【カオス転生三次】名無しのガイア連合技術部員が戦闘職を始める様です。 作:クエゾノ
戦闘、メンテ、仮眠、戦闘、メンテ、仮眠、戦闘、メンテ、仮眠、戦闘・・・霊薬、戦闘、メンテ、仮眠、戦闘、メンテ、仮眠、戦闘、メンテ、仮眠・・・
「お前、死ぬ気か、」
「ふぇっ?」
思わず変な声が出てしまった。
そろそろ霊薬を飲んで4日だ。
霊薬飲めば回復するとはいえ、だいぶ受け答えの反応がおかしくなってる。
これくらいでおかしくなるとは、未覚醒な軍人からも笑われるなぁと、軍人の軍事訓練時の睡眠時間と戦闘時間を思い出しながら情けない気持ちになる。
昼夜問わず悪魔を倒し続けたことで、メーターは緑側に、数値は47.1%台まで下がった。
しかしレベルはまだ上がらない。
緑側だし下がったし、ちょっと攻めてボス倒して今いる4階より下の階中心にして動いた方が良いかな?
でも今でもギリギリなのにレベルが2位上がる前に行ったら悪魔方向に数値上がるな。
悪魔が何じゃやっつけてやる!
いや自分が悪魔になってるんじゃろ、じゃあ自分を引き裂いてやるとか、半ばバグったことを考えながらドアのチャイムに呼ばれて部屋を出ると、見慣れた事務員に声をかけられた。
連絡があるから、明日の7:00から18:00の時間に連絡入れろと、COMPに連絡があったので、起きた後連絡して奴が来るまでの間、昨晩買ったおにぎりをニーナと一緒に掻き込んでいた。
それでチャイムが鳴って開けた所でコレである。
「なん用?」
舌がうまく回らない。
脳が死のうが魂さえ無事なら思考は問題ないはずだが、半端に脳が元気なので絶賛精神に影響が出ている。
そろそろ霊薬飲んで回復すべきかとも思うが、戦闘をこなす途中で無理になったところで飲んだ方が無駄にならない。
そして、飲んだら、20時間まで落ちてた継戦時間が伸びて24時間まで戦闘継続できるのは大きい。
というか、ここまで8日くらい続けてやってもレベルが上がる気配すらないあたり、自分はレベルが上がりづらいのではないかと、かなり焦っている。
「休め、ゾンビになるぞ。」
「らいじょーぶ、存らいの偏りは人間側だし、
ここまげやってレベル上がらないかろがんばらないと、」
COMPを見せる。
ホーム画面からでも存在の偏りを確認できるようにサーニャが設定していた。
・・・そういや、こいつ見方とか知らなかったよな、なにやってんだろ・・・
奴はため息を付き、言う。
「ニーナもキツイだろ。」
「そうなん?ニーナ?」
神経や回路たる術式、魂たるスライム、肉体たる式神ボディ、それらは毎日のメンテで常に正常な状態を保っているが、精神は別だ。
魂の方を弄ることで精神的なストレスに対処できる上、同じような戦闘を続けることによる精神負担も考慮して無理の無い様にしているはずだが、精神に関してはたまに予想外の結果が出てくるので、異常が見られたらすぐに対処しなければならない。
「いいえ、いつもメンテしてくれてるし大丈夫です。」
いつもと変わらない様子で明るく言う。
「だってさ、」
「・・・」
何か異様な物を見る目でニーナを見てくる。
「式神ってこーいうもんぞ。
じょーちょがもっと発展してたらちゃうけど、基本、精神性が悪魔だから、メンテで、体と術式とスライム霊の負荷取り払えば、自爆させようが口ではもんくってもそんなに気にしないし、
あれ?もしかして、ワイ式神になってメンテ受けたが楽?」
それはとても良いアイディアに思える。
「・・・ゾンビじゃなくて、スライムになる気か?」
「ざんねん、たしかに無理だわははは」
こいつに、式神のことで突っ込まれるとはだいぶキテるなと思いつつ、とっとと戦闘済ませて霊薬飲まないとと、出ていこうとしたところで、肩を掴まれた。
「そうだそうだ。今日は要件が合ったんだ。」
「なん?」
「あいつら、どうも今日から4階の階段とエレベーターとボス部屋の前の各所に張り付くことにしたらしい。」
「わぁ迷惑。」
思わず呟く。
3階で戦ってもニーナと二人なら得られる経験値というかMAGは微妙だし、
さすがに異界内であいつらとやり合うのは不味い。
3階で一人で戦うか、でもこの疲れて頭がバグった状態だと一人で戦うのはなぁと考える。
・・・一人一人殺るか?
ついそんな物騒な事を考え始める。
「それでだ。
文句言っても、分散して狩りをしてると言い逃れされるが、以前から初心者を脅して、
お前探し出して妨害しようとしてたのを含めて、こんなことを続けられたらお前以外にも迷惑だから、あいつらのバックにいるブラックカード持ちに苦情入れて止めさせることにした。」
連中の位置情報とCOMPの敵探知だと、明らかに敵探知の方が多くて、人間の敵反応が増えて行ったのはそれが理由か、
探知があるから、今、ちょうど戦いやすい規模の悪魔の群れまですぐ行けて効率的に狩れるけど、人間の敵反応がポツポツあって迷惑だったんだよなと思い出す。
随分治安悪いなと思っていたが、それが理由か、
「そかー、がんばってな!
レベルあげてるから!」
我ながらテンションがおかしい。
「えぇ〜来てくれよ・・・」
「なんで?」
「この件のメインの被害者だろ、説得もお前がいたら楽だし」
「だけど、いそがしし」
「助けると思って、な?」
「また~?」
「それにニーナの事もあるだろ?」
「ん〜・・・う?」
そう言われて、思考が少し澄んで行く、
・・・なんで僕はレベル上げにかまけて、ニーナの問題をおろそかにしようとした?
すうっと頭が冷える。
「わるい。たすかった。ぼくも行くわ。」
「そうそう。
18時半に話し合うことになったから、それまで10時間、部屋で寝てろ。」
「じゅう時間?
それだけあるならさん階層に・・・」
「相手とちゃんと話せるように部屋で寝てろ!
寝ぼけスライム!」
思いっきりドアを閉められた。
開けようとするが、事務方の上位権限でロックされた様だ。
横暴な。
ブフで壊すかとも思うが、これはここの異界の利用者で暴走したりやらかした異能者を閉じ込めるためのもの、上位魔法でもぶつけないと壊れないだろう。
それに根本的に公共の設備を壊すのはまずい。
スタッフであるニーナなら・・・
いや、ニーナはここにスタッフとしてリース契約で貸し出されてる式神だ。
スタッフとしての規則と主人としての命令を対立させてはいけない。
ニーナにとって負荷になるし、下手したら心に後を引く。
「出たい、ですか?」
スタッフ用簡易式神を弄っていたニーナが聞いてくる。
「いやあ、ニーナは事務方に貸しださらてふスタッフやから、ニーナに頼ろうとは思わないさあ。
自分ででるわ。」
「さいしょに、」
「うん?」
「エレベーターの所で、私が止めたときは、止まったのに、
あの人が止めても止まらない、ですね。」
不思議そうに言われた。
・・・それもそうか、
知らん内に奴の心遣いを蔑ろにしようとしていたのか、自分は、
やはり式神はいい、自然と自分の歪さに気付くことができる。
「ニーナ、ありがとう。やっぱりねる。」
「ソウですか、」
「その前に、ニーナをアップデートするわ。
あと、いつも長時間ありがとうな。」
「ハイ!」
顔を綻ばせ、ニーナはすり寄ってきた。
・・・スッキリして寝過ごした。
「確かに初心者に絡むのは問題だけど、どうせ現地人だろ?
こっちに言うほどのことか?」
「言うほどのことです。その上、その現地人使って、ブラックカード持ちに嫌がらせしようとしてるのが問題なんです。」
公的な対応なので、知り合いのキチと話す時とは違って丁寧語で話している。
現地人切り捨てろと言うんだったらお前のとこのDQNどももさっさと切り捨てろ。
そう心の中でつぶやく。
「確かに事務方のレンタル式神に勝手に手を出そうとしたのはまずいし、それでレンタル禁止にするのはとにかく、ショップ&クエスト禁止まではやりすぎだろ。
最大罰則じゃないか」
「特に悪質な上、諸般の事情がありまして、」
山梨第三支部の様な本部直轄の支部がなぜ、リース契約した式神を使っているのかというと、式神運用規模が大きくメンテや修理まで含めると必要経費が足りなくなると言うのがある。
このため、メンテや修理は式主が行うリース契約した式神が必要なので、リース契約する式主が居なくなりかねない問題には厳しく対処している。
「そもそも、今回問題になってる相手は、幹部方という訳でもないのに、横紙破りのレンタル契約無しでそっちの式神を連れ歩いてるそうじゃないか、
そっちの方がおかしいだろ。」
「諸般の事情がありまして、
あれに関しては事務方全体の決定であり、問題ありません。」
ただこの辺の事は、ブラックカード持ちとの契約の話になる。
同志の個人情報保護は事務方の義務だ。
だから、来て欲しかったんだけど、あいつはまだ寝てんのか、寝不足しすぎだろ。寝坊助
心の中で毒づく。
本人が契約について言ったり、本人の許可を得て契約について話すなら、問題ない。
「そりゃ、色々あるんだろうけど、
傍からみれば不平等に見えるから、あいつらがああやるのも仕方ないだろ。
それで俺を呼び出して止めさせるとか、止めさせられなかったらダンジョンから追い出すとかはやりすぎだろ。」
色々あると分かってるなら黙って聞けよと思う。
こいつは、レベル30オーバーになって調子に乗ってるらしく、転生者の低レベル勢を努力不足とどこか軽く見てる。
そのくせ、現地人の身内の"努力している"勢には優しい。
・・・傍から見て、周りの現地人にヨイショされて親分気取りで調子に乗ってるようにしかみえない。
しばらくそんな感じで、実りの無い会話を続けていると、会議室の外が騒がしくなって、ドアが開いた。
「すみません。遅れました。」
会議中とのことなので、ゆっくり入る。
顔なじみの事務員とパンクな格好をした転生者・・・こいつが連中のケツ持ちらしい。
がいた。
「この人は?」
「話題になってた相手ですよ。」
「どうぞよろしくおねがいします。」
頭を下げる。
日本人の性か向こうも軽く会釈するが、どこか軽く見てる様に感じる。
まあ、レベル30オーバーからみれば仕方ないか、
「ところでなんとお呼びすれば?」
「健(たける)だ。峰口健、」
峰口・・・?
確か・・・
「あ、峰口さんですか?
桜ちゃんの調子はどうですか?
問題ありませんか、」
とりあえず、最初の話し合いの取っ掛かりとして、穏健な話から入ろうと以前依頼されて作った式神の話題を振る。
「いぇっ!?
な、何のことだ?」
「木之本桜ちゃんですよ。
あれ?式神量産部門の方に、オーダーメイドで発注かけてませんでした?
あの子の製造担当したの僕なんですよ。」
仕様書に書かれていた内容を記憶から引っ張り出す。
「そ、そんなことはしらんな。」
明らかに挙動不審になった。
「あー、カスタムで名前変更しましたか、
ほら、【家事】とか、【育児】とか、付けた・・・」
「ワーワーワー!!」
狂ったように叫びだす。
「分かった!分かったから!あいつらにはしっかり言って止めさせとく!
あいつらが迷惑かけて済まなかった!
俺は帰る!」
「あの、桜ちゃんの調子は・・・」
問いかけを無視して峰口は去っていく。
そして、同胞とはいえあの明らかに不良な雰囲気の男の対応がきつかったのか引き攣った表情を浮かべた顔なじみの事務員に向き直る。
「もう話し合いは決着寸前だったみたいだな。
僕が来ることは無かったか、」
「・・・お前さ・・・流石にえげつないだろ・・・?」
「?なんのことだ?」
首を傾げる。
「いや、いまの奴の式神の話・・・」
「それがどうかした?」
いつになく、こいつが何を言ってるのか分からない。
「いきなり脅すのはないだろ・・・」
「脅す・・・?
会話の枕詞みたいなもんだろ、
お前と会うときも、お前の式神の様子聞いてるし、
ほらワイって式神作ってばっかだから、共通の話題となるとどうしてもその辺になるし、」
その辺、わりと自分の専門外のことで気軽に話しかけて来た挙げ句、泣きついてくるこいつはわりとすごいと思っている。
「・・・知ってるか?
あいつ独身だぞ。」
「コンプラ的に言って良いん?それ、
まあ、だろうなとは思ってた。
本人のいないとこでは本人の式神の話を吹聴したりしないけど、特性的に、独身っぽかったからな。」
仕様書通りバブみの特性が出て、癒やされる様に調整したスライムを降ろした。
「・・・ジントの時もそうだったけど、もしかして作った式神を全部覚えてるのか・・・?」
「ああ、魔界に仕様書の記憶保持して潜らないといけないから、嫌でも記憶に刻まれるし、
そもそも式神作るための術式作るには知のステが必要だし、作ってると自然と知のステが上がってくるから、どの製作工程でも仕様書見て担当した人なら薄っすらとは覚えてるんでね?
部長は、ウチに来た仕様書全部に目を通して覚えてるみたいだけど、」
部長の有利な立場取り好きにも困ったもんだと笑う。
しかし、笑うどころか、強張りを通り越して恐怖すら浮かべ始めたのを見て、失敗だったかと思う。
「そも神主もそうだろ?
あれだけ面倒見が良いのは知のステが高くて、みんなを意識していられるからだし、そも神主に神主式神作ってもらった時点で、式神の特性把握されてるやろ。
それが嫌なら何名かでアップグレードを重ねて、特性をバラけさせれば良いし、
おすすめはしないけど、
というか、式神の持ってるスキルとある程度の特性傾向なんてハイ・アナライズで一発だろ。」
所詮はその程度だ。
根本的に、利用しようとしても調査抜きで一手早く動けるだけで、メリットは薄い。
そう言われてようやく落ち着いたのか、余裕を取り戻す。
「でも、相手に性癖把握されてるってのはきついと思うぞ・・・」
「基本そんなに思い出したりなんてしないし、
そも、生産者としては誇りを持って依頼者の性癖を認めて具現化したんだから、
依頼者も自分の性癖を変に恥ずかしがったりしなければええのに、
お前らが認めた俺の性癖だ。ってね。」
そもそも、その式神が作り出された時点で、依頼者の性癖は他人に認められてる。
「そもそも、お前もそうだろ?
未覚醒でも"サーニャ"が欲しくて欲しくて、
できたとしても、ろくに動けないで自分で面倒見ないとしても、それでも良くて、それを僕は認めた。」
まあ、根負けさせられたという方が正しい気もするが、
「それに、自我目覚めるタイプだと、式神にとっても自分が式主にとって恥ずかしいものであるってのは、
結構負荷になるから、自我持つタイプ運用するならその辺の覚悟決めといた方がええぞ。
まあ人格傾向の調整でどうにかなる話だから、アップグレードか発注の時、隠しておきたいと書いたらそう対応するけど、」
「・・・さすがに性癖露出プレイ全肯定なのは引くわー」
「おい。」
自分の説得作業を楽に終わらせるため、関係者とはいえ、非事務方を自分から誘って同席させたとして叱責を受けているバカを尻目に部屋に戻る。
レベル30オーバー対策に持っていた使うと存在が傾く護身用の各種装備や護符を外し、
いつもの釘バットとモスバーグM500ショットガンに切り替える。
釘バットは、たまに頭を尖らせた釘が何本も滅茶苦茶に相手に深く刺さって、相手が動けなくなる事があり、そのまま捻ったり持ち上げて叩きつければダメージになるので、変な安めの刀剣よりも妙に便利である。
まあ、ある程度レベルが無いとその力を生かせないが、
・・・改めて見ると、ショットガンに釘バット、軍帽に防弾チョッキとは一体どこの世紀末ヒャッハーだろう。
「行きますか?」
装備を整えたニーナが言う。
白と緑のセーラー服、それに左腰のガンホルスターは同じだが、さらに左腰に丸めたクイーンビュートを着けている。
・・・ベルトごと少しスカートが左側にズリ落ちて、へそが見えているのが艶めかしい。
「ああ、」
COMPの位置情報によれば、まだ連中は4階に張っているらしい。
しばらくすりゃ、さっきの同士に怒られて消えるだろうと、効率は悪いが一個上の3階層でレベル上げを行う事にする。
未だにレベルが上がる気配もないので急がなければ、
そう思って、エレベーターに向かう。
3階層をニーナに導かれながら歩く、
最初は走っていたが仮眠まで体力が持ちそうに無かったので歩くことにした。
地面がデコボコでなければ電動カート的なもので疲れることなく移動できて、さらに速度を上げれば、悪魔狩りの効率が上がる上、活動時間が増えるんだが、
と、堕落してるのかやる気に満ち溢れてるのか分からないことを考えつつ、出てきたノッカーの体に向けて雑に銃弾を叩き込む。
と、
「あれ?」
不意に自分が一回り大きくなった様な、今まで瞑っていた目が開いた様な、不思議な感覚がした。
これは・・・
「レベルアップした?嘘!?」
自分をアナライズすると、確かにレベル8になっていた。
力や魔力、知力のステも上がっている。
「おめでとうございます。
なにか変な事でもありましたか?」
「いや色々おかしい。」
レベルアップとは、経験値がギリギリまで貯まっていたから、ノッカー一体分の経験値でレベルアップしたというモノではない。
一応レベルアップという区切りこそあるが、小成長をポツポツ行って、それがある程度に達すると、レベルアップという数値として現れるというものである。
そもそも、レベルという代物自体、ガイア連合がポツポツ行われる成長の一区切りとして決定している基準であって、細分化しようと思えばもっとできたりもする。
なので、レベルが上がる前には、そろそろレベルがあがりそうだなという感覚がするもので、
だからこそ、レベルが上がる気配すらない現状に焦ってもいたのだが、今回は一段飛ばしでレベルが上がった。
「というわけなんだよ・・・どういうことだ?
悪魔になりかけてる影響か?」
「【探知】では悪魔にちかくなった、という感じはしないですね。」
COMPをみると存在の傾きは完全に緑に振り切っていて、悪魔への成り具合46.0%とレベルアップの影響で1%以上下がっている。
似たような事例がないか思い出してみる。
確か・・・
「初期の頃ノーメンテの式神をメンテして戦わせたら、すぐレベルが上がったって話があったな・・・」
メンテをしていなかったお陰でせっかく式神の存在の格自体は上がって、成長する余地があっても式神を構成する要素同士が干渉しあって不協和音を奏でいて、成長が阻害されていたという事例がよくあった。
こうなると、メンテや改造無しでどうにかしようとすると、自然調整に任せて、やたら時間をかけてレベルアップするか、大物食いして一気に存在の格を上げて、要素の成長より早く要素同士が干渉しないように式神の器の格自体を拡張してレベルアップするかのどっちかしかなく、
その辺を調整してやるだけでアップデートと言い張れたあたり、当時は緩かったなと思い出す。
今では、式神にオートアップデート機能がついたのでそこまで極端なことになることは少ないが、自分が式神の過剰なメンテを行う理由の一つである。
「僕は自分の体のメンテをやっていなかったということか?
でも霊薬はこないだ飲んだし、今日の分はまだ飲んでないし・・・」
呟く。
「ねむってなかったから、じゃないですか?」
「うーん・・・」
その可能性はあるが、霊薬で体は直せる以上、関係なさそうに感じる。
・・・専門家に聞くか、
「・・・で、それが理由でこんな時間に尋ねて来たわけ?」
「一応まだ診療時間ですし、」
「それはそうだけど、」
山梨第一支部に一旦戻って自分の担当医の元に行く。
かなり珍しい症例なので担当医がついて、経過観察して医療データを取ってレポートとして纏めることになっている。
レベル上げを放置していくのには抵抗があったが、このままやっても上がらない可能性が出てきた以上、なんとなくでレベル上げを続ける訳にはいかない。
加えてレベルアップしたら一度来て、様子を確認したいと言われたので、どっちにしろ来ることになっている。
「レベルアップ前後のステータスの育ち方見たけど、確かにだいぶ変な育ち方してるね。」
「やっぱり変ですか?」
「ああ、悪魔化が原因の可能性もあるけど、」
「悪魔化のせいの可能性もあるんですか?」
「もちろん、悪魔化に抑え込まれていた人間因子が成長したことで、それが外れたということも考えられるね。
いや、やっぱりそれはおかしい、それならもっと人間が強くなってるはず。」
目の前のタブレットを操作しながら担当医は呟く。
そうして、目を上げてこちらを見る。
「君はかなり特殊な例なんだ。
レベルアップしたいなら装備を整えて相性が良い格上と戦ってレベルアップするのが効率が良いのにもかかわらず、同レベル帯の相手と戦わなければならない。
実際に転生者が君のようにぶっ続けで戦ってレベリングした例もあるけど、それは基本的に格上相手で、同レベル帯でのレベリングを、ロクに眠らず長時間行った事例は少ないんだ。」
「採集系ではどうですか?」
「・・・確かに採集系ではあるね。
確かに採集系では・・・ちょっと待って、」
タブレットに目を落とし、何かを調べる。
「・・・確かに、採集系でオーバーワークしていると成長効率が悪い・・・かな?
あとなんだこれ?適正レベルより低レベル帯でのオーバーワークレベリングが少しある?」
「そこまでデータあるんですか?」
「その辺はまあ、」
言葉を濁す。
・・・どこまで医療班は個人のステータスや成長のデータ持ってて共有してるんだ・・・?
式神の製作時のデータしか持ってないワイなんかよりよっぽど恐ろしいわと、心の中のバカに呟く。
「君程じゃないけど、オーバーワークした結果、大怪我して運ばれてくる患者が多いからね。
それで怪我が治ったらまた同じことやって、大怪我ってパターン。」
どこか言い訳するように言われる。
「・・・なるほろ。」
それは分かる気がする。
「でも式神のメンテ=人間の睡眠&休息という君の仮説は面白いね。
適当に研究室に投げようか、」
「雑にレポート書きたいので、某薬あたりの起きながら頭の機能を眠らせられるスマートドラッグくれません?
今までのデータと、それ使ったときと、寝た時で対照実験がしたいので、」
「・・・ここまで堂々と医療倫理的にアウトなこと要求する患者初めて見た。
医療行為ではなく実験といえば許される訳ないでしょ。」
「やっぱり駄目ですか、」
駄目元で聞いたがやはり駄目か。
大きくため息をついて主治医はこちらの目を見てくる。
「あのさあ、好き放題に体使い潰して、それで体が悪くなったら霊薬やら医療で帳尻合わせようとする思考やめなよ。
そりゃあ、自分も結構霊薬飲んでるけどさ、
でも、使う事前提で、無茶を無茶とも思わず体を進んで使い潰しにかかるのは絶対におかしい。
まあ、ずっと君のソレに依存してた僕らの言えることじゃ無いかもしれないけどさ。」
そう言って、主治医は彼の式神を見る。
七瀬恋、自分も名前しか知らない古いエロゲのキャラの式神、
SSと仕様書で初めて性格傾向を知った。
緑色の優しげな瞳に長い艷やかな赤茶色の髪を大きな白いリボンでポニーテールにしている清楚そうなナース服の少女、
医療行為の補助のため外見に合わず力を強めにして、チャクラウォーク、ディアラマを入れてある。
この子のスライムを降ろしたのは自分だ。
この間、来たときに主治医にこの子の調子を聞いたところ特に不満や問題は無いらしい。
医療班では、医療班の医療業務で使う式神であり、本人がいない時、他の班員が医療業務で使うことを許可するなら、個人式神の購入費用の一部を負担してくれる制度があるので、それを使ってウチからもそれなりの数の式神を買っている。
「どうかしましたか?」
急に注目されて戸惑ったのか、少し慌てた様に彼女が言う。
「いや、何でないよ。」
「そうですか?」
そして主治医はこちらに顔を戻す。
「霊薬や医療で直せるなら、使い潰しても問題無いのでは、」
「治せなかったから、こんなことになってるんでしょ、」
「それはそうですね。」
ぐうの音も出ない。
「ガイアやってると、自分のパラメータが上がっていくのに夢中になったり、仕事が多すぎたり、自分の理想を叶えられると夢中になって、霊薬がぶ飲みしながら爆進する人多いけどさ、
実際に君の件で、霊薬に依存した現状のやり方を続けてると予想外の所でしっぺ返し食らう可能性が取り沙汰されてるんだ。」
「かなり自分は特殊例でしょ?」
降霊しまくってゾンビ化なんて人が多いとは思えない。
「それでも、オカルト的な医療には分かっていない事が多すぎるんだ。
その辺無理に技術でできるんだと、やろうとすると予想外の所に歪みが出る。
君のレベルみたいに、
だから研究が整うまでは、変に医療や技術でどうにかしようとするのはやめた方がいいよ。」
「じゃあどうすれば良いんですか!
355日後までにレベル30までいかなきゃいけないんですよ!」
思わず叫ぶ。
「医者的には維持できる規模まで式神を封印して休め、と言いたい。
が、それは嫌なんでしょ?」
「ええ、」
「だったら、自分で考えて、
体を使い潰さないという条件を付け加えた上で、
いつもやってるみたいに、観察して研究して知識総動員させて、裏かいてなんとかなる道を探して、
それが僕らガイア連合後方組でしょ。」
「・・・」
「今回みたいにちゃんと相談には乗るから。」
「分かりました・・・
とりあえず対照実験として休憩有りで次のレベルまでやってみます。」
「うん、それで良い、
どの程度休めば良いかの目安は、後でざっと概算して送るから、」
「・・・ありがとうございます。」
そう言って、席を立つ。
「お大事に」
「ありがとうございました。」
席を立って出ていく。
「あの人は、ちゃんと聞いてくれるでしょうか?」
"彼"が去った後、七瀬恋は呟く。
「多分聞いてくれると思うな。
なんだかんだで、専門家の意見はちゃんと聞くし、」
「そうですか、良かった。
治した患者がまた患者として運ばれてくるのは悲しいですからね。」
「それもまた、医療側としてのエゴなんだろうね。
実際問題として、一部のガイア連合員を酷使しないと回らないほどガイア連合が対処しなければならない仕事は多くて、各各、終末までにやっておきたい事、やらねばならない事が山ほどある。
それより、僕達の仕事を優先させろといえるのかと時々思うんだ。」
そして彼らのブラック勤務に自分達、医療班は依存している。
その事実につい苦笑が漏れる。
「でも、それで取り返しの付かない事になって、結果的に本人の仕事や、やりたい事ができなくなってしまったら、本末転倒ですよね・・・」
「ああ、そうだな。」
自分の式神、七瀬恋に、改めて人を癒やす事の根幹原則を説かれ、どこか自嘲的になっていた思考を振り払う。
「さて、次の患者を呼んで、」
「はい。分かりました!」
「どうすっか・・・」
暗めの猫バスの中で呟く。
この猫バス型式神は、終末時に複雑な機械が使えなくなることが予想されているので、終末が来ても使える公共交通機関として有志が集まって作った。
今では交通機関として山梨支部内を元気に何匹も駆け回っている。
終末時には装甲を取り付けて猫バス戦車という名状し難いものにするという計画もある。
どう考えても、猫バス戦車じゃなくて猫バステクニカルだろと言ったが、妙な拘りがあるらしく却下された。
一緒にいたニーナは行きのときと同じく、楽しそうに外を見ている。
これを車と言って良いのかは分からないが、車に乗ったこと自体ほとんど無いので、楽しんでいる様だ。
もう暗いのに外見て楽しいのかな?とも思うが、眼球自体人間より強力なパーツを使っているので、明るく見えているのかも知れない。
ちらほらと不思議な光が窓の外に見える。
イヌガミか何かの悪魔だろうか、
「様子を見て判断・・・する余裕があるかなぁ・・・」
呟く。
だが、がむしゃらにやってもうまく行きそうに無いのも確か、
「アノ・・・」
「どうしたの?」
いつの間にかニーナがこちらを向いていた。
「私達は、あるじさまのためなら封印されてもいいです。」
「ありがとう。だけど、僕が嫌だ。」
「でも・・・」
そこで、息を飲んで言う。
「むちゃなことを続けたら、あるじさまが大怪我をします。
それは、嫌、です。」
「・・・」
主治医の言葉に感化されたか、
しかし、そこではっと何かに気付いたように目を開く。
そしてどこか必死な口調で語り始める。
「実際に毎日のように遅くまで潜っている人はいます。
でも、そういうことをしていると、その内大きな怪我をして、来なくなってしまいます。」
自分の経験と結びつけて自分の判断で式主に説得を始めた。
このタイミングで成長したのか、
「そうか・・・」
ニーナの成長を否定したくはない。
だが、レベル上げはしなければならない。
どうしたものか・・・
「ニーナ、その人たちって本人のレベル帯よりも、かなり深めなところ潜ってなかった?」
「それは・・・そうでした。」
「僕は、適切なレベル帯しか行けないし行ったとしても何度も行けないから大丈夫だよ。」
説得にかかる。
「・・・でも・・・」
「そういえば、」
ふと、気づく、
「無茶をせず、自分みたいに適切とされるレベル帯潜って、レベル上がったところから二週間以内でレベルアップしてる人達っていなかった?」
そう言われて、少し考える様にニーナは首を傾げる。
「いました。」
「ブラックカード持ち?」
「持ってる人もいない人もどっちもいました。」
「その人達がどんな感じで戦って、どれ位、どの深度の異界に潜ってたか、分かる?」
「ハイ。」
そこでニーナに理解の色が浮かんだ。
「それじゃあさ。」
なんで自分はもっと早くこの多くの初心者異能者をサポートをしてきた自分の式神に聞かなかったんだろう。
いや、以前の成長状態だと聞いても質問の意図を理解できなかったか、
「僕のレベル上げためのプラン、一緒に作ってくれない?」
「ハイ!」
頼られて嬉しい、というようにニーナは満面の笑みが浮かべた。
ドン!
ショットガンの発砲音とともにゾンビの群れの前列が火達磨になる。
再びハンドグリップを動かし、火炎弾を装填、さらに発砲。
もっとレベルが上がれば、存在の格の差でダメージが増えて、ゾンビの弱点属性の火炎弾を使わずとも、一撃で倒せる様になるだろうが、まだそこまでには至らない。
音を聞きつけたのか、探知の反応からこちらに向かって新たな群れが来ているのが分かる。
「!カハクが二体混じってます!」
ニーナが声を上げる。
厄介な、カハクは火炎反射を持ってるから火炎弾を使うとこちらに跳ね返ってくる。
かといって・・・
「ブフ」
魔法を唱えると同時に群れの前にオレンジ色に揺らめく炎の壁が現れ、ブフの氷をかき消した。
間に合わなかった!
カハクの氷結を無効化する【炎の壁】である。
バンバンバン、
ニーナが、赤い肌をした小さな妖精という感じのカハクに向けて銃を撃つ、
銃弾を撃ち込まれたカハクが崩れ落ちる。
と、残る赤い妖精の目の前で火球が生じる。
まずい、アギが来る!
「あるじさまっ!」
ニーナが射線に割り込むのと同時に火球が放たれ、ニーナに直撃する。
「っ!」
本来の式神だと火炎に弱いので、火炎耐性を持たせてあるが、自分にできるのは火炎半減程度なので、ダメージを受けてしまう。
一応ニーナのセーラー服は火炎耐性だがニーナ自身の耐性と合計してダメージを1/4程度まで減らせるだけで0にはならない。
炎の壁はまだ消えない。
その後ろから無数のゾンビが迫って来ている。
これはできるだけやりたくなかったが・・・
「ムド」
なんとも言えない胸が詰まったような手応えを感じた。
通った。
呪殺であるムドは上手く行けば一撃で倒せるが運が悪いと効かないのでできるだけ使いたくは無い。
炎の壁が揺らいで消える。
そうして向こうからゾンビの群れがぞろぞろやってくる。
ドン!
それを火炎弾でまとめて吹き飛ばす。
「ありがとう!大丈夫か?ニーナ」
「大丈夫です!まだまだ行けます。」
以前のニーナを借りた客の話を聞いて浮かび上がって来た適切な休憩のとり方と、戦い方、そして狩り場、
ここは、いくつかの悪魔の通り道が交差する場所で、ここで戦っていると、戦いの音を聞きつけた悪魔がひっきりなしに現れる。
以前は手軽に攻撃できる探知した悪魔を探して奇襲をかけて・・・という風に戦っていたのと比べると格段に効率が良い。
ただ、その分、先手を取りづらいので僕を庇うニーナへのダメージが増えている。
それもあって、自己判断で回復するように言ってあり今の所ちゃんと自己判断に基づいて適切に回復しているように見える。
幼女に庇われるのになんとも思わない訳も無いが、これも式神の役目であり、
自分で受けて、下手に魔術で治しても後遺症の残るダメージを負うと存在がゾンビに傾く霊薬を使わなければならないので仕方ない。
その分、帰ってからの修理とメンテは存分にしてやろうと心に決めつつ、やはり無事か心配になってニーナをちらちら確認する。
・・・とりあえず、布系の防具なら何でも制服風に仕立て上げてくれる技術部防具製造班の物理、火炎耐性の制服はあちこち汚れてはいるものの、破けたり穴が空いたりはしていないようだ。
これほど攻撃が当たるなら盾でも持たせておけば良かったとも思う。
だが霊装として篭手と干渉する上、最重要ステータスである素早さが下がるのもあって盾はあんまり売ってないんだよなぁと思い出す。
良くも悪くもこんなふうに待ち構えて戦う場合でもない限り、篭手の方が都合が良い。
これは今後の改良点か、そんなことを考えながら、探知に引っかかった次の群れを迎える準備をする。
「はぁ・・・はぁ・・・」
荒く息を吐く。
MPは空っぽ、手には釘バットを握っている。
以前は、MPを使ったり近接攻撃する位なら銃で戦っていたが、ニーナの話から、単一の攻撃法で戦うより、自分の特化属性、つまり自分だと魔術を主として使いつつも、他の戦い方もやった方がレベルが上がりやすいということが見えてきて、疲労が溜まりにくい銃をメインにしつつも、近接攻撃も行い、絶対に魔法でMPを使い切るようにしている。
以前は体力回復の霊薬を飲める頻度を上げるために、魔法をできるだけ使わず一日一回の許可は出ていたMP回復霊薬を控えていたが、毎日限界まで魔法を使った方が自分にとってレベルアップ効率が良い可能性が出てきた。
「これくらいで引き上げましょう。」
「魔力は尽きたけど、まだ行けるぞ。」
「レベルが上がった皆さんはこれ位で引き上げていました。」
「そうか、わかった。
ところで何回も攻撃受けてたけど大丈夫?」
「ハイ、ディアで治しました。」
先程まであったカハクのアギの火傷痕や、ゾンビの噛みつき痕は完全に消えていた。
・・・ハーピー?
銃撃弱点の、近づく前に落ちるボーナスですね。
五階層までは、一階層と同一の悪魔が出るとはいえ、出てくる悪魔は大量のゾンビにハーピーとゾンビドックたまにカハクとノッカーと言った具合で、ガキは見たことが無い。
ニーナに聞いたところ、たまに出る上、低レベルが遭遇したら攻撃力とクリティカル率の高さに加えて銃撃反射で全滅することがあるので、FOE扱いらしい。
ガキパトまで実装しなくても、と思ったがこの異界の性質上、自然湧きするらしい。
基本まともなグループなら、運悪くクリティカルを受けた人が死ぬことはあっても全滅する事はまずないので、適切な緊張感を与える敵として放置されているらしい。
・・・正直、ガキがFOEww
的なノリで放置されている気もしないではないが・・・
そんな事を考えつつ、この狩り場から離れる。
「お疲れ様です。」
狩り場が空くのを待っていたらのか、さっきからこちらを見ていた現地人異能者に声をかける。
・・・何故か引いた表情でこちらを見ている。
どうかしたのかなと思いつつも、さっさとエレベーターまで向かう。
「あっ・・・」
式神台の上で、白い背中を晒したニーナが啼く。
ダメージを受けたところを中心にダメージとその回復時にできた歪みを解消していく。
いくら盾になったからといっても、こちらに来たときに直した時程の内部ダメージは無く。
当然、自分の体から作った補修用の式神素材を使う必要はない。
それでも、彼女が傷つくような使い方をして傷ついた分、自分が流した血や切り取った肉から作った補修材を使いたくなってしまうのは、単なる自傷的な自慰だなとか思いつつ、使おうとしたところでふと考える。
自分がニーナをそういう目的で使うのは別に良いとして、これはニーナという式神にとって、或いは自分にとって悪い事では無いのか?
・・・
「あるじさま?」
メンテが止まったのに気になったのか、頬を赤らめながら、少し潤んだ青い翡翠の瞳で、こちらを振り返って、誘う様にこちらを見つめてくる。
それを見ると、この美しい少女の式神を自分で染めたい思いがむくむくと湧き上がってくる。
それを抑えて考える。
ニーナの式神素材的には誤差レベルなので、ニーナの固有特性が育ちにくくなったり逆に目に見えて強化されるということはない、
ただ、自分にとっては、この程度で補修材を使っていたらキリがなくなるので、使うという判断は合理的には間違っている。
だが・・・
「あっ、あるじさまの・・・」
「・・・」
欲望に負けて結果的に使う事にした。
多分何かしら特別な事がないと次はやらないと思いながら、
「済まなかったな。今日は乱暴な扱いして、」
ニーナと致した後、隣で裸になって横になっているニーナに声をかける。
「?乱暴でしたか?
むしろ、いつもより優しかった、です。」
キョトンとした無垢な表情で聞いてくる。
「そっちじゃない。
今日の戦闘のこと。ダメージ多かったろ?」
これぐらいのレベル帯では、前衛として盾としても使えるように作ってあるが、根本的にニーナは後衛向けである。
「なんで、あやまるんですか?」
「僕があやまりたいから、まあ、ニーナは気にしなくていいよ。」
式神として、悪魔として、大して気にしていないだろうことは分かっていた。
だが、自分が言いたいから言う。
「私は、あるじさまを守れて、うれしかったです。」
「そうか・・・ありがとう、ニーナ。」
この辺りの式主の欲求を受け入れつつも、式神自身の思いをもって人型をしているものを式神として使う上での罪悪感を薄れさせるのも式神の仕様である。
そう願い、そう作り、そう愛した式神の人格の指向性、あるいは式神の魂の形。
しかし、ニーナは自分の怪我に関してはあんまり気にしないのに、貞操や自分の役割に関しては気にするあたり、我ながら歪な人格を作ったなと自分のエゴを突きつけられる。
・・・あるいは、自分の心の鏡なのかもしれないが・・・
少なくとも性癖の鏡ではある。
月明かりに浮かんだニーナの金の髪を優しく撫でながら、そんなことを思う。
山梨第三支部初級一般連合員スレ 25
254 名無しの一般連合員
幼女を盾にするってどうなんだろ?
255 名無しの一般連合員
通報しました。
256 名無しの一般連合員
何か悪いのか?
257 名無しの一般連合員
これだから元一般人は・・・
258 名無しの一般連合員
その手の見かけに基づく倫理は捨てた方がいいぞ。
259 名無しの一般連合員
盾にしてでも成し遂げないといけない事もあるよ。
放置してるともっと死ぬ時とか、
後々夢にうなされても、
260 名無しの一般連合員
あ、いや、鍛錬用ダンジョンの4階で幼女盾にしてる男がいたからさ、
261 名無しの一般連合員
その子の方がレベル高いなら普通やろ。
262 名無しの一般連合員
組んだ相手が幼女で、こんな子供が危険なオカルト依頼なんて・・・
と思ってたら、全身整形したブラックカード持ちだった件、
眼の前でボロカスに悪魔倒して行く後ろで神経弾を連打するワイ
263 名無しの一般連合員
幼女に庇われるのを恥と思ってるようではまだまだ。
ワイなんて、退魔師の家にもかかわらず最大レベルが4で、なのに娘はレベル6で、親なのに守られてるヒモやぞ(泣き)
264 名無しの一般連合員
親の威厳まるで無し
265 名無しの一般連合員
おめでとう。君の家は安泰だな。
266 名無しの一般連合員
は?
子供がそこまで行けるなんて羨ましすぎるんですけど、
やっぱりブラックカード持ちの子を孕むしかないみたいね。
267 名無しの一般連合員
嫁にください。
ウチの一族で大事にしますから、
268 名無しの一般連合員
ぜってーやらん
269 名無しの一般連合員
そんな幼女のことを話してると里長がくるぞ!
270 名無しの一般連合員
ひっ!
271 名無しの一般連合員
幼女幼女詐欺師の話はやめろ
272 名無しの一般連合員
最近はロックオン対象が出来たのか、被害は無くなってるから安全やぞ。
273 名無しの一般連合員
なら安心だな!
274 名無しの一般連合員
でも、セーラー服の制服で防具も無しな一方で盾にしてる人はサバイバルベストと言う名の防弾チョッキのガチ武装だったからなぁ・・・
275 名無しの一般連合員
サバイバルベストがガチ武装w
276 名無しの一般連合員
陸軍と海軍でどっちも軍服だな。ヨシッ!
277 名無しの一般連合員
>>275
意外と馬鹿にしたもんでもないぞ。弱点耐性ないから
278 名無しの一般連合員
鍛錬用ダンジョン向けの火炎、物理耐性用布防具を制服に仕立て上げた奴でね?
たしかその手の仕立て変えのサービスあったし、
279 名無しの一般連合員
これで学生服着てコスプレしても防具と言い張れる
と思いきや高えよ!?
280 名無しの一般連合員
低ランクの異界攻略が楽勝になる位の代物だからしゃーない。
中ランクでも通じるし、
281 名無しの一般連合員
低ランク(別に低く無い)
282 名無しの一般連合員
低ランクってレベル10相当までだからなぁ。
ぶっちゃけ家宝になるレベル。
283 名無しの一般連合員
家宝がセーラー服って嫌すぎる。
284 名無しの一般連合員
なお、そんな代物を好き勝手カスタムオーダーするガイア連合
285 名無しの一般連合員
代々当主はセーラー服を着て退魔仕事を行う家って嫌すぎるわ・・・
286 名無しの一般連合員
セーラー服はまだマシだろ!?
ウチなんて、技術部の知り合いから、知り合いが試作品で作ったけど性能イマイチだったからと譲ってもらった、呪殺地変反射付きバニースーツが家宝になりそうだぞ!
287 名無しの一般連合員
よこせ
288 名無しの一般連合員
羨ましすぎる件
289 名無しの一般連合員
呪殺される危険性が無くなるどころか
反射までするとか、
地変系使う奴も多くはないけどぽつぽついるし、
290 名無しの一般連合員
こうして>>286の家はバニー退魔師の家となりましたとさ
291 名無しの一般連合員
どっかのエロ本みたいだな。
292 名無しの一般連合員
やめろ。確かに精神神経弱点だからあっさり洗脳されちゃいそうだけどさぁ・・・
293 名無しの一般連合員
>>292
弱点耐性晒すとか馬鹿か?
削除してもらってこい。
294 名無しの一般連合員
あ、はい。
295 名無しの一般連合員
俺のログには何も無かったな。
296 名無しの一般連合員
さて話戻して、あそこの鍛錬用のダンジョンの4階層くらいだと、基本簡易式神での【探知】からの敵を選んで優位な位置取りからの奇襲で方がつくから、立ち回り覚えたら、あんまり攻撃受ける機会無いんだよなぁ。
297 名無しの一般連合員
つくづく簡易式神の【探知】が意味不明なレベルで便利過ぎる。
あれ無しでの探索とか、恐怖しか無いわ。
それを5千〜数万円程度で売ってるとかさぁ・・・
298 名無しの一般連合員まま
簡易式神があれば、みんな見えない悪魔に怯えながら一方的に死なずに済んだのに・・・
299 名無しの一般連合員
でも、無傷で済む数の敵選んでたら効率悪くね?
多少ダメージ負ってもいける量の群れなら行っちゃうけど、
300 名無しの一般連合員
そして嵩む傷薬費
301 名無しの一般連合員
ガキ「やあ」
302 名無しの一般連合員
負けそうになって逃げ出したせいでここが何処か分からない!
傷薬も尽きた!
303 名無しの一般連合員
【探知】だと種類不明なの本クソ
304 名無しの一般連合員
やった一体だ!→ガキ&クリティカルで仲間死亡&蘇生費用で揉めて放置
というテンプレ
305 名無しの一般連合員
でも6階層より上の方行くと、怪我しないとか言ってられなくなるからなぁ。
その前に、慣れといた方が良いのはほんと
306 名無しの一般連合員
悪魔を倒さないと上がらないレベルはしゃーないけど、異界を精神や技術の鍛錬場にするのは間違ってるぞ。
その辺は迷宮に入る前に整えとけ、
306 名無しの一般連合員
鍛錬はなぁ・・・
307 名無しの一般連合員
いやその人、4階層の無限湧きポイントでその子を盾にしながら戦ってた。
308 名無しの一般連合員
あの、デストラップかよ!?
309 名無しの一般連合員
いくら倒しても次から次へと音を聞きつけた悪魔がやってくるあそこか、
それっぽいところが各階層何箇所かあるんだよなぁ。
310 名無しの一般連合員
レベリングかな?
さすがにそれは酷い。
311 名無しの一般連合員
逆に、その子による男育成なんでね?
強い人が才能有りそうな人を育てるのって良くあるし、
312 名無しの一般連合員
それなら、先の5階層で強敵に先制した方が効果的でね?
レベリングで、長々上の階層で戦い続けるのってあんまり無いし、
313 名無しの一般連合員
式神レンタルのレベリングでもそんな感じだしな。
314 名無しの一般連合員
ちょっと違和感があるんだけど、
あの辺の適正レベル帯の退魔師がそんなに長々連続して戦い続けられるの?
高レベルならまだしも、
315 名無しの一般連合員
高レベルだったら、そもそも庇われる必要ないし、適正でね?
ワイもあの辺だけど、盾用式神借りて無理すればできなくもないと思う。
なお、事故が起こっての式神修理費
316 名無しの一般連合員
いや、あんまり効率良くないけど、高レベルとぶつかるより安全取りたい人だと、ガチガチに対策装備して安全確保した上で、適正レベルより下のああいう場所使って鍛えることはそれなりにある。
だいたい5階層からだけど、
というか6階層になったら一気にキツくなるんじゃ!
317 名無しの一般連合員
悪魔の種類がガラッと変わって、全体攻撃とか状態異常持ちが出てくるからなぁ・・・
318 名無しの一般連合員
レベル÷2の小数点以下切り上げが適正階層だし、実際の異界でも適正レベル10の奴を超えるとそういうのが来るからなぁ・・・
319 名無しの一般連合員
初級スレなのに中級者が居ますね・・・
320 名無しの一般連合員
精液頂けませんか?
言い値で買います。
321 名無しの一般連合員
私は女だ。
321 名無しの一般連合員
チッ
322 名無しの一般連合員
同業者に精液提供とか怖すぎんよ。
323 名無しの一般連合員
それはとにかく、その子大丈夫だった?
324 名無しの一般連合員
ディア使ってたし、特には気にしてなさそうだった。
あと、その子の方が目上って感じはしなかったな。
むしろ下だった。
325 名無しの一般連合員
幼女を配下にして盾にするとか酷すぎる件
326 名無しの一般連合員
流石に鬼畜
327 名無しの一般連合員
・・・なあ、その子、人型式神でね?
328 名無しの一般連合員
分からん。
けど、幼女盾にするのは無いと思うぞ。
329 名無しの一般連合員
はい?
330 名無しの一般連合員
何言ってるんだこいつ
331 名無しの一般連合員
レンタルした式神を盾にするのは正しい運用だろ?
332 名無しの一般連合員
人型式神って、出来は精密だけど、根本はそこらの式神と同じで、耐性とか持ってるから、人間と同じく扱えんぞ。
333 名無しの一般連合員
でも気持ちは分かるわ。
以前は、式神レンタルで女型借りてたけど、庇われたときの罪悪感で、男型とかロボット型借りてる。
334 名無しの一般連合員
そうか?ワイは、女の子がダメージ受けると何というかこう、興奮するから、
女の子系の式神レンタルしてるぞw
・・・わざと無茶やって庇われてたら、女の子系は空きが無いと言われて、レンタルできる式神は筋肉達磨男型とかロボット型ばっかりになって、たまにあっても、マゾな性格な子ばっかり紹介されるようになったけど・・・
ぜってー、空きが無いとか嘘だろ。
335 名無しの一般連合員
残当
336 名無しの一般連合員
事務有能
337 名無しの一般連合員
レンタルで式神自身の意思も関わってるとか意外
338 名無しの一般連合員
どっちかってーと、事故防止でね?
そんな使い方して壊したら弁償は>>334行くけど、払えなかったり、修理終わるまで空くから、頑丈なの紹介してる感
339 名無しの一般連合員
つーか正気か?
もし、壊れたら弁償しなきゃいけないのに、
340 名無しの一般連合員
やるときの相手は選んで、
きつい相手の時は避けてるから大丈夫
341 名無しの一般連合員
なお式神にも避けられてる模様、
342 名無しの一般連合員
式神レンタルはデリヘルじゃないんだよなぁ・・・
343 名無しの一般連合員
従順だからってセクハラしたり、手を出そうとすると、開扉の実で地上送りにされて、そのまま罰則だからなぁ。
344 名無しの一般連合員
ところで、その子どんな子なん?
式神じゃなかったらさすがに寝覚め悪いし、
345 名無しの一般連合員
金髪で青緑っぽい目の子だったな。
346 名無しの一般連合員
セーラー服の幼女で金髪青緑目・・・
あっ、
347 名無しの一般連合員
もしかして、ニーナって呼ばれて無かったかその子?
それでおっさんの方の武器は、釘バットで
348 名無しの一般連合員
なんで地雷に突っ込んで行こうとするのかこれが分からない。
349 名無しの一般連合員
触るな。
多分奴らだ。
350 名無しの一般連合員
>>347
確か、そう呼ばれてたような・・・
男の近接武器は釘バットなのはそうだったな。
351 名無しの一般連合員
なんで答えるかなぁ。
そいつ、多分、ここの修練用異界で迷惑行為しまくってるDQN共だよ。
レンタル式神のニーナちゃんを付け回した挙げ句、借りるな、見たら教えろと脅してる振られ男とその舎弟だし
352 名無しの一般連合員
>>351お前覚えてろよ。
兄貴と会って無事だったら良いな。
353 名無しの一般連合員
あーワイも脅されたな。
連合の方でなんとかしてくれないかな。
354 名無しの一般連合員
>>353
レベル15にもいってない群れて粋がるカス共が私にナニするって?(レベル18並感)
355 名無しの一般連合員
ひえっ
356 名無しの一般連合員
>>354
・・・なんであなたこのスレにいるん・・・?
357 名無しの一般連合員
ここには一桁時代相談に乗ってくれてお世話になったから、相談があるなら聞こうと思って、
それに後ろ盾から後輩の育成任されてるから・・・ね。
358 名無しの一般連合員
レベル上限が高くてそこまでいけて、羨ましいなぁ・・・
本当に
せんとうしょくのこうげき!
せんとうしょくはごねた
じむかたに0のダメージ
じむかたのこうげき!
じむかたはせっとくした
せんとうしょくに0のダメージ
じむかたはなかまをよんだ!
こうれいキチがあらわれた!
こうれいキチのこうげき!
こうれいキチはせわばなしをした
つうこんのいちげき!
せんとうしょくはにげだした。
戦闘職:戦闘の専門家、戦闘力の使い方を知っている。
式神製造班:式神の専門家、作った式神のことを知っている。
医療班:人体の専門家、来訪した患者のことを知っている。
レンタル式神:サポートの専門家、どういう戦い方をしてどう成長したのかを知っている。
事務方:人材管理の専門家、上の奴らを特殊召喚できる。
部長「上の連中が欲しがってるものを提供した上で、性癖知れたら、話すときマウント取れません?よしっ
・・・第二式神量産部を組織して、効率的な量産体制が整ったのはいいものの、交渉苦手だからって不利な条件をとってくるな!
・・・話し合うときは、優位な立場をとるため、まず、自分の専門の事を相手の依頼や状況に絡めて話し始めて、そのまま自分のフィールドで交渉するといいですよ。
もし相手が自分が作った式神を持っていたら、自分が作った式神の調子はどうですか?という風に」