コトノコーヒー 姉の呟き   作:みえふぁ

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気遣いもほどほどに

前に言ってたお酒のやつが今日届きました。相変わらずウチは豆から漂う匂いだけでもひるんじゃうけど、葵は飲んで満足そうだったんで今回も悪くないんやと思います。もう通販の方にも出したけど何せ味が特殊やから、まだ飲んでない人はできればお店にきて、試飲してってほしいっていうのがウチら二人の気持ちです。マジで好み分かれるし、お試しで買うには値段高すぎるし。オススメした豆を断られると分かりやすくしょんぼりする葵も、今回は「合わなかったなら仕方ないか」って感じの反応をするぐらいだ。

 

飲んだら買わなあかんってことも今さらないんで、遠慮なくどうぞ。常連さんたちなんか、もうほとんどの人は葵に何勧められようが断るときはバッサリいくし、どんどん断ってください。できるだけ早く慣れやんと、ずっと葵の悲しそうな目に惑わされているようでは、コトノコーヒー通ってるうちに財布がすっからかんになりますからね。ほどよい値段のコーヒーは勧めずとも勝手に売れるんで、あの子の勧める豆はだいたい高い豆やし。「この人いっつも断れてないな」って思ったらウチもできるだけ止めに入るようにはしてますけど、まあ限界がありますし。ほら、見るたびに捨て猫拾いまくってたらキリないでしょ?ちゃんと自分に余裕があるか確認して、それから拾ってあげてください。ウチもあの子もお客さんにコーヒーで破産とかしてほしくないんで。

 

お店とお客さんの間なんやから遠慮とか気遣いはお互いいくらでもあるんやけど、「別に気遣わんくってええのになー」って思うこともちょいちょいある。ぱっと思い浮かぶのだと、お店に誰もおらんからってウチと葵で雑談してるところにお客さんが来て、ちょっと申し訳なさそうに入ってこられるのとか。こっちが仕事中に話してたのが悪いんやし、何なら気にせず入ってくるお客さんのほうが多い。でも正直逆の立場ならウチもちょっと申し訳なさ感じるやろうなあと思って、いつからか雑談中も窓の外を気にするようになった。意外と葵の方が先に外のお客さんに気づいたりする。気づいた方から雑談中に突然すっと黙って、もう片方も察して勝手に黙って、あとは笑顔で「いらっしゃいませ」で完璧である。

 

そういえば、最近はあんまりお客さんにブログに書く許可をとってない。あ、許可とらずに書いてるってことじゃなくて、そもそも書こうって思わないから許可の話までしてないって意味です。私もブログ書くのに慣れてきたってことなのか、それとも気合入ってないからお客さんの話まで書こうと思えてないのか。わからんので前者ってことにしておこう。思わず書きたくなるようなお客さんを見つけたらばんばん許可とってくつもりではありますけどねえ。


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