いるという意見が多かったので自分がその時周りにあったものから名前をつけました。
今後と多分ですがよく出そうなキャラは名前を出していくのでよろしくお願いします。
では本編どうぞ!
時期は早いものでもう生まれてから1年になりました、世の中では色々と起きて競馬も大盛り上がりだったそうです。ビワハヤヒデ、ナリタタイシン、ウィニングチケット略してBNWのクラシック路線、牝馬でベガが牝馬二冠を達成して三冠になるかって期待されてる牝馬クラシック路線、
天皇賞春の3連覇を狙ったメジロマックイーンがライスシャワーに2着で敗れたり、ミホノブルボンの引退など衝撃的なことが沢山ありました。
でもとてもびっくりしたのは、宝塚記念を目指していた兄であるトウカイテイオーが3度目の骨折をしたことです。
それで引退も視野に入っていたそうですが、なんやかんやで見送りになり有馬記念に出るそうです。
私もしっかりと運動したからか、体付きは自分より早生まれの同年齢馬と同じくらい大きくなりました。
それで急ですが自分はお引越しすることになりました。ここよりも本格的なトレーニングが出来る平取町にある育成センターに移動になるそうです。
最近妙に余所余所しかった厩務員の赤城さん(先輩)と栗谷さん(後輩)の話を盗み聞きしてたらその話を聞きました。
いつかはどこかのトレーニングセンターに行くものだとは思ってましたが、こんなに突然だと思わなくてあまり食欲が湧きません。
「…プリンセス、あまり食べませんね」
「分かってるのかもな、明日移動だって」
赤城さんが頭を撫でてくれる、それも今日で終わりって考えると悲しいな。
「そんな顔をするな、元々決まってた話なんだ。それにあそこはトウカイテイオーだって育成経験があるから確実なんだぞ?」
でも悲しいものは悲しい。
「それにあそこにはここより沢山のお前の同期がいるんだ。強くなっていつかまたここに戻ってきてくれよ」
…わかりました。
なら今日は沢山撫でてね!
頭を赤城さんと栗谷さんの間に下げる。
「…はいはい、分かりましたよ。お姫様」
苦笑いしながら撫でてくれた。
「先輩なんだかんだいって楽しんでません?」
「うるせぇ、お前も撫でとけ未来のG1馬だぞ」
そうだゾ!沢山撫でとけ!
「分かりましたよ……頑張れよー」
2人が沢山撫でてくれたので満足です。
「先輩、馬に話しかけて納得させた人俺初めて見ましたよ」
「…何も考えるな」
赤城さん!?
…………………………………………………………
次の日の朝。プリンセスに最後の食事を与える、もう既に起きていて、こっちを見たら直ぐ、できるだけ顔を乗り出してくれた。
栗谷はあちらさんと調整で食事は俺だけだった。
「おはよう、プリンセス。食事だぞ」
今日ぐらいは少し多めにしても大丈夫だろうと思い、いつもの干し草やアルファルファと別にいくつか甘味を持ってきた。
赤く丸い果物、そうリンゴである。
恐らくだが、未だに見た事ないのかリンゴに興味津々だった。
「まぁ待て。先に飯食ってからだぞ」
容器に餌と水桶に新しい水を入れ直す。
プリンセスは意外にも食べるのが綺麗で、大体の馬の水桶はものを食べながら水を飲むために汚れているはずだが、プリンセスはしっかりと飲み込んでから水を飲むので綺麗だった。
差し出していつも通り食べ始める。自分もリンゴを包丁で皮を剥いていく。
思えば1年もなかったが貴重な体験だったと思う。こんな賢い子を世話できたことは厩務員になってから初めてだったし、ここまで人に懐いてくれる馬も初めて見た。
テイオーやナチュラルも担当していたことはあったがここまで懐かなかったし、しかも撫でられるのが好きって言うのもまた可愛らしかった。
プリンセスが食事を終えたのかこちらに顔を向ける。
「ほら食ってみるか?」
さっき丸々一個皮を削ったリンゴをプリンセスの口元に移動させる。
プリンセスはちょっと困惑しながら口にくわえてしゃくりといい音をしながら食べた。
どうやらお気に召したらしい。もう2つにも目線が言っていた。
「全く、わかりやすいやつめ」
苦笑いしながらもう2つのリンゴも皮を剥いて食べさせる。甘いものは初めてだったからかとてもご満悦のようだ。
いつも通り、自分の手の前で頭を下げてる。
撫でをご所望のようだ。包丁を安全な所に置いて撫でる。
今日で最後かと思うと何か込み上げてくるものがある。
分かっている、プリンセスが競走馬に向いてると衷村オーナーに直談判したのは自分と栗谷だ。
いつかこうなることは分かっていた。
自分が泣くと賢いプリンセスは行くのを嫌がるかもしれないので何とか我慢する。
「…プリンセス」
名前を呼ぶと顔は上げないが耳はこちらに向いていた。
「ここではいつでもお姫様でいい、でも…でも、競走馬になった時は女王として勝ってくれよ?」
ヒヒィンと返事をしてくれた気がした。
あちらの育成センターの厩務員さんが馬小屋に入ってきた。
「お久しぶりです、赤城さん」
「こちらこそご無沙汰しています、船越さん」
幼少期のトウカイテイオーのことを担当していた船越さんだった。
「この子がプリンセスですか?」
「えぇ、ルドルフとナチュラルの子供です」
「噂程度には聞いていましたけど本当にテイオーに似ていますね」
「えぇ、馬の世界ではなかなかの美人ですよこいつ」
「まさに箱入り娘って感じですね、馬運車が近くに停めてあるので移動お願いできますか?」
鍵を外してプリンセスを馬小屋から出し、近くに駐車していた馬運車にプリンセスを乗せて、手綱を馬運車に固定させる。
自分が降りようとすると、プリンセスが裾を噛んだ。行かないでって言っているようだった。
泣きそうになるが何とか堪え、振り返り少しだけ頭を撫でる。
「頑張れよ、女王様」
直ぐに外に出た。
「…相当大事に育てたんですね、羨ましいです」
「そう言っていただけたら嬉しいです…プリンセスをよろしくお願いします」
船越さんに頭を下げる。
「こちらも気持ちは同じです、衷村オーナーにもよろしく頼むと言われていますので、テイオーのデータと掛け合わせてプリンセス専用の練習メニューを組んでいこうと考えています。プリンセスのことについて、何か注意事項はありますか?」
特に変な癖はプリンセスにはついていない、強いて言うことといえば…
「沢山頭を撫でてあげてください」
船越さんは戸惑っていた。
そういうことを聞いている訳では無いのだろう。
「変な癖はありません、出したものはしっかりと食べるし、同年齢の牡馬と走るぐらいあの子は負けず嫌いで調教はとてもしやすい馬です。だから、あいつのことを沢山撫でてやってください、お願いします」
「…わかりました。立派に育ててみせます」
船越さんと1度握手をすると、船越さんはプリンセスを乗せた馬運車で行ってしまった。
「……行っちゃいましたね」
栗谷が今になってきた。
「お前何やってたんだよ、プリンセス行っちゃったぞ」
「引渡し手続きしてたんですよ、あちらが遅れて対応してたんです」
「…すまねぇな俺だけ」
「いいですよ、先輩本気であの子の栄養バランスとか考えて食事を与えていたじゃないですか。僕は色んなところの研修ついでにプリンセスの世話もしていただけですし」
栗谷の涙腺がゆるんでいるのが目に見えてわかった。
「…今日は俺の奢りだ、飲むぞ」
「…ゴチになります」
少し声が震えてる栗谷の肩を何回か叩いてプリンセスが使っていた馬小屋の片付けに向かった。
…………………………………………………………
平取町にある育成センターに来ました。赤城さんや栗谷さんと別れて、今日から自分を担当する厩務員は船越さんって方です。
「プリンセス、降りるぞ」
船越さんに手綱を握られつつ馬運車を降りると、見慣れた場所と一変していた。
生まれた牧場よりも本格的なレース場を模したコースや馬のためのプールなど立派な施設が沢山ありました。
周りを観察しながら馬小屋の近くまで来ると、まだ他の馬は調教中のようで小屋にはほとんど居なかった。
「ここが今日から君の住む部屋だよ」
部屋に入り、手綱を外してもらう。
「この馬小屋は基本牝馬しかいないから明日にでも他の馬とも顔合わせしてその後練習しようか」
おうよ!赤城さんと女王になるって約束したからね。ここで沢山練習しないと!
「ヒヒィン!」
「赤城さんと約束したからな、俺も頑張るから頼んだぞ」
そう言いながら頭を撫でてくれた。
タカキも頑張ってるし!私も頑張らないと!
「あ、忘れてたその前に蹄鉄な」
……蹄鉄?
赤城さん、栗谷さん名前を決めて直ぐにお役御免させてしまった……まぁ馬は休養する時とかに牧場で放牧するって言うしね(震え声)
プリンセスは色んなことを知っていますが全部盗み聞きしたやつです。
今回彼女が移動した場所はトウカイテイオーやサイレンススズカなども調教したことある有名な場所です、気になった方はwikiとかで載ってるので調べてみると面白いかもしれないですね。
誤字脱字や感想などありましたら感想欄の所でよろしくお願いします。
それではまた!