私は一応、開店前に在庫の残りとその品種と国名が載ってるリストを見るのだけど、生活の中では聞きなれない国名がちょくちょくある。東ティモールなんかは、コーヒー関係ではよく聞くけどどこにあるかも知らない国筆頭だ。南米の方かな、と思って調べてみたら東南アジアでした。地球の裏側くらいかしらと想像していたら思ったよりご近所さんである。
さて、開店前と言っても開店時間が10時なので、私たち姉妹の朝はゆっくりと始まることが多い。家がそうだったので基本ご飯派やけど、たまに気が向くと、私がパンを焼いている間に妹がコーヒーを淹れてそれで朝ごはんとすることがある。基本的に洗い物はその時々でどっちかがやるのだが、こういうときは葵がやってくれることが多い。コーヒー淹れた後だと気分が良いから洗い物くらいやってあげたくなるそうで。私も好物のパスタとか作ったあとは、普段はご免な一緒に食べた家族の分の洗い物も「ああはいはい、それくらいウチがやりますよ」という気分になるのだから不思議だ。葵には似たようなことがお店でも起こるようで、営業中に接客とか食器洗いなんかを申し出てくれることがある。もちろん断るのだけど。コーヒーについては任せっきりなのに他の仕事までとられては、私にも姉としてのプライドがあるので。
開店時間といえば、いつかにモーニングはやらないの？とお客さんに聞かれたことがあるけど、多分しません。まあ単純に朝ごはんにできるような食べ物をお出しできないというのと、今から新しいことを始めるために、早く起きるというのは、ねえ？考えてもみてくださいよ。今まで8時9時に起きればよかったものが、もっと早い時間に起きなきゃならなくなるんですよ？いや、モーニングを食べに来るような人はそれくらいの時間に起きてるんでしょうけど、私たちとしては、なかなか手は伸びないというものです。
またまた話が変わるけど、今さっき葵から聞いたので書きます。また新しい豆が入りそうです。例のお高い豆を紹介してくれた人からまた連絡が来て、今度は品評会入賞にあと半歩届かなかったくらいのものだそう。何をそんな中途半端なものをと思われるかもしれませんが、入賞品というものは、そうなった途端にお値段がはね上がるのだ。ギリギリ入賞してないくらいの、何でも今年は激戦だったらしく、年が違えば入賞していたかもしれないような良い豆が、それなりのお手頃価格で手に入るということである。またまた何でそんな良いものをうちに回してくれるのか、ちょっと恐ろしくなってきた。
「届くまでどれくらいでしょうか、2週間はかかりますか？」といったメールを送ると、「そんなに待たせはしません。すぐにでも」と返ってきた。この前のお高い豆も頼んでからえらい早くに届いたので、たぶんすぐ届くと思います。
なんか期待でもされてるんやろか…？朝9時に起きるようなダラダラした生活なんかしてられないのかも…。