそも報告していなかったのか!」

 

この言葉を理解するには支援砲撃のメカニズムについて説明する必要があるだろう。

元帥がハンドラーであった頃は全ての戦線に満遍なく雨霰のように降り注いでいた砲撃はレギオン出現の報を受けた時点で準備され、あとは座標の報告や合図さえあればすぐに破滅の雨を降らせるだろう。しかし、当たり前だが座標の報告がなければ正確な射撃をすることができないのだ。その場合は砲兵隊はレギオンがいるであろうと推測された場所に撃ち込み、そして大打撃を与えるはずの攻撃は極めて少数の敵を撃ち倒すだけに終わってしまう。

もっと最悪なのはニセの座標を伝えられた場合だ。阻電攪乱型(アインタークスフリーゲ)によってレーダーは完全に撹乱され、砲兵隊はレギオンの居場所を知ることができないために彼らはそのニセの座標を信じ、そこに向かって射撃を開始する。

そしてこのハンドラーはそもそも座標の報告どころかレギオン出現の報告を砲兵隊に伝わる前に堰き止め、そのせいで砲兵隊は敵に少数の被害すら与えられない。その上あろうことか元帥のレイドデバイスに欺瞞音声を流し、監視の目…この場合耳だろうか…を逃れ、自らの楽しみの為だけに国家、軍、ひいては国民の資産であるプロセッサーを使い潰しているのだ。

 

そして共和国のレギオン行動予測システムの精度はあまり高くない。

「誤報でした」と報告されてしまえばそれを信じるほかないのだ。

 

『行け!戦え!ぶっ壊れちまえヨォ!ブタァ!』

『御言葉ですが、ハンドラー殿。そのような指揮では粛清されるのも時間の問題では?』

『あァ?うるせえよ、この野郎!部品のくせにナマ言うんじゃねえ!』

 

元帥が最後のチャンスとして改善の提案をするも効果は無し。そこで彼は同調先を保安局の局員の一人に変更し、言う

 

『ハンドラー指揮所、三階45号指揮室。行け』

『はっ、元帥閣下。仰せの通りに』

 

そして同調先を戻すと、スピアヘッド戦隊の一人が話しかける。

 

『新入り?意見したって無駄だぜ、こいつはいつもこんなんだからな。』

『そうか……まぁ、それも今日で最後だろうな』

『それはどう言う……うん?』

 

ハンドラーと同調していた全てのプロセッサーの耳には、いつもの悲鳴……ハンドラーが死人の声を聞いて狂う時の声ではない、別の種類の悲鳴が聞こえていた。

 

 

同時刻、サンマグノリア共和国1区、ハンドラー指揮所。

 

「保安局だ!道を開けろ!」

 

真っ黒な制服に身を包み、胸に盾と剣を模したバッジをつけている男の群れがどやどやと怒鳴り込む。

 

目指すは元帥より命じられた場所。セキュリティーゲートを乗り越えて階段を登る。その途中で懐より拳銃を抜き去り、死体処理班は死体袋を用意する。

 

「いいかね、指揮所長。」

 

そのうちの一人、腕に赤い腕章を巻いた男が保安局員証を見せ、こう言った。

 

「三階の45号室にいるハンドラー……名前は?」

「リ…リュック・ジャン」

 

所長は一瞬目を泳がせ、答えた。

 

「よろしい、リュック・ジャン君はかねてより精神疾患に苦しんでいた。それが原因で指揮管制中に突発的に自殺。そして……我々保安局はここには来なかった。いいね?」

「はい、わかりました。私は何も見ていませんし、聞いていません。そしてあなた達は来なかった」

「大変よろしい、君は長生きするぞ」

 

そして施設の一角から銃声が響いた。

 

「彼とは違ってな」

 

 

 

 

『チッ、なんだよ。せっかく楽しいところなのにヨォ…なんだお前らはァ……えっ?保安局?やめろ、やめてくれ!死にたくない!死に-』

 

その言葉を最後に通信が途絶え、知覚同調(パラレイド)の先には沈黙が広がっていた。

 

『ハハハ……やはり悲鳴はいい。いつ聞いても心を潤わせてくれる』

 

テルミドールは一言ぽつりと呟いた。

 

『オッサン……何モンなんだよ?』

『マクシミリアン・テルミドール、コールサインはオッツダルヴァ。プロセッサー番号30572番で元北部戦線第十戦隊、<オルカブリゲート>所属。それ以上でもそれ以下でもない』

 

戦隊がレギオンに向かって進み続けていると、破滅の雨が降り注ぎ始めた。305mm自己鍛造クラスター弾がレギオンの装甲を貫通し、それに時折混じる普通の榴弾が大地を掘り返す。

 

『さあて……戦隊長!シンエイ戦隊長!ご指示を!!』

 

テルミドールが熱を込めて叫ぶ。敵を求め、その身を燃やし、満たす闘争を求めて叫ぶ。

 

『指示をください、ご指示を!』

『うるさい……全戦隊一旦停止、砲撃が終わるまで待機。……その間にポイント352まで移動。待ち伏せるぞ』

『アイアイ』『りょーかい』『アイ・サー』『了解しました!戦隊長』

 

そうして砲撃が終わるまで軽く世間話位をしながらポイントまで移動、そしてじっと待った。

 

『そういや北部戦線ってどんなんだったんだ?』

『それはそれはもう……楽しいところだったさ。毎日が戦いの連続でな、朝起きて朝食を食べて出撃、昼帰ってきて合成食糧を食べて出撃、夜帰ってシャワー浴びて出撃、そして就寝だ』

『うへえ、大変そう』

『いやあ?全員が全員戦闘狂だったからな、大変と感じたことはないよ』

『……そういえばなんで信頼を重要視するんだ?』

『……どうしても聞きたいか?』

『ああ』

『………昔、仲間が一人裏切ったんだ。警報を鳴らして、全員叩き起こして迎撃地点に着くなり“本当はレギオンなんて来ていない。騙して悪いが仕事なんでな、死んでもらう”だなんて言い始めてな……もう、めちゃくちゃだったよ』

『それで?どうなったの?』

『戦隊総員36名……そいつを抜けば35名か、その内27名が死亡。生き残ったのはたったの8人。なんで裏切ったのかはさっぱりわからん。』

『へぇ〜……』

『仕事って言ってたから、仲間内では奴はギアーデのスパイだった!だなんて噂が出回ってた時期もあった。しかし真実は分からずじまい、死人に口なしとは、本当によく言ったものだよ…』

 

などと話しているうちに砲撃は終了。それと同時に全員がトリガーに指をかけ、レギオンがいた領域に砲口を向ける。数十門の90mmや210mm砲が同じ方向を向いている様は壮観であった。しかし……

 

『なんだあいつら、もう撤退してるぞ!』

『東部戦線のレギオンはだらしないじゃないか、この程度で撤退するとは!』

 

予想に反してレギオンは撤退を開始、どうやらレギオンが予想していたものよりかなり激しい抵抗に遭い、現在の部隊編成では攻略不可能と判断し、撤退したようだ。

 

『そういや次のハンドラー、いいやつになるといいな』

 

帰り際に誰かが言った。

 

『元帥閣下の頃は良かったよね、今のハンドラーよりは大分楽に戦えたよ』

『あーあ、戻ってきてくれないかなぁ』

『そういえば新入り、お前の声元帥に似てないか?』

『いやあ……なんのことだか』

『あー!こいつ怪しいぞ!』

 

などと軽口を叩きあい、スピアヘッド戦隊一同は帰途へついた。

 

 

 

 

報告:東部戦線本日も異常無し

欠員:ハンドラー一名が精神疾患により自殺、レイドデバイスの精査を求めるものとする




シンの口調がわからん……もっと饒舌に喋ってくれ、シン……!

ちなみに電話の音声は録音です

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