また来週あたりに新しく豆が入ります。この前面白そうなのを葵が2つ3つ選んで、それはまた明後日に届くんですけど。その話をした翌日に同じ商社さんから「こんなんいりませんかー？」っていう電話がかかってきたのだ。多分買いすぎたとかやったと思うけど、何やら向こうの方で買い付けにミスがあったらしくて、本来の価格より安く売りに出すということらしい。とりあえず、古いとかで低品質だから安いってことではないという話だった。そんときはタイミングの悪いことに葵がおらんくて、でもそんなに量があるわけでもないらしかったんで、ウチの独断で思い切って購入することに決めた。何気に私だけで仕入れる豆を決めたのは、コトノコーヒー開店以来初めてのことじゃなかろうか。そんなことを葵に言うと「覚えてるだけでも3回はある」と返されてしまった。言われてみればそんな気もするけど、うーん。
さてそんな豆ですけど、元は結構お高い。といっても最高級ってほどじゃないけど「半年に一回、自分へのご褒美に買うってなって初めて手が出せるライン」といつかに紫ちゃんが言ってたぐらいにはお高い値段帯である。分かりにくいな。それが今回買えたものは、紫ちゃんが普段買ってる値段帯ぐらいまで落ちた感じだ。これにはお小遣いの限られた学生諸君もニッコリなはず。
素直に数字を言うと本来100g900円(ぐらい、たぶん)の豆が500円です。よく頼まれる200gで考えるとだいたい800円引きである。なかなかえらいことだ。葵が一番喜ぶパターンやと思ってその電話で買うことにしたわけやけど、これで下手なもの掴まされてたらと思うとちょっと不安だ。いや、相手の担当さんもそこそこの付き合いやから大丈夫やとは思うけどね。それに今回は大丈夫でも、いつか本当に悪どい相手に騙されるかもしれやんわけで、今後はもうちょっと考える時間を作ることにします。今回は葵に後で報告したら「よくやった！！！」っておお喜びで褒めてくれたんで、まあ冷静になってても買ってたやろうけど。
しかしうちは安く仕入れられてラッキーやけど、名前しか知らない買い付けをミスった会社さんは大変やなあと考えてしまう。ましてやミスった本人がおるんならその人はそれは大変なことやろうし、想像するだけでちょっと胸が痛む。社会は影で頑張ってる人たちがいるから成り立っているみたいな話は聞くけど、誰かがミスったおこぼれで我々がお高いコーヒーを安く飲めるっていうのは、なかなか不思議な話である。どこかの可哀想な人にせめてもの感謝をしつつ、来週から売りに出すことになります。本来はもっと生産者さんとかに感謝すべきなんかもしれやんけど、今回ばっかりはその人に向けて。