メニューにレモンケーキが載りました。なので、もう拝んでもらわなくて結構ですよ…？そう言ってもやるお客さんはいるんで、まあ禁止するつもりもないし、拝みたいのなら拝んでもらっていいんですけど…。ウェルカムボードにもでかでかと書いといたんやけど、まだ半分ぐらいのお客さんが続けている。前に来た葵の友達が今日また来て、このブログを読んでもらってたのか、注文の最後で恥ずかしそうに控え目に手を合わせてたから、葵が横から「もうメニューに載ってるから拝まなくていいよ」と教えると、顔を赤くしてちっちゃい声で「レモンケーキ…」と口にした。うん、まあやりたくない人もおるやろうし、やっぱりこのシステムよくないね。ただ、こういう事情を知らん人が恥ずかしそうに拝む姿が見たくもあるので、あんまり積極的にお知らせするのはやめておこうと思う。とりあえず、ウェルカムボードから消しておこうかな。
そういやこの前、アホがコーヒーとケーキのお礼をしに来るとか言ってたことを書いたんやけど、今日そのお礼をしに来た。「昼すぎにお邪魔する」と連絡があったんで、その時間ぐらいに追加の招き猫か麻袋かを持ってくることを警戒してたわけだ。そしたらまず、昼過ぎと言っときながらお昼手前ぐらいに来おった。まあそのぐらいはやりかねんやつやけど、持ってきてたものが、招き猫でも麻袋でもなく、ようわからんケースである。高校生ちゃんがよく担いでくるギターケースよりは小さい。それを見た葵が「バイオリン？」と聞いた。なるほど、確かに言われてみればバイオリンのケースっぽい。でもまあこいつのことやし、そのケースから変なもん出てくるんやろなあやろなあ、ウチならそうするしと思ってたら、どや顔で普通にバイオリンを取り出した。
え？弾けるん？ってなったけど、こいつがバイオリン弾けるなんて聞いたことないし、偽物かなんかで、これを飾れということかと考えた。んで、ありがとうなあって言って手を差し出したら素直に渡してくるから、ああやっぱりかって思ってたら「ちゃんと覚えてないけど何百万かはするから気を付けてね」とか言い出すからすぐ突き返した。どうやらマジモンみたいである。そういやこいつの家裕福やった。しかし、本物なら飾るわけにもいかんやろうし、これ持って何しに来たんかほんまにわからんくなった。
混乱するウチを放置して、アホが葵に「ここって弾いてもいいの？」と聞いていた。葵が許可を出して、せっかくならと店内でかかってる曲を止めにいく。ウチが、え、弾けるん？と聞けば、ある程度は、と返された。昔習い事でやってたとかで、「ウチそんなん聞いたことないけど」と言えば「言ったことないし」と平然と答えやがる。いや、見た目はまあいいから似合う似合わんでいえば似合うんやけど、全然そんなイメージがなくて、しばらくショックでぼーっとしてた。ぼーっとしてるうちに準備が済んだみたいで、休日のお昼前、そこそこのお客さんのいる中で、こいつの演奏が始まったのだ。バーでピアノが演奏されるとかならイメージあるけど、喫茶店でバイオリンは初めて見た。隣にアホ面の招き猫が並んどったから余計に違和感がある。
そんでまあ演奏が始まったわけやけど、なかなか上手だった。ウチも葵も楽器は素人やし見る人が見りゃあ拙いもんかもしれやんけど、素人目に見て「すげー」となるには十分である。コーヒー飲みながら聞くにはちょうどいいぐらいの曲の雰囲気でもあった。途中から調子こいて激しめになったんで、そのときは止めに入ったけど。
その場にいたお客さんからも好評だったんで、また機会があれば行われるかもしれない。そうなれば時間の告知とかもしたいけど、今日だってあいつ昼過ぎとか言いながら昼前に来おったしな…。