鋼鉄の心:亡霊との戦い   作:アイゼンパワー

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【戦への】大攻勢対策本部【備えをせよ】

1:名無しの戦略家

 

共和国総司令官であるワシが栄光ある共和国に勝利をもたらすために高名なる皆々様に知恵を絞っていただくスレッドです

 

・荒らしは放置

・考察雑談ご自由に

・いのちだいじに

・ガンガン行こうぜ

参考文献

→電撃文庫『86-エイティシックス-』

 

 

 

2:元帥

えー、ついに大攻勢三ヶ月前になったわけですが…対レギオンでなんかいい案ある人ー

 

3:名無しの戦略家

グラン・ミュールの補強!

 

4:名無しの戦略家

モルフォの早期殲滅

 

5:名無しの戦略家

レギオン掃討計画

 

6:元帥

>>3もうやってる

>>4>>5今打って出ると防衛戦力が足りなくなるのでNG

 

7:名無しの戦略家

じゃもういいんじゃね?

 

8:名無しの戦略家

第二グラン・ミュールも完成したんでしょ?

 

9:元帥

完成した

 

10:名無しの戦略家

じゃもういいでしょ(慢心)

 

11:名無しの戦略家

勝った勝った!(慢心)

 

12:名無しの戦略家

慢心はいけない(戒め)

 

13:元帥

今考えていることといえば正規軍の再編成と85区の要塞化くらいのものなんだが……

 

14:名無しの戦略家

正規軍の再編成?

 

15:元帥

ほら、プロセッサーに頼り切っているせいで今の正規軍ほぼ無能じゃん?

 

16:名無しの戦略家

それはそう

 

17:名無しの戦略家

失業者対策とかひどい言われようだったな

 

18:元帥

そこで倉庫に山のように積んである対戦車兵器持たせて前線に放り込もうかなぁ…なんて考えているわけですが

 

19:名無しの戦略家

つまり体のいい厄介払い?

 

20:名無しの戦略家

老朽化兵器の廃棄では

 

21:名無しの戦略家

なんか戦争らしくなってきた

 

22:名無しの戦略家

歩兵のいない戦争なんてあり得ねえよなあ?!

 

23:元帥

フェルドレスは戦闘車両と歩兵戦力の奇跡的融合でありうんぬんかんぬん(by 共和国工廠の営業マン)

 

24:名無しの戦略家

でも家ん中には入れねーじゃん

 

25:名無しの戦略家

待ち伏せっつったってビルの屋上だったじゃん

 

26:名無しの戦略家

やっぱ瓦礫とか隙間に隠れられる人間の歩兵最強なんだよなあ

 

27:名無しの戦略家

施設の制圧には歩兵が欠かせない

 

28:名無しの戦略家

歩兵!歩兵!

 

29:元帥

歩兵ジャンキーがこんなに多いだなんて知らんかったわ

 

30:名無しの戦略家

歩兵は適切に運用すれば超重戦車も撃破できるからね

 

31:名無しの戦略家

適切な運用(ほぼ特攻)

 

32:名無しの戦略家

人的資源にまだ余裕はあるから多少はね?

 

33:名無しの戦略家

モロトフ・カクテルをファシストのクソどもに投げつけてた日々が懐かしい

 

34:元帥

じゃこの案には承認印推しとくわね

ところでレギオンって演習することあるの?

 

35:名無しの戦略家

レギオンが演習ぅ?

 

36:名無しの戦略家

ない

 

37:名無しの戦略家

指揮官経験のある“羊飼い”がいるなら或いは……?

 

38:名無しの戦略家

基本的にはない

 

39:元帥

北部戦線で演習っぽいことを何回もやってるレギオン群がいるんだけど、その“羊飼い”とやらがいると見て良さそ?

 

40:名無しの戦略家

いいんじゃないかな

 

41:名無しの戦略家

相手に指揮官がついたか…

 

42:名無しの戦略家

恐れを知らないレギオンだからこその恐ろしさがある

 

43:元帥

あんな鋼鉄の塊に大量突撃なんてされた日にゃもうたまらんね

 

44:名無しの戦略家

ともあれ、早めに情報収集を行った方がいい

 

45:名無しの戦略家

偵察隊が欲しいな

 

46:元帥

ちょうどスピアヘッドがあと一ヶ月くらいで特別偵察に出る。シンの異能なら十分な情報を集めてきてくれる……はず

 

47:名無しの戦略家

信用ならんぞ

 

48:名無しの戦略家

スピアヘッドは元の世界線だとギアーデに亡命した、だから行かせるにしても機密となる情報を持たせるのはまずい

 

49:名無しの戦略家

どうにかして情報だけ抜き取れないかな……

 

50:元帥

うーむ………まぁ、ええやろ!

 

51:名無しの戦略家

ギアーデを敵と仮定しないならいいんじゃないかな

 

52:名無しの戦略家

仮定する場合は何も良くない

 

53:名無しの戦略家

ギアーデに暗殺部隊を送り込めば彼らが情報を漏らす前に始末できる

 

54:名無しの戦略家

でも送り込めるかと言うと……

 

55:元帥

できるわけがないやろ

 

56:名無しの戦略家

だよねーー

 

57:名無しの戦略家

陸路は封鎖されてるし、空路は阻電攪乱型(アインタークスフリーゲ)のせいで航空機が使えない

 

58:名無しの戦略家

たとえエンジンに阻電攪乱型が飛び込まない航空機だとしても対空砲型が……

 

59:元帥

この戦争で何が一番困るかって兵站なんだよなぁ、こいつのせいで電撃戦的な部隊運用ができない

 

60:名無しの戦略家

防衛線を突破してもすぐ包囲される上に空輸が不可能だからね、仕方ないね

 

61:名無しの戦略家

全前線を均等に押し上げればいいじゃん

 

62:名無しの戦略家

>>61言うは易く、行うは難しの典型例なんだよなあ

 

63:元帥

大攻勢を乗り切った後なんだよなあ問題は。電磁加速型にもう一度グラン・ミュールを崩されてはかなわん

 

64:名無しの戦略家

大規模反攻作戦がしたいところ

 

65:名無しの戦略家

スピアヘッドの連中がモルフォをぶちのめすまで耐えるのも

 

66:名無しの戦略家

大攻勢後はレギオンの数も減るはず、なので防衛戦力をそのまま前進させて陸の誇り(名前忘れた)と共に反攻作戦を実行するのも良きかもしれない。

ただ敵の兵力が減らなかった場合は出かけてる間に本丸を落とされて死ぬので一種の賭けではある

 

67:元帥

>>66その賭けに乗った。細部は将軍たちと詰めた結果変わるかもしれんけど許してちょ

 

 

ーーー

 

「元帥閣下入室!」

 

作戦会議室に高らかな声が響き渡り、それと共に会議室にすでに到着していた将軍、参謀、レギオン予測所関係者が一斉に立ち上がって元帥を迎える。

 

「早速本題に入ろう、この異常行動に対するレギオン行動予測所の見解が聞きたい」

 

元帥はそう言いながら一人の白衣を着た病弱そうな男の方を向く。

対レギオン行動予測所、これまでのレギオンの行動全てを解析し、改修されたレギオンのデータからアルゴリズムを分析、そして次の襲撃の時期と規模を推測する特別な研究所である。

そしてこの病弱そうな男はその所長であり、見た目と違って共和国屈指の天才である。

 

「レギオン行動予測所のデュバルです。我々の公式見解としては、レギオンがある種の軍事演習を行なっている。という結論に辿り着きました。ここにいるみなさんはご存知の通り、ギアーデ帝国はおおよそ4年前に崩壊し、レギオンはそのプログラムに従って機械的に侵攻を進めています。しかし近年ではレギオンは自己進化を始めたと考えています」

 

そして彼は部下にレジュメを配るように指示し、手元の資料をプロジェクターを用いて壁に映し出した。

 

「お手元の資料をご覧ください。こちらは最近数百回の戦闘記録を分析した結果です。ご覧の通り最初の方ではただの力押しでした。とにかく戦車型と近接猟兵型、斥候型をかき集めて砲撃の中に突撃する。そして数十機が生き残ればラッキーといった戦術のせの字の影すらない典型的な人海戦術…この場合は機海戦術とでも言うべきでしょうかね…を展開していました。しかし、近年になって奴らは戦術を多少なりとも学習しているように思えます。こちらの映像をご覧ください」

 

そう言って彼は部下にビデオを流すように合図した。

その映像にはいつものように戦場に降りしきる砲弾の雨が映し出されていたが、どこかレギオンの数が少ないように見えた。まるでどこかに隠れているかのように……

 

「この映像を少し、砲撃開始前まで巻き戻すとどこがおかしいのかがよくわかります」

 

そう言って彼は自らビデオデッキを操作し、テープを巻き戻す。

そうするとどうだろう、映像には高周波ブレードを活用して塹壕を掘る近接猟兵型の群れの姿が映っていた。

 

レギオンが遮蔽物を利用するのは珍しいことではない、なぜならそうプログラムされているからだ。

しかしレギオンは自ら遮蔽物、塹壕を製造するか?

 

この疑問に対する答えは、NOである。

 

「これまでにサルベージしたレギオンのプログラムには“砲撃に遭ったら塹壕を掘れ”などと言う指示は書き込まれておりません、そして今更それを書き加える人物もいません。ならなぜ奴らはこのような行動を取っているのか?」

 

そう言って彼は壁に大きく映し出されたレギオンを力一杯叩く。

 

 

「奴ら……レギオンは自らのプログラムを改変する手段を手に入れたのです」

 

そこで一人の将官がテーブルに拳を振り下ろし、立ち上がって叫んだ。

 

「あり得ん!レギオンは愚鈍な戦闘機械に過ぎんはずだ。そんな奴らがプログラミングを誰から習ったと言うのだ!」

 

所長は静かに将官に着席するよう促し、会議の出席者にレジュメを捲るように伝える。

 

「次のページをご覧ください。これは開戦当初のレギオンのサンプルと先週レギオンのサンプルの成分比較表です。」

 

そう聞いて出席者は表を眺める。

左側は開戦当初のレギオンに含まれていた成分。タングステン、モリブデン、鉄……などと兵器であれば含有していて当然な物質が含まれていた。

そしてそのまま右…先週採取されたレギオンのサンプルの成分を見る。タングステン、モリブデン、鉄、金…………タンパク質。

 

タンパク質、それは無人兵器であれば含有していてはいけない物質。共和国の有人式無人機はともかく、完全な無人機であるレギオンからは検出されてはいけない物質である。人間の体の成分だ。

 

「…なぜタンパク質が?」

 

誰かがぽつりと呟いた。

 

「我々も発見当時はそれに大いに惑わされました。最初は砲撃に巻き込まれた動物のものだと考えましたが、採取地周辺に動物の死骸は皆無。その上タンパク質の構成は人間のものに酷似していました。そして我々は最悪の仮説に辿りつきました………レギオンは人間を材料にしているのではないかと」

 

壁には大きく大破したレギオンとそれを囲む防護服を着用した人々の写真が映し出されていた。画面中央に映し出されたレギオンは装甲が完全に剥離しており、中枢部分が露出していた。通常であればそれはマザーボードに乗ったCPUやGPU、そして各種部品といった形で構成されていただろう。

 

ところがこのレギオンの中枢部分は肉肉しく脈動する塊であった。

 

どくん、どくんとリズムを刻み、銀色の血液を肉塊の中に吸い込んでいく。映像の中でレギオンの周囲に立つ人々の狼狽した顔が防護服越しだと言うのに、手にとるようにわかった。

会議室内もまたどよめきに包まれた。

 

「これは三日前に幸運にも中枢部分が無傷のまま鹵獲に成功したレギオンです。ご覧の通り、おかしいところがございます」

「その中枢部分……私には人間の脳に見えるんだが?」

 

元帥が口を開き、所長に問う。そして所長は確固たる自信と根拠を持ってそれに応える。

 

「ええ、そうです。人間の脳髄です」

 

 

 

 

 

それから数日間、国防庁は蜂の巣をひっくり返したような騒ぎを起こしていた。

 

その騒ぎの議題はもっぱら脳髄を搭載したレギオンの対策である。もしこれが自動工場によって量産されているのなら、もしこれが真に人間と同じ水準の自己思考や自己判断能力を備えているのであれば、共和国は鋼鉄の体を持つ数万の不死身の兵士を相手に戦わなければいけなくなる。

 

国防庁は即座に研究所に対して更なる情報収集と、可能であれば鹵獲したレギオンとの対話を試みるよう命じた。

まず最初の試みとして音声出力ユニットを取り付けるも意味をなさない言葉の羅列が大音量で出力されるのみ。

ならば知覚同調(パラレイド)はどうだと試してみるも同じく“死にたくない”だの“母さん”だの断末魔が繰り返されるばかり。

最後に脳の電気信号を測定し、そこから何かを得ることを期待したが…死ぬ直前の行動を繰り返しているということがわかった以外、なんの成果も得ることはできなかった。

 

その内研究員の一人が「うるさい」という理由で音声出力ユニットを破壊、知覚同調(パラレイド)したハンドラーも精神を病んでしまい、電気信号も意味をなさないとわかるや否やすぐに測定が中止された。

 

 

ここにおいてレギオンとの対話の試みは完全に頓挫した。

 

しかしこの研究で得られたものもある。知覚同調(パラレイド)の試みにおいて脳髄搭載型レギオン…“黒羊”のシステムの侵入に成功したのだ。広域ネットワークへ接続し、とにかく情報をかき集め、行動予定についても記録して、個体情報についても確認する。その上これは不正アクセスではなく、正規の筐体を用いて接続を行っているのでレギオンのセキュリティソフトに弾かれることはない。

 

 

 

共和国はレギオンの行動を完全に把握することに成功したのだ。

 

 

 

 

星暦2149年、八月某日。

 

国防庁、准将執務室。

 

レーナは今現在、大きな木製のドアの前に立っていた。

彼女はスピアヘッド隊への人員補充が一向になされないのを不審に思い、自らの叔父でもあるカールシュタール准将……彼女が接触できる限り最も高位の軍人に直談判しようとしていた。

 

五回門を叩く、しかし返答はない。

もう一度叩く。

 

「入れ」

 

ようやく返答が来た。

部屋に入ると、そこには机一杯に地図を広げ、ルーペと頭を前後に動かし、葉巻を吹かしながら鉛筆で何かを一生懸命書いている彼女の叔父がいた。

 

「君か…何の用だ?手短に頼む。」

「東部戦線への補給と兵員補充の件についてですが、これ以上は待てません。各部署に書類を回していますが一向に……!」

「ああ、その件か。心配する必要はない、補給はすでに決定している。」

 

その言葉を聞いて、レーナの顔はほころぶ。今まで負担を強いられていた彼らに楽をさせてやることができる。そう思っていたが、次の瞬間、彼女は地の底へと叩き落されたかのような錯覚に襲われた。

 

 

「しかしスピアヘッド戦隊への兵員補充は行われない。」

「なぜ……?!なんでなんですか?!彼らは精鋭部隊なのでしょう?」

「これはすでに決定された事項だ。変更することはできない」

「せめて理由を……!」

「これは機密事項でもある。たかだか少佐程度に洩らせる情報ではない」

 

 

 

 

 

「まぁ、言えることだけを言うとすると……“地獄、または天国へ。速き旅人は常に一人”。それだけだ」




最後の言葉はジョゼフ・ラドヤード。キップリングの詩からの引用です
(1917のエリンモア将軍からの引用って言ったほうがわかりやすいかもしれない)

追記(1/6)レギオンは脳髄の構造図のみをスキャンして複製しているとのご指摘を受けました。本作においてはレギオンが脳髄のみをクローニングしているという設定でお願いいたします(オリジナル設定のタグを追加しました)

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