それではどうぞ!
このトレーニング場に来て軽く1年が経ちました。赤城さんたちと離ればなれになったのは悲しかったし、色々とあったけど船越さんやダイヤちゃんや他の馬友達も何頭か出来て充実した生活を送れました。
でも遂にここともお別れです、船越さん経由で私が栗東のトレーニングセンターに移動すると聞きました。
栗東での自分の担当調教師はトウカイテイオーを担当していた人だそうです。
これからここでオーナーさんへの報告を船越さんがする時にここに来るのだとか、あとついに私の競走馬としても名前も貰えるそうで、オーナーさんがもう決めてあると言ってるらしいので楽しみです!
「プリンセス、そろそろだぞ」
どうやらメンバーが揃ったのか船越さんが迎えに来てくれました。
これまでの成果を報告するからか船越さんも少し緊張してるようです。
(緊張を和らげるために少し船越さんの脇に顔を突っ込む。)
「ありがとな、プリンセス。俺は大丈夫だ。竹さんにだってお墨付きを貰ったんだ、これ以上無い援護があって緊張なんてしないよ。」
船越さんに連れられて外に向かうとオーナーの衷村さん、多分これからお世話になるだろう調教師の人とその関係者?の人がいた。
衷村さんがこちらに来たので頭を撫でられるいい位置にまで下げる。
「こんにちは、プリンセス。相変わらずだね」
苦笑いしながら頭を撫でてくれる。
「あの併走の出来事以降不安だったが、その後の調教は大丈夫だったかい?」
「はい、併走相手の牡は気性が荒くないのを慎重に選んだので特に問題は起きませんでしたし。あの出来事以降プールでの調教を長めにとるようにしたので、関節にかかる負担も軽減できてると思います。」
そう、あの日以降プールでの泳ぎが長くなったんです。今まで使っていなかった筋肉を使ったりあんまり足が痛くならないからいいんだけど、ほかの厩務員から競泳馬にでもするのかと少しバカにされてました。
「そうか…この子はあまり本気で走りたがらないと報告書にあったがそれは?」
え、バレてたの?
「はい、ビデオを撮っていなかったのであまり断言は出来ませんが、併走の事件の時に第3コーナー手前からプリンセスの走り方が変わっていました。その時の走りが本来の走りだと考えています。」
「スパートをかけたがらないのは問題だと思うが…」
「いえ、この子は賢いです。この子のスパートの時の走り方は全盛期のテイオーみたいな走りでした。恐らくあの走り方は関節の負担が大きすぎるのであまりしたくないのだと思います。
これについては竹さんも同じ意見です。」
しっかりとバレてて恥ずかしい…
他にも私の体重やどんな餌を与えていたかなど色んな報告がされる。
「なるほど、しっかりとプリンセスを見てくれてありがとう。」
「ありがとうございます!」
「末元さんはなにかプリンセスについての質問はありますか?」
どうやら末元さんと言うらしい。
「その…触ってもいいですか?」
「えぇ、この子に蹴り癖はないですから大丈夫ですよ。」
末元さん、わざわざ手袋を外して素手でまじまじと私の筋肉や関節の曲がり具合などを確認していく。
私のこの2年間の努力を見なさい!ドヤァ
「…とても良い馬体ですね、2ヶ月遅く生まれた馬とは思えないです。」
「プリンセスが生まれた牧場で担当していた厩務員とも話していましたが、遅く生まれたおかげでたくさんの栄養を貰ったのと、この子がどの子よりも調教に真面目だったからだと思います。」
「…分かりました。責任をもって預からせて頂きます。」
認められました!遂に走る権利を頂きました!
「じゃあこの子の競走馬名ですが…」
「それについてはもう決めてありますよ」
オーナーが得意げに封筒を出した。どうやら考えてきた名前がそこにあるらしい。
「最初はトウカイプリンセスにしようと思ったんですが、私としてはこの子には女王として君臨してもらいたいので…」
封筒から3つ折りの紙を取り出してそれを開きながら中身をこちらに見せる。
「レイナ…この子の名前はトウカイレイナにしようと思います」
トウカイレイナ…レイナってどういう意味かな?
「レイナとはスペイン語で女王って意味があるんです、英語でのクィンはこの子の先代で既にいるのでこの名前にしました。」
「いい名前ですね、これからよろしくね。レイナ。」
うん!よろしくね!
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天皇賞に向けて調整をしていたがそれも叶わないとの事だったので、テイオーの引退が正式に決まった。
思えば数年前、テイオーと初めて対面した時は心が踊った。
シンボリルドルフ初めての子の牡で、しかもとても良い走りをしていて、これが将来の三冠馬かと思った。
だが自分が調教判断を見誤ったせいで、ダービーの後骨折してしまった。
自分の手で三冠馬を出せなかったことよりも、テイオーにつらい思いをさせてしまったことやいろんな人の期待に応えられなかったのが辛くて何度も1人で泣き酒をしてしまった。
そして計3回もの骨折をしたトウカイテイオーだったが、有馬記念を取ってくれた。
BNWやナイスネイチャなど強敵が沢山いる中での勝利で、それは正しくテイオーが帰って来てくれたと泣いてしまった。
テイオーの引退時期を決め終わったあと、オーナーから新しく別の馬を調教して欲しいと依頼が来た。
なんでもトウカイテイオーと同じ父と母で生まれた牝だとか。
話には聞いていたが、遅い生まれという話も聞いていたので正直中途半端な馬を任されるのではないかと不安だったが、馬体を見た瞬間その不安は吹き飛んだ。
トウカイテイオーと似たような体の色、そして下手したら今のテイオーに勝るとも劣らない馬体。
しかも説明を聞いていると、スパートをかけると類のない速さで走れるらしい。
思わず触診する許可を取り、手袋をとって触る。
一言で言えば素晴らしかった。今すぐにでも本番を迎えられそうだった。
テイオーの妹で名前はトウカイレイナということだった。
またすごい馬を任されたことに重責とそれ以上にこの子を調教できるということに喜びを感じた。
「えっと、この子には皮を剥いたリンゴが好物ですのでよろしくお願いします。」
…皮を剥いたリンゴ???
「皮を剥かないと食べないんですか?」
「これがですね…食べないんです。私もこれを知ってから皮を剥く練習をしたので…」
「君たちリンゴ剥ける?」
連れてきた調教助手や厩務員は全員無言を貫いた。
「………な、何とかしますので大丈夫です。」
(後日厩務員にりんごの皮剥きの練習をさせたのは別の話)
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なんやかんや報告会はおわり、オーナーさんと調教師は満足そうに帰っていった。
ダイヤちゃんも今日報告会があったそうで色々と教えてくれた。
[そっか、お嬢。トウカイレイナって名前になったんだ。私はマルカダイヤって名前になるらしいわ]
[そっか、じゃあそのままダイヤちゃんのままで良さそうだね。]
[逆にお嬢の場合はなんて呼べばいいのよ、トウカイって名前は貰うんだろうなって思ってたけど。]
[お嬢のままでいいんじゃない?私それ好きだよ?]
[そっ、ならいいわ]
それでもダイヤちゃんは少し嬉しそうにしていた。
[そういえばお嬢はトレーニングセンターは栗東?]
[うん、トレーニングセンターは栗東の方だったよ。]
[私は笠松らしいわ。じゃあ9月から離れ離れね]
なんやかんやいって色々と助けてくれたダイヤちゃんの声が少し悲しそうだった。
[…私は多分そこまで結果は出せないと思う。]
[そんなことないよ、まだ2歳だよ?これならなんとでもなるよ]
[まぁ、聞いて。お嬢みたいな体じゃないし、そんなに速くもない。
多分そんなに活躍しないで繁殖牝馬になると思う。]
[…]
[だからお嬢期待してるよ。お嬢は才能と努力の塊なんだから。自慢させてよね、かつて私が併走してた相手は凄い馬だったんだって。]
[…うん。任せて。]
ダイヤちゃんは満足そうに寝てしまった。
その日夜直だった船越さんが様子を見に来てくれました。
「プリンセス…いや、レイナって呼んだ方がいいのかな?」
船越さんが頭を撫でてくれる。
「今までテイオー含めて色んな馬を世話してきたけど、君みたいな愛くるしい馬は初めてだったよ。」
うん、ありがとね。船越さん。
「って言ってもお前は分からないか…ゴメンな。1年ってわかってたはずなのに実際に来るとやっぱり辛いな…赤城さんや栗谷さんの気持ちが理解出来たよ。」
船越さんの声が少し震えていた。
「…お前が出るレース録画してテレビで観戦するからな。頑張れよ。」
…任されました(船越さんの頬を擦る)
「9月からお前はトウカイレイナだ、頑張れよ。レイナ。」
そして9月1日、私は栗東トレーニングセンターに移動しました。
名前はこれから実況とか書く時に呼びやすいのがいいなーって10分ぐらい女王を外国語で調べてた時にレイナってやつ見つけていいなって思ってこれにしました!
前に話していた通り次はウマ娘の話を出そうと思います。ウマ娘の話も何話かに一回と出そうと思ってます。
次のリアル馬の話では新馬戦をやろうかなと思っていますが新馬戦の映像とか残ってなくてオリジナルでひとつ書こうと思うので時間かかると思います(G1とか残ってるから残ってるんかと思ってた)←無計画な奴
昔の新馬戦のレース映像とかまとめてあるサイトとか知ってる方いればメールなどで教えてくださいお願いします…(他力本願)
それではまた次回!
ウマ娘の回でリアル馬のネタバレしていいか。
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いいよ(ペースが多少早くなるかも)
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だめ(このまま)