先日、用事があってちょっと遠出したときに知らない喫茶店があったんで、入ってみた。敵情視察ってわけやないけど、こういう立場になってからは見かけたら立ち寄る、というのが増えたと思う。喫茶店・カフェと銘打っていれば特に考えずにお店に入るようになった。
んで、その日入ったお店はハンバーグとかパスタとか焼きそばとかもあるような、そういうタイプの喫茶店やったんやけど、こちらはついさっき、別の場所でお昼を済ませた後だった。けどこういう感じの喫茶店は、なんというか、コーヒーだけ頼むというのも何となく気が引けてしまうのだ。コーヒーも350円とお手頃価格やったもんやからなおさらである。どうしようかとメニューを眺めていたら、ケーキセットが目に入ったんで、それを注文した。
そしたらこのケーキのおいしいこと。チョコケーキを頼んだんやけど、さすがに高級感はなくても、コンビニのスイーツみたいな軽っぽさは感じられなくて。しっとりしてて、手作り感もない。コトノコーヒー食べ物係、敗北の瞬間である。席座る前に、近所の大学生男子2人組っぽい感じのお客さんが焼きそば頼んでお店の人と楽しそうに談笑してるのを見ていて、そんな本格的なのは出てこやんやろと思ってたのもある。お店の雰囲気も、地域に根付いてる軽食メインって感じだったし。
コーヒーもおいしかった。こっちもブレンドとアメリカンしかメニューになくて、まあこんなもんかなと油断してたら不意をつかれたのである。あと、酸味強めで苦味控えめのブレンドコーヒーだったのはまあまあ驚いた。ブレンドコーヒーと言えば無難オブ無難みたいなイメージがあったからである。そのへんの役割はアメリカンに一任してますということやろか。値段の割に量もあるし、文句なしである。
コトノコーヒーには一応、お腹にたまるものとして、申し訳程度に小倉トーストがある。お腹を空かせて来てくれる初見さんもいるだろう、ということで用意してあるわけだ。ただ、食べ物系の中では一番注文が少ないので、需要があるかは怪しいところ。
そうそう、常連さんのなかにも、コーヒーも食べ物も毎回頼むものが違う人と、固定されとる人がおるんやけど、女子高生ちゃんの金髪の子がついにこの前、「いつもので」と言ったのである。席に座る前から妙にそわそわしてるし、いつも席ついたらさっさと注文するのにちょっと遅いし、どうしたんかなぁと思ってたらこれが飛んできた。彼女はちょっとニヤついていた。多分、それを聞いたウチもニヤッとしてた。ウチも高校生で同じ立場ならやってたと思う、馴染みの喫茶店での「いつもの」である。コーヒーが好きな人ほど来る度に注文を変えることが多いので、こればっかりはコーヒー素人の特権だ。皆さんと違ってかっこつけにコーヒー飲みに来とるんやから、やれるだけかっこつけてやるのだ、フッフッフ。