私は、基本的に酸味のあるコーヒーが苦手である。お店でお客さんの話を聞いてても、こういう人は結構多いように感じる。んで、その酸味だらけの豆のサンプルが今日届いて、さっき飲んできたわけだ。いつもみたいにまずは妹が先に口にして、ウチの好みかどうかを判別して言ってくれる。これでウチが好きそうな味やったらすんごい期待を込めた眼差しを向けてくるんやけど、今日は「これはお姉ちゃんは苦手かも」と言ってきた。少しだけ恐る恐る飲んでみたら、もう酸味全開といた感じだった。でも、これはたまらんと思ってさっさと牛乳を入れてみたら、途端においしくなったのだ。ウチがいややと感じてた部分が消えてる上に、ミルクとの相性がめっちゃいい。普段は「コーヒーに牛乳入れたやつ」なのが、ちゃんと「カフェオレ」になっていた。
これがなかなか衝撃的で、ブラックで飲んでる葵に「とっととミルク入れてしまえよ」と急かし続けた。いつもと立場逆転である。ホントに酸味が強いみたいで、葵にしては珍しくマグカップ半分ぐらいで止まってた。んで、そんなに言うならとミルクを入れたら、驚いてくれてて嬉しかった。葵はいっつもこんな感覚やったんかなあ。メニューのほうにも書いたけど、一口飲んだあといきなりミルク投入がおすすめだ。酸味が苦手な人ほどおすすめしたいコーヒーである。値段もそんなに高くないので、ぜひどうぞ。ホントにすごいぞ。
思えば、葵がいなきゃコーヒーにこんな色んな味があるなんて知らないで過ごしていたんだろう。葵ほどじゃないけど、私もコーヒーの味はわかる。でも、それとコーヒーに興味を持つかはまた別の話なわけで。たまに行く喫茶店でベタなコーヒー飲むくらいで終わってたはずだ。あの子がいなかったら知らなかったものであり、そういう意味じゃ、世界が広がったということなのだろう。
もし葵が急にどっかへ行ってしまったら、ウチはもう、普通のコーヒーでは満足できないのだろうか。考えてみたけど、そんなことない気もする。ミルで挽くのは電動のやつでもめんどうやし、そうなったら粉で買うようになるんかもしれやんけど、粉も粉でメンドくさくなるんじゃなかろうか。んで、最終的にはインスタントとかで満足するのだ。でもなんかのきっかけでまたドリップしたコーヒーが飲みたくなって粉で買って、前に使ってたミルを出してきて…みたいなループに入るんやと思っている。はまってる時期なら、200g1500円ぐらいまでなら手を出すかもしれやん。まあ、それぐらいのもんやと思う。
今通ってくれてるお客さんでも、一時期よう来てくれてたけど最近見やんなあとか思てたらまた来始めた、みたいな人はいるにはいる。ああいう人は多分、ウチと同じ感覚の持ち主じゃなかろうか。
でも、完全にもとの感覚に戻れるかと言われたら、難しい気もするなあ。ベタなのばっかり飲んでると、たまに変なクセのあるやつが飲みたくなるんじゃなかろうか。そのへんコトノコーヒーは完璧ですよ!クセのある子たちに偏りすぎてるかもしれませんが…。