~鳥獣捕獲玉の書~ 著ヒスイのコテツ   作:まるまーる

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現代の夏の一コマ 上

ジョウトのとある田舎

自然豊かで虫達がイキイキと人と暮らしている所だ

そんな場所に僕のようなコガネのシティキッズが

貴重な夏休みに訪れたのは

寂しく暮らしている爺ちゃんのため……ではないっ!

 

お前達の尻尾はいつ撫でても…たまんねぇなぁ…

 

『やぁん』

 

香ばしい匂いも最高だし このプニプニひんやり?って感じが良い

 

『‥‥やぁぁん』

 

今ドンびいてる人…いる? 待って話を聞いてくれ!

お気づきの方もいるかもしれないがそう!

ピンクで割とでかいが優しく愛らしい レスポンスは遅いがそこもチャーミング!

言わずと知れたこの田舎の隠れアイドル『ヤドン』だ。

 

何を隠そうこの田舎の井戸に住んでいる彼彼女等に僕は毎年会いに来ているのだ

まぁひんやりしていて避暑地代わりにさせてもらっているのもあるが

ヤドン達はそれぐらいの事では怒らないしのんびりボケっとしている様に見えて

毎年来ている僕の事を覚えてくれている?

 …気がするのでたぶん迷惑ではないだろう。

 

さぁ用意していたポケモンフーズを振舞い 

サイコソーダとこの週刊ポケスナップを見ながらヤドン達に触れ

今日も有意義な夏の1ページにさせて頂こうかな!

 

とほくそ笑んでいた僕の隙だらけの耳に聞きなれた怒声が外から聞こえてきた

『~~~バカ孫‼ ここにおるなぁ‼』

 

予想はしていたけど早いっ早すぎる

僕のカウチポテトタイムは後3時間は維持できる予定だったのに…

 

井戸の上から聞こえる怒声をそのままに居留守をすると

鈍感なヤドン達もさすがに不安がるだろうし素直に出るとしよう。

 

憂鬱なきもちで縄梯子を登り 井戸から地上に着地したとたん

いつものゲンコツを食らうこととなった、くっそこのジジイ

ゴツゴツメット被っといてやろうか…

 

『手伝いのボングリ集めをサボって 井戸に行くな アホ!』

理不尽な怒りにも見えるがサポったのも事実 素直に謝るとしよう

『イヤぁ このアッツい日にヤドン達が干からびてないか心配で…ごめんなさい』

もちろん嘘だ ヤドンは自分たちで干からびてしまう様な場所には行かない

必ず水辺の近くを通って生活しているので

人為的な悪戯がなければそんなことは起こらない 

僕がサボったのは若さゆえの我慢の聞かなさ…かな

 

『またアホなこと考えとんな バカ孫…』ハァっとため息一つ

爺ちゃんは頑固で気難しそうに見えるが割と切り替えが早い

コガネスクールの先生みたいにグチグチ言わない所が好きだ。

 

『帰っぞ 近くの青ぼんぐりだけでも手伝ってもらうけどエエよな』

忘れてたが珍しく注文があった気がする青だと…るああ……アクアボール? 

あってもなくてもこの時期の僕の頭はヤドンでいっぱいで毎年迷惑をかけている

ヤドン成分を補給すると冷静になってきて申し訳ない気が出てくるから不思議だ。

 

『持ちのロンだよ 爺ちゃん …取り終わったらヤド』

 『ダメや』 

 

……はい 帰る前に井戸の底を見る

 ヤドン達がむしゃむしゃとフーズを口に蓄えながら僕を見に来てくれていた

名残惜しい気持ちを込めながら手を振る 

やぁん と小さく重なりながら聞こえてきた声に僕は感激しながら帰ることとなった。




ここまで見てくれてありがとう!
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