コトノコーヒー 姉の呟き   作:みえふぁ

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準備は大事

さて、今年もどうにかこうにかこの休みを乗り越えることができました。ちょっと有名になったことでお店に来てくれるお客さんももちろん増えたんやけど、今回は通販も忙しかったのが何より大変だった。今までは営業時間が終わって明日の用意さえしてしまえばだいぶ解放されたけど、通販の方が活発だとそうもいかない。どんだけ売れてどんだけ在庫が減ったのか、また新しく入る分とか予約されてる分とか、変化がいつもより不規則やからなかなか気が抜けない。んで発送用に用意してってやってたらもう寝る時間である。夕飯作ってる時間も惜しかったんでここ数日は弁当で済ませてた。お弁当屋さんの弁当って普段は食べやんから割と特別感あって好きやったんやけど、もうしばらくはいいかな。

 

あと、思ってたより勢いがすごかった。気持ち余裕をもって発注しといたはずなんやけど、もうばんばん減っていく。その上葵は「これ注文していい?」とリストを見せてくる。この際在庫が増えるのは願ったり叶ったりなんで、特に到着が早そうな豆なんかは何も考えずゴーサイン出してた。とにかく仕入れて売って仕入れて売っての繰り返しだ。

 

こうやって書くと大繁盛みたいに見えるしまあ実際繁盛してるとは言えるのだろうけど、そこは仕入れに計画性がないことに定評のあるコトノコーヒーだ。売ったほどの儲けはない。忙しかったから値段設定を葵に任せた部分もあったんやけど、確認してみたらまあ低めだ。露骨ではないけど低い。いや、今さら文句があるわけじゃないんだけど、疲れもあって気づいたときに笑ってしまった。葵には働きすぎておかしくなったと思われた。お前のせいやわ。

 

とにかく経験したことのない忙しさだった。初めてこういう休みの忙しさにあたったときは「喫茶店の忙しさちゃうやろ!」とか思ったもんやけど、今になってみればあんな程度かわいいものである。休み前に痛めた腰も治りかけてたんやけど、忙しさの中でまた復活してきたっぽい。明日の休みは一日中家で動かない方針に決定だ。私が想像してた喫茶店経営ってこういうのじゃなかった。もっとこう、落ち着いた空間でのんびりお客さんとお話するようなあれを想像してた。いやそれもそれでやってるんやけど、忙しさの波があった、場合によっては腰が逝くとか聞いてない。ドラマの喫茶店も、もうちょっと忙しそうにしてる描写を挟んでくれないと、ウチみたいな素人は後悔しちゃうのだ。あー、また薬局行ったときに湿布買っとかななあ。

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