コトノコーヒー 姉の呟き   作:みえふぁ

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やればまあできる

やっぱ暑いとアイスコーヒーがおいしい。水分補給感はまるでないし、実際そういう目的で飲むのは良くないって話も聞いたことあるけど、それでも飲みたくなるし、飲んだらそれはもうスッキリするのだ。でも汗かいて帰ってきて、もう喉カラッカラやわーってときに飲むのはまあ、コーヒーではないな。麦茶が一番である。

 

駅から歩いてきたんやろなってお客さんも、真っ先に水から口につけることが多いと思う。今度から暑い間は水やなくて麦茶出すことにします?我が家で飲んでる普通の安物やけど。けど水とコーヒーの組み合わせの良さってもんを最近ようやく知ったところなんで、メニューに載せるのは抵抗あるな。裏メニュー的な感じでやるにしても、我が家の冷蔵庫から取って来ることになるから半端に時間かかるし明らかに割高な値段になる。それでもよければ麦茶も出しますよ?いや、裏メニューにはいい思い出ないしやっぱやめとこ。

 

この前お世話になってる商社さんと話してる時に高校生組が来店した。時間帯なのかこの組み合わせがお店で鉢合わせるってことはたまにあって、その度に商社さんが逃げ出して終わるんやけど、今回は話が盛り上がってる途中だったのを惜しんだ葵と、元気な高校生組による「いーじゃないですかー」って感じの引き止め攻撃により、残ってくれることになった。商社さんのその後の予定に余裕があったのも幸運である。そんなわけで、葵に商社さんに大人しい子を加えた3人によるコーヒー談義が始まった。ウチと金髪ちゃんは話を聞いたり聞かなかったりしながら、ときどき茶々を入れてた。

 

さて、私はこのブロク内で酸味が苦手って話を何回かしていると思う。実際お客さんの中にも、あのきゅって来る感じの酸味が苦手って人は結構いたはずだ。でも、そんとき葵たちから聞いた話によると、どうもそんな単純なことでもないらしい。酸味にも質が良いのと悪いのとがあるらしくって、我々のような人種は、どうもその質の良くない酸味ってものが苦手ということだ。葵曰く、たまにウチの苦手なコーヒーか判断しかねるのは、質が良いか悪いか判断つきにくいときらしい。

 

話を聞いても実感はない。頭でいくら理解しようと、結局舌の方が追いついていないからだ。でもまあ、正直言って私は苦味とか酸味とかろくに判断つかなくて、葵にこれがこの味だよって言われて初めて「はーなるほど、この変な嫌なやつが酸味という名前なんやな」という認識ができるようになるのだ。これから覚えてきゃ、いつか酸味の良い悪いも区別つくようになるかもしれない。この人らは一発目から区別できて羨ましい限りですけど、まあ凡人は凡人なりにがんばっていきゃいいのである。隣の金髪ちゃんが話聞きながらも頭の上にはてなマーク浮かべまくってるのを見て、私は凡人なりの努力というものを実感した。ふっふっふ。


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